性態形の衝突/The Clash of Male&Female.
【用語】
『マルチタスク（人間）』
：複数の行動、最低でも三つ以上の目的に沿った個別の行動を同時に行う能力。動物なら出来て当たり前の機能であり出来なければ（そして飼育されていなければ）死ぬ。かのWikipediaのいつも通り誤った記述他に「マルチタスクにより作業効率が落ちる。シングルタスクにより作業効率が上がる」と言う頭が悪い奴にしか考えられない研究めたある。そも作業っていうのは反復動作であり機械の模倣。そりゃ動物には苦手で人間には不可能だわな。作業効率を基準にする辺り人間を機械の代換にすることなんですが……狂気の沙汰。集中力が高いは作業効率は高いが視野が狭くなるので飼育されないとすぐ死ぬ。成長過程の子供ならば当たり前なのだか、成長期以後もそれなら不治の病。発達障害ではなくて発達失敗。馬鹿は死んでも治らない。ながら歩きで死ぬ類いが集中力が高い欠陥人間。飼育されている年代、中高生くらいで勉強と名付けられた作業が得意なのがその類い。それらの種族から剪定を繰り返した果てに霞ヶ関が成立するので終身隔離治療が求められる。
異なる性体系が出会った。
――――――――――もう始まってますよ。
戦場で拾った。
現場で拾った。
市場で拾った。
会場で拾った。
血肉が跳び散り街や家々を壊して死体が廃棄待ちの刻。
拾うのは貴男だけですけど。
まあそれだけ仕事をしないで余所見してるんでしょう。
拾うのは当たり前じゃないですか。
絶対に拾いたくなんか無いですよ。
拾えるだけの相手ならばですけど。
だから拾った
・・・・・・・・・・そこから先がいただけません。
ハードウェア。
ソフトウェア。
不可分な関係をバラしてる、
勝手に。
強引に。
無理矢理。
既存の自己を斬り離されて。
ソフトウェアは良いですよ？
ハードウェアは放置ですか？
一人の人間の中で衝突が生じます。
――――――――――融合するための混淆。
それは二人じゃないと解決できないんですからね？
【異世界大陸北東部/占領地中央/太守府/国際連合統治軍拠点/軍政司令部付メイド私室/青龍の貴族】
俺の歩みはマルチタスク。
歩く。
視る。
考える。
彼女たちへ仕掛ける。
マルチじゃない？
メイド五人衆の私室。
メイド五人衆の一人。
踏み込み。
彼女を為す。
それと気が付かれないように、五回繰り返し。
精神的問題には一対一で向かい合わせること。
歩き。
掴み。
考える。
マクロの問題。
検索。
確認。
結論。
異世界転移は解決出来ない。
文明の衝突は、敢えて放置。
ごちゃごちゃ考えるのは暇が無くても出来ます。
心、此処に在らずとも体があれば、こと足りる。
ミクロの問題。
把握。
確認。
対処。
不眠症の子たちは眠らせる。
一人で眠れる算段は考慮中。
俺は、ながら歩きが得意で日常。
スマホ操作しながら走る。
指揮をさせながら走る。
言い訳しながら走る
ながら走りじゃねーか！
――――――――――マナー違反？
何がマナーなのやら。
マナーと言いたきゃ半世紀後に出直しな。
だいたいソレで済みます。
合理的な理屈も無い。
注意したから責任はありませんってヤツ。
線路から落ちるのが怖けりゃ電車に乗るか。
喉に詰まるのが怖かったら餅が食えるか。
遅刻欠勤が怖くて就職就学するか。
万が一、それはリスク？
スマホが在ろうが無かろうが同じこと。
周りが観えない奴は産まれるてしまう。
幼児期で発達が止まって認識力が無い。
万が一、それはコスト！
リスクをゼロにするより、コストと割りきった方が安くつく。
欠陥を無くす費用。
欠陥犠牲の賠償金。
差引きすると最適解。
同じ同じの謎マナー。
実際、日本人の平均値なら事故ったりしない。
でなけりや其処此処で人が死んでスマホなんか売れん。
極端に無能な一群の連中が事故って巻き添え。
ダーウィンアワード・ノミネート。
まあ、ながらが出来なきゃ、戦争も出来ませんけどね。
つまり戦争は誰にでも出来ますから代わって。
今は違うよ、今は。
走らず歩く。
多世界と子どもら。
一つの問題。
いくつかの可能性。
同時に検討。
考え中も留めない。
同時に実行。
俺じゃないと出来ないこと。
・・・・・・・・・・今は。
部屋の入り口すぐの中。
広い部屋には十分なスペース。
真ん中なら一組ワルツが踊れる。
ベッドとベッドの間は３ｍほど。
ベッドのサイズは世界標準セミダブル。
ベッドにも日本ローカルがあるんだよなぁ。
恥ずかしそうに立ち竦む少女たち。
衣装を恥じているわけではないな。
むしろアピールを続けているから。
さて、俺だが。
いつもの正服。
いつもの歩調。
いつもの無言。
ちゃんと、ただ観てるように観えてる、と視てとれる。
もう始めている。
ナンパと同じ。
言葉より態度。
観れば観られる。
敢えて視点を広くとり、観ていないと観せることから。
視ているけどね。
効果を狙い結果を確認。
しないことこそしていること。
状況。
飾り気はないが部屋自体が装飾さるてるから良し。
入り口に正対するベランダから注がれる陽光。
部屋全体を幻想的に観せるのに役立つ。
そう。
役立っているが、幻想そのものじゃない。
春の陽光を幻想にしているのは五人の少女。
ブロンド。
ブルーアイ。
白い肌に白い陽光。
輝く衣装に本体に。
良く視ると直立不動じゃないんだな。
モジモジしながら俺に注目している。
鼻。
乾いてません。
瞳。
潤んでいるかな。
唇。
しっとりとしてる。
吐息。
食物の香りがしない。
健康状態を診るなら肢体の開口部に注目。
汗。
涙。
息。
唾液。
これらは体内からのメッセージ。
この辺りはマメシバがモニター。
こいつが信用為らないから目視。
医師である前に乙女チック・クリーチャー。
恋愛至上主義実践活動家。
恋する乙女が絶対正義。
恋愛で全てを解釈してる。
性愛と恋愛を区別しないあたり臨床医としても優秀。
あるべきとあることの相違。
精神科医でも牽き擦られる。
あるべきをもとにした誤診。
マメシバはあることを認めた上であるべきを創る。
既存の価値観を否定する。
理想の価値観を現実化したい。
ほぼほぼテロリストです。
異世界少女童女幼女に入れ込んで、俺に同行中。
だからこそ、危険なら緊急医療を始めている。
マメシバが診てるだけなら死と後遺症は無い。
急いで眠らせるため、じっくりといかせよう。
そも肢体の機能障害なら俺に言っても仕方がない。
肢体は良し！
気持ちはどうか？
視れば判る。
それこそ俺の熟練分野。
言葉で判る気持ちなんか無い。
判った気になるアレは居るが。
言わなきゃ判らんなら他人だ。
何も知らなけりゃ知りたくも無い相手のこと。
無関係じゃなきゃ伝わるから。
言質をとるのは詐欺師の手法。
アレは嘘、って返すのは三佐。
普段の生活でも他人を黙らせるのに有効だよ。
言葉は基本、無視。
視なきゃ判らん。
独り独りに再注目。
メイド五人衆とまとめるのは、無理があったかな。
一人一人で主張が違うんだもの。
全員、同じ寝間着かと思ったが。
そも服を着てる方が可笑しいか。
これから眠るだけ、なのであれば。
異世界では寝る刻は裸です。
これは貧富の問題ではない。
むしろ特権階級の方が裸だ。
寝具が整っていれば不必要。
貧民は布団が無いから布を巻く。
それが服なのかどうか解釈次第。
ともあれメイドは特権階級。
特権階級に合わせて暮らす。
王城メイドなら尚更のこと。
だから寝間着は持っている。
メイド服から寝間着まで。
上から下まで支給される。
そして寝間着は、寝る部屋で着る服、のこと。
決して睡眠中に着る服という意味ではない。
正しく言い直せば、部屋着だろうか。
もっとも一般的に着る機会は無いらしい。
異世界メイドの勤務時間。
夜明けから日没まで。
部屋で休む時間など無い。
暗くなれば眠るのであって休まない。
朝、起きてメイド服に着替える。
主が寝る頃には日が暮れる。
蝋燭の微かな明かりは使用人のもの。
主が陽光を使い切った後。
かろうじて部屋に戻る為。
当然、何をする明かりなどはない。
メイド服を脱いでハンガーに掛け。
全裸でベッドに潜り込んで、眠る。
メイド服の手入れは翌朝。
寝間着はステータスシンボル。
与えられることに意義がある。
――――――――――普通のメイドは。
もちろん王城勤め、国際連合統治軍の軍属は違う。
勤務時間も基本給も残業手当も労使協定も決定済。
軍政司令部付メイド五人衆とメイド長は照明も可。
執事長も可です。
今のところ王城全体に照明施工はしていない。
照明が使えるのは軍政司令部内居住者。
もしくは緊急対応が必要な軍属の責任者たち。
エコロジーごっこと違い節電してない。
私用で照明を使って夜を過ごしてかまわない。
だからメイド五人衆が寝間着をまとうのは可笑しくない。
――――――――今は、早よ脱いで眠ろ、って話だが。
野暮は言うまい。
眠れたら眠てる。
だから俺が来たのであって。
俺を待ってるなら寝間着か。
待たせたのは俺かもしれず。
確認する
・・・・・・・・・・その一言が逆効果。
眠てるのを確かめに行く。
――――――――――ではなく。
皆の私室に行く。
・・・・・・・・・・と受け留められた。
間違ってないけどな。
そりゃ偉いさんが来るなら出迎えるわ。
一番良い服に着替えるのは女の子だな。
仕事中じゃなけりゃ部屋着もありだろ。
彼女たち一人一人のチェストは、それなりの大きさ。
メイド服はハンガーとハンガーラック。
一人一つの姿見とセット。
寝間着は着ているが支給品じゃないな。
チェストにしまったまま、私物を纏うことにしたか。
王城の奉公人には余暇が生まれたから。
一ヶ月半位前からだけど。
俺たちが居る間はだけど。
撤収する時は希望者を転勤させますが。
余暇の発生により消費の余地が生まれる。
彼女たちが私服を纏う様に。
他の奉公人たちもそうかな。
メイド長に訊いてみようか。
玩ぶ態で呼び出して肩透かししてみよう。
ならば数ヶ月置く必要があるか。
あくまでも消費の余地だからね。
変化から二ヶ月経ってないから。
実際、メイド五人衆が肢体に纏うは、地産じゃない。
オーダーメイドは当たり前として。
レディメイドなんか無い時代。
古着ってこともない肌着。
技術の高さと値段の高い素材を惜しみ無く使ってる。
異世界最大産業、穀倉地帯が太守領。
豊かな太守領の中で富が集まる太守府。
大陸でも特権階級の嗜好品を造る職人達。
現代日本でプロフェッショナルを凌ぐのは困難だが。
やらかしやがった。
何処の予算なのか。
訊かない方がいい。
うちの予算を誤魔化すのは通常業務の範囲だから後で恥ずかしい目に逢わせてやる。
メイド五人衆が纏っているのは上質な
――――――――――マメシバ印。
ロゴマークは無いがスタイルで解る。
創造に不可欠な感性。
創作物には表れる。
創作者のメッセージ。
本人は隠しているつもりなんだろう。
表したくない。
そう願ってる。
隠せるもんか。
お前にはもっと隠すべきことがあるよね。
俺が３６０度回頭して視界に入らない辺り。
・・・・・・・・・・さっきまで見切れてたくせに。
作者は作品の邪魔！
――――――――――そう主張して止まないマメシバ。
早々にバレたのが悔しいのだろう。
判りやすい動作しやがって。
