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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十八章「帰邦事業」

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生態系の衝突/The Clash of Ecosystem.

【用語】


『ダーウィン・アワード』

:異世界転移後に復活している「三大世界的珍表彰」のひとつ。

受賞者は人類に限られるが、異世界人/種族との交雑が確認されたら拡大することが既に決定している。

ノミネート条件は

「愚かな存在であることを立証する行為」

「その愚劣さで死亡、あるいは生殖能力を失う」

「劣等な遺伝子を継承する子孫を残していない」

という困難な事実により

「残してはいけない遺伝子を抹消し人類の進化に貢献した人」

を称賛する賞。

なお、他の「三大世界的珍表彰」としては「イグ・ノーベル賞(笑えるけれど真面目な研究/業績を表彰)」と「ゴールデンラズベリー賞(最低の映画とその関係者を表彰)」が復活して、というか継承されています。




異なる生態系が出合う。

・・・・・・・・・・人体自体が生態系。


細胞細菌。

ウィルス。

化学物質。


身体は様々な物質生物の循環で成り立つ。

――――――――――そこで異世界からの占領者。


突然に。

瞬間に。

多量に。


順化する間も無く混淆。

・・・・・・・・・・病気にもなるわな。


免疫の過剰反応。

生体の過剰適応。

遺伝子突然変異。


器質的機能的疾患、まあ物理的機能障害。

――――――――――それは最初から予測された。


ハードウェアか?

だけ、だろうか?

さてどうだろう?


異なる精神が一挙に混淆。

・・・・・・・・・・ソフトウェア・エラー。


精神疾患も生むんじゃないか?

社会的文化的な混乱じやなく。

一人一人の心が変調をきたす?


既存社会から切り離され、地球人と同居。

――――――――――精神的に、ってのが考慮されてない。


ストレスってのとは違う。

そりゃ適応障害だしな。

適応まで進めたのか。


多世界の間に平行し存在している君らに俺ら。

・・・・・・・・・・何かの原因は背景かも。


彼女たちが生きていた異世界。

彼女たちを取り込む地球世界。


此処にしか生じていない。


文明の衝突。

本来、社会単位の現象。

それが一人、心の中だけで生じる可能性。


なんの成果も有り得ない。

そんな成果が得られるまで。

考えて進めた方が善さそうだ。




【異世界大陸北東部/占領地(太守領)中央/太守府/国際連合統治軍拠点(王城)/軍政司令部付メイド私室/青龍の貴族】


俺は室内に入る。

合衆国海兵隊の訓練キャンプではなかったぜ。


良かった良かった。

――――――――――良くない良くない。


ベッドメイクに問題なし。

・・・・・・・・・・って話じゃない。


着衣も姿勢も態度も一糸乱れず

――――――――――褒めて帰りたくなる。


だから整ったベッドを視ると、困った。

ベッドメイキングしてないな、困った。

五人の様子を視れば判るから、困った。


そも寝てないのが問題だけど。

――――――――――そりゃ眠れんわな。


不眠症ってのは半覚醒状態が多数。

・・・・・・・・・・半分は眠られる。


眠ようとして肢体を弛緩させればこそ。

――――――――――横たわらないと。


眠れないまでも肢体を休めないとヤバい。

・・・・・・・・・・まったく眠ってない。


此処は間違いなくメイド五人衆の寝室を兼ねた私室。

まずもって、寝る為に在る部屋。


なのに、シーツに乱れどころか座った形跡すらない。

いや、何かを置いた形跡もない。


いや眠る為に横に寝ないといけないことはないけど。

人類史のほぼ全てが座って眠る。


体、特に背中を誰かや何かに預けることで力を抜く。

体の負担は寝てるのとほぼ同じ。


伏して寝ると地面に体温を奪われるし緊急時に困る。

起き上がる動作の間に殺される。


エルフっ娘なんか初日は家具に寄りかかって寝てた。

帯剣したままだったし緊張状態。


以後は肢体を委ねて全身で俺に被さりながら寝てる。

いや俺が枕にする刻も多いけど。


つまりは王城で、宿直の仮眠以外、緊張動作は無い。

歩哨でもないのに宿直で緊急性。


メイドさん執事さをは打てば響く位が当然だそうな。

何時呼ばれても即応体勢だとか。


俺たちは夜中にメイドさんを呼んだりしないんだが。

メイド執事は24時間サービス。


だから夜勤中の仮眠用寝椅子は別に用意されている。

主の部屋にあるが私室にはない。


旅行中か貧困層以外なら眠る刻には寝るのが一般的。

王城の奉公人にはベッドが配備。


・・・・・・・・・・ってことは?


寝た形跡が無いベッド。

何時からなのかな。

眠れなくとも寝ろ。

不眠症対症療法の基本。


――――――――――ってことは。


眠れないだけじゃなかった?

寝るのも無理だったのかな?

四日間それじゃ死ぬ寸前か?


まだ生きてる。


立ち歩いて走り話せた。

体力持久力が並外れだ。


スペック高いのは良い。

使い途が間違っている。


倒れられないとマジで死ぬ。

今も真っ直ぐに立ってるが。


異常な負荷をかけられて異常を来すなら、健康。

異常な負荷をかけられて正常に動けるのならば。


こりゃ病気だ。


・・・・・・・・・・早く帰って良かった。


いや()()()んじゃないんだけれど。

俺が帰るのは日本列島だから。

異世界王城は仮住まいだから。

軍政司令部に()()()、なら良いか。


で、兵舎じゃなかったメイド五人衆の私室。


あくまでも軍属だからね。

隊員たちの部屋(兵舎)と別扱い。

宿舎って言えば一番近い。


五人住まいで私室とは此れ如何に?


異世界、に限らないが、個人という概念が無い世界。

(わたくし)が無ければ私有もない。


私有財産って言うじゃん?


無いんだよ。

財産は在る。

私有は無い。


財貨や土地、つまりは動産、不動産。


所有しているのは共同体。

村落、街町、都市に氏族。

後は商会やギルドや組合。


保証書。

契約書。

誓約書。


それらの名義も、それら。


それらの、その刻の、代表者が名前。

名前だって個体名ではなく氏族名だ。


そりゃ警察なんか無いわな。

誰かが誰かの物を盗んだり出来ない。


私有が無いから窃盗はない。

だから衛兵は共同体を護る為に動く。


それなりに横領はあるとか。

まあ盗った盗られたって言うんだが。


背景の意味がまったく違う。

それを理解出来ないと話が出来ない。


話に為らない、じゃなくて。

話に成らない、会話が成立し得ない。


そこでメイド五人衆の部屋。

そもそも一人一部屋って発想がない。


一人に為るために閉じ籠る必要が無い。

森河草原、人気が無い処なぞ幾らでも。


風雪に雨を避け屋内で過ごす刻もある。

村々では役割ごとに、まとまって居住。


休み寝て眠るならば雑魚寝で構わない。

大きな建物は造れないから小屋に分散。


だいたい年齢ごとに別れることが多い。

体力体格で役割は決まるから当然だな。


狩り、種蒔き、芝刈り、水汲み、等々。

性別は考慮されないが妊婦乳児は別枠。


異世界人の九割方が、こうして暮らす。


街中に暮らすは貧民以外、氏族が多い。

近いしい氏族ごとに居住するのが基本。


当主は確実に役付の多くは自室を持つ。

随時孤立する必要があるから、だろう。


機密を要する用談、筆記、資料の管理。

息抜きの時間が何時かすら機密に成る。


だが手代丁稚小間使は雑魚寝の寝室だ。

寝る刻以外は勤務中が中世の労働基準。


休憩食事は空きスペースで仕事の合間。

私室なんか必要不必要以前に想定外だ。


仕えられる者(特権階級)は、まったく違うのだが。


動産があるから囲いが要る。

資産を持ち出されぬ様に。


不動産があるから囲いを建てる。

資産が無けりゃ護れない。


所有が生まれ。

家が建ち。

私が浮かび。

部屋に仕切られ。


そのうちもしかしたらなにかのはずみで個人が生じる可能性もある。

人類社会の極少数派にだけ関係していて、圧倒的大多数とは違う御話。


うちの娘たち(特権階級)は、まったく違わないが。


部屋割りを断固拒否。

皆が一つの部屋に集まりたがる。

俺に割り当てられた部屋なら十人だって余裕。


極少数派(特権階級)の中で極少数派は世界の多数派(庶民感覚)だった。


日本でだって同じか。


自宅に自室があるのにわざわざ集まってくるもんなぁ。

家族が嫌いじゃなけりゃ個室なんか要らんのだろうな。


では?


仲良しごっこが無い世界は如何に?

異世界の一部はどうなのか?

今、俺が眠らせるべき彼女たちは?


メイド五人衆。


その特性

・・・・・・・・・特権階級の習慣に馴染んだ元富裕層。

出身氏族と縁を切ったからな。


侵略者の一員(国際連合協力者)にジョブチェンジ。


それがどんなステータスか知らん。

観た感じ特権階級未満富裕層以上。

役付きでなければ個室は必要ない。


だが国際連合軍属だけに、地球の習慣を無理強いしている。

――――――――――プライベート(個人)の感覚。


説明しなくても、感覚で判るよね。


それが変調の原因かもなぁ。

自由時間に馴染めない。

それは現代社会でも一般的。


好きにしていいよ、と言われて困る奴の如何に多いことか。


好きでもない暇潰し。

誰の為でもない仕事。

輪の中のモルモット。


甲斐の無い人生を過ごすことを訓練された、奇形動物。

・・・・・・・・・・・・・他の世界にヤバいシロモノを持ち込んでしまったかもしれない。


いやいや。

まだ判らん。

可能性に過ぎん。


なんか日本と異世界の一部、俺の周り同士が似てる気がするが、一発だけなら誤射かもしれないし誰のせいでもないかもしれないじゃないか。


異世界転移が悪いんです。

俺は悪くありません。


異世界侵略が悪いんです。

(主権者)が悪いんじゃんか。


民主制の厄介なこと。


責任逃れは出来るのに、責任自体は無くならない。

寝かしつけるまでが、俺の責任、当面のところは。

責任逃れするために一人で眠れるように仕立てる。


はい、失敗。

ってか、眠ようとしてないよね。

言ったよね。


命令。

寝ろ。


眠ろ、じゃない。

不眠症なんだから。

眠れたら苦労しない。


だから寝ろ。

――――――――――なのに彼女らは!


俺に急かされ自室へ急行。


汗の薫りは最小限。

全力疾走を避けたんだな。

マナーの基本です。


流石王侯グラスのメイド。

世界帝国の前太守。

帝国以前なら王侯だろう。


つまりは早歩きか。


俺はメイド長で時間潰し。

ゆっくりと歩いた。


ロスタイムはあったろう。

寝付けるくらいは。


だが起きている彼女たち。

時間を別に使った。


ベッドメイキングに非ず。


ロスタイムにナニをしてる。

――――――――――予測すべきだったな。


私室に客が押し掛ける。

女の子ならどうする?

そりゃこうなるわなぁ。


この娘らなら着ぐるみでも美人だとわかろうに。

――――――――――物腰からスリーサイズまで判る


一見すると講評を待つ直立不動の訓練隊員。

見方を変えれば御粧しの評価待ちで緊張状態。

魅せるための装いには慣れてるメイドさんたち。


職業上の必要性で選ばれ誰もが認める美しさに。

――――――――――自覚が無ければ病名が付くだろ。


女としての魅力が最低条件。

性としての魅力を磨く日々。

それを磨くのが役割の一つ。


異世界は偽装(化粧)粉飾(上底)偽造(整形)技術が未発達だってのに。

――――――――――所作と身嗜み健康的生活で研鑽。


執事さんメイドさんが昼間走っている理由。

朝晩は忙しいので、真っ昼間のオフタイム。

仕事の一環として、軽い運動を欠かさない。


一人一人、自分が魅力的だと自覚しているのに。

――――――――――それでも不安を必死に隠してる


キミは魅力的なんだよって言うに。

本人たち一人一人に口頭確認済み。

了解、の返事も毎回させています。


繰り返し繰り返し異世界故の齟齬を埋める為に。

――――――――――なのに安心を強いることに失敗。


とはいえ無理からぬところもある。

馴れてないのは異なる世界の衣装。

そら自信を持っていても緊張する。


例えば日本の女がチャイナドレスを着たように。

・・・・・・・・・・ビキニより照れるよね。


可愛い娘。

美しい娘。

似合う娘。


だけど皆が皆、照れて挙動不審になるものです。

・・・・・・・・・・そこが狙い目、美味しい処。


異世界でも同じ。

今のところ同様。

女は多世界共通。


可愛いなぁ

――――――――――違和感あり過ぎ。



コロナ去りてマスクが残る。


いや新型コロナとやらが来たのか居たのかはさておき。

大本営発表(日本のマスコミ)が正しいならプラウダも人民日報も朝鮮中央通信も非政治的に正しいのですが。


まあ語呂合わせを抜けば

「コロナ対策(実在)が遺したモノは経済破綻」

ですけれども。


もちろん日本に限りません。

ただ日本だけ反乱が起きないだけ。

アメリカは無差別テロ。

フランスは内戦状態。

中華人民共和国は弾圧。

座して死ぬのは現代の日本人だけ。


このクソ暑い中、銃殺にならないのにマスクを付ける輩が、半分も居やがりますからね。


新型コロナワクチン(笑)を射つことが、カルトへ入信するくらいの恥となり家族にも言えなかったアメリカとの違い。


いや、言うてもアメリカは「ワクチン(笑)を射ってくれたら抽選で一億円(相当)に豪華賞品」とかやってましたけど。


頭が悪いヤツらは何処も同じ。

馬鹿に馬鹿と言っても気晴らしです。


気晴らしは必要ですけれども。

意味があるのは馬鹿の真似をする輩。


差別主義者を糾弾するより、追従者が狙い目。

という訳で、わたしはまたまた外出、暑い中。

追従者は多数に隷属する種類なので仕方なし。


暑さに任せずマスク率を落とし、新型(笑)コロナ対策の邪魔を続けます、って三年間。


更新スケジュールが乱れたら、そーいうこと。

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