当たらずとも遠からず。
【用語】
『ディベート』
:考える過程を取り出してた技能。考えれば判る通り結論に至るまでにありとあらゆる仮定を経て全ての反論を許さぬことが必要。当然ながら考えれば結論に至る過程で生じた主張が全てストックされている。唯一正しい結論以外ならば一番精度が高い論理なのでそれだけ取り出せば正しい。それを活用することで考えるを可視化して他者に理解させる為の技術としたもの。そもそも考える機能を持たない人型とディベートすると考えと称する感想を瞬殺することになる。それは相手の好みを否定するだけなので説得はおろか伝達にすらならず敬遠されるだけ。二度と近寄って来なくなるので殴る蹴る怒鳴るよりお勧め。
議論は人間としましょう。人型動物と議論してはいけない。動物相手の時は追い込み誘い込み躾が常道ですよ?
陽気。
春の陽光。
春の風。
北国とはいえ大洋に面した海沿い。
元々、暖流の影響を強く受けている。
五月半ばならば暖かいものだった。
これまではそうだった、ということ。
今年からは汗ばむ陽気になる。
――――――――――日本の国会議員の知識。
※第832話〈幕間:異世界気候/まるで誰かが護っているかのように。〉より。
そんなこととは知らずに過ごす占領地。
そこは宮殿ではない。
それなりに広いが。
やはり城なのだろう。
戦を想定した構え。
まさにそれ。
実際に戦いを経らず。
帝国勃興以前に造られた。
想定とは、まるで異なったが。
実戦を経たのは十年前が初めてだ。
築城時、戦争ゴッコのみしか考えられていない。
だからオフィス機能が充実。
広い部屋。
広い回廊。
高い天井。
庭が整い。
厩舎や厨房に馬溜りも充実。
それらが一階に集められているのが素晴らしい。
最も偉い者の居場所は上階。
口を出されぬ様。
伝え遅れる様。
気付かぬ様。
エレベーターすら無い利点。
低さは利便性とイコール。
野暮な侵略者によりエスカレーターまで設置済。
最上階の軍事要点から。
中層の司令部にも寄れる。
目的がハッキリして宜しい。
高さは殺傷力とイコール。
だから占領下住民は自主的に階段しか使わない。
中層は最も偉い者のフロア。
其所は付属設備の収納場所。
城内各所に在るメイド部屋。
中世準拠のオフィスに下役の住居は欠かせない。
前庭側に張り出した基礎部分。
その上に張り出すバルコニー。
開け放たれる様に設えた外扉。
バルコニーに側へ大きく開け放つ。
前庭側は柔らかな春の陽射しで満ちている。
白に近いベージュ基調の室内。
外からの陽光が白に反射して内へ導かれる。
自然光だけで回廊まで照らす。
回廊側は中庭からの陽射しで、ほの明るい。
敢えて大きく開いた。
松明、蝋燭、ランプなどは想定外。
照度が低いか不安定。
非常灯扱いなので構造に含まない。
今は電気照明がある。
だが異世界種族は使う発想がない。
だから大きく扉を開く。
敢えて外から誘い込んだが春の息吹き。
開け放してある城内の扉。
バルコニーから春風。
エアコン無しの空調管理。
外気と内気が一体となり、戸口の彼へ。
五人の想定内。
晴れた春の香り。
――――――――――食欲を刺激。
彼女たちの薫り。
――――――――――性欲を刺激。
部屋には五人。
姿勢が悪いメイドなどいない。
執事にしてもそう。
容姿で選び抜かれたとしても。
物腰は訓練される。
メイド執事を目指すなら当然。
元々の鍛練もある。
さらに家風流行好みを加える。
柔軟に。
巧みに。
自然に。
仕えるべき主に合せる続ける。
感性。
気分。
慣れ。
あくまでも理想を語るならば。
まだまだ未熟だ。
だからこそ輝く刻がある。
メイド長の見立。
故にこそ磨き甲斐がある。
もう一人の決定。
既に他人の手を離れてる。
一人一人の感情。
悦んで欲しい。
それ以外に何も要らない。
五人は一人一人、ベッドの足元側に佇む。
一纏まりだがバラバラだ。
私をこそ。
各々のベッドはダブルサイズ。
部屋には十分な広さがある。
アクロバティックな動作も可能。
部屋も王城のメイドも大きめ。
彼は考えた
――――――――――広いことは良いことだ。
【異世界大陸北東部/占領地中央/太守府/国際連合統治軍拠点/軍政司令部付メイド私室/青龍の貴族】
俺の疑問。
対処方法が判る。
それ以外は解らんけど。
メイドさんって、こんな暮らしなのかな。
整頓された寝台が五つ。
私物入れのチェスト。
一人一つなんだろうか。
他の家具は観えない。
ここまでの範囲がパーソナル・スペースと視える。
うちの娘たちも部屋割りを嫌う。
プライベートって観念が無いな。
だから俺も24時間くっ憑かれ。
個人が生じるまで五百年くらい。
ここが軍政司令部横の軍政司令部付メイドの部屋。
王城内の一室。
他の部屋より狭い。
だが小さくはない。
広すぎないレベル。
現代日本家屋前提で考えちゃダメかもしれない。
家具の配置。
右に三台。
左へ二台。
寝台五台。
各ベッドの間。
左右のベッドの間。
充分な空間が開いてる。
間がパブリック・スペースかな。
境界線を引くほど不仲ではなし。
隣同士は、ほぼ等間隔になるな。
15歳前後の五人が全員いるのに狭く感じない。
メイド部屋、とでも言うのか。
メイド五人衆の寝室だか私室。
メイドの彼女らが寝る場所だ。
だから就寝確認してから司令部に行く予定。
寝てないけど。
むしろ立ってる。
各自の寝台の端に。
爪先指先を合わせて俺をチラチラ視てる。
――――――――――俺かよ。
君たちの上司はメイド長だから。
メイド長の上司は坊さんだから。
俺は占領軍司令官なだけだから。
「女の子が地位に気が付く訳ないでしょ~」
国語審議会基準の女の子なら、そんなもんか。
オマエは気付け。
俺上官。
・・・・・・・・・・国際連合調べ。
閲兵かな?
講評待してるのかな?
合衆国海兵隊新兵訓練課程かな?
完全・被甲弾っていう名作映画の前半にして最大の山場のアレ。
映画好き限定の一般的な評価だと、前半こそが全て。
海兵隊訓練キャンプで新兵たちが鬼軍曹の査閲を受けるシーン。
一般的な軍隊の洗礼ではある。
あるある過ぎて素人バカウケ。
初日初対面の教官による罵倒。
整理整頓ベッドメイキング身嗜み言葉使い目付き顔付き他全て。
逃げ場が無い環境の通常儀礼。
学校会社や異世界転移に軍隊。
逃げ場が本当に無いかは不問。
これをグローバル・スタンダードと言います。
出会い頭に全力で殴り付ける。
殺してしまえたら価値がない。
だから早めに片付く良かった。
殺されたらどうでもいいこと。
自分が居ないなら無関係だし。
殺せなかった相手だけが相手。
従えるか従うか相対出来るか。
殺されなかった者だけの話だ。
いずれ為ることを早回しする。
平和な本国で済ませておくべきことだべきこと。
罵倒と暴力の違い?
いやいや同じ〃。
殺意も害意もね。
巧くやれば犯罪にならないところまで。
言葉は殺せます。
人間も非人間も。
暴力と罵倒の違い?
太古より伝わる人類の知恵から一つ。
悪様に言うなら斬られる覚悟で。
――――――――――返り討ちにしても良いよね?
まあ先手の有利は在るから注意。
悪口は墓標の前で。
俺は子どもには常々こう教えてる。
大人には言わないよ、そんなこと。
解りきったことだ。
相手が大人なのか大人型なのか問う必要はない。
まあ軍隊っぽいナニかに居ないと判らないよね。
将校の基本的訓練なんか受けないからな、普通。
解っているくせに言葉に出来ないというのか言葉に躊躇うのかな。
ありとあらゆる立場の正統性を各々の狂信者に等しく主張出来る
あらゆる戦況に置いて命じれば従う訳がない兵士に殺し合せる術。
殺すだけなら誰にでも出来る。
今やってる殺らせてる。
殺されるかもしれないに仕掛。
リスクを強いる為には誰にも否定出来ない理屈が要る。
それを万人向けに調合するのが将校の役割です。
俺でも出来るよやるとは言わんけど。
なお、この技術。
考える必要が無い。
だから勉強ではなく訓練な辺り、高校生以下のカリキュラムと同じ。
幹部課程も高等教育ばかりな訳がない。
思考を必要とする教育。
反応を必要とする学習。
映画の前半は高校生以下向け下等教育。
非軍隊っぽいところだと自覚的にやるやらせはしないしな。
だからこそ素人さんに、あのシーンだけがウケたんだろう。
しかし俺はラストシーン3分間の為に在ると思うんだ。
海兵隊熟練兵がミッキーマウスマーチを歌いながら横隊前進。
本物を魅せられたのは三日前ですが。
※第584話〈諦めたら試合開始/Loss Cut.〉から第588話〈心の鍵/Anti Lock.〉から第590話〈殺る気/灼る気/やる気/ヤる気〉まで
だこらといって前半が嫌いな訳じゃないけどね。
しくじらなかった学校みたいだ。
安心して観ていられます。
あくまで観ているところに注目。
将校がやりたくないから下士官に任せているのであってね。
だからメイド五人衆の直立不動について
「たいちょー以外の男人禁制」
―――――――曹長に任せちゃダメですかそうですか。
ちょうど曹長の娘さんとメイド五人衆は年の頃が近いからど持ち出す間も無かった。
マメシバの危惧は解る。
異世界特権階級は女系社会。
明治以前の日本が実際には、どうであったかはさておき。
異世界特権階級女性の習俗。
誰が産んだのかで氏族の範囲と遠近が決まる。
だから肌を妄りに晒さない。
余計なヤる気を煽らぬよう。
血統管理の為に貞操を操作。
マメシバがそれに配慮すれば済む話なんだが。
大人も子供も無い世界。
出産適齢期は十代後半。
前後は質が落ちるとか。
もちろん子供の、たが。
「落ちますよ」
――――――――――読むな。
だからだ。
・・・・・・・・・・一番大切にしてされる年齢。
メイド五人衆は特権階級を目指す中産階級。
極少数の特権階級の直ぐ下は中産階級か?
故に彼女たちは特権階級寄りの習俗を持つ。
特権階級らしさは非特権階級の特徴だし?
出身氏族と縁を切って尚それしか知らない。
しかも
・・・・・・・・・・犯罪被害者。
男人禁制も仕方ない。
今後の改善予定。
俺が相手なら構わん。
本来の特権階級では家族が女を護る。
メイド五人衆も俺の家族扱い?
――――――――――保護者だから同じか。
だから俺で徐々に慣らすのがメイド長の考え。
・・・・・・・・・・そこまでは賛成する
だから俺が鬼教官代わり。
――――――――なんか勘違いしてるんじゃないか?
「おまいう」
マスク率は均せば半々。
時間帯。
場所柄。
つまりは集団属性ごと。
くそ暑いのに半分もマスクしてやがるのか!
……まだまだコロナ対策(笑)妨害は続けた方が良い様子。
なにしろダイキュウハとやらが来ていたかもしれないらしいですからね人知れず。
まあ第一波だってマスコミが騒がなければ誰も気付かなかった訳ですけれど。
パンデミックとはいったい?
気付かない。
なら気付く必要が無い。
存在してるのか、それ。
困らない。
誰も困っていない事象が在ったとして。
皆で困ってまで防ごうとする必要が在るのか。
ま、問うまでも無いですね。
いやまあ理屈は創れますが。
理屈は要らない馬鹿と阿保。
在る!
……と断言すら出来てませんが。
対策は自己判断で、と抜かした阿保。
みんなで一丸となってと、喚いた馬鹿。
輩が産まれてしまっているというだけで、枕を高くして眠れません。
身の程知らずに呼吸まだ呼吸してやがりますしね。
と言うわけで輩に義務の履行を求めて外出せざるを得ず、出歩きながらの執筆は時間がかかり、更新スケジュールは遅れます。
……ほんと、言葉で殺せるんですよ、ホント。




