今すぐベッドへ行け!/yes,my lord♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎
【登場人物/三人称】
地球側呼称《坊さん/係長》
現地側呼称《僧侶》
?歳/男性
:国際連合出向中地方公務員。得度した僧侶。浄土真宗らしい。軍政司令部文官。宗教が無い異世界で神とは奇跡をもたらす巫女神官にとってのみ意味がある存在。異世界に置ける僧侶も宗教的な意味はなく賢者や哲学者、それを目指す修行者のようなニュアンス。魔法翻訳が何故この単語を当てはめたのかは今後の研究課題。
民法第877条1項。
直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
親子とはなんぞや?
――――――――――コレです。
他に意味はありません。
キリスト教文明圏特有の習俗。
まあ実質、先進国のみでしか通じませんが。
コレが日本で一般的に為ったのは、20世紀後半です。
概念の輸入が始まり、知られたのが一世紀ほどですか。
あくまでも文言としては、です。
結局、意味は理解されませんでした。
明治民法審理開始が1880年。
公布が1890年ですから。
21世紀には間に合った、とか。
そして日本で普及する頃には先進国で時代遅れになっていること今まで通り、例外なし。
祖法とされた管理貿易制度。
共産主義を名乗る官僚主義。
植民地放棄が進む中で帝国主義。
自由主義を名乗る市場原理主義。
百五十年前への回帰が保守主義。
いつものこといつものこと。
百年余り一生懸命オウム返しさせている間、西欧キリスト教文明圏では家族の解体が終わってます。
親子の扶養。
親というコスト。
子供というリスク。
ソレを生かして育てる義務は社会が担う。
高齢者。
未成年。
非生産純粋消費階層。
ついでに失業者。
これらに衣食住医療などの生活基盤を無償提供。
原資となるのは産業革命以後の過剰生産物の山。
先進各国の国家予算消費金額に占める福祉関連。
平和安定的に莫大な市場を維持する唯一の方法。
何一つ生み出さない人々、高齢者や未成年や失業者が、ある日突然消滅したら?
・・・・・・・・・・世界経済が破綻。
戦争では消費を安定させられませんからね。
同時に生産見通しも変数が増えて不安定。
出生率死亡率なら計画的に利用可能。
だから共同体で管理した方が便利。
――――――――中世への回帰――――――――
などと呼ばれています。
親子とは単なる因習。
だから根深い。
産まれた時からそうだった。
人類発祥以来そうなんだ。
理屈じゃありません。
検証も論破も不可能。
実害との因果関係は転嫁されます。
考える苦痛より考えない工夫。
だから考えさせないようにした。
親子を骨抜きにして世代を経る。
産まれた時からそうだった。
人類発祥以来そうなんだ。
貴殿方の目論見です。
10年以上被害が続く。
異世界転移が無ければそれしかなかった。
異世界転移が起こればそれこそが使える。
リアル中世、に近い世界。
同化は必然、共存は宣伝。
当然ですが異世界に家族制度はありません。
宗教、特にキリスト教がありませんからな。
扶養する義務もなにも
・・・・・・・・・・そも個人も無ければ私有もない。
ま、現代日本人がソレを理解出来るとは言いませんが。
ただ政治的には望ましい。
子供手当て。
教育の無償化。
医療の無料化。
事業予算の福祉転用。
異世界転移は良い口実でしょう?
貴殿方が計画しているのは家族を骨抜きにすることだ。
家族が存在しない異世界を同化するならソレを捨てる。
元々、必然性や必要性もなく実効を伴わない形式です。
後は誰が家族に為り換わるのか?
国民を抱え込みたくない財務省を抑えた官僚。
ビッグブラザーの誕生!
財務省から官僚を切り崩した議員諸兄ですか。
血縁に依らない地縁社会!
それとも革命でも起こしますか?
世界を造り替えるなら、こんな機会はありません。
・・・・・・・・・・解りはしないでしょうが。
意味がないから判らせ易い。
異世界に来てしまったんだから仕方ないですよね?
《日本国衆参両院法務委員会参考人招致非公開議事録抜粋》
【大陸北東部/太守領中央/太守府/王城内郭/飛竜台/青龍の貴族後方/メイド長介抱中/エルフっ娘】
あたしは耳を傍立てている。
――――――――――彼の狙い通り。
自分の女の前で他の女を構ってる!
無視出来ない。
耳に聴こえる。
手が離せない。
魅せ付けて愉しそうだわよねぇぇ!
目の前で先を越されちゃう。
・・・・・・・・・・絶対ゆるさない。
メイド長に掛りきり
――――――――――メイド長しか抑えられない。
許す赦さぬって立場じゃないけど。
文句は許されてるから大丈夫よね。
でも、後から想いを表して、まだ物にされて無い女に越されるのは物凄くイヤ!
自分がメイド長なら絶対に先を越すところから始めるに決まってるからゆるさない。
まだ、あの娘の後なら、凄くイヤで済むかもしれないけれど骨は絶たないから?
これは彼の女、たち全員の総意。
だから何だって話なんだけどさ。
なら最初の三人の中では誰が最初かと決められるわけない。
――――――――――言うと我を忘れるから禁句。
だから皆、五歩下がった。
彼から一人でも他の女を離す為。
彼から自分、たちが離れ無い為。
彼が剥いて揉み上げた肢体に引っ掛かってるメイド服を
――――――――――これ絶対に整わない。
普通のメイド服を持って来させようかしら?
・・・・・・・・・・・・・等と妹分が考えてる間にも、あたしに聴かせる彼。
「楽にしろ」
明るく出迎えた五人の女。
青龍の貴族付メイドたち。
メイド長が彼に誂えた女。
彼が居ないと死ぬ女たち。
表向きは青龍の貴族とその臣下、専任担当。
メイド長と一緒に彼らの用向きに応える役。
表向きは、ね。
青龍の貴族その周りは、あたしたちが居るから不必要。
青龍の騎士たちは自活して、ほぼ口を訊くこともない。
青龍の娼婦たちとは、むしろ青龍の性癖を教えてもらえて、あたしたちにも伝えてくれたり。
――――――――――凄く面白くない!
彼に毎日毎回一方的に翻弄されてるだけだから全然あたしたちの知識が増えず感覚だけ研ぎ澄まされているんだから。
・・・・・・・・・・教えられてなお!
実際は彼の玩具。
早速、弄り回してるし。
瞳を覗き込み。
唇から歯に指を挿して。
首筋を撫でる。
割り込めたら~。
あたしがメイド長と一緒だから仕方なく着かず離れずしてる間に~~~~~~~!
あたしには聴かせて煽って動けないのを愉しんで弄り倒すつもりね?
・・・・・・・・・そうやって主に気持ちだけ玩ぶから、その娘たちもダメになってるんじゃない。
彼、青龍の貴族が、まだ自分の物じゃなくても、女の体調を見誤る訳もなく。
「なぜだ?」
貴男が自分の物にしないから、って言わないけど。
――――――――そこ、青龍の僧侶に尋ねるところ?
「四日間一睡も出来なかったからです」
青龍は臣下や奉公人を自分自身と見なしているわ。
自分の一部が十分に飲み食い寝み楽しんでるか。
それを確かめて実行させて繰り返し繰り返し。
「メイド長に指示し寝床で仰向けにはさせました」
その責任を負うのは青龍の貴族ってわけね。
ただし彼は邦一つ預かっているから代わり。
「横になっていること、眠っていないことを確認」
青龍の僧侶が臣下を休ませることを仕切る。
だからメイド五人も、その役割の一部よね。
「ご不在の期間と不眠の期間は等しく」
一睡も出来ずに四日間。
憔悴した人間特有の瞳。
余裕が無い鋭い切れ味。
興奮して我を忘れてる。
何故、五人を眠らせてないのか、って?
・・・・・・・・・・ええと。
「彼女たち一人一人が司令官の傍に居ないと眠れません」
青龍って、はっきりしか言えないの?
正解じゃないけど。
彼の傍らに居るのは、あたしたち。
その周りはColorful。
青龍の貴族付メイドは主に別室、偶に同室。
メイド長は常に彼の居る部屋の扉口に立つ。
奉公中に五人のメイドは時々メイド長の元へ来る。
必ずしも彼に観てもらえる訳じゃない。
だけど彼が居ないと眠れないのは本当。
夕方、役目が終わった後、奉公以外でやって来る。
毎朝毎晩、彼自ら五人を触ってるから。
とは言っても喉頚頬唇顎髪を掴む程度。
あたし、たちが受ける扱いと全く違う。
それでも
――――――――――それで眠れる。
肢体全体全力で挑んだ後で力尽きて気を失わされる訳じゃない。
手もなく気をヤらされ過ぎて意識すら朦朧とされる訳でもない。
眼を醒まして期待に応えられなかったと落ち込み朦朧としない。
五人とも多少、やや余り、昂ぶるけど。
それでも、ほどなく弛緩して自らを放して。
安らかに眠り、気持ち良く目覚めてる。
あたし、たちとは真逆。
・・・・・・・・・・生き衝く処は同じだろうけど。
あたし、たちは彼が居ないと自分で死ぬ。
彼女たちは彼が居ないと生きられない。
――――――――――命――――――――――
在り方。
あたし、たちは女として愛されるに決っている。
日々常々それを突き込まれ想い知らされ言い訊かされ奪い直されるくらいに。
あたし、たちは彼の女です。
――――――――――終わり――――――――――
だから、後は付け足し。
種族が使えたら好い。
年齢が使えたら良い。
身分が使えたら佳い。
女として以外でも何かの役にたてないかな、と想ってる。
皆、欲張りだから、余さずに使って欲しくて堪らない。
あたし、たち自身に判らない利用法も彼ならわかる。
あの五人は?
あたし、たちとは違う。
五人のメイド。
そう、メイド。
女である前に役割。
彼じゃなくて主様。
女が男に惚れたんじゃない。
主と見込んで惚れ込んだのね。
奪われずに
・・・・・・・・・・選んだ。
種族も。
性別も。
年齢も。
彼女たち一人一人の全ての部分が、主に使われる為に在ることにしたんだ。
あたし、たちと同じ行為で意味が違う
・・・・・・・・・・ゆるさないけど。
「今すぐ寝ろ」
「「「「「「「「!」」」」」」」」
彼の命令は五人のメイドへ
――――――――――判ってヤってるわね!
「すぐに確認する」
「「「「「はい♪︎主様♪︎」」」」」
一斉に走り出す五人のメイドたち。
・・・・・・・・・・解決はする。
器を彼で溢れさせれば、彼の意思を忖度する人形に為れるでしょう。
――――――――――絶対、先にさせない!




