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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十八章「帰邦事業」

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唇は言葉よりモノを言う/I'll be back.

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/魔女っ娘/幼女/ちびっ娘》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。お嬢やマメシバの着せ替え人形にされることが多い。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女/ちびっ娘》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。マメシバブランドのギミック満載な服を好む。


『あたくし』

地球側呼称/現地側呼称《メイド長》

?歳/女性

:太守府王城に奉公する女性たちの長。ストロベリーブロンド、碧眼、白肌。異世界でも地球世界でも一般的な、ロングスカートに長袖で露出が少ない普通のメイド服を身にまとう。まだ年若いが、老人の執事長とともに王城の家政を取り仕切る。

初登場は「第11部 大人のような、子供のような。」




わたしが好きなひとを好きな人。

きっと、わたしも好きな人です。


わたしが好きなひとを好きな(ヒト)

きっと、嫌いに為りたい(ヒト)です。




【異世界大陸北東部/占領地(太守領)中央/太守府/国際連合統治軍拠点(王城)/屋上ヘリポート】


俺はドヤ顔。


娘どもたち、よ~く御覧。

圧倒的優位に立つ地球人類()

先手を取られてこの有様。


勝敗とは何か?


強弱に非ず。

優劣に在らず。

多寡に価値無し。


斯くの如し。


戦い様ってのは、有るもんだ。

為て遣られる(してやられる)処は観た通り。

まさに俺が言わされた。


そこ重要。

――――――――――俺ですら、である。


ペンは剣より弱い。

口先は銃より強い。

モノ言えば唇寒し。


意味が通じてしまっていることに疑いはない。

――――――――――魔法翻訳の()()である。


言葉が解らなければ、判る合間を利用出来た。

解ってしまえば、ほんの少しの油断が命獲り。

判るが解らんちょっとたんま、って出来ない。


異世界転移前の自衛隊と米軍の駆け引きみたいにね。


ワタシニホンゴワッカリマセ~ン?

・・・・・・・・・・発して話すはイコールじゃない。

アイキャンノットスピークイングリッシュ?

・・・・・・・・・・スパニッシュもダメ言わせんな。


異世界転移後の占領軍と異世界種族との駆け引き。


ただいま!

咄嗟に返して大失敗。


お邪魔します!

の方が良かったかな。


いや銃殺か。

俺ら日本人には辛いこと。

謝罪は禁止。


どーも、すいません。

これもダメ。


禁じ手が多すぎるんだよ。

その中でも一番面倒な決まり。


初手土下座って最強じゃないですか?

・・・・・・・・・・昔から多用しています。


ゴメンで済むから警察は要らない。

謝罪は此方でタイミングを選べる。

つまり主導権を自分が握れるんだ。


非を認めて謝れば賠償を要求される?

・・・・・・・・・・ナイナイないない内々。


世間知らずの知ったかぶりが流したバカしか知らない馬鹿話。


欧米。

アジア。

インド。

アフリカ。

アフガニスタン他いろいろ。


日本と同じ普通に謝って大丈夫!

大丈夫じゃない奴はどうかって?


謝らなくても同じですから。


いずれにせよ被我の暴力差による妥当な範囲で話が着きます。


互いに生きてれば良いけれど。

殺すときは殺すし逆もまた然り。

妥当な、ではなく、範囲が要点。

此処に工夫の余地が沢山ある。


工夫は謝罪。


地球規模で謝罪と責任には何一つ関係はない。

賠償責任が生じるのは事実関係に基づく論理。

責任回避(関係者皆殺し)不可能なら先に謝って置きましょう。


可能不可能よりコストパフォーマンスかな?


なにしろ謝罪は金がかからない。

原価ゼロなら利かなくて元々だ。

運用コストで済む、お試し価格。


謝罪を受けさせれば此方のもの。

労力と面子は容易く換金出来る。


謝罪を拒否させれば此方のもの。

ジャッジする皆様にどう観える。


相手の立場。

自分の立場。


強弱優劣状況不明。

後から謝ると鮮度が下がる。


だからこそ先手で謝るべきなんだよ。

相手を生かして置きたいならば。


だからこそ後にも先にも謝罪しない。

国際連合安全保障理事会決議。


――――――――――なにそれ怖い。

いやまあそれ以外の要素も在るとは思いたいですよ自衛官の総意として殺れと言われたら殺るけど殺りたくないよね。


俺から観ると、そんな感じ。


異世界種族と共存しないことにしてる。

まだ皆殺しにはしないと決めている。


だからこそ関わらない様にしてる。

だからこそ言葉(謝罪)より銃弾。


その場で殺せば波及しない。


魔法翻訳を介して相手に、どう受け止められるか解らない。


訳が判らないなら構わん。


実際に大虐殺が日常の相手から言われたら、ビビるわなぁ。


だがそうならないかもしれん。


弱気。

弱味。

引目。


自分たちだけ銃を持つ。

相手は銃を持たない。

それどころか知らない。


俺たちは無防備な正面に銃弾を撃ち込む。

気にならずとも楽しくはない。


魔法翻訳の事例を考えれば、ガチの謝罪に成りかねん。

俺たちの真心が正しく伝わってしまったら大変だから。


異世界種族が自分たちは被害者だと気がついたら?

それはそれとして皆殺しにされると気がつかなければ?


ごめんなさい。


その一言が命獲り。

相手の命、俺らの収穫。


だから手を打つ。

打たないことで。


伝え方ではなく、伝わり方への配慮。

どちらも主体は俺ら地球人類。


だから誰にも気付かれないで済んでる。


異世界種族からのアプローチ。

俺だけで裁量できる内は安全だろう。




【大陸北東部/太守領中央/太守府/王城内郭/飛竜台(ヘリポート)/青龍の貴族左手側/お嬢】


わたくし貴女(メイド長)に危機感を抱いたりは致しません。


十代後半、女盛り。

役割を背負い与えられるツキの無さ。

めったにない不幸。

故にこそ、ご領主さまの周りに在る。

そんな切り札って。


なのに。


その豊満な肢体こそ貴女の不覚。

女を便利使いされない、ご領主さま。

良い臣下とされど、好い女には成れない。


だからこそ貴女から学べる処が、在りますわね。


貴男に捧げること。

産まれた刻に当然解っていて、奪われたら判ること。


貴男に仕えること。

産まれた刻から仕えられていた、わたくしが不得手。


だからこそ、只の女である貴女が通じてるわね。


ご領主さま。

世界で一番、仕えられている方。

メイド長。

邦で一番、見事な仕え上手の者。

わたくし。

邦で一、二を争える仕えられ方。


ふふん。


わたくしなら仕えるも仕えられるもわかりますわね!

わたくしがメイド長並みに仕えられるようになれば?

わたくしこそもっとも貴男に相応しく御仕えします♪︎




【異世界大陸北東部/占領地(太守領)中央/太守府/国際連合統治軍拠点(王城)/屋上ヘリポート】


俺たちは常に記録されている。


イヤイヤ俺という個人への手配に非ず。

自衛隊や国際連合軍って意味じゃなく。

異世界に居る全ての地球人類のことだ。


ドッグ・タグ(認識票)は常時オンライン。


いつ監視されてるか判らない。

いつも記録は録られている。

いつ閲覧されてるか判らない。


いつと判らぬならばいつもと考えるべき。

・・・・・・・・・・そう出来た者は殺されない。


哨戒気球や偵察ユニット。

車両やプロテクター。

大中小火器管制システム。


あらゆる索敵機器は正しく敵を捜索中

――――――――――地球人類最大の敵は地球人類。


邪魔をする。

邪魔になる。

邪魔である。


まったく正しく真っ当な政治家たちだ。

・・・・・・・・・・俺たちが選んだだけに。


その姿勢は大歓迎する。

実際やらかしてるしな。

強さと優劣を混同する。


銃を持って銃を持たない相手と向き合う。

・・・・・・・・・・むしろ向き合えない奴が居る。


強さとて歴史的蓄積に過ぎない。

今の俺が誇る理由なんかない

なのにイキれる奴ヤバい。


借り物の知識で異世界種族(千年前)を導こうとする輩。

借り物の兵器で異世界種族を()()()とする輩。


自衛隊にだっています。

普通の人たちだから多くはないが。


変なのは排除してるし。

だから判るように監視してあげる。


考え無くとも止める為。

だから判るよう監視させてあげる。


身の安全を担保する為。

監視を逆手に捕れば潔白の証明だ。


そこまでは善い。

そこからが問題。


俺の記録には俺の周りが全て含まれていること。


もちろん地球人類()の行動監視の為だが。

わざわざ異世界種族を除外したりしない。

むしろ俺たちが何か仕出かさないか見張り。


だから生じたコミュニケーション。

――――――――――メイド長との読唇術。


異世界言語も発声による。

当然、唇の動きも決まる。


それが判れば聴かれない会話が可能。

それが判れば異世界言語の解析完了。


――――――――――だからこそ解るもんかい。

言語に必然は無い。


規則性こそあれ偶然と惰性で流動的。

いやいや法律や倫理や道徳だけじゃなく。

()()()()()()()()()に必然的理屈なんかない。


そんな感じて数百年。

文明は数千年前から?

継続性が無きゃ無縁。


千年前の日本列島居住者と日本人の間に関係が在るなら、長靴半島人だってローマ人になるだろう。


訳の解らぬ魔法翻訳の力を借りて、山ほどある異世界言語を仮体系化するのに何年かかるやら。


訛り。

方言。

混淆。

分離。

話言葉はもっと複雑。


ましてや個体差まである発音発声の動作形状を体系化するなんざ百年かける。

数百年混淆し合った地球人類の極一部文明間の機械翻訳(体系化)が一応辛うじて機能したかもしれないのが、やっと21世紀になってからなんだから。


・・・・・・・・・・だから判らない。

俺が気付いたのも偶然だしな。


異世界の言葉は魔法翻訳で訳される。

異世界の文章は魔法翻訳で訳される。

異世界の唇も魔法翻訳で訳されてる。


誰が気付くかこんなこと。


国際連合軍が注目するのは異世界種族の瞳の色。

魔法使いに接近されないように。


国際連合統治軍が解析するのは占領下住民の表情。

有為か無為か仕分けする為に。


癖もあるから近しくないと判るまい。


「「「「「「「「!!!!!!!!!!」」」」」」」」


ましてやメイド長が俺にキスする理由など、軍事参謀委員会には無意味だ。



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