夜に起きる/a grin without a cat.
登場人物&設定
※必要のない方は読み飛ばしてください
※すでに描写されている範囲で簡単に記述します
※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします
本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。
他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。
文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。
よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。
・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。
・【語る人間の居場所/誰視点】とします。
・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。
・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。
以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。
(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)
【登場人物/一人称】
『僕』
地球側呼称/現地側呼称《若い参事、船主代表》
?歳/男性
:太守府参事会有力参事。貿易商人、船主の代表。年若く野心的。妹がいて妻の代わりに補佐役となっている。昔は相当な札付きであったようだが、今は特定の相手以外には紳士的。
裏切るのは貴方ではない誰か。
誰かに裏切らせるのは貴方。
訳は訊かない。
裏切られたくないと思うのかい?
ならば簡単だ。
相手に不利益を与えないこと。
誰にでも簡単に出来ること。
【異世界大陸東南部/国際連合軍大規模集積地「出島1」/竜の巣/青龍の水飛竜横下/若い参事】
僕は先を質すように只した。
――――――――――もちろん、背後を窺う妹へ。
そして僕に笑顔で頷く妹よ。
・・・・・・・・・・隠せば目立つは世の理。
僕へ然り気無く示し観せる。
――――――――――然り気無さ、とはいったい。
竜の巣が芝居小屋。
皆が居て。
妹が立ち。
僕が後ろ。
背後に青龍。
立位置だけなら、その通り。
観客。
役者。
演出。
批評。
主演女優の演技が輝き過ぎ。
間断なく背中の此方を意識して観せる。
此方を意識してません、と観せながら。
演出を理解して敢えて台無し。
前の彼方を意識していない様な仕草。
彼方を意識しているのは此方って訳。
演出に従っているのが観客に見え見えな三流役者の役ってなんだよ?
気にすること。
隠されること。
価値あること。
百の証拠より、たかが己の見聞一つ。
それがなにか判らぬうちに。
それを暴けば信じこむ。
それは何か問いすらしまい。
詐欺と芝居に真贋ほどの差があるやら。
女優が良いのか?
舞台が佳いのか?
観客が善いのか?
僕のせいじゃないこと以外は今後の課題。
せっかく妹に注目を集めたってのに。
――――――――――逆用してきやがるか。
僕の巧みな商いを知ってる皆々様。
・・・・・・・・・・売り込みには無反応。
残念ながら僕の、信用が無いようだ。
――――――――――妹推しは身贔屓扱い。
これだけ巧みに従って観せている妹。
・・・・・・・・・・いささか将来が心配。
独りにしたら踏み越えてしまわないだろうな?
投資ではなく、投機。
売買ではなく、帳簿。
商いではなく、詐欺。
どれもこれも貧乏人がより貧しくなる方法。
そう思わせる為の仕掛け?
妹ならば当然そうだろう。
掛るのが僕だけだろうか?
才が飛び抜けているから自縄自縛に陥る。
妹は絶好調。
皆を出し抜く。
己が好都合。
周りを堅めても僕には通じないってのに。
やりすぎは許さん。
しかし赦せる範囲。
間合いを見切る妹。
やっぱり当主は、おまえしかいないな!
僕の人形を装い周りへ誇示。
皆からはそう見えるだろう。
動く人形ってゴーレムかよ。
なんだそれ怖い。
だが効果的に聞き出せてる。
役には立つか。
実際、妹の不得意なところ。
判らないこと。
船のことは確かに知らない。
ここで知れ。
はい、船がありました。
――――――――――それから?
船が無ければ意味がない。
船が有っても意味がない。
船主の一人が話を続けた。
「船員は定数」
端的だな。
妹に判るように言ってくれ。
そうも言えんが。
どう伝えれば判りやすいか。
僕が、考え換え。
定数とは航海に必要な人数。
なるほど定数か。
余裕は無いが支障しかない。
なぜにそうなる。
殺されたのはどのくらいか。
定数以上消えた。
臨時雇いの船乗りの見積り。
船を動かす定数。
船員の八割は常雇いの馴染み。
船員の二割は商会所属の頭以上。
残りの一割は見習いや流れの船乗り。
定数以外も居る。
見習いや流れは一航海当たりで雇われるからな。
不足を見越した備えの為に、要らぬ時にも雇い留め。
入換えを見越した若いのを今は使えぬまでも置いておく。
次の航海を待つ船乗り。
市民ではないが住んでる数。
乗船者は数に入れはしない。
大港湾都市に居る人数。
ざっと一割が見習いや流れの船乗りだ。
・・・・・・・・・・市内の十人に一人が殺された。
それを聴いた妹は、僕に任せる気だな。
――――――――――解る気がない、判ったまま。
知る前に考え出さなきゃ出遅れるのに。
・・・・・・・・・・敢えて、出来ないままでいる。
まあ今だけだが。
兄たる僕の掌で転がされていればいい。
教え込んでやる。
都市の十人に九人が影響されぬ訳ない。
港湾都市がどれだけ動けるかで決まる。
殺された人数の居住地でアタリが付く。
不得意分野を妹に、どう理解させるべきか?
他は得意ばかりだが。
帳簿や見積り。
鑑定や目利き。
信頼を得て維持する。
社交や商談、ついでに雑用。
片手間で成果をあげられるってのに。
本腰入れろ。
俺の手伝いから、妨害までするのに。
何故か、それだけ懸命にな。
だから偏りが在るのでは?
現場のことは解ろうとしない。
俺とは真逆だが致し方なし。
好まない訳ではないが避ける。
敢えて避けてるのは何故?
立ち入っても質問しない。
興味を持っても眼を逸らす。
妹なりの自制かもな。
それも上に立つ資質だ。
判っても解らぬよう。
間違いは主観から生ず。
己が資産なればこそ。
客観的に取り扱わねば。
ふむ。
納得。
まったく正しい間違いない。
・・・・・・・・・・一体、何が面白いんだ?
今、当主。
僕が当主で居たく無い理由。
――――――――――産み育てた一族の為に?
誰が頼んだ、有り難う。
なるほど借りだ、押し貸しだ。
金遣いの基本ではある。
貧乏人をもっと貧しくする為。
僕は借りを返さない。
借りたから返す馬鹿が居るか。
返せば借りられるから。
人は他に利益があるから返す。
貧乏人は選択肢がない。
殺されるまで返して遣われる。
僕も一族も大金はある。
力在る者は、我慢などしない。
只では貸さない。
只では返さない。
末永い取引を求めよう、お互いに。
より好奇な利益が上がるかもしれない。
ならば、誰が今までの商いに拘る?
そして最期の取り引きならば?
借りるだけ借りるに決まっている。
深く感謝して僕が使い潰してあげよう!
・・・・・・・・・・ってのは、御免だろう?
だからオマエやれってのに!
――――――――――なかなか従わない女だ。
僕なら知ってる皆が知ること。
聴いたら忘れまい。
己が頭の良さを恨むがいいわ。
僕は無言で促した。
幸いにして居合わせた皆は何が必要か判っている。
わざわざ言葉を付け足す必要はない。
兄妹の暗闘にも興味はなかろ。
続き続き!
同じ都市の港湾に居た連中。
停泊中の船乗り、全員が殺されないでもらえた。
次の航海を待つ船乗りは、一人残らず殺された。
片方が皆殺しにされた理由。
殺した側にとっては、どちらも同じ領民だろう。
殺した覚えは無いだろうが。
今後、僕らが殺されないためにも抑えたい知識。
踏み潰されたくないならば。
ただ知るだけで生きることを許される側となる。
青龍の足裏に入らないこと。
「生き残りは船内に居た」
なら夜か。
船乗りは港に帰れば陸には上がる。
船荷の積み降ろしは人足の仕事。
それを船側で差配するのは頭以上。
差配役も交代で監視だけが多い。
それも明るい内のこと。
昼間は港街で遊ぶ。
夕方から夜は船で寝る。
揺れない寝床が欲しければ、埠頭の内で寝ればいい。
わざわざ宿を取る船乗りはいない。
だから殺されなかったなら、夜か。
埠頭の内なら、駆け込めるだろう。
――――――――――考える前に走り出せる
船乗りなら出来る。
視ずとも船に戻る。
暗い船内を走れる。
港湾都市が青龍に襲われた、刻限。
・・・・・・・・・・咄嗟に船を目指したか。
通ったのかもしれないが。
・・・・・・・・・・いや、流石に、奪いに来たハズ、今港を使っているし、拾った気分じゃないと良いが、なんとなく。
そう。
襲われたのは都市。
・・・・・・・・・・まあたぶん。
いや。
帝国を殺しに来た。
――――――――――間違いない。
そう。
ゆえに船は使える。
・・・・・・・・・・ツキだけで。
わざわざ領民を殺しやしない。
たまたま殺されない場所に居た。
しかも僕らに必要な者たちが。
最低限の用を満たせる船員たち。
そして。
なぜか船団が使える。
――――――――――どんな幸運だ?
船があって船員が居ても船団は動かない。
都市有力者たち。
船団を把握して。
船員に命令して。
港を、都市を、動かすことが出来る権威。
まだ生きていて良かった!
何故、生きてる?
船員は船内に居たから助かった。
見習いや流れの船乗りは殺された。
それは船外に居たからだろうな。
皆さん船内に居たとでも言うのか?
――――――――――ナイナイ。
船団の持ち主は高台に住まう。
湿気と喧騒を避ける為。
高波や嵐を凌ぎ易い。
山の手と言うくらいだ。
まあ、山ではないにしろ高地。
守り易いってことだ。
豊かな港に群がる貧民たち。
こと有らば暴発する。
数の暴力に対する地形の優位。
船主が持ち船を観るなら、郊外の私港から沖に回って眺めのが普通。
埠頭で寝る大商人なぞいない。
僕と連れくらいだろう。
船団持ちの皆々様。
何で生きてる。
何で殺された。
そもそもなにゆえ
――――――――――船内なら生き残れたのか?
妹が頚を傾げて観せる。
皆にも僕にも。
背な越しにも解るほど。
全身で示して。
とても判りやすい仕草。
他所の邦へ行来する者は身振りが大きくなるもんだ。
ヒジャブ。
イスラム圏で女性が顔を覆う時に使う衣装。
アレをアメリカ女性が「女性の人権侵害だ!」と抗議しました。
貴女の仮面は人権侵害ではないんですか?
……と返されたとかなんとか(笑)。
いえ、マスク情勢を観るに付け、思い出された次第です。
以前の繰り返しで恐縮ですが、マスク自体の需要はありますから。
ブス必須。
人類の少数派ですけどね。
観れば解ることですが。
実際ノーメイクでは不味い人はいません。
いたら人類の範疇ではないですけれども。
訓練も受けていないアレが試行錯誤で自分の顔を取り繕おうとして最善でも残念なことになる。
ダメージゼロは無いのでマイナス勝負!
匿名性の演出なら判ります。
んが、違うのはもっと解る。
相応というものを理解せず粉飾偽装隠蔽を謀ろうとすると悲惨なことになりますが。
マイナススタートからの有料自滅行為!
ソレなアレがマスクを離せないのも無理もなし。
いや昔から、この先も、嗤いますけど。
それで相応。
ソレなアレがマスクを離させまい、とするのは自衛本能ですね。
メイクをするのが当たり前!
(人類には理解出来ない世界)
マスクをするのが当たり前!
(顔面テロリストには確かに)
うん、同じだ。
最底辺が周りを牽き摺り落とそうとする構図。
頭が悪いコロナ馬鹿が大勢の人を巻き込んだ。
いや、同じで。
だから広くアピールしないといけません。
「あなたはマスクを付ける必要が無い側です」
つまりは人類の大半なんですけど。
下手くそな化粧をする手間を省く為にマスクって、阿保か。
いや、どんな形であれ隠すべきアレはともかく。
微力ながら、お手伝い。
顔を晒して歩きましょう。
いやずっと隠してませんが。
そんな訳で、まだまだ出歩かざるを得ず、更新スケジュールが遅れそうです。
新型(笑)コロナ対策を邪魔するためなら仕方がない。




