覆水不可収/Humpty Dumpty.
【用語】
『契約』
:いつも通り間違っているくせにクレクレ物乞いが激しくムカつくWikipediaはさておき。一応、記すと法律とは関係ない。法律の方が関係してくる、とは言える。社会と法律の関係みたいなもん。
つまりは取引の別名。ある価値とある価値を交換する約束を「契約」と呼ぶ。価値なので財貨とは限らない。情報、保証、可能性、なんでも良いが等価でなくてはならない。釣り合わなければ公序良俗に反して無効。釣り合っていても互いの信用能力に格差があると破綻前提。他称で呼ばれる金貸しと金融業の差。蔑まれるか崇敬されるか、違いはそれ。契約の形態には様々なものがあり、暗黙から成文まで互いの信用能力によって決まる。信用100%が暗黙で0%が成文で克つ脅迫付き。サインを求められたら信頼どころか信用されて無いんだから家康だって秀頼を殺すよそりゃ人類社会の古今東西普遍的常識です。安定した歴史を持つ社会では100%寄り。例えば西欧や人類社会の大半。社会は地形範囲や国境を持たない。故にカテゴリーは希少鉱物を取り扱う閉鎖市場などもあり、契約が握手一つだったりする。安定した歴史が浅い社会では0%より。例えば合衆国や影響下。ローカルルールを勝手に持ち込んで「契約を守らない後進国」と罵る当たりがこの辺り。そもそも相手の利益にも為らなければ誰が協力するというのかという話。根源的に例えれば契約とは外交と同じ。自称先進社会の田舎者には解りやすかろ。都合が良ければ結び悪ければ破る。自分を尊重しようと考えもしない相手に誰が前もって宣戦布告するものか。約束を守って欲しければ欲しい間だけでも相手の都合を考えれば簡単に出来るがやらない奴は声が大きい貧乏人。
法律がある前から社会がある。
契約書が無くなっても取引は続く。
契約の99%以上は係争を生じない。
もちろん契約が係争を防ぐこともない。
係争の100%は契約で解決しない。
もちろん人知が及ばぬこともあろうか。
さて、問題。
契約という慣例について。
貴方の利益に叶うのか?
誰かの利益に役立つか?
何故どうして続けてる?
【異世界大陸東南部/国際連合軍大規模集積地「出島1」/竜の巣/青龍の水飛竜横下/若い参事】
僕はすんなりと納得。
皆が此方を騙す理由が無い。
・・・・・・・・・・ではなく。
皆を連れてきたのは青龍だ。
――――――――――意見は訊かれたが。
皆に欠けてるのは何故かと。
・・・・・・・・・・殺したか。
居ないのは居ないから。
殺してなけりゃ連行してる。
そして僕らは殺した側の代理人。
大陸有数の富強氏族が半減したらしい。
誰のせいかはどうでも良いが。
今、目の前に居るのは、その生き残り。
隔意を隠さないのは良い傾向。
殺しに来るなら笑顔か敵意で隠すだろ。
それにしても、大陸一豊かな都市の有力氏族!
当主の首ならいざ知らず。
代わりがいないってこと。
氏族単位で滅ぼされたか。
両手の指の数ほどあった氏族、成員は何百人?
信じるに足る訳もない。
だから理屈じゃない。
言われて見れば馴染む。
とても。
とても、自然じゃないか。
青龍だ。
殺すとは、そういうこと。
殺り方を、知りたくはあるな。
いかんいかん。
金が有ると勘違い仕勝ちだが。
いかんいかん。
殺されない方法が在るとでも。
いつまでも居ると思うな青龍の貴族と魔女。
思ってしまうんだよな。
明日も生きているつもり。
誰がそんなことを思う。
青龍に殺されなくても、誰に殺されるやら。
端から観たら狂気に過ぎよう。
船乗りの心得。
訳なく産まれて故もなく死ぬ。
誰でもそうだ。
心得なくとも知っているだけ。
だから、氏族を使う。
予定。
計画。
資産。
引き継ぎ続ける為に。
だから僕には向いてない。
向いてる妹は、勘違いしてないだろうな。
僕が糺せば済むことだが。
お集まりの皆々様方は、間違ってないか。
理不尽と憤っていたら救えない。
それは舐めすぎかもしれんが。
規模が大きいだけで箍が外れる。
質せないから、呼吸を測った。
僕の前後を意識してはいる。
されてもいるよな、この気配は。
前。
戸惑いを隠さない妹。
把握出来ない御伽噺。
現実感が無い。
上下左右は龍の巣に居る。
見慣れぬ具材。
物馴れぬ造り。
外にはいつもの空がある。
異世界の様だ。
後。
興味が露な青龍の女。
判りきった己が行為。
僕が殊更に無表情を装った。
減ったのは氏族の数、だけか?
青龍は帝国以外を殊更、殺さない。
有力氏族は巻き添えで皆殺しだろう。
巻き添えで済んだツイてる皆さん、
身内が揃って無事、無いよな?
訊くに訊けない、殺される。
今この瞬間。
産まれて初めて願っている。
なるべく生きていて下さい。
この僕がだ。
頼むから感情的に為ってくれるなよ。
青龍は感情的なんだから、改めて皆殺し。
僕らの関心事は皆の生死に有る訳じゃない。
生きているから望めることを!
――――――――――思い付いたのが、遅すぎる。
大陸最大の商船群の持ち主、その使い途。
・・・・・・・・・・船団は、まだ、使えるのか?
帝国と青龍が出会した刻。
なんで僕は、思ってしまっていた?
世界の終わりが始めた所。
――――――――――どう転んでいても可笑しくない。
船団が在る前提で、これからの商いを考えた。
・・・・・・・・・・言い訳が効かない、取分け妹へ。
一般論。
常識は常に邪魔になる。
未だ懲りない。
僕だが。
大陸有数の大港湾。
青龍が海から上がった処。
大陸一富裕な都市。
青龍は、そんなもの興味がないだろう。
赤龍は、負ければ敵に渡さないだろう。
むしろ壊す方が優勢じゃないか。
そして龍と龍が出逢い頭で一撃。
なんとも惜しいことに
・・・・・・・・・・その結果が目の前、五人。
昨日までの、当たり前。
明日には変わるだろう。
今日まで保つと勘違い。
絶対に言えないな。
取引相手に舐められる。
躊躇わせたら気の毒だ。
損をさせる訳にいかん。
誰をも幸せに出来ることこそが取引。
妹がこちら窺っている。
僕の動揺を巧く隠せた。
不安な様子はない胆力。
客を不安にさせないのは商いの基本。
隠し事をするときは、それらしく。
隠してますよ、周りに示すこと。
作為ほど相手を安心させる所作はない。
隠し事が何かバレなきゃいいんだ。
隠してないよ、と知られぬよう。
本当に、よ~く効く。
特に何も知らない刻は。
別に今に限らないが。
知らない刻は多いんだ。
世の大半を誰が知る?
誰も思わんが。
無知は一番、弱いこと。
誰もが避ける。
だから一番、騙し易い。
誰も信じない。
皆から一番、疑わしい。
誰もが信じる。
信じられる訳がないと。
僕には疑われる方が好都合となる。
弱さが知れたら相手が困る。
弱さを装った強さと誤認。
弱さ故に、それが成り立つ。
僅差でなくて落差で良かった、助かった。
それで、やっと互角。
無から有は生じない。
辺境から来た田舎者。
青龍と違って距離は弱味と皆が知る。
弱い奴が丸腰とは思わんよなぁ。
狙ってやれたら僕も一人前。
妹に知られたら格好がつかない。
田舎者であることの有り難み。
仮装が通じる今の内。
知らないことに変わり無し。
知りたいことに変わり無し。
皆の眼にはどう見えたのか。
検証する事実の断片。
大陸一の富裕を誇る交易都市。
海から海へ。
海から陸へ。
陸から河へ。
流れる源。
物と金と人。
数字と伝書。
風聞と伝手。
生む波紋。
ツキさえあれば成功出来る。
何処でも同じ。
何時でも同じ。
誰でも同じだ。
違いは都市の倍率ただ一つ。
金貨一枚。
舟一艘。
挨拶一言。
たかがそれだけ。
手形百枚。
船一隻。
相場高騰。
ただ替わるだけ。
倍付け。
繰越し。
大当り。
それは逆にも言えること。
手形を割り引くと額面が割れる。
船倉が一杯なら一隻沈んで破産。
相場が動いただけで追証が掛る。
些細なことでこの有り様。
何時?
何故?
如何様?
これが知りたい、判らない。
何処。
――――――――――南北大港湾都市で
誰彼。
・・・・・・・・・・青龍と、彼ら以外。
某其。
――――――――――有力氏族の半分、も。
それは知ってる察してる。
知人が殺されたのは構わない。
伝手が減ったのは残念なだけ。
売り掛けや債権などたかが金。
問題は役目。
――――――――青龍の貴族から、わざわざ問われた。
僕は、やると言った。
やれませんでした?
僕が、そう伝えると。
あり得ない。
・・・・・・・・・・無能なら産まれて来ない方がマシ。
確認を続けさせる為に黙る。
知らない振りに、話をさせて。
知ったか振りは話さない。
知らない振りではないけれど。
話さない分アタリを付ける。
殺されたのは有数氏族の当主ら。
郊外に城を構える貴族じゃない。
都市の内郭枢要に居座る商家だ。
商都たる港湾都市は僕らの懐。
最も安全な場所に居る。
最も耳敏い連中の中心。
最も被害が少ない連中。
それが半減以下ってことは?
「船が有るんですか?」
有から無を産んで観せる妹。
・・・・・・・・・・いきなり全否定から入るとは!
大港湾都市の要人が半減する刻。
都市と港と船が無事な理由がない。
船員は船大工は人足が生き残ったか。
そもそも大陸一の海運力は、まだあるのか?
人は簡単に死ぬ。
経験のある者がいなければ何も出来ない。
船は簡単に沈む。
動かす物が無ければ人には何も出来ない。
場所も同じこと。
船着き場に船渠に通路に倉庫に資材、他色々。
都市そのものが船団そのもの。
一つ一人に代わりはある。
喪われ得る範囲なら。
僕らが考え付けるならば。
三ヶ月前に今日この日を誰が思い付くか!
海の向こうから青い龍が攻めてきて赤い龍を踏み潰して大陸一の大港湾の真上を通り抜けましたとさ。
運が良ければ無事で済む、訳がないだろ当たり前。
そりゃそうだ。
船が用意出来るのか。
まずはそこからだろうよ。
僕は思い付かずにそこを跳ばしてしまったんだが。
それに対して皆、はなんと答えたか。
大港湾都市を支配していた者たちが。
その誉と氏族の歴史、過去を賭けて。
応えない、それが答え。
出来ないと言わなかった。
それは出来ると言うこと。
やらないと言わなかった。
それは、やると言うこと。
それを聴いてなお、敢えて問い糺すのは、証を録ること。
利害を否定。
形式を確認。
確かめる事が何を意味するのか。
――――――――――僕には出来ない、な。
判るべきが解らぬ愚か者。
自殺に等しい。
利害を捨てれば、形式しか残らない。
形式に頼るのは、貧乏人が貧しい所以。
筆跡は何も証さない。
文章は誰も縛らない。
書付は誰も殺せない。
契約を勘違いしてるのが、貧乏人たち。
守らせるんじゃない。
強いるんじゃない。
判らせるわけがない。
そうあることが互いの利益。
だからそうする。
それが取引。
罰など要らない。
それは手間。
誰がやるもんか。
そんな無駄。
何時起こるか判らない裏切りに備えて一日中待つような役目を用意したら、金が幾らあっても賄えやしない。
それでも貧乏人は証文を造る。
争う前から手間隙をかけて。
だから貧乏人は一生、貧しい。
金が一度は留まってしまう。
貯まってしまえば金じゃない。
石ころ土くれなら在るのに。
無きに等しければ重石に劣る。
金持ちならば止まらない。
自分自身が値をつける。
相手自身が値を認める。
商いは解る者だけ判る。
刻は金なり、即断即決即決済。
肯定から始まる世界。
世界が覆された翌日。
否定から始める機会。
出来るからこそ否定しない。
したら便利だ。
故に波及する。
皆に僕らに。
それは誰もが望んでいない。
金が留まるからだ。
商いが消えるからだ。
僕ら自身だからだ。
それでも皆が望んではいる。
資産。
意思。
判断。
世界が変わった後で変わらぬこと。
問えば判る。
解れば終る。
誰もが問いたい。
誰にも問えない。
皆の一員ではない。
皆の埒外ではない。
判るべきを知らない未熟者。
・・・・・・・・・・妹ならば出来る。
だから集まる。
怒り。
これは僕へ。
期待。
これが妹へ。
謝意。
皆が僕らへ。
役割を演じる。
判らぬべきと解っている者。
――――――――――頑張れ、妹よ!
「和を以て貴しとなす」
と言った人が誰と殺し合い誰に一族ごと滅ぼされたか、現実に何が尊ばれていたのかは、御察し。
言わないと誰もやらないから敢えて掲げる。
隣人を愛しましょう。
親を敬いましょう。
子をまもりましょう。
言っても誰もやらないから言い続けている。
まあ、間違ってはいません。
誰がが気にするかも。
殺し合いは話し合いの後で。
まさにグローバル・スタンダードが目指すところ。
……実現してるとは言いませんが。
話し合わない為に自他を殺す。
まさにローカル・ルールが実現してしまいましたが。
……いわゆる日本人の悪いところ。
もちろん所謂ということは間違っています。
「日本人の悪いところ」
お詫びの上で訂正。
「日本国民の悪いところ」
日本人は江戸時代に成立した民族。
日本国民は明治国家が造った種族。
わたしには関係ない奴らを、いつも嗤っていたのがまるで夢のようです。
迷惑。
哀れ。
同じこと。
輩を愚行から救ってあげる方法。
新型(笑)コロナ(嗤)ごっこ開始の頃ネタにしました。
主観的にマスク率が下がれば外すでしょう。
判断ではなく反応するのが日本国民って輩。
みんながやるからやらないから。
……人間じゃないですね、コレ。
頭が悪い奴らを助けてあげなくても良いんですが。
手が届く日本人としては致し方なく仕方なし。
ボランティアとして花粉に苦しみながらマスクなしの姿を観せてあげないといけません。
執筆効率も落ちようってもので更新が遅れる理由でした。




