兎が居ない三月/A Mad Tea-Party.
【用語】
『ハイブリッド』
:魔法は魔法使いの認識出来る範囲で効果を現す。治癒魔法は生体を再生出来るらしい。以上の点を実戦で確認したマメシバが実践している治療技術。つまり治癒魔法使いに人体の組成構造機能を教えてリアルタイムモニターを理解させれば、ありとあらゆる損傷を治すことが出来た。魔法使いに患者を通信で認識させることで、タイムラグを意識させない高速大容量安定回線を用意できれば、遠隔治療にも使えた。異世界人は地球人類と本質的な差異がないと物理的に確認したので即採用。異世界種族の主だった物は物理的分析数が足りないので、積極的にコストを費やしている。
全ては今のところ。
仕組みが解らないので全ては仮説として扱われ、検証の為にこそ範囲を絞り多用させている。
※参考・第382話〈魔法と科学が出会ったら:一億の籤〉
これが一つ目。
9mm拳銃は珍しいですか?
まあガバメントばかり練習してますものね。
自衛官の射撃訓練は基本、異世界転移後ですから。
でもこれ非武装非戦闘員戦闘用にも配備されてます。
それだと殺しちゃう?
だから低殺害弾なんですよ!
殺傷弾に比べて在庫は少ないです。
私達の装備は第三次世界大戦基準ですから。
でも使いきる機会は無いので遠慮せず。
殺してはいけない相手は少ないですからね。
だこら戦闘用ですから。
非武装非戦闘員相手ですよ?
普通は戦いにならないし。
排除、撤去、誘導なら砲爆撃に自動機器を使いますから、銃を配ったりしません。
捕虜相手なら通常の45口径ホローポイント弾です。
捕虜宣誓させれば従いますから、機会は無いですけど。
異世界種族を作戦外で殺すのは自動機銃/機関砲/地雷。
不幸な事件です。
気を付けてくださいね。
貴女の管轄には。
撃つけど殺してはいけない相手。
制圧圏で回収した帝国貴族や家族、文官に民間人。
非武装非戦闘員というわけです。
保護した段階で危険な状態です。
大陸沿岸部は反帝国感情が強いから。
命を脅かされていたり。
虐待されていたり。
まだ帝国が滅びてないのに後先を考えてません。
国際連合の邪魔だって、そろそろ気付いて欲しい。
どんな邪魔か?
必死に抵抗したり錯乱して暴れたり。
対処用弾種は硬質ゴム弾。
近距離で弾倉一つ身体の中心線に連射。
普通に死にますが大丈夫。
それが二つ目。
単なる情報端末?
プラス、標本のバイタルデータとリンク済み。
即死させなければハイブリッドで治癒できます。
なんと!
治癒魔法使い直結の端末なんです。
非武装非戦闘員担当は常備していますから。
もちろん撃つ時には頭を避けてくださいね。
脳外科履修済みの治癒魔法使いは少ないですので。
内臓骨格なら問題はあんまりありません。
そうしたデリケートな配慮は手動発砲なればこそ。
抜き撃ちは止めてください。
可能性があれば、抜き持ち。
目の前ならテーブルに置いても良いですね。
ガンアクションなんか要りません。
当てやすいところに至近距離から。
訓練を思い出してください。
拳銃は狙って撃つモノじゃありません。
目の前を打つのが正しい使い方です。
近く。
速く。
大雑把。
・・・・・・・・・・武装戦闘員相手と変わんないか。
やり方は同じですけど、殺り方じゃないですからね。
――――――――――生かして置くこと。
次の手段自動攻撃では不可能です。
貴女が失敗すると標本を殺します。
必死になってくださいね。
《国際連合軍非殺傷装備講習より》
【異世界大陸東南部/国際連合軍大規模集積地「出島1」/竜の巣/青龍の水飛竜の中/若い参事】
僕は、つい、笑ってしまった。
殺される側が殺す側を哀れんで、どうするよ。
・・・・・・・・・・殺される側って自覚が足りん。
いや殺される危険に馴れすぎて気に病まない
――――――――――気にはなるから生きている。
人の形をした龍と過ごせば、こうなるわなぁ。
まさに過ごす。
同じ処に居る。
殺し殺される。
まあ青龍の貴族に殺意が在るのかどうか疑わしい。
・・・・・・・・・・領民の百人に一人は殺してる。
挽き割いた相手を観て。
半壊した港街を眺め。
煙獣に沈めた山を指し。
なんで死んでるんだコイツらは、って様子らしい。
・・・・・・・・・・僕に訊かれても判らんけどな。
居合わせて居ないのに、想像がつく。
足元に眼を向けたら死んでた、とか。
避ける気もないが狙ってすらいない。
僕らが気を付けるべきは龍の脚の裏を観ないよう。
――――――――――すぐ側にいる龍の足裏。
青龍は皆が青龍。
なのかどうか。
青龍の貴族が女。
生きて帰れたら、良い経験になるだろう。
・・・・・・・・・・僕を殺せるなら青龍しかいない。
青龍の女は微笑んでる。
先に行く気は無いようだ。
掌の竜殺し、筒先は下。
生きていても良い、訳だ。
十歩で商談の段取りを組むこと
・・・・・・・・・・一息で組み直せるような段取り。
僕らが載せられた青龍の水飛竜。
大地、と言うには余りにも平たく整えられた平地。
障害物を嫌うのは大型獣の当然。
速く重いからこそ、引っ掛かるだけで自分も傷付く。
土竜の様な陸を行く物は固い鱗や厚い皮で身を守る。
飛竜は広いところにそっと降り、地を走らずに飛ぶ。
青龍の飛龍、ちぬーくさんも同じようにしているな。
だが青龍の水飛竜は水上の様に陸上を滑る。
これでは陸地に降りる処に木や岩があれば怪我をする
だから障害物を無くした結果、平原になる。
使役する竜に合わせて世界を変えただけ。
―――――――――――何も間違ってはいない、だから良いって訳じゃないが。
馴染みある大都市の外側を壊してくれて良かった良かった助かった。
なにもかも真っ平らにして縄張りにした城塞は初見だが。
石の基礎に建物城壁よりも、だだの丘の方が壊しやすかったのかね。
なんだって壊せるにしても、易さ難さはあるってことか。
だから都市周りの丘も森も畑も村も地形も地図とは異なっているが。
海港の腹を満たすのは海運だったのは確かだ。
万を越える口を目指す川や畑や井戸があった。
渡し橋と村に街道も、何処だったか判らない。
青龍は起伏が嫌いなのか便利が好きなのか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・理に叶っていれば良いってもんじゃない。
世界から理を導くのが僕ら。
理から世界を造るのが彼ら。
世界を変える為に竜を使うのではない。
・・・・・・・・・・竜を使う為に世界を変えている。
竜の為に造られた平原は大地に穿たれた足跡のようだ。
――――――――――星をのみほす青い龍。
それを空から観ていた。
泊まる海竜。
停まる飛竜。
留まる土竜。
整然と並んだ兵舎に倉庫。
そして今、平原を滑り走り込んだ物陰。
青龍の水飛竜、その腹中から窺えるのは、その程度。
そこに乗り込んで来た青龍の女貴族。
説明は無く端的な命令と口頭再確認。
無言で僕らの首飾りを数回確かめる。
何か知らないが僕らの準備は整った。
それに満足すると、背後を眼で示す。
青龍の女が乗り込んで来た扉の先へ。
頚枷、いや首飾りがあれば、青龍の水飛竜から出ても殺されない、らしい。
「戦ってらっしゃい」
征かざるを得んわ。
外がどうなっているのか判らないんだがな。
犬が吠えても竜は進む。
ならば吠えずに再確認。
賭場と狩場へ行く前に。
しきたりと種銭は観える。
それで十分な元手。
交易に現物は使えない。
金貨なんぞ使うのは町商人。
尻持ちは青龍だが、口入れは我が家。
太守領が持つ長年の出荷入荷。
実務を仕切る船主内の実績。
大先輩の信用状も用意。
判りやすい手掛かりから、青龍の意思を解らせられる。
仕掛けは要るが、僕なら出来る。
早く来れたのは僥倖だった。
速すぎる気もしないではないが。
先ずは街へ。
妹と手分けは情勢次第。
脚か翼は青龍に強請ろう。
予定と人手は僕しかないか。
青龍に委ねている間は、考えることに集中。
誰を使うか。
誰から会うか。
誰を頼るか。
街は何方で此処は何処か。
此所は屋内ではある。
青龍の水飛竜が納まるのは屋内でいいのか。
其処は青龍の陣中。
大陸沿岸部最大の交易港辺りの何処だろう。
地形無いから不明。
より大きく観れば目的地だと言えるんだが。
内海の河口は突端。
沿岸航路と内海航路をまとめる海港の片側。
二つある大港北側。
空から地図と見比べて判るのはそれだけか。
内海航路も沿岸航路も船の種類は似たような物。
この大港二つならば、船が幾らでも在る。
航路が再開されても、すぐに交易は繋がらない。
皆が探り探り動き出す前なら傭船し易い。
大陸最大の港に集まるのは積み荷だけじゃない。
私信伝手伝聞相場に信用も集まって来る。
何が起きたか起きないか、音信不通と判ること。
航路も陸路も集まっている大港の得意点。
大陸北端辺境の太守領では外から不通ってだけ。
青龍が来て、初めて帝国の崩壊を知った。
だからこそ商談の前に、に確かめて置きたいんだがな。
先に送り込んである番頭や密偵たちよ、今何処?
大港自体はよく知っている。
年に一回くらい行く場所。
知己も多いし土地勘もある。
帝国支配が崩壊する前は。
商いを一から始めるに近い。
何が解らないか解らんし。
下手に知識が在る方が囚われやすく危ないかもしれん。
惣領娘ゆえ太守領から出さなかった妹が役にたつ。
ここ二ヶ月半。
誰が生きてる。
誰が継いだか。
青龍に訊いても仕方がない。
領民同士、氏族や家の有無濃淡。
訊いたら全員を魔法にかけそうだな。
街はあったが。
船が見えない。
この先どうか。
それを探る為に船を出したのが先月。
青龍による出港許可からすぐ。
出せる限り早く一番速い船を。
三隻だして三組が乗っている。
一組以上が着けば十分だろう。
沿岸交易の現状把握が出来る。
大守領港街に持ち帰る予定だ。
順調なら今着いて半月調査中。
連絡が返って来るのはまだ先。
その前に送り出した僕が来る羽目に。
跳び込まれる商いは負ける。
勝てる商いよりはマシだが。
どちらも貧乏人のやること。
金はある。
儲けか無駄か選ぶものかよ。
小金の為に大儲けを逃さぬ。
勝敗定かならぬこそ大商い。
僕は出た。
青龍の水飛竜から。
ここは、その巣らしい。
丸ごと納まる納まってる。
高い屋根がある。
高い壁で囲われる。
無いのは柱や支え。
なんてこったと頭を抱える。
そんな贅沢は許されないけど。
無いから在る空だ。
そこに居るのは見知った奴ら。
その半分ほどが揃えてある。
なるほど、飛び込まされたか。
大港で商談する相手の名前は訊かれなかった。
――――――――――その種類は言ったなそう言えば。
注文を叶えられる商談先。
何処の何様相手と商うか。
大陸沿岸部最大の交易港。
内海が外海に繋がる両岸。
その突端に位置する都市。
南と北、両大都市の顔役。
金と信用、数も質も在る。
僕より遥かに富裕な連中。
これから色々お願いする。
そんな算段を組んでいた。
・・・・・・・・・・青龍が連れてきた、んだろうなぁ。
僕の到着に合わせて、か。
お茶会とは参ったね?
カウントダウンでも始めましょうか(笑)。
なにやら何月何日付けでウィルスの病性が変わるそうですよ?
開花予想かな?
梅雨入り宣言を見習え!
こんなパンデミック観たことない(笑)。
誰も停めない止めさせない。
頭が悪いって凄まじいことなんですね。
わたしには解らない感覚です。
書類の中に世界がある阿呆。
自分の外に判断がある馬鹿。
「マスクを付けて欲しいけど自己判断で」
から
「マスクを付けなくていいけど自己判断で」
なんか変わりましたか(嗤)?
文字数は違う。
そりゃ新型コロナだって表記が変わったから、新型コロナ対策だって表記がかわるよな(笑)。
決めたのは霞ヶ関。
税金を投じてキャンペーン。
悪いのは貴方。
不自由と貧乏は自己責任。
霞ヶ関は悪くない。
誰もやれと命じて無いから。
勝手にやったのが馬鹿なんだ。
おお!
正論!
スターリンの粛清裁判並みのロジック。
なお、まだ呼吸してるコロナ馬鹿は「危険だからマスク継続」だそうです。
そっか~「政府の要請によりマスクをつけろ」って言いはってたんですが。
「死ぬかも知れないウィルスに効くかもしれない対策をしてもいいですよを、しなくても良いですよに変えました」
と言う要請に応えたがる奴は違います……人間とは。
1945年5月2日のベルリン。
2023年3月13日の東京。
一気には変わらないでしょう。
徐々に変わるでしょう。
少しずつ、何を言い出すか、とても興味深い。
だから丁寧に解剖してあげたいものです。
頭が悪いということはなんなのか。
その前後は見逃せませんね。
わたしは免疫が強いので訓練された無能の巣窟、農林水産省のクソどもがやらかした花粉症に苦しめられています。
とは言え
「コロナ対策を無視して観せる」
最後の機会。
以後は無能の国から阿呆を広めに来た人類最悪の愚鈍、
「政府の要請が無くなったから」
マスクしてないのかと思われかねない。
それは人間の尊厳が傷付き、いきていられません。
だから花粉に突入せざるを得ない為に更新が遅れるであろうという説明でした。




