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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十八章「帰邦事業」

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あ~たらし~い~あ~さがきた~チッ!

【用語】


『政治』

:人間の間で利害を一致させる過程。妥協(取引)排除(戦争)統一(教化)も、全てが政治となる。


私の欲求。

支持者の都合。

社会の必要。


その三つが一線上の連なりを()()()と言う。


国際連合(地球人類)の政治指導者にして日本議会最大与党幹事長にして広く誰でも知っている政界の黒幕でありあの三佐(愛娘)に慕われる好き父親な衆議院議員》




【国際連合呼称地域名「聖都」/第13集積地/領民集積区画/軍政部隊行軍陣形中央/青龍の貴族】


そも俺たちが第13集積地(聖都)に来た理由。


ひとつ。

地球人類(国際連合)の都合。

ふたつ。

占領地(太守領)の都合。

みっつ。

うちの娘の希望。


みっつめの為、ふたつめに注目し、ひとつめを導く。


ひとつ目。

帝国が集めた労役者たちの解消。


決定済。

介入の余地はない。


主に農民、時々は職人、百万人。

――――――――――百万ってところに注目。


今は百万居ないけど。

・・・・・・・・・・減った分?


有害化学物質の汚泥になってる。

良く灼かれて道路や住居にも。

帰郷した領民も少なくはない。

徒歩で帰れる範囲は順次帰る。

統制可能な人数に小分けして。

だがまだまだ半分近くがいます。


58万人余り。


徒歩で帰れない範囲。

義務と責任で(無理矢理)狩り集められた人々。

故郷から縁無き土地。

彼らの生活物質はここ聖都にある。


・・・・・・・・・・まだ。

いずれ無くなる。


帝国という監獄が無くなれば人々は流出

・・・・・・・・・・来の身着のまま徒歩での移動範囲と背負える食糧で。


程なく行き詰まり飢え始めるしかない

――――――――――素直に死なずに殺し合いながら。


略奪された者が飢えてまた略奪者になる連鎖反応。


58万人の難民化は異世界を破滅させる

・・・・・・・・・・中世一般に余剰生産力なぞない。

太守領のような穀倉地帯は少数例外です。


日本列島が異世界を必要としない(奪う物がない)理由だな。


異世界大陸の北東部から北部一帯が被害予測地域。

――――――――――それは国際連合軍事参謀委員会の戦争計画にはそぐわない。


国際連合は環境に優しい侵略戦争を推進しております。


―――――――()()()彼らは無くする―――――――


彼ら?


聖都解体作業の為に集められた人々。

異世界(帝国領)各地から集められた領民。


なにやら魔法至上を掲げる帝国にとって、奇跡を司る神殿の最大拠点である聖都は在ってはならないとかなんとか。


そう思っているのは帝国の魔法使い()()みたいだが。


一昨日エスコート聖都観光をしてくれた美女(帝国女騎士)は、自国の掲げるイデオロギーに無関心、というより冷笑的ですらあった。


どうやら帝国支配階級、魔法使いと騎竜民族の間には温度差が大きいらしい。


騎竜民族には魔法使いの拘りが解らないが、判る範囲で協力。


その上で敵にそれを隠さなくても困らないだけの関係が双方向に築かれてる。


大人の関係。


違いを承知で組める連中が相手かよ。

敵にまわしたくないよな。

それを誇示してくるのも戦いだろう。

敵にまわしちゃったけど。


帝国女騎士。


色々と話す機会はあった。

――――――――――男と女の語らい。

遺跡のような巨石建造物。


デートにピッタリ。

話も弾む。

肢体は弾まず我慢。


彼女(帝国女騎士)の話。


帝国支配階級の中枢である騎竜民族出身であること。

何故か騎竜民族の血をひかないと竜に乗れないこと。


帝国としては氏族交配で血を混ぜて対応出来ること。

ただ期間がかかるから誰でも乗れたら良い思うこと。


帝国騎士として貴族として貴男の子供が欲しいこと。

良い女たちを従える良い男に相応しい女であること。


帝国に寝返らなくてもいいから先ずは楽しめること。

それこそ彼女と俺の、どちらが寝返るか肢体で勝負!


ってところでシスターズ(子どもたち)がキレた。

・・・・・・・・・・Colorfulまで前のめり。


乱入してこない辺り、近所のガキどもより行儀が良い。


流石は上流階級と言うべきか。

まだまだ俺との距離が有り過ぎか。

うちの娘たちが吶喊してきたら感性。


それに流し目をして揶揄う帝国女騎士とは、個人的にも仲良くなれた。

――――――――――口説けないのが辛い処。


ともあれ一昨日、互いにオフィシャルトーク。


敵同士、隠すべきを隠して本音も晒す。

魔法翻訳に伴う誤訳を防ぐ為に。

意図を隠した話し方はしない方がいい。


互いにヤりたい利用したいし気に入ってるから、気に入られたい。

――――――――――好みの話になるのは利の当然。


帝国それ自体もだが、帝国支配階級が俺たちに興味津々なのは知られた話。

タブーが無い世界だけに、男女関係は相手を知ることの一つ。


人間と動物の区別が無い、っていうか、人間の概念が成立していない異世界。

非人間種知性体が当たり前、人間って認識が生まれるかすら怪しい。


だから畜産品種改良の感覚で、氏族の血統を改良したがる。

・・・・・・・・・・・・・いまここで、俺に関しては、性接触解禁、って知らされていたわけだ。


多世界交配実験だか多世界交流試験だか多世界播種計画だか、その一つ。

そんな地球人類の都合は、同じように考えてる帝国にとっても、好都合。


管理出来る隔離環境で試合(ナンパ)開始!


ハニー・トラップとしては直球。

肢体の関係が気持ちを近付けると知ってる。

自分の魅力を知るからこそ、だ。


それが地球人類の男にも通じる、と確認済み。

――――――――接触禁止でも、反応が観えれば判る。


俺みたいに、あからさまな視姦ではあるまいが。


そして異世界調査(フィールドワーク)としても効果的。

違いを際立たせることで反応を引き出す。

先ず地球人類の型を知ることから。


己は知っているから敵を知れば完璧。

――――――――――違いが判れば好みも解る。


いやはや駆け引きに乗れないことが残念至極。


帝国女騎士には、彼女の捕虜になったら改めて口説き落として魅せる、と約束した。


まあ、ハッタリですが。

諦めたら試合(ナンパ)終了。


俺、戦争が終わったら、異世界の子どもたちでも遊びながら異世界の女も口説くんだ!

・・・・・・・・・・はさて置かざるを得ない、チッ!


それで解った彼女ら(帝国騎竜民族)の感覚。


理解に共感は必要ない。

パートナーシップ。

唯一にして対等な盟友。

()()()()使()()の拘り。


魔法使い一般の拘りではないところに注意。

これが元凶。


帝国魔女をナンパできたら、ついでに訊いてみよう。

深い深い関係になってからの文化遺産破壊について。


反帝国(反魔法)勢力の記念碑的な存在にはなるかな。

でもそれが具体的な脅威に成るかといえば無理だろ。


聖都は帝国に抵抗した勢力の、文字通り最終拠点。

対抗し得なかった、最終ってところでお察しだろう。


都市まるごと皆殺しに出来た時点で役割は終わり。

むしろ帝国が拘れば潜在化した反帝国感情を集める。


なのに帝国軍一揃いに匹敵する国力を投じて壊す。

限りある資源を、新たなる遠征(世界征服)と同時に費やすかね。


それは後日。

ピロートークにピッタリな話題。


魔法のライバル神殿勢力。

最大拠点だった聖都の破壊。


騎竜民族から視れば無駄なこと。

大陸北の辺境の辺鄙な都市。

手間暇かかるから捨てりゃいい。

神殿勢力なら滅ぼしたから。

でも魔法使いが壊したいと言う。

なら余裕もあるから壊すか。


騎竜民族の拘りの無さと、もったいない精神皆無が生んだ大破壊。


俺たちが聖都観光に公費で来られた理由。

国際連合が抱えた障害物。

これが、一つ目。


ふたつ目。

太守領は人手不足が起きている。

耕作地帯で作付けに不自由するくらい。


此処(聖都)に十万人を連れていかれたから。

帝国はヒドイな!

春には帰る筈が帰れなかったから。

異世界転移が悪い!


異世界大陸北東部。

同じ領域、聖都の北。

穀倉地帯で多人口。


港と海路が整備済み。

――――――――――そりゃ動員される。


秋の終わり、収穫終了。

春になる前、種蒔き前。

そんな予定の労役動員。

農民多数、職人が全員。


送り出されて

・・・・・・・・・・帰らない。

はい、海路を塞いじゃいました。


日本列島が異世界から転移したからね。


国際連合が日本海相当(異世界大陸東海)を海上封鎖してます。

地球人類を護る為なら他全てどうでもいいから。


帰らないって言うより、帰れない。

そのせいで俺の任地(太守領)は労働力不足。


一番優良な労働力(若い農夫)

一番優秀な技術力(熟練職人)


すっからかんですよ。


春前に帰って来るはずだったのに。

それを折り込んで予定してたのに。

村々街々がパニックになるわなぁ。


いえ、ホント、すいません。

・・・・・・・・・・って言えない軍命により。


幸いにして、なのか、軍政下だから皆さん落ち着いてる、って言うか様子見。

本当に落ち着いてしまえば、自分たちが困ってることに気が付くだろう。

気が付く前に十万人を連れ戻せなくとも、戻せる見込みさえ立てれば、いい。


解決せずとも解決の見込みだけで我慢する。

ゴールが判れば見えなくとも行軍できる。

限界値ってのは幾らでも先送り可能。


――――――――――しくじらなければ。


しくじると、矛先が、(強者)には向かないんだろうな。

強者(国際連合)ではなく、その代理人(生贄)へと流れるだろう。


それじゃ俺がこまるわな。

それが二つ目。


みっつ目。

うちの娘たちまで連れて来た理由。


うちの娘たち(侵略軍協力者)俺たち(侵略者)と一緒じゃないと危ないってのもあるが。


本人は気が付いてない。

それは俺の都合だけだ。

これも俺の都合だけか。

本人の知らない使い方。


一つ目(国際連合)を導ける。


魔女っ娘、占領地現地代表。

彼女は現地住民を代表出来る。

――――――――――独断で。


二つ目(占領政策)をアピール。


十万人でも一人でも、殺されて欲しくない。

故郷に帰りたいならば、帰してあげたい。

帰りを待つ人たちに、帰して欲しい。


そう、彼女が望むからだ(これが三つ目)


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