幕間:予想可能回避不可能。
【用語】
『法律』
:自然にそうはならないことを強制し、自然にそうなることを無理やり留める仕組み。人殺しがいなければ殺人罪は要らない。男女が愛し合うことを規定した法律はない。親子や家族を定め恫喝し罰則を強制する法律が先進国ではありふれている。では法律が無いと社会に支障が出るかと言えば「社会と法律、どちらが先にあったのか」と考えれば結論は出ている。そもそも形式でも「法治国家」という幻想を目指すことすら例外なのだ。
「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
民法第877条一項。
友達は選べます。
上官も選べます。
隣人だってです。
選びたくもないクソどもだから法律で強制してやがるんですよ。
《友達がたくさんいて即戦力な技術を持ち貯金も沢山ある若者の主張》
マメシバ・ハナコ。
処女。
仮名。
本名を言うとマジ泣きします。
女の泣き顔が大好きな国際連合軍大尉でも、ちょくちょくヤるのは心持ち躊躇うレベル。
いやマジで。
いい大人が大声で。
いえ泣き顔は好きらしい。
だからマメシバ。
他称です。
ハナコが自称。
仮名イシイでどう?
って言われた時は断固拒否。
なんか知らないけど厭な感じがした。
命名提案者がドSの国から超ドSを布教するために殺って来たような女性佐官だから毛を逆立てた猫並みに警戒。
犬じゃないんかい。
ただ昔馴染みではある兵隊さんの位で言うと少佐クラスの軍隊ではない組織の佐官は日常的に大虐殺や粛清をしでかしているから用心にしくはない。
どれだけなにをやるにしても。
常にフラット、ニュートラル。
どんなセンスか推して知るべし
――――――――――そこかい。
普通の人間は動揺する。
すぐに忘れてしまうにしても。
単なる人殺しですら。
さすがにそうあれかしと強いられている反応は出来ない。
殺す前に身体が硬直したり。
殺す時に身体が震えたり。
殺した後に悪夢になったり。
普通はない。
それを確認したければ幾多の帰還兵に尋ねればいい。
歴史的にも今現在も戦場自慢は帰還兵の定番。
敗戦国の帰還兵ですらソレである。
戦勝国なら敢えて言うまでもないだろう。
心が傷付くのは殺す時ではない
――――――――――殺される時だ。
敗戦国の方がトラウマを抱える機会は多い。
――――――――――だが、それだけだ。
他人の生死に影響されたりはしない。
それが正常な精神というもの。
それは人殺しの話。
虐殺は殺人とは違う。
一人が殺されたら悲劇になれるのに、百万人が殺されても統計に過ぎない。
人命の無意味さを体感。
無力な民間人を大量に殺していく。
ましてや同胞とされる者を殺す刻。
殺す前に所定の苦痛を仕立てる間。
そして自分は人間だ。
己の殺され易さを知る。
自分の生死に怯えない人間はいない。
生きていればこそ、だ。
殺されるのは怖い。
殺すのは安心。
虐殺は恐怖。
恐怖から身を守る簡単な方法
――――――――――笑えば良いと思うよ。
笑って殺るのが人間の正常。
笑い飛ばすとは言ったもの。
正常な人間は笑う。
突き放して客体化すること。
刺激から、精神を切り離す。
そうやって自身に及ぶ恐怖を他人事に仕立てる。
他人の苦痛なら気にならない。
自分が無事なら大丈夫。
だから感情こそ、敢えて笑う。
それが出来れば安心だ。
だから出来ねば不安で堪らん。
三佐は違う。
しないだけ。
虐殺前。
粛清中。
浄化後。
興味が向く。
ただそれだけ。
決める。
殺す。
続ける。
部下を弄り、同胞を戦死させ、父親の声を聴き、都市を砲撃し、本を読み、資料をまとめさせ、上層部に根回し、村々を爆撃、手下に悪戯して、地球人類を灼き掃らい、音楽を聴く。
なにもかもおなじ。
常に変わらずいつも変わらず
死なないけど殺し続ける。
病気じゃないけと何かが違う。
自分の上官じゃなくて良かった良かったなどと公言しているのが甘い。
だから彼女は彼女の命名に乗らなかった。
だから名前は自分で考えた。
名字なんか何時でも好きにできるからどーでもいい、などと語る処女。
それに伴ういろいろなことを理解しているのだろうか。
既に生活空間では別な名字が定着しているのではあるが。
処女のままでいても支障はそういう意味だけならないか。
ただ上官がつけてくれた
・・・・・・・・・・くれた?
名字も気に入ってはいる。
姓はマメシバ。
名はハナコ。
ハナコって呼んでください♪︎
――――――――――ってか被占領下異世界住民からは、名字の方でしか認識されていないんですがそれは。
・・・・・・・気付いてないのか、どーでもいいのか。
マメシバ・ハナコ。
その二十代。
処女。
いやホント。
医科課程から博士課程まで十年かかるんですがそれは。
――――――――――日本ならば。
防衛医科大学校で国費を費やして医学を学び医師免許を取得。
その後は陸上自衛官として任官したまま合衆国陸軍医療部へ派遣。
合衆国陸軍第32医療旅団へ配属され傘下医療センターで臨床訓練。
その身分と訓練のまま連邦軍医科大学で修士博士過程を終了した。
合衆国陸軍と連邦軍は微妙に組織が違う。
でも医療部門に関しては垣根が低かった。
ましてや連邦内国家に等しい軍だからね。
競いはしても争わない。
連邦政府内部の日常的内戦と違う。
軍の縄張り争いは内ゲバ程度のこと。
軍人同士を優先というのが国際常識。
国境は在れど同じ種族という感覚。
自分が預かり知らぬ時所で勝手に造られた集まりに何で愛着が湧く?
そんなもんより、自分で吟味検討した上で取捨選択した集団が優先する。
しかも其処は常々取捨選択し続けて居るんだから、忠誠心が湧くってもの。
共通の価値観は共有される。
――――――――同じ軍人同士――――――――
それは同好の士への共感だ。
所属は違えども趣味嗜好が一致する。
なら仲良く殺し合えるだろう。
ましてや共に趣味る友好団体同士だ。
なら仲良く殺し競えるだろう。
合衆国軍が強い関心を寄せるモノ。
日本国ではない。
連邦に興味が無いように。
日本人ではない。
テキサス族やルイジアナ臣民、カリフォルニア市民であることへ興味が無いように。
日本文化など眼中にない。
軍人なら先ず、相手の兵科を尋ねる。
合衆国軍が日本列島に必要なモノ。
――――――――――日本軍――――――――――
だからマメシバは連邦軍、とり分け大陸軍の支援を不断に受けられた。
戦時国家の同盟軍としての協力。
――――――――――同盟国、ではない処に注目。
大陸国家の陸軍から同一兵科へ共感。
・・・・・・・・・・陸上自衛隊は日本陸軍と認識。
軍内派閥統合軍最大の太平洋軍が縄張り。
――――――――――軍事官僚も官僚、縄張り命。
合衆国内で最強の圧力団体がスポンサー。
・・・・・・・・・・留学っていうより弟子入りか。
この為に形ばかりの時間を費やすことなく肩書をとれた。同盟国の将校だったから能力だけで評価された面もある。
ましてや合衆国ではなく合衆国軍にとり日本は最も重要。合衆国軍がこぞって好感度アップに励んだのは当たり前。
つまりは御客様扱い。
斯くしてマメシバは日米納税者の奢りで自分造りを終えたのである。
伴食法匪。
税金ドロボー。
特別職国家公務員。
嫌いな奴らを利用はしても、依拠するのは誇りが許さないマメシバ。
自分で選べない家族が嫌いなのではない。
大っっっっっっっっ嫌いなマメシバにとって、そこが一番大切な所。
絶対じゃない。
絶っっっっっっっっっ対に、愛する男を選んで愛する男に選ばれて魅せる!!!!!!!!!!!
陸上自衛隊三尉。
実弾を不断に使う実戦訓練は合衆国仕込み。
医師、医学博士。
実際の戦傷者への処置診療も合衆国仕込み。
理論と実践が完全一致。
・・・・・・・・・・此処までは。
そんな彼女は処女であり男性経験は豊富である処女だけど。
容貌に秀で肢体が好く色んな意味で頭が良い。
家柄が良すぎる分をカバー出来る高い社交性。
女は珍重されるキリスト教系文明圏が生活圏。
価値を決めるは市場原理?
欲しがる者。
与える者。
各々が総量。
価値とは、需要と供給のバランスで決まる。
全員がタイムラグ無しにアクセス出来る市場があり全ての情報を常に共有出来て等しくゼロタイムで判断出来るなら。
つまり価値とは、人為的にしか決まらない。
誤断と誤算。
波及効果と付和雷同。
偶然と惰性。
それが貞操信仰によるドーピング。
八百長。
イカサマ。
カンニング。
それで終わらないなら、鬼に金棒か金棒に鬼か。
良い顔。
好い肢体。
高いコミュ力。
旨い不味いは感じるモノ。
快不快、美醜に欲望、本能衝動。
身体が必要とするものへ。
化粧をしても美しくはなれない。
偽装しても味は変わらない。
粉飾しても腹は減る。
着飾らなくても魅了される。
偽装しなくても味わい深い。
粉飾せずとも高い値が付く。
持たざる者が仕掛けた空売り。
・・・・・・・・・・モテる者には更なる暴騰。
豊かな者は、より豊かに。
貧しい者は、豊かな気分。
奪われる者は、自分から。
マメシバが男に不自由する訳がない。
――――――――――出来るとするのは違うのだけど。
ナンパは日常。
媚びられて当然。
出会いが普通。
マメシバは異性愛者で性欲は人並み。
・・・・・・・・・・だから辛さも人並み以上。
声をかけられ口説かれる方だ。
だいたい普通の若い女の倍くらい。
しかも同性からの評判すら上々。
周りに処女とは知られてないのに。
スペックの差が大きすぎて挑まれない?
――――――――それなら敬遠くらいはされるだろう。
コミュニケーション能力が高いってこともある。
・・・・・・・それなら嫉妬怨念僻みを売り付けられる。
だが何よりも誰からも優しく扱われる理由。
―――――――それは背負わされた十字架が重すぎる。
彼女の名前を知る人々は常に思うのだ。
理不尽を。
哀れみを。
罪深さを。
同情すら生温い。
男なら。
――――――――――何かしてあげたくなる。
ムカつかれるだけだが。
つまりは憐れみ。
女なら。
・・・・・・・・・・安心出来るというもの。
あんな名前よりは良い。
つまりは優越感。
国際連合軍大尉なら?
――――――――――なんとかしてやるだけのこと。
「好い感じに隙が出来るから、よりモテるんだよオマエ」
「・・・・・・・・・・改名したら魅了されませんか?」
彼女は改名の方法を教えてくれた師匠に感謝している。
だからといって全てを許してあげたりはしない。
許してあげても赦してはいけないとか。
(女、たち、になんてことをいいやがっているのかこの男!)
信じる者は救われてる。
なにやらパンデミックが続いているそうですね。
科学とは疑うことです。
税金で飼われた虫けら曰く。
いつ感染したか確認しようがない感染確認者が何人だとか。
効果が無いから止めた集団接種みたいなワクチンの効果が上下。
相変わらずコロナが無ければ他の死因がついた死者が何人。
いや、数字はどーでも良いです。
ゼロに幾つを掛けてもゼロ。
ゼロを幾つで割ってもゼロ。
無意味は無意味でしかない。
コロナ絡みの日本の報道。
勝手に耳目へ入って来なくなった今日この頃。
思えばそーしゃるでぃすたんすだかなんだか。
それを聴かされたのは街頭の大画面でしたね。
ものすごく頭が悪いババアが5分(わたしなら30秒)考えれば馬鹿って凄いと判る三密やらなんやらを我鳴り起てていました。
で、変異を続けて当たり前なウィルスに新型も旧型もねーよ、なコロナ。
一応、ググった。
頭が悪い奴向け。
ニュースのこと。
いや、ホントに、生育に失敗すると人間じゃなくなるんですね。
調べなくても考えれば判るのに。
考える機能が無いから判らない。
失われた三十年?
三年で倍プッシュ。
何処までいくやらいかぬやら。
せっかくです。
見極めないと愉しからず。
日本が終わるなら観ない手はなく。
そんな訳で致し方なし。
顕在化した人形。
虫けらを装う人間。
観察日記は続きます。
忙しいから更新スケジュールが乱れるのも仕方ないですよね。




