後方師匠面/Jam session.
【用語】
『聖人』
:キリスト教圏内では隠れ異教徒による正統派聖職者はありふれている。異教徒殲滅が猖獗を極めた暗黒時代に信仰を護ったまま生き続けた「逆隠れキリシタン」。いつどこから視聴きしているか判らない善き信徒に囲まれた人生。24時間365日に渡って絶え間なく善き信徒をアピール。異端審問を潜り抜け命を繋ぐ為にキリスト教教義を細部まで学び続ける。そんな生活を送る為にはキリスト教の聖職者を目指すしかない。努力の必要もなく生まれつきキリスト教徒で当たり前なその他大勢が、競争できるどころか比較の対象になる訳がない。信徒として敬意を集め慕われるほどに今日の命を繋げるが故に必死に善きキリスト教信者で在らざるをえない……キリスト教を信じていないからこそ他に選択肢がない。
結果、枢機卿はもちろん法王や聖人の何人が真のキリスト教信者だったのかはタブーとされている。
神が視えない信徒にだけ教義が解る。
神が見える眼には神の教えが判らない。
―――――――――キリスト教徒ではなかった枢機卿。
プロテスタントによるカトリック弾圧の課程で異教徒であると告白、死刑を免れた人物は実在する。
【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/水際から10m海上/青龍の貴族】
俺も惹かれる憧れる
――――――――――もって処が大切です。
注意から。
注目して。
注視さる。
俺はオマケ、皆が、おねいさんずが、主題。
・・・・・・・・・・ちびっ娘たちは、むしろ平静。
春の陽射し。
煌めく刀身。
輝いてるぜ。
全人類の理想。
――――――――――見習えないから見倣おう。
Veni.
だけ。
vidi.
のみ。
vici.
拍手。
原典はガイウス・ユリウス・カエサルさん。
彼とは良い酒が呑める。
酒好き。
一緒にナンパも楽しい。
女好き。
頼れる頼る貸し借りばかり。
史上最大の借金王。
俺はツイてる!
――――――――人生の99%は運が創ってくれます。
残り1%だな!
努力?
あ、うん、頑張ってね。
才能?
それがそもそも運だし。
能力?
俺が持ってなくていい。
要は?
人の間が人間とは良くも言ったり
・・・・・・・・・・国際連合は認めていないが、まだ。
エルフ。
ドワーフ。
魔法使い。
異世界人。
他諸々。
彼らが人間でないなら好都合だな
――――――――――俺の交遊関係は人間を越えるぞ!
ついに超人である。
俺はスーパーマン。
縁が人を越えてる。
誰も彼も彼女もトモダチの友達。
――――――――――四捨五入すれば親友です。
ぜんぶ俺の貸し手と借り手。
元手は地球人類の蓄積だけ。
俺は貸すだけ借りるだけ。
利鞘をポッケに仕舞うだけ。
良くも悪くも出会わなければ始まらない
・・・・・・・・・・運を縁と呼ぼう。
お釈迦様は言いました。
縁が全て。
悟った後で布教を強制する梵天にエンカウント!
効果不幸か。
それがなければ仏教は三大宗教にならなかった!
俺の縁は。
目の前2m圏内のパフォーマンス。
見事。
御見事。
エルフっ娘。
敢えて言うならこっそりとエルフっ娘は俺が育てた!
――――――――――これだけ育ってたら少しだけ俺の手柄にしてもバレないだろ?
どんな人生だったか知らんけど。
この娘のエルフ生は知らんけど。
どんなエルフ生かは決めたけど。
お別れする前に聴取させて
・・・・・・・・・・メモリに俺を挿入すると決定済。
【聖都南方/青龍の城郭/縄張り東側/波打ち際から10m/青龍の女騎士団半円陣中央/青龍の貴族右前/お嬢】
ご領主様素敵
――――――――――だけではなく、わたくしは見上げる悦びを控えます。
海中から胡乱な視線
・・・・・・・・・・貴女は!ご領主様の脛を噛りすすってるじゃないですか!!わたくしの頬擦りを責められますの?だいたい突然に飛び出してきて蜜刻を邪魔しに来るのは当然ながら判るから賛同なんかしてあげたないのは敵同士故に解
・・・・・・・・・・こほん。
妬まれるのは気持ちが好いこと
――――――――――ご領主様を見上げながら、周りもやや見上げ回します。
此処は中心。
遮る物の無い海上。
邪魔者は女。
視界が広いとは申しません。
――――――――――視え難いは視つかり難い。
ねえ様が舞い。
あの娘は併せ。
わたくしが回し。
Colorfulは囃子。
ご領主様に捧ぐ舞台。
一人一人。
一度だけ。
ご領主様。
視線が重なるとすぐに判ります
――――――――――青龍の女騎士たち。
まだ奪われていない女たち。
皆が青龍の女騎士団長に眼を合わせます。
女から。
騎士になり。
騎士団へ戻る。
有るべき者が在るべき姿へ。
やっぱり、と感じるのは傲慢ですわね。
でも、良いんです。
ご領主様が命じるんですから。
青龍は龍。
一人一人が女であるより、全てにして一つ。
龍の頭
――――――――――騎士団団長が魅詰める先。
身勝手に傲慢を重ねて願います。
これ以上を従えるのは、龍だけにしてくださいませ。
ご領主様。
【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/水際から10m海上/青龍の貴族】
エルフっ娘の背景が俺です。
最初から判ってたフリです。
後から解るのも俺ゆえです。
ちょうど今
――――――――――テストに出すよ?
一人。
一群。
一軍。
個々がポイント
――――――――――独り独り。
彼女が振り上げた刀。
指揮刀の如く皆をまとめる。
統率とは斯くあれし。
バラバラだったのに
――――――――――単位々へ。
俺には出来ないやりたくない。
他人たちを従えるということ。
将校と部下は他人同士ですよ。
刀が一振で指揮刀になる
・・・・・・・・・・階級じゃないんだな。
命令に従え!
で通ると思えるのは知ってるつもりのオタクだけ。
最前線だよ?
軍隊で命令なんかが通じるわけないってのになぁ。
今がまさにそれ。
大尉。
一尉。
三尉に三尉。
従えてない。
階級。
組織。
命令。
そんなくだらないことで従う人間がいるなら軍法会議は要らない。
人形なら従うかもね。
平和な後方なら命令ってだけで通じたりするから勘違いする素人。
ろくなことにならん。
組織の論理を奉じるアレな奴らは人間とは遠いから致し方なし。
巧くサボれってのに。
だから無駄でバカバカしい徒労を繰り返し繰り返しやらかす。
平時の特権大量虐殺。
なお戦場では大変に忙しいので少量虐殺くらいしかおきません。
絶滅収容所が好例。
前進後進を問わずに前線が近付くと閉鎖されてったもんなぁ。
例外もありますが。
平時後方で俺たちが上官を邪魔にして片付けていたみたいにね。
いや殺してない。
指示を仰がず命令に従わず能力相応に扱って事務を進めただけ。
なら人を従えるのは能力か?
これも人が人に従う条件じゃないんだよなぁ。
余人を持って代えがたい能力なんか少ないし。
ましてや絶対に必要な能力なんか一つも無い。
俺が解雇して貰えないのは必要だからじゃない。
面倒だからだ。
辞めないから。
上官も大変だ。
失業保険即日支給を叶える為に俺から辞めるわけがない。
仕事は出来るが誰でも出来る。
たかが事務仕事だしね。
やるべきことしかやらないし。
言われたら言い返せなくなるまで詰問する。
上官のみんな。
いい加減に諦めようよ。
指名解雇お待ちしております。
ことほどさように楽チンなサラリーマン。
苦労したいドMは放って置いてあげよう。
そんな平時の常識が通じないのが今、戦時。
支配とは何から生じるのでありましょうや?
この場この刻この動作。
機を得れば異世界種族でも地球人類を従える。
地球人類の軍ではなく。
これか!
命令じゃない。
組織でもない。
権力じゃない。
なにか。
言葉の外側だと思われ。
思考の内側だと思われ。
後で考えようと思われ。
これを感じることが出来たら、俺にも異世界種族を動かせる日がくるのかも。
すると通行人が斜め下角度45度を凝視しなくなるんですね。
されば眼下で怒声を上げる筋肉マッチョが目の前で直立不動ではなくなる。
さらにメイドさん執事さんメイドさんの表情が変わるとかね。
そのうちに異世界でもナンパ出来るようになり、うちの娘たちが一人一人で気楽に暮らせる日々が来たら時折は近所のガキどもを連れて遊びに行き来できたりしながら、俺はナンパしても邪魔しに来ないだろう。
夢は広がるばかりでいます。
夢で終わった方がいいかな。
夢は観てる方が楽しいから。
集中しよう。
夢が見えない俺に出来ること
――――――――――見えないからこそ視えること。
【聖都南方/青龍の城郭/縄張り東側/波打ち際から10m/青龍の女騎士団半円陣中央/青龍の貴族左前/魔女っ娘】
ダダダだだだダメな感じですわたし!
考えれば考えるほど感じちゃいます!
一番だめな感じで考えてないですよ!
いつもとおなじなんですがぜんぜんうごけませんいつもとおり
・・・・・・・・・・いつもなら勝手に肢体が動いてから気がつくんですが動いたらダメなほうに動かれてしまう切欠になりそう。
咳き込んだら白刃が首筋にすいこまちゃったらどうしよう。
わたしの首じゃないのに斬れて落ちるのが想像で
・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!!
わたしなんかが考えちゃダメなんです。
――――――――――どうしたら善いですか何でもします!
目の前に正座されてる御二人。
青龍の女将軍さん。
・・・・・・・・気にしてないですよね貴女の首なのに!
マメシバ卿に助言
・・・・・・・なんで他人事みたいに見回してますけど!
傍らに立つ方。
青龍の女騎士団長さん
・・・・・・あ、どうも、お気遣いはわたしじゃなくて、ダメですか。
ご主人様は大丈夫って、それ、わたしたちが大丈夫なのは知ってます!
ご主人様の者なんだからそれは大丈夫ですけど!
ご主人様の者だったりご主人様の者になったら困る御二人が死んじゃうんですけど殺されるちゃうんですけど嫌なんです!
――――――――――皆さん青龍でした!
死ぬことも殺されることもことに自分のことなら考えてみようともしない龍ですけどわたし気になります!!!!!!
わたし、たちは気になりますよ、ね?
ねえ様
・・・・・・・・・・ねえ様に届きません!
わたしの背丈だと止める処に届かないぃ!
わたしがじたばたしたのがやっぱりダメでした
――――――――――わたしが降り仰いだ陽を跨ぐ白刃。
ダメ!!!!!!!




