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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十七章「海のほうから」

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不作為犯/a tricky move!


【登場人物/三人称】


地球側呼称《幹事長/三佐のオヤジ/オヤジ様》

現地側呼称《青龍の宰相》

?歳/男性

:衆議院議員。連立与党第一党幹事長。与党合同選挙対策委員会代表。世に広く知られた「政界の黒幕」、知らぬ者が居ない「影の宰相」。娘と違って役職は三つだけ。米中を中心とした各国、複雑多数主張も思想もバラバラな与党連合に少数独自の野党からなる日本議会に影響力を持っている、と言われている。私邸が事実上の安全保障理事会/国連事務局となっており、その運営を司る(国連に役職は無い)。

※第11話<幕間:自由と民主主義のために>より

国際連合の実質的軍事指導者である現合衆国大統領とは旧知の間柄。



【用語】


『連合与党』:作品世界における政権与党。複数政党と複数会派による連立政権。日本の政治にはよくあることだが、政治思想から政策まで左右両派が混在。中心となっているのは国連中心主義/経済統制志向の左派リベラル系。転移前から与党第一党幹事長の指導力だけで成立しているといわれ、その強烈な個性に引きずられている側面を持つ。極端な議会中心主義をとり、首相は「幹事長の操り人形」で「閣僚は衆参両院各委員会の事務処理係」と言うのが世評。転移後の混乱に乗じて各種立法が通過、従来にはあり得なかった議会強化策が実行される。移転前から官僚機構とは真正面から対立しており、連立の中枢議員は逮捕間近とささやかれていた。移転後は国会の会期消滅通年化で議員不逮捕特権に空白が無くなり、在日米軍を背景とした米国など各国の視線が厳しいために宣伝合戦でにらみ合いが続いている。「異世界よりも国内の敵と戦っている」と指摘されるのも故なしとは言えない。だが国際連合を再建し対異世界戦争を開始推進しているのは間違いない。



『野党』:作品世界における連合与党に対抗する単一政党。転移時点の党執行部/主流は党内左派。異世界転移後、リベラル系与党連合と大連立、挙国一致内閣を造る。が、第一回閣議で閣内不一致を理由に、野党閣僚が全員罷免。全く選挙準備の無いまま、衆議院が解散。準備完了している与党との選挙戦に入った。これを「騙し討ち解散」と呼ぶ。野党内では責任をとって左派執行部は総退陣。代わって少数派ながら責任追求の急先鋒である、党内極右派が執行部を掌握。左派右派ともに執行部から距離を置き、選挙戦に突入。極右のみで創られた公約が、支持層の離叛を招いた結果、大敗。改選前議席が与野党で3:1であったものが、4:1へ。左派議員はほぼ落選。極右と右派は議席を残したが、執行部から極右は追放され右派が主導権を握る。現在、野党は対異世界戦争推進に反対ではないためにその点への言及は避ける方針。代わりに与党の統制経済を批判し、自由主義経済で論陣をはっている。


野党党首に関して

覚書

・この人物は日本最後の右翼思想家と言われている

・与党の詐術で野党内左右両派閥が壊滅しなければ総裁の地位に就くことはなかっただろう

・右翼団体の多くがそうであるように台湾系半島系の人脈に強い

・与党幹事長が大陸系(大平洋双方)に強いことと好対照をなしている

※第228話<この日、なんの日、恥辱の日>参照のこと

※第315話<無限責任> 参照のこと


「議会が無くなれば内戦が始まる」

「内戦を制度に封じ込めたのが議会じゃろうが」


「封印が解ければ投票(ballot)より弾丸(bullet)を、か」

「殺し合う議会か話し合う内戦か、だ」


「言論の自由はテロリズムを消滅させ、逆もまた然り」

「言葉を禁じられれば、刃を抜くしかなくなるわなあ」


「語らず論じず、垂れ流される単語の羅列は言葉ではない」

「宣伝と広告は金と金のぶつけあい、しかも税金を使っての」


「いずれも政治学の基本なのだがな」

九官鳥(官僚)に日本語は理解できんよ」


「テストで満点は採れるのに」

オウム返しを(思考停止こそ)テストと呼ぶ」

「知識を問うのなら楽ではある」

「判断を問えば責任が生じよう」

「連中は判ろうとはしない」

「だから殺さねばならない」

「殺し合いなら救いがあるがな」

「殺される余地など在りはせぬ」

「自信かね」

「事実だの」

「――――――――――」


奴儕(やつばら)には国士を殺そうと出来る義士など居らぬ」

「君我を殺したい者たちなど、幾らでも居ようが」

「ああ『殺す』のではなく『死なせる』か」


スターリニスト(官僚主義者)は殺さない」

ファシスト(官僚主義者)は死なせよるな」

「殺していません」

「死んだのだ、と」


「護衛に付けば犯人候補を常日頃から観察できる」

「動機の強度」

「殺意の深度」

「行為の実力」

「思考の高度」

「背後関係から道具の種類と実行可能な時期から決行中止の可能性まで見えような」

「専業に尽くせる専門家でない素人には隠しようがない」

「それに合わせて道を空けておけば凶刃がまっすぐ通り抜ける」

「何人かが、何度となく、諦めずに繰り返せば、いつかは成功する」

「警察ならば失敗(未遂)を揉み消すのは容易い」

「見守って失敗しそうなら留めればよい」

「身体検査も不審尋問も現場の裁量次第」

「また来てね、と放流する訳じゃな」

「養殖テロリストなら尽きること無し」

「確率論でいえば時期も指定できる」

「誰が何時と判っていれば使い道も多かろ」

「投票誘導、市場操作、ありとあらゆる交渉」

「1ヶ月以内に事件を特定すれば社会が変わる」

「普段は薬物事案がせいぜいだが」


「天下がかかっていれば張り込みもする

――――――――――手を下す覚悟はないが」


「真性不作為犯罪」


「何もしないことで行われる殺人

――――――――――そうはならん」


「させない、ではなく?」

「為らない、だ」

「何故かな」


「その程度で殺されるのは誰からも『死ね』と思われているクズだけだ」


「だから犯人候補が尽きないのだろう?」

「身内からも」

「そもそも『味方が一人もいない者』以外には通じない?」


「我君であれば誰かが盾になる」

「・・・・・・・・・・だろうな」


「そもそも日本に殉じる者が体制の犬を信用するか?」

「――――――――――しないな」


「警護に隙があれば誰かが気がつきすぐ埋める」

「そも隙がなくとも二重に固めるのが普通かな」

「聴衆、野次馬、記者、議員、職員、通行人までシンパが混じって居るのだぞ」

「素人テロリストなど手前で潰されるか」


「誰もが護ろうと()()()。誰もが注目()()しない。誰もが見物する()()。そんな者に()()なら通じようかの」


「・・・・・・・・・・」


「賑やかしで殺されるのは政治家(君我)ではない」

「だから君我(政治家)は殺されない?」


職人(プロフェッショナル)なら遠距離狙撃か街区ごと爆破だろうて」


専門家(軍人)でないと無理だろう」

「その専門家(各国工作員)は君のところだ」


「だから、殺す側」


「教科書を読まないから殺されるのだ。書いてあるだろう?戦前、ああ異世界侵略じゃない、大東亜戦争前に起きた帝国の内戦」


「内戦、ではあるな」

「繰り返しクーデター、要人暗殺、軍閥の軍事行動」

「なるほど内戦だな」


「軍部の暴走で帝国議会が崩壊した?馬鹿馬鹿しい」


「学習指導要領ではそういうことだ」

「虚偽癖の患者は自分の嘘を信じる」


「帝国議会の崩壊により軍が分裂、外地駐留軍(関東軍や支那派遣軍)内地待機軍(参謀本部や海軍)内戦(内紛)、個人は雑多な武装集団(結社)を造り撃ち合い斬り合い殺し合い」


「大日本帝国の内戦か」

「昭和中期からずっと一国ではなかった」


「農村部、都市部、大和民族、朝鮮族、台湾など多民族」

「農民、労働者、兵士、インテリ、富裕層に貧困層、移民難民市民」

「官僚制度では議会をカバー出来はしない」

「よりにもよって、最悪のタイミングでやりよった」


「利害得失を調整し、優先順位を付け合い、相争って観せる」


「解決する必要はない」

「希望を与えること」

「不満を紛らわすこと」

「それが出来れば殺し合う必要はない」

「それが出来ねば殺し合いしかない、か」


「巧く行き過ぎたかもな」

「55年体制か」


「それが史実だ」

「確かに教科書とおりだ」


「奴儕は、また日本を滅ぼすのか」

「二度目があるなら滅びるべきだ」


「やらせはせぬ」


「私が日本帝国を滅ぼす」

「我輩が再興してやろう」

「決まりだ」


「よく聴いておけ」


「内戦が終わるまでは休戦」

「貴様が全てを壊してから、我輩が建て直してやる」




「「異議は?」」

「質問はあります」

「「何かな?」」

「なんで我が党の本部で決めるんですか」

「此処ならSP(警察)を自然に追い出せるからだ」

「日常的にスパイ狩り(思想チェック)をしている場所が他にあるか」


《東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7/確かな野党本部屋上庭園/日本国与野党代表者会議》




【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場(プライベートビーチ)/水際から30m海上/青龍の貴族】


俺が知りうる最高の名医(マメシバ)

いつもわかりやす~く、そう思ってることをアピールしているくらい。


御世辞(おせじ)には強いが煽て(おだて)には弱い。

キラキラネームの後遺症。


親が馬鹿なせいでマトモな人間関係が造れない。


憐みを受けるか。

・・・・・・・・・・・・・一生続く児童虐待の被害者へ一生続く同情心。


侮蔑を受けるか。

・・・・・・・・・オマエの父ちゃん母ちゃん大間抜け!っていう。


まあ犯罪的行為の被害者以外にも効果的ですよ?


褒めること。

それは事実をピックアップ。


女を口説く時の基本!

お試しあれ!


ともあれマメシバ。

うちの娘たちの主治医。


医学研究者としても最高。

都合が良いことに本人がそれを嫌っているから治療絡み以外には動かず。


安全だ。


治癒魔法の医学的応用だってそうだ。

実際の患者にたいする処方としてしかやってない。


優秀だ。


必要が無い相手に施術してデータをとる。

そんな基本を思いつきもしない。


ファッションは思い付きばっかなんだよなぁ。


最終的に助かる人数は少なくなるが。

感謝する患者は最大になるだろう。


女で()()()()()のは問題。

まあ良かれ悪しかれ、うちの娘たちのランドマークにはなるんだが。


やってることは可笑しいのに言ってることはまともだし。


魅力的なところは真似する。

眼を逸らすところは大丈夫。


反面教師とはよく言った。


子どもの感性が正常なら、悪いことを真似たりしないから。

朱に交わって赤くなるのは正しい基準点が得られないから


社会にクズしかいない時になる。

ここには(世界標準)がいるから問題なし。


だから、お医者さんとなればマメシバの出番なのである。

・・・・・・・・・・・俺が見てれば遊び過ぎまい。


幸い何故か黒旗団(教導旅団)には大型医療機器もあるんだ。

今現在の仮の宿、太守領の港街に据え付け済み。

ありとあらゆる異世界種族に地球人類まで居る。

全員を団長命令で運動させながらナニを続けて。


マメシバ(お医者さん)の遊園地?

――――――――――いや、宝島。


人魚まで飛び込んで来たし。

まま文字通り。


元カノや俺は通信経由で人魚に命令出来る。


港暮らしの人魚姫。

港暮らしの魔法使い(medic)

港暮らしの傭兵団。


俺や元カノに人魚のバイタル(マメシバ)チェックを拒む理由などない。


結果、判明、人魚と人間の違いと同じ。

人魚も血管の配置が人間と、ほぼ同じ。

ならば機能も結果も人間と、ほぼ同じ。


触った感じと機械の計測

――――――――――完全一致。


だから俺がダブルチェック(触って確認)

圧すにあたって強すぎ長すぎは禁物。

絞め技と同じく死ぬから注意が必要。

血流チェックには異常なし。


肢体が跳ねるのは通常動作だから気にしない。


日本人に限らんがよくあります。

必ずではない。

くすぐったがるかどちらかです。


体温チェック。


もちろん表層温度になんか意味はない。

全国の保護者に厳重注意。

体温を測れるのは体内だけだから本当。

子供に限った話じゃない。


無駄にリソースを割くと人を殺す。

――――――――助かる者を助けなければ、軍隊用語で殺人だ。


表層の温度に現れる頃は当然手遅れ。

表層の温度に現れるだけなら無意味。

表層の温度を測る馬鹿には薬がない。


死んでも治らないって、殺せってことだから。


まあ妥当な検温は口内か。

指を指すと子どもが釣れる。

一番簡単な体温チェック。


人魚の歯は人間と変わらない。

取り分け尖っている訳もなく。

八重歯が目立つのは個性だろ。


食性に因るんだろうな、やっぱり。


人魚は雑食。

魚類に貝に海藻とか。

まあ大抵の動物は雑食。

程度の問題。


肉食っても肉しか食わない訳じゃないし。

草食っても肉を食えない訳じゃないしね。


肉食とは捕食(殺食)のことだから、殺す手段が要点。


人魚は捕食する側(プレデター)

人間と同じ。

牙や爪は使わない。


人魚も同じ。

肉食のネコだって人間みたいな前歯があるくらい。

ましてや人魚おや。


噛まれても、大丈夫。

ザリガニの鋏に挟まれるより痛くないくらい。

経験者の言葉ですよ。


ただもちろんソレは、甘噛みが前提。

もちろん子どもに本気で噛まれない。

それはもちろん、意識がある前提だ。

夢現トリップ状態だと、危ないかな。


イヤイヤしたり。

仰け反ったり。

噛みついたり。


ガチは痛そう

・・・・・・・・・・怪我か。


人の指骨を噛みちぎる力なんか人間にはない。

人魚に出来ないことは人間にも出来ない。

人間に出来ないことも人魚には出来ない。

だが痛いのは嫌なので、胎内温度は別の処で。



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