松の廊下ふたたび（三回目）
【別冊登場人物紹介】
『元カノ』
職業：お嫁さん（就職活動中）
趣味：ボディケア（含む戦闘訓練）
人生：元カレ(アタシの)
備考：陸上自衛隊一尉。緒戦で最大被害と最大戦果を挙げた為に二階級特進しただけなので階級から年齢を想像しないよーに。
『マメシバハナコ』
職業：医者（最近興味が湧いた）
趣味：医学研究（自覚なし）
人生：恋愛（他人の）
備考：たまたま偶然まれによくある恋愛相談を受けては入れ込んでいるだけで恋人は募集するのではなく指名するんだから！
第一次松の廊下事変。
元禄14年3月14日(1701年4月21日）
第二次松の廊下事変。
享保10年（1725年7月28日）
呪われてんじゃないかな？
【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/水際から３０ｍ海上/青龍の貴族】
俺の知らない異世界。
知ってる異世界って、何？
うちの娘たちだけだ。
いや、それは奇跡的な大成果だけどね。
一ヶ月半でよくもここまで。
いや半月で理解しきった。
或いは三日以内で。
初日から子守できたもんな。
俺の子守慣れ。
子どもの俺馴れ。
人畜無害同士。
見知らぬ人に良く道を訊かれる人間。
俺を脅威と思わない。
――――――――――物理的には弱いからね、俺。
俺も脅威と思わない。
・・・・・・・・・・・奪われるモノなんかなにもない。
貧しい弱者は誰とでも仲良くなれる。
得られる期待より、奪われない安心。
物理法則と同じ。
世界は理屈通りにしかならない。
異世界も、同じ。
知り合えたから仲良くなれるに決まってる
――――――――――皆様ご覧の通りです。
それ以外の謎は深まるばかりでございます
・・・・・・・・・・よく生きてるよね。
眼が見えていれば死にはしても殺されない
――――――――――とある歴史家の言葉。
まあ瞽の中で眼が見えていたら？
相手を出し抜けて当たり前。
たった独りで誰も持たない銃を持てば？
勝って当然、負けたら切腹。
ここで俺が人魚を護れなければ？
・・・・・・・・・・・末代まで恥を牽き擦れるもんか。
歴史家の言葉は皮肉じゃない。
実例があれだからね。
独りルネッサンスことフリードリヒⅡ世。
―――――――――皇帝の方。
エルサレム＆イスラム教徒を征服したキリスト教徒。
最初で最後の宗教融和を平和的にやらかした変人。
戦争は外交に含まれるって弱小国家だけだから。
なお自称大王失敗以外してないプロイセン国王は皇帝のコスプレイヤーとしてヲタ受け。
・・・・・・・・・・厨二病を部屋から出すとこうなる。
本業政治家生業文芸全般なマキャベリ
――――――２１世紀に至っても作品が日常的に上演。
後の世界的ベストセラーは当時の秘伝書非公開。
だから作家脚本家非アイドルプロデューサーで大儲け。
興行の金主は尽きねど政治献金は集まらなかったようだ。
・・・・・・・・・・よくあるよくある。
世界的連続ベストセラー作家のクセに本業政治家と主張する英国人もいるし。
なお失脚したせいで様々な戦果は後世のミリヲタが全否定。
そして
――――――――――けっこう居るな？
そんな眼開きと俺の違い。
持ってる銃は借り物だ。
在って無きモノ頼りなし。
だから眼を凝らさないと視えない。
俺が知ってる異世界再考。
地球は先進国との共通点
――――――――――なるほど。
子ども以外に共通点ね～じゃね～か！
女は同じか確かめよ～うがね～しさ！
戦場では困らんけど戦争になんねえ！
異なる世界とはよくいった。
物理法則は通じるし。
経済原理も通じてるし。
既存の物と同様な物質も
・・・・・・・・・違うところもあるよ？
見いだすべきは共通点より相違点。
小異を視いだし大同を疑え。
同じ人間と思えば殺す破目になる。
国際連合武力制裁研修のオープニングトーク。
故に今、俺は人魚に水棲人類としての自覚、大気中では死ぬぞ、を促す真っ最中。
違うと判ってかかれば殺さないだけは出来る
――――――――――失敗中。
まだだ！
中だから！
まだ終わらんよ！
ちょっと親よんで～
・・・・・・・・・説得に近しい人を使うのは常套手段。
まあそれで説得された犯人なんか知らんけど。
そもそも親子って、近いのか？
そも親子なんて概念が無い時代？
これから生まれるかどうかも運次第？
子供は氏族地域共同体が育てる時代ってか、世界。
だから親なんか要らない？
中世だからじゃない？
先進国以外なら普通普通？
なら調べなきゃわからん繋がりで説得なんか出来んわな。
なら人魚の保護者責任転嫁先ってか、近い、親しい、言うこと聞きそうな説得係とは一体。
俺たち含む元カノかい！
――――――――――吸い付く人魚。
｛だい｝
（ゲホッ！）
｛ください｝
（ひゃふ！）
｛なんでも｝
よし、だまれ。
｛きゃ～～～～～♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎｝
俺に握られ海中に押し込まれてる人魚
――――――――――きいてるたしかに。
聴いてるだけじゃね～か！
問答無用で服従させないと！
明日の課題は今日の死に無関係！
けほっ!
けほっ!
効いてるし!
血の味したぞ！
保護者その２！
元カノ召還！
「グラマーでも滾ってもアタシは武士だ！」
「痩せても枯れてもって、昭和時代か！」
武士だったのか～。
異世界で黒騎士襲名したとは聴いたが。
魔法翻訳では騎士？
・・・・・・・・・・観ちゃいけません。
人魚の顔を海中胸筋でガード。
――――――――――ここでの責任者は、さて。
この砂浜は国際連合の管轄。
人魚は国際連合の保護下にある。
なら百歩譲れば国際連合が保護者かな？
なら今この場で国際連合を代表させるのは誰が良い？
陸上自衛隊二尉。
――――――――――女性自衛官ボランティアトップ。
陸上自衛隊一尉。
――――――――――国際連合教導旅団団長。
陸上自衛隊三佐。
・・・・・・・・・・・・・・・・監視装置の向こう側、
偉い人たちの背後。
詰んだ。
三佐は秘書が自決することを責任と考える業界のサラブレッド。
元カノは俺と子ども以外を斬殺することで責任をとる鎌倉武士。
一番多人数を率いるＮｏ１から、指揮権も奪っちゃったしな。
国際連合統治軍大尉。
――――――――――軍政部隊司令官。
俺は国際連合の管轄権を今この場で代表してるだけ。
俺は人魚の利益を善意の第三者として主張してるだけ。
俺と俺の間で責任が行ったり来たり。
――――――――――前向きに考えよう。
邪魔者が居ない、と思えば良いんだ。
誰が責任者でも、実行すんのは俺だ。
珍しく自分がやった事だけ怒られる。
やるだけやって、跡始末は後にまわすか。
【聖都南方／青龍の城郭／縄張り東側／波打ち際２７ｍ海面／青龍の女騎士団半円陣中央／青龍の貴族左側背／エルフっ娘】
あたしたちと同じ。
いつものことよね。
騒ぐほどじゃない。
腹が立つだけ。
同じ、じゃないけど。
いつも違うけれど。
我慢するけど。
女は女
・・・・・・・・・・・って、なんでわかってるのかしらねぇ？
誰も知らなかった人魚。
海の中に暮らす生き物。
海の中でしか生きられない。
海の中なら何者よりも優れてる。
貴男の女
・・・・・・・・・・・あたし、たち、に近い。
弦を操るような手慣れた扱い。
全て挊り。
鳴らして愉しみ。
可愛がる。
拍車を掛けずに与えるが如く。
駆り立て煽り。
宥めて潰し。
可愛がる。
エルフだってそう。
人間じゃないのに。
扱いが巧いのよね。
人間の女と、そう違うわけじゃないけど。
それと知っているのは何故かしら？
手慣れた感じを与えたりはしない。
場馴れた感じがすっごく、する。
あたしに向ける愛情、悦び、確認。
日々刻々与えられる感覚
・・・・・・・・・・エルフというモノを確かめている？
初対面から驚きもなし
――――――――――エルフなんて少ないのよ？
出会う機会なんが無いわよね。
珍しがってくれてもいいのに。
当たり前みたいに受け流した。
青龍には、そもそもエルフがいない、ってことは
・・・・・・・・・・どれだけのことを知ってから、この世界に来たのかしら。
貴男たちが異なる何処かから訪れたのは、判る。
―――――――――ほんと、良かったわ。
最初から此方の世界に居たなら、初めて出会うわけがないし。
元々いた存在なら、あたしたちが青龍を知らないわけがない。
気が付かれない内に踏み殺されていたかもしれないけれど。
最初から世界に居らず、後から来てくれて良かった
・・・・・・・・・・うん、ズルい。
予め知っていた貴男。
何も知らないあたし。
彼は、あたしたちに嘘をついたりしない。
――――――――――騙す価値なんか無いもの。
訊いたりしない、あたしたち。
・・・・・・・・・・・・・必要ないことは我慢。
腹立つあたしを視ている貴男
――――――――――ぜったいやくにたつんだから！
【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/水際から３０ｍ海上/青龍の貴族】
俺知識。
「今の妬み覚えたか！」
「しょーじきすぎー」
「それが自慢よ！」
「ツンデレましょーよ！」
子どもは突然、電池切れ。
一気に動かなくなるだけ。
動けないんじゃないから。
心配ない。
「離せ！離せ！！」
「かいちゅーでござる！かいちゅーでござる！！」
「邪魔だてすな！」
「であえであえ！」
顔を視りゃわかるけどね。
満足仕切った表情してる。
無防備以前に解脱の境地。
遊び疲れ。
「せめて一太刀」
「それ真っ二つでしょーが」
「貴様が斬られたいか！」
「皆さん他人のフリ？見ちゃいけませんじゃなく！」
小さい子には余りない。
大きな娘には良く起こる。
ブレーカーが落ちたんだな。
人間の限界。
「真っ裸はもともとダー！」
「ごらんしーん！」
「アイツしか居ないからいーでしょ！」
「回り込んで回り込んで！拘束！ワイヤー！拘束！」
肢体が丈夫で体力が有るから出来ること。
己の限界まで意識と肢体を維持できる。
小さな子だとブレーカー以前にブレーキ。
安全装置。
「あ？」
「イかせた？」
「アタシ以外を！」
「ソレ毎日」
例外はあるけど。
俺の周りには多い。
うちのちびっ娘とか。
俺の子守。
「ぷふぁ！」
「ヤったか？」
「びくんびくんしてる」
「透明度たかくたって海中視力すご～」
下限は十歳くらい。
より小さいと怖い。
壊れそうじゃんか。
だから、それ以上の大きさだと起こるんだな。
個体差はあるけど。
それは多世界共通。
人魚だけじゃない。
「アタシたちの人魚にナニしてんのよ！！！！！！！！！！！」
「私物化した上にナニばっかして～～～～～～～～～～～～！！！！！！！！！！！」
うちの娘たちで確認済み。
また共通かって話。
俺が何処でもおんなじよーなことしてるから、気が付くんだろうな。
なんの話かと言えば、今、起きた。
多世界多種族共通現象
――――――――――子どもの電池切れ。
コロナの感染判明者が増えたそうですね。
だからどうだって話ですが。
急に暑くなれば体調不調も増えます。
病院に行く人が増えれば判明者も増える。
無症状ウィルスにいつ感染したか判る訳なし。
以下、いつもの。
お知らせですから、知ってる方はスルーで。
「努力することに意義がある」
卒業証書と一緒に捨てるべき物語。
子供の素質を見出だすため。
なにが出来るか判らない以上、仕方なし。
なんでもやらせないといけません。
諦めさせずにTry&error！
教育工学の基本テクニックではあります
あくまでも子供だましです。
……いい大人にもいますよね。
居なくていいのに。
むしろダメなのに。
なのに産まれて来た挙げ句、まだ生きてるって、おい。
しかも実行しやがるんですよ？
無意味な努力を。
方法論無き目標。
議論無き計画。
検証無き新目標。
大企業や官公庁などでは馴染みですが、皆さんの生活空間では如何ですか？
まるで
「水不足だから雨乞いする」
的な愚行。
まだ雨乞いならマシです。
「雨乞いの効果で雨が降った！」
と言い出す頭が悪い奴は病院送りに出来ますし。
しかし日常に蔓延る頭が悪い奴は、それじゃ済みません。
努力することに意義を造り出しますから。
頭が悪い奴は数字が大好きです。
数字の増減を成果と思い込みます。
根拠は？
因果は？
前後は？
単なる偶然では？
……考えられるわけが、ない。
頭が悪い奴にとってだけの成果も、別に意味は在りません。
成果が上がらなければ、努力が足りない。
成果が上がれば努力のおかげです。
雨乞いと同じですね。
雨が降らないのは祈りが足りないから。
雨が降れば祈りを捧げたおかげです。
どう転んでも同じこと。
どうするべきか判らない。
でも自分には思考能力が無いと認めたくはない。
費やした手間暇は戻らない。
だから何もかも無駄と認めたくはない。
自分の非存在理由ぐらい自覚しやがれ。
根拠や理由に因果はスルー。
……単に頭が悪いから認識出来ないだけかも。
わたしはわざわざツッコミますが。
他人にも無駄と徒労を押し付ける。
……みんなが失敗すれば嘲られない。
わたしは目の前に行って嗤ってます。
努力の為の努力って、頭が悪い奴には、救いなんですね。
……だから生きていやがるのか、と。
わたしはそれを絶つ責任があります。
ので、頭が悪い奴らを嗤いに行ってきます。
具体的にはコロナ対策を嘲笑するためにノーマスクで御出掛け。
ガチマスクとファッションマスクを見分ける方法が無い以上、実践あるのみ！
と言うわけで更新スケジュール混乱のお知らせでした。
