生きるを強いる/Die Furcht vor der Freiheit．
【用語】
『人魚』
：第５７話＜文化侵略（ドワーフ料理）＞で初登場！憶えてる？
青い瞳と藍に近い黒髪の水棲人類タイプ。つまり半魚人ではなく鱗もなく鰭も無ければ尾っぽもない。推進機能がキャビテーション推進（詳細は第７２７話＜五十七、八人の刺客。＞参照）なので水掻きも必要ないうえに要らない筋肉量も少ないので華奢。外殻をキャビテーションの泡と体液で保護しているために固いところが無く滑らかな表皮。バブルパルスを使って獲物の外殻を破壊するので爪も未発達だが身をほじくったりするのでなくはない程度。これどう見ても水中最強の水中専用生物なので保護色も無ければ攻撃色もないし衣服も道具もいらない。陽光に備える必要が無いの透けるような色白でキャビテーション発生器である胸部が発達して音叉を兼ねる喉と口は絞り込まれている。
異世界種族の一つ。
だが多世界知的種族が陸棲/飛行生物ばかりだったために多種族と交流が全くなく、地球人類に初めて発見された。
奴隷が廃れた理由、わかる？
―――――――――不経済だから―――――――――
とーぜんでしょ。
ひと一人ぜ～んぶ丸抱えしたところで、ぜ～～んぶ働かせられやしない。
でも丸ごと抱え込んだら、ぜ～～んぶ面倒をみないとなんにもならない。
使い捨てするほどに余ってないから。
人間に２４時間休ませずに働く能力はない。
人間は２４時間絶え間なく管理しないと死ぬ。
ね？
奴隷所有者が少数派だった理由。
規模の利益で収支が合うか微妙。
大農場とか
・・・・・・・・・・耕作可能な土地って、少ないのよ。
２４時間絶え間なく人間を働かせることが出来るなら、奴隷制度が無くなって、当然。
むしろ誰かが奴隷を所有することが２４時間労働を妨げるなら、禁止するわよね当然。
「奴隷制度は硬直的であり、雇用の流動化を損なう、ので不経済である」
・・・・・・・・・・って、言うでしょうねぇ。
そう。
最低のコストで最大のパフォーマンス。
人間を雇う。
――――――――――雇用の創出――――――――――
自分で自分を鞭打つ奴隷。
・・・・・・・・・・こう言えば、判りやすいかしら？
管理のコストは労働の間だけしかかからない。
人間のメンテナンスは各自に任せてタダですむ。
鞭も鉄球も要らない。
相互監視は最低コスト。
健康管理も仕事の内、って、良く言えるわよねぇ。
仕事の内なのに報酬はない、でもペナルティはある。
必要な時。
必要な数。
必要なだけ。
２４時間絶え間なく労働力を供給消費できる。
そこまでして生産性を上げた挙げ句に、物を買う相手が居なくて戦争してまでゴミ棄て場をつくったら大英帝国ができちゃったり。
・・・・・・・・・・産業革命が植民地帝国とイコールな理由。
産業革命の動力は、蒸気機関じゃなくてコレ。
労働契約
――――――――――農村を焼き打ちして都市に人々を追った訳。
そりゃ奴隷が禁止されるわよ。
ひと一人の存在全てを背負い込む
―――――――――――わざわざ奴隷を欲しがるなら、アタマ可笑しいわ。
ん？
ひと一人の存在全てを背負い込む？
ああ、あれね。
まだあったわ。
法律的な制度。
――――――――――親子――――――――――
【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場プライベートビーチ/砂浜/水際/青龍の貴族】
俺は元カノを視た
――――――――――俺の目的は？
コイツの安全を確保すること。
必要なのは生存への動機付け。
理屈より思い込ませることだ。
それは出来る。
邪魔が入らなければ。
邪魔出来る能力がなければ。
邪魔したい欲求をもたなければ。
出しゃ張りで元カノの心理に精通し行動力しかない輩が居なければ。
そんなアレが、うちの娘たちに集中しているのは後々とっても心配だが。
辻褄合わせは得意なので後々が来る前に後でなんとかして観せよう。
ビックチャンスを逃しちゃいけない。
皆から無視されるってなかなか無いよ？
軍人、おっと自衛官なら夢みる瞬間。
エキセントリック・マメシバに集まる注目。
普通は、もっとマシな意味で人目を誘う女。
アレな意味で皆の注目を集めてますよアレ。
容姿で言えば可愛いんだけどね。
そーいう意味で注目してるのが俺だけ。
女の眼からは面白い女だろうな。
だから角突き合わない安全牌現物並み
――――――――――放置してよし。
俺は気が付かれないように隠密行動。
おねいさんず＆うちの娘たち＆元カノたち。
監視機器の先、お偉いさんはまあ、みてねーか。
衆人環視の方が観えても視えないもんだ
――――――――――野外プレイの心得には非ず。
状況確認問題なし。
今の処って、だけだが。
では、さっさと始めよう。
俺は元々、元カノと向き合ったまま。
元カノは俺に向かって土下座中だから。
此方に集中してるから気を曳き易い。
しかも元カノは俺の気配に敏感。
独りだけに合図するのは簡単
・・・・・・・・・・元カノ優先じゃありませんよ？
誤解させちゃいけない
――――――――――またフェイスハガーされかねん。
ヤってもいいかな
・・・・・・・・・すると間違ったロジックがうまれる。
元カノの中でだけ。
――――――――――それは？
危険に肢体を晒すと、すごく怒られる。
心から反省して謝れば、ご褒美を貰える。
――――――――――ならば？
実行を躊躇わない。
すごく怒られることをしてから反省しよう！
そうはならんやろ
・・・・・・・・何故上手くいかないと駄々を捏ねる姿が再現余裕。
元カノが。
いい大人が。
極上の美女が。
うちの娘たちの前で、女が。
犬猫の方が聞き分けが良い。
動物より人の顔色が読めない霊長類。
女のワガママ
・・・・・・・・・・一見すれば俺への御褒美。
チョロ過ぎて使いにくい。
――――――――――だけなら良いんだけどね。
簡単に殺されそうなんだよコイツ。
元カノに殺される、に非ず。
元カノが殺される、なんだ。
元カノは強いのに殺される。
つい今しがたのように
・・・・・・・・・・まだ生きてて良かった。
わざわざ言うまでもなく強い。
あんな無茶苦茶してピンピンしてるくらい。
陸上自衛隊一尉ってくらい偉い。
防衛大学校の成績も良かったらしいホント。
一目観りゃ判るくらいに美人。
上げ底なしの天然剥き身は俺が保証できる。
だからだろうな
―――――――――――――実際、優れているからこそ死にやすい。
うちの娘たちと同じ。
優れた動物は活動範囲が広い。
耐久力が高い分、動けるから。
いろんな処に出向く。
いろんな事に関わる。
得られるモノは増えるだろう。
だが危険に見合う程じゃない。
そりゃ殺されるわな
・・・・・・・・・・俺のほうが生き残り易い。
だから解決は簡単。
俺に合わせて生きさせる。
弱者の領域に強者が居れば？
間違いなく、殺されない。
得られる可能性は少なくなるよ？
危険も。
希望も。
何もかも。
世界の果てを目指して野垂れ死ぬ。
檻の中で世界を夢見て枯れて死ぬ。
いやまったく、憧れちゃうね、野垂れ死に
――――――――――オマエには許さない。
だから心苦しい。
心から悪いと思う。
内心で反省する。
別に謝らないけどな
・・・・・・・・・・だからオマエも謝るな。
俺は元カノの瞳を視た。
罪悪感を観せないのも得意。
伝わるよな？
赦さん。
――――――――――オマエの自由など。
許さん。
――――――――――オマエの意思なぞ。
無理矢理、生かしてやるからな。
【聖都南方／青龍の城郭／縄張り東側／海岸線波打ち際／青龍の女騎士団半円陣中央／青龍の貴族正面／魔女っ娘】
わたしは全身を耳にしています。
いえ、魔法じゃないですけれど。
音ではないことが、聞こえるの。
貴男が何をしているか、視なくてもわかる。
きっと、女なら誰にでも出来るんだと、そう思うんです。
皆さん、同じように聞き耳を立てていますし。
わたしは一ヶ月半前から出来るようになっちゃいました。
ご主人様のことだけ判る。
――――――――――わたしを女にしてくださった方だから、ですね♪︎
その、ご主人様が玩んでいる女。
青龍の女将軍さま
・・・・・・・・・・かなわないなぁ。
肢体を重ねきった間柄、ってだけじゃないですよね。
なにもかも赦し許された関係。
ご主人様は常々、わたし に我儘であれと命じられます。
だからです。
わたし は皆が皆、揃って我儘に、ご主人様にしたがっちゃう。
今も。
近くで遠巻き。
邪魔をしない。
ご主人様が青龍の女将軍を弄るのを、指を咥えず、羨むだけ。
人は自分の持ち得ないモノを持つ相手を羨む、って聴きました。
いいな。
いいな。
いいな。
ちゃんと命じられた通りに逆らえば、あんな風に扱ってもらえるのに。
わたしは貴女に言いました。
―――――――貴女は誰の女ですか？―――――――
【国際連合統治軍第１３集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場プライベートビーチ/砂浜/水際/青龍の貴族】
俺は見倣わせようと思ってたんだが。
元カノが一番近いからな。
中世風異世界の感覚に。
野生動物とペットの中間。
｛お兄さま～～～～♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎♪︎｝
楽しそうで良かった
・・・・・・・・・・じゃない！
オマエもワザワザ死線を潜らされたのか。
――――――――――言わずと知れた人魚である。
なお呼び方を訂正したりはしない。
あくまでも近所の格好イイ立派な大人の男に対する呼び掛けであり、血縁関係が無いのは判るだろう、ねぇ？
近所。
日本近海なら近所で良いよね。
太守領の海なら近所だよね。
だいたいの子どもは俺を兄貴分として扱います。
ちょっと幼稚なガキからはオッサン扱いだが。
小学生以下からはパパ呼ばわりもよくある。
中高生からパパと呼ばれて職務質問ってどーよ。
小脇に抱えたり肩に担いでも、笑ってＨＥＬＰ♪︎で察しろや。
だが、この娘は抱えて担げない。
水中から出したら窒息する
――――――――――人魚だし。
足下膝丈海中を匍匐前進、背面で。
マメシバ印の紐ビキニはパーカー無し
・・・・・・・・・・同行の元カノに合わせたのかな？
ニコニコ笑っている様で半身浴っポイが完全海中。
元カノの人外めいた海中機動は人魚の物かい。
まったく、女が女の子に乗ってどうする。
大人は子どもを抱くもんだ。
乗りたけりゃ男に乗ればい
・・・・・・・・・それはまた別な機会に。
俺が乗られる色んな意味で。
やはり元カノは教育に良くない。
頭のてっぺんから足の指先まで動物だから。
一緒になってただ突き進むのみ。
俺ザブザブ沖に進み、胸丈まで海中にした。
はい、解禁。
｛大好き♪︎｝
人魚が抱きついて来たとき、海水が一瞬、泡になったが
――――――――――人魚姫の泡って、こーいう？
キミ。
地球から来たんじゃないだろうな？
