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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十六章「園遊会」

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終幕(curtain call)。

【用語】


『今日は何の日』

:物語中で5月16日。

第一章第一話「そこにあるということ」は物語中の4月1日です。





殺せる者にしか交渉は出来ない。


決して殺さない相手と誰が話し合いをするだろうか?

―――――――――――――――リスクが無いのだから安心して襲いかかればいい。


殺せる者には交渉しか出来ない。

――――――――――管理出来るリスクはないも同然、勝敗は偶然にしか過ぎない。


殺してしまう者が、最も交渉に勝てる。


駆け引きをする時間はリスクの上積み。

・・・・・・・襲いかかるより妥協した方が利益に為る。




【国際連合統治軍第13集積地/駐屯地東外縁/海岸砂浜射撃場/青龍の貴族】


俺は時刻を確認した

――――――――――5月16日午前9時。


気温18度。

水温25度。

視界良好、陽射しは明瞭、波は低く雲は無し。


東から海風。

風速3m。

・・・・・・・・・・海水浴には適切だな。


海水浴って発想は異世界には無いらしいが。


海は仕事場であり、狩場。

海産物を取りに行く場所。


水浴びで涼をとる発想は在れど、海に行ったりはしない。


富裕層は室内プール的な風呂で水浴び。

それ以外の階層は川や水辺にダイブ。


うちの娘たちは特権階級だから、初体験が最適環境!


全力で泳げば気持ちが良い。

(たゆた)い浮かぶも短めなら良し。


まあ海水浴の醍醐味には足りないが。

足裏の海砂は熱くも冷たくもなし。


海泳ぎ海遊びなら、やはり夏。

熱い砂を蹴りダッシュで海に跳び込み涼しさを味わう。

――――――――――これこそ至高!


暖流の影響が強い異世界大陸北東部は、海水が暖か目。


冷たい涼しいの快感こそないが、浮き沈みしてはしゃぐくらいならヨシ!


ただ準備運動が大切な季節。

事前に肢体に余熱を溜めてからが良い。


準備運動はいつでも大切?

そんなことはない。


身体を動かし慣れてない時期には必要。

元々運動不足で不健康な奴はいうまでもない。


筋腱を解しておかないと硬直して痛い。

元々のスペックが低いと溺れるからな。

ここにはそんな奴がいないから大丈夫。


暖かい、位の季節に泳ぐ場合も必要。

体温より冷たい水に浸かれば熱を奪われる。


夏だって雨に打たれてれば、低体温症で死ぬ。

食って飲んで動いて熱を補給し続けるべき。


特に、ちっちゃい二人。

魔女っ娘、お嬢。


保温性は体積に比例するから、熱の総量が少ない。

しかも断熱材となる脂肪層が薄いから、寒さに弱い。

子どもの肌が暖かいのは、体熱が外に漏れてる証。


エルフっ娘やColorfulみたいに、肢体が大人ならマシ。

いや女の肢体自体が小さめだから、俺自身ほど安全ではないが。


湯タンポみたいだな、と抱きしめていると大人が温まるだけ子どもの身体が冷えてしまうのだ。

だから晩飯を腹一杯食べさせ、激しい運動で熱を造り、力尽きて寝かせるのが一番いいのだよ。


うちの娘たちの場合は、お風呂で力尽きてから寝るので大丈夫。


入浴って、かなりの運動だからね。

年寄りが死んだりするのは、それが原因。

老人の運動は身体に悪いから注意。


幼いうちは体熱を造らせる為に、常に運動。


俺は周りの子どもたちに、いつも強要している。

異世界に来てもそう出来るのは、俺の人徳だな。

見ず知らずの侵略者が生活サイクル操ってるし。


今日の海水浴にあたっては、温水シャワーで力尽きない程度に慣らし運転済み。


ま、夏の快感は今後の課題。


夏まで俺が日本に帰ってないことが万一可能性としてあり得れば、うちの娘ともども異世界の海へFLY High!


帰っていれば、うちの娘たちの御持ち帰りついでに護衛艦かロナルド・レーガン飛行デッキからFall Down!


夏はまだ先、今は春

・・・・・・・・・まずは今日、昨日の不運を濯ぐべし。


そう。

昨日。

5月15日はヒドイ三時間だった。


せっかく勤務時間に遊びを入れたのに仕事をさせられるという

――――――――――まさに悲劇!


これだけでも一年間は話のタネにしてナンパに活かせるが

・・・・・・・・・・それで済まなかった。


銃撃戦はするわ。

砲撃を受けるわ。

隠蔽にしくじるわ。


最後のは最期を感じたね

・・・・・・・・・・命の危険。


俺の。


うちの娘たちの前で殺される訳には逝かない。

だから銃弾砲弾は、まあまあ何とかなる範囲にしたのに。


粛清なら目の前じゃないから良い?

・・・・・・・・・・な訳がない。


まだ()()など、慰めに過ぎない。


ベター(better)を良しとするのは負け犬。

俺が狙うのは常にベスト(best)の一択だ。


成功以外は大失敗。

――――――――――昨日の予定。


子どもたちの前で軽く微笑むカッコいい、お兄さん。

子どもたちを一緒に見守る、色っぽいお姉さんたち。

子どもははしゃいで遺跡を駆け回り俺は女と物陰へ。


斯く在れかし

・・・・・・・・・・昨日は失敗。


ミュージック大神殿は楽しかったなあ。

早い昼食の後は、聖都観光出来たけど。

その前に仕事(戦争)が回ってくるってどうよ。


一日24時間しかないってのに、3時間も仕事する嵌めになりやがった。


本来の目的はエルフっ娘の気分転換。

付属させた目的は、皆で異世界遺産観光。

だから参謀旅行の予定を捩じ込んだ。


勤務時間中に堂々と特別手当をゲットして全て経費で賄いながら、ヒドイ目にあったエルフっ娘を慰めつつ、子どもたちを遊ばせる。

※第259話<辺獄/ウェルギリウスの誘いより>


うちの連中(軍政部隊)の息抜きも兼ねられる

――――――――――4月1日から、ずっと占領下の敵性住民とゼロ距離。


完全に友軍だけに囲まれて過ごす安心感よ!


おねいさんずにも見張り易い行動

――――――――――うちの娘たちの為に休日返上でボランティア(義勇兵)活動。


リラックスさせてあげれば口説きやすいし♪︎


駐屯地も特別ゲストへ気遣い不要

――――――軍政の現地代表ってだけで気を使うのに、子ども。


異世界人と共に生活する訓練を一般自衛官はしてない!


帝国軍捕虜や鹵獲資産(帝国徴集民)を管理する日常が、第13集積地。


だが異世界人はあくまでも駐屯地から離れた居留地にしかいない。

しかも直接に会う機会もなく、銃口越し索敵情報越しだけの関係。

うちの娘たちが良い娘だってことも、習慣も儀礼も距離感も不明。


そりゃ当日朝突然出された駐屯地外への外出申請が即許可されて、あらゆる便宜が速やかに整えられるわけだよ。


接触が少なければトラブル・リスクも低い。

敬して遠ざけるのは、対人関係の基本です。

その結果が友軍同士の戦闘に為る訳がない。


・・・・・・・・・・なったけどな。


しかも事後収拾に失敗したし。

五月雨式に悪化する状況にアドリブを交え応えきった。

皆が協力し合った間違いない。


協力?

・・・・・・・・牟田口二尉はアドリブしかなかったが。


いや、だから、成功したとも言える。


誰も、責任者(飼い主)のツジ参謀すら、行動を読めない。

UNESCO調査員たちを恫喝するなら、一番相応しい。


二回目の砲弾が外れたのは、偶然だった。

一回目と全く同じように砲撃しやがった。

既に大神殿は傷物だったから、通過した。


・・・・・・・・・・・二射目が同じ軌跡を辿るなんて、誰が思う?


いや、おかしくはないが。


同じ砲。

近い環境。

同種の砲弾。

――――――――――ほぼ同じ弾道。


確率論など占いと同じ。

机上の空論でしかない。


コインを弾いて表が一億回連続しても、裏が一億回続けば確率論的に正しい。


その程度だ。

たかだか、その程度を、大抵の人間は見分けない

・・・・・・・・・・だから誰もが疑わなかった。


コイツは大神殿を粉砕するつもりだ。

―――――――――――実際には、別にそれでも良い、くらい。


ライアンにすら理解出来た。

・・・・・・・・・・だから話を止めて行動に移った。


戦車、てーか戦闘部隊の指揮を委ねられたまま、だった牟田口二尉。

俺より陸上自衛隊での階級ぐ高いコイツが、何を感じたのやら。

委ねたツジ参謀にも解らない、考えたのではなく感じたのだろう、としか。


だからその後は俺たちのターン。

誰にでも出来るし誰もが目指す合言葉は、めでたしめでたし

――――――――――挙げ句の果てが粛清フラグ。


全部ライアンが悪いんですけどね。

今あそこで俺をスケッチしてる奴。


絵心もあるのか、器用だな。


フィールドワークをする文系学者に絵描きは必須スキル。

何だか判らない物を解らないまま記録出来ないと、後から比較検証できん。


それでなんで俺。

カメラ持ち込み禁止だからって絵に描く。

法廷画家のノリ。


こっちみんな

――――――――――俺は()()()()()眼で視るけど。


シンプルなビキニに腰丈のパーカー。


ビキニの色は漆黒。

肩も露なパーカーも黒。


肌の白さと髪の金。

圧倒的に対照的。


黒地に浮かぶ金細工の様な髪。

乳房と腰だけを包む黒ビキニ。


白い肌との対比で魅力的なラインが浮き出ている。


肢体はとっても好いんですけれどね。

性的な意味で魅力に溢れてるけどね。

プライベート以外は死亡フラグだね。


俺は殺されてない

・・・・・・・・・・まだ。


昨日のグダグダな結末が、どう解釈されたのか――――――――――これから解釈されるのか。


軍政部隊指揮官()

海兵隊大尉。

ツジ参謀。


皆が同じ方向で報告書をまとめた。

部隊の動きとは矛盾しないように。

部隊の記録との整合性は無視して。


一見すれば問題なし。

一聞すれば破綻する。

するしないはお任せ。


敢えて不自然さも揃えて上に挙げて観せつけると。

当事者全員の作為を疑い得ないほどにアピール。

従うべき前例が有り得ない状況に一致させる。


全ての責任を上に被せて言い訳の余地を無くせば、個々の役職者が自分自身の責任で決断しなくてはならない。


俺たち(現場責任者)の共犯者となり、隠蔽するのが一番楽だ。

現場責任者(俺たち)全員を処分すれば、上に責めが及ぶ。


相手に決断を迫るスタイル

・・・・・・・・・・邪道だよなあ。


本来なら決断させないであげるべき。


上に言い訳の余地を与えて、上下が互いに納得したことに出来る結論に誘い込むべきなのに。


上層部に喧嘩を売るスタイル。


今回は、まだ、俺が生きてるが、仮に思惑通りに進んだとして

・・・・・・・・・・後々、響いてくるだろう。


根に持つ(三佐)を知っている。


海兵隊軍曹。

牟田口二尉。


二人と動向を確認出来るようにしたのは、その為。

どちらかに何かがあれば、他の二人が動き出せる。


海兵隊大尉とツジ参謀は、その類いの呼吸が苦手そうだからな。


その類いを、俺ならやると三佐ならアタリを付ける。


それが抑止力に為ればよし。

ならなければ、死なば諸共さびしくはない。



最近知ったビックリ驚き。


「馬鹿は感染者(鹿)発症者()の区別が付いてない」


無症状感染が多すぎて発症率すら測定できないっていうのに……。

通常はこう。


1人が風邪をひく。

たまたまコロナに罹患している。

元気な濃厚接触者(笑)が検査される。

たまたまコロナに罹っている。

その更に元気な濃厚接触者(嗤)が……以下略。


この方程式を使えば感染確認者は幾らでも増やせます!

元気ですけどね!

そもそも風邪の原因がコロナである根拠はないですけどね!

風邪の原因なんて山ほどありますから!


ってーか、感染者の多くが風邪をひいていないことを考えれば症状(風邪)の原因はコロナじゃないと断言できるんですが。


病気とはいったい……。

もちろん阿保ども(官僚たち)は嘘を吐いていません。


感染者ではなく「感染確認者」と言っていますから。


いつ感染したとは言ってない。

……ウイルスにタイムスタンプは推してないので確認不可。

発症しているとも言ってない。

……発症自体が感染前やらあとやら誰にも不明



官僚たち(阿保ども)は下っ端の国家予算で飼われた宣伝企業(マスコミ)に「馬鹿なら誤解するように」報道ごっこさせてるだけ。


自己責任って素敵ですね。

馬鹿と阿呆の為に在る言葉です。

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