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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十六章「園遊会」

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第三幕(Climax.)

【用語】

『こども』

:弱い人間。


現実先進国の建前はスルー。

「児童の権利に関する宣言」が最初に宣せられたのが1924年。再度唱えられたのが1959年。1989年の「児童の権利に関する条約」は合衆国で批准される見込みすらない。


「差別があるから差別禁止法が出来る」というパラドックスからすれば、繰り返し繰り返されることが何を意味しているのかは書かない方が健康には良さそうだ。


つまりソレ(子供の権利)が無くても、地球人類には支障がない。

合理的理由が無いので今後も誰もが見向きもしない。


成長する保証が無い以上は未熟と見なされない。継承を前提とする氏族集団が人類の極少数派であれば圧倒的多数派から見て次世代でもない。親子関係母性父性が本能とは無関係な刷り込みであれば保護対象ですらない。


建前が存在しない先進国以外と異世界で子供の取り扱いはハッキリしている。


血統継承を基本原理とする氏族では、子供は資産となる。

それ以外の圧倒的多数派にとっては、野生動物の一種。

血族社会、地縁社会、いずれからも一員と見なされない。


本作品キャラクターで言えば魔女っ娘、お嬢が代表格。


魔女っ娘を見る異世界の視線は「高貴な家系を没落させた無能無力な当主」となり、お嬢は「邦で一番豊かな権勢氏族の後継者を産む女であり、現当主一番のお気に入り」となる。


冒頭の国際法で言えば18未満が区切りだが、15歳前後で元服する世界なので。


このように富裕層では、ペットを飾り立てることと同じ感覚で子供を保護する向きもある。その点では先進国の親子関係と余り変わらない。本人の利便性を無視した名前を付けて所有欲を満たし、成績や学歴や躾によりステータス誇示に使い、選択肢の無い親子関係に基づき支配欲を満たす。


だからといって、それが不幸と言うわけではない。


野生の荒野で野垂れ死にするより、檻に閉じ込めらて見世物にされる方が幸せに決まってる。



名監督(お嬢)がいて。

名演出(エルフっ娘)がいて。

傑作脚本(魔女っ娘料理)があるならば、興行(問題解消)の成否は編集()次第。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】


俺は熟考して()()()タイプじゃない。

――――――――――普段はね。


まあ普通、人前で考えたりなんかしないか。


友人。

女。

知人。


プライベートな付き合いなら、そんなもん。


考えごとは独りで。

爺婆ガキは居ても居ないのと同じ。

時には女でも同じ。


聴いてないのに返事してるとかなんとか色々抗議されても知らんのである。


そもそも考える必要ないしね。

最初から応えなんて決まってる。

答えが無いと応えるにしても。


オフィシャルならば?


知ってりゃ応える。

知らなきゃ応える。

知ってるまで訊く。


どこに考える余地がある?


駆け引きなら、なお一層。

中には焦らしてブラフをかける奴もいるが。

あまり、何度も通じない。


あーいうのは普段から即切りしてる奴が長考するから周りを焦らせてレイズ(倍賭け)チェック(ぱす)を誘い相手の組み立てを切り刻むところに意義がある!


これで相手を退き下がらせてハイカード(ワンペアさえない無役)で潰すなんて最高だと思いませんかアナタ。


つまり俺の手口ですね。

いつもの。

今も。


だから俺は酒を味わう。


酒は酒だけで。

だが、引き立てるモノは、ある。

何も無い時間。


より舌が、鼻が、頭が鋭敏になっていく。


俺の知り得ること(カード)は揃った。

後は、カードを()()()()だけ。

だから俺は熟慮して()()()




【聖都/聖都市内/中央/大神宮前/巫女の賢所かしこどころ/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の周辺周回/魔女っ娘】


御酒に御茶とくれば、わたしの出番じゃありません。


ご主人様が御酒の輝きを楽しんでます。

杯を軽く掲げ春の陽射しを受け返して。

御客様も御酒と料理は一巡しましたね。


お一方だけ追加が必要ですけど、酒食同時に、ですと軽い品を多種多様かな。


幸いに下拵え済みの食材は、まだまだありますから。

ご主人様、主賓の方々は、お腹一杯でしょうけれど。

御話が一段落する時にまでに、軽いものが必要かも。


それに、お付きの騎士様学士様方、わたしたちの騎士様方には余り出せませんでした。


皆様に、お腹一杯、といかないのが口惜しいです。

麓の騎士団いくつも、その皆さん全部は無理ですが。

壇上に居られる方々には、また食べて欲しいです。


ご主人様に御強請り(おねだり)したら、叶えてしまわれそうですね♪︎




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】


俺が何もしないと決めると、魔女っ娘が眼に入って来た。


相変わらず、ではない。

日増しに可愛くなっている。

何があったらこうなる。


日々お手伝いにいそしむと磨きがかかるのか、磨いてるのに。


哲学的命題

――――――――――日本に誘致(拉致)して近所にレストラン開設を俺が勝手に計画中な料理人(シェフ)()()()()呼ばわりして良いのかどうか。


ではなく魔女っ娘が眼に付いたのは、なにか問題があるからだろうか?


エルフっ娘センサーが有る限り危険はない。

お嬢を撫でても夢中で頭を押しつけてくる平常動作。

姉妹の二人、オカンと自称おねいさんがこれなら大丈夫。


・・・・・・・・・・。


なんのこたぁーない。

子どもが居れば大人が視る。

自然現象、その一つ。


子供と言う概念が無い時代?

――――――――――まあ、そうだ。


時々、言い聞かせないと、忘れちまう。

先進国社会の常識は、現代地球ですら少数派。

俺たちの常識は、半世紀前の日本には存在しない。


認識ってのはいい加減。


産まれる前に成立した程度の偶然(常識)を、宇宙開闢以来の法則だと勘違いした挙げ句、疑うことすら出来ない。

歴史的記録とは文字を書ける人類史上の極少数派が、己だけの宇宙法則(思い込み)を疑わずに書き留めた誤謬(主観)でしかない。

しかも専門家を自称する悪質な素人(妄想患者)が現代ですら例外的な宇宙法則(ローカルルール)で、過去の客観的物理状況を無視して読み解いた気分になっている。


妄想患者の譫言が歴史書であり、お前たちに観える社会だ。

――――――――――異世界派遣前研修より。


海外派遣研修でも習ったけどね。

同時代の地球の、たかだか四半分も移動すれば、人間の概念すら一致しない。

それだけが原因で殺し合いになる。


互いがどう違うか理解出来ないから?

ではなく。

・・・・・・・・・・互いが違う、と、たかがそれだけを認識しないせいで、戦争にもならない殺し合い。


ましてや今、ここ、異世界、他の惑星。


人間って概念すら成立前。

これから出来るかどうかすら、判らない。

現代地球でも普及してたか怪しいくらいだが。


常識は必然ではなく、偶然と惰性。

俺たちとの接触が、どう波及するかも運試し。


だから視るだけ、愛でるだけ。


大人が子どもをみているように。

どちらがどちらか突っ込むまい。


みているんだか、みられてるんだか。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮前/巫女の賢所かしこどころ/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の周辺周回/魔女っ娘】


わたしは後ろ髪牽かれる思いで、主賓の皆さんを窺います。


強い御酒に懲りた様子な青龍の女貴族(ツジ参謀)さん。

ちい姉さま謹製の冷菓と熱い御茶になさる。

でも、御茶を含む前に少し間がありました。


御酒の刺激に慣れないだけで、味は気に入られるのかも。


ちい姉さまを見ると、Colorfulの橙さんに頷いています。

果汁か水で割って、氷庫(冷蔵庫)で冷やすか(レンジ)で温めるか。

下準備を手早くたくさん、となれば、わたしの手に余りますから。


なにもかも、とは贅沢。

――――――――――肢体が小さいですから、まだ。


御料理の為には、肢体が大きい方が良いのにな~。

ご主人様の身の回りを整えるのも、給仕をするのも。

Colorfulの皆さんに手伝ってもらってますが。


わたし独りで、ご主人様の求める、ありとあらゆる全てを満たしたい。


なら、大きくなっちゃだめですね。

ご主人様の好みは、小さい方ですから。

わたしの強みを捨てるわけにはいきません。


おっきくなっても可愛がっては、いただけますけど。

――――――――――――――――――――ねえ様に、絶対、かなわなくなります。


わたしがおっきくなっても、ねえ様みたいにはなれません。


小さくて細くて薄い肢体が好きな、ご主人様。

おっきい肢体が嫌いな訳では無いみたいですが。

でも、特に取り分け、小さい女()()優しい方。


そんな、ご主人様がちっちゃい、わたしたち以上に可愛がるのが、ねえ様。


勝てません。

無理です。

頑張ります。


おっきくなってしまった時に備えて、もっともっともっと貴男だけの眼を惹けますように。


・・・・・・・・・・いけませんいけません。


ご主人様に尽くすなら、周りを視ないとダメです。

無能無力を愛でられるのは、何もかもやり尽くした後。

次は、青龍の皆さんが御話を終えたら、ですよね。


それまで、わたしに出来ること。


わたしは果実と搾り器を取り出しました。

搾り器は鉄じゃない滑らかな金具。


わたしにも判る単純な造り。

わたしたちには解らない作り方。


香りが程好く翔びますように。

果実と御酒、片寄らせて際立たせて。


果汁を御酒で割れば、御酒に弱くても風味を楽しめる、と良いんですが。


苹果(りんご)

梨子(なし)

甘橙(オレンジ)


気に入ってくださるかな?


橙さんが果実を潰されます。

音と香りが青龍の女貴族(ツジ参謀)の方へ翔んで

・・・・・・・・・・大丈夫。


印象悪くないみたい。

御酒割の果汁を、いく通りか試してもらえそうです。


なら

――――――――――ご主人様の周り、御二人目。


御酒を楽しまれた青龍の傭兵頭(ミラー海兵隊大尉)さん。

この方まで今は冷菓に水、なのは、意外です。


過ごし過ぎることを案じてらっしゃるのかな。

青龍の中でも戦に長けた部族(在日米軍)

・・・・・・・・わたしたち(異世界人)とは格が違い過ぎて、強さの想像ができませんが。


それが氏族が家業であるとはいえど、雇主(日本人)との同席は大変そう。


わたしには、ご主人様だけ。


役割ではないですから、自分が望むままに出来ます。

ただ、ご主人様に気に入られたい、と振る舞えばいい。

好きな物を好きな時に好きなだけ食べる、そんなところ。


―――――――それが今の、わたし―――――――


わたしの初めて。

わたしの最後。

女として好きな方に仕える。


だから人に仕える、雇われる、って感じは判りません。

だけど遠慮って感じは良く解ります。


便利に扱われながら、気を使われはしない。

相手に合わせることで、合わされないようにする。

立位置が判らないのに、そこに居ないといけない。

親しく饗されても親しく応じてはいけない。


御客様、御二人

・・・・・・・・・・・・後で御酒を贈るのは、わたしが任された裁量で、良いですよね。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】


俺は敢えて薄くされた御茶を啜る

――――――――――さあ、仕掛けさせない。


仄かな味で味を打ち消す。

料理の、酒の後口を、洗い流す御茶。


同時に五感からノイズを遠ざける。

体温に等しく飲み口がない。


御茶にはこういうもてなしかたがあるんだな

・・・・・・・・・・お嬢の手並、いや、手前。


俺の気を散らさないように。

俺を目の前に集中させる。

俺が下手を打たないように。


だから目の前、ツジ参謀と合衆国大尉には、別な御茶。

――――――――――味逢わせている。


俺に集中出来ないように。

俺を考えさせないように。

俺が先手を打てるように。


そして小悪魔じみた上目遣い

・・・・・・・・・・・・・お茶を楽しみたければ後で、ってか。


感謝の印に苛めてあげよう。

お嬢が隠してる本音を暴こう。

言葉に出して甘えさせよう。


特に歳上ぶりたい魔女っ娘の前で無理やり甘えさせると涙目可愛い。


そう仕立て堕とすと、お茶に菓子が進む進む。

根に持たれて拗ねられますけどね。

同じマイナス距離でも、甘えと拗ねは大違い。


よくやります。


背伸びして大人ぶるなら折らないけれど。

気を張って構え立つのはよろしくない。


俺が居る間くらいは、褒めて褒めてと賑やかし。

――――――――――は、帰ったら。


そーいう愉しい遊びは後にして、何事もなかった体でお開きにせねば。


ならば最初からそうだった何のように、当たり障りの無い歓談でよし。

なに俺たち全員が記録されてるんだから、その意図を上が読み取る。

銃撃戦開始から停戦までカットして、大神殿到着から直接食事会へ繋げる。


大切なのは監督演出脚本じゃない

――――――――――名画は編集で決まる。


「戦争はおわりですね?」


あ、ここカットで。


さて問題。


世界から戦争を無くすためにはどうしたら良いでしょうか?


では回答?


「戦争」を「平和の為の努力」と名付ければ良い。


………まさか、現実でヤりやがるとは(笑)!

いえ、良い手だと思いますけどね。


シグマが流行りファイが流行りオメガが流行る頃にはコロナを忘れてくれるでしょう。


頭が悪い(コロナ馬鹿)ですからね。


正直なところ、保身の為にインフォデミックを引き起こしてしまった阿保どもは腹を斬るべきです。


んが。

馬鹿がそれで納得するわけもない。

「明日世界が滅びます」

と叫んだ預言者が

「全部ウソですごめんなさい」

と言えば、詐欺師(預言者)を吊るしてでも終末をつづけるでしょう。

※実話。


()()()()()()()()()()()()()()()


ここ二年あまりの苦痛と不便と人殺しは「オマエが馬鹿だからやらかした無駄骨だ」と認めるわけがない。


いやホント。

認めて腹を斬れ、って罵倒してあげてますが、まだ生きてました今日は。


馬鹿は生き汚い。

自己保身だけで生きやがってるだけはあります。


馬鹿だからコロナ対策が「推奨」であって「義務」ではない「義務化を論じる余地がある=病気じゃない」というレトリックに気がつけないわけですが。


ならば?

この際「みんなの努力で世界は無事滅びました」というレトリックが必要。


それがオなんとか以後の役割。

それが霞ヶ関と飼い犬の仕事。


馬鹿と阿保の決戦や如何に?

人間としては瓦礫を避けながら応援するばかりです。


三年目は勘弁な!


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