第二幕(Midpoint.)
登場人物&設定
※必要のない方は読み飛ばしてください
※すでに描写されている範囲で簡単に記述します
※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします
本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。
他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。
文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。
よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。
・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。
・【語る人間の居場所/誰視点】とします。
・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。
・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。
以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。
(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)
【登場人物/一人称】
『俺』
地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》
現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》
?歳/男性
:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。
『あたし』
地球側呼称《エルフっ子/エルフっ娘》
現地側呼称《ねえ様》
256歳/女性
:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。シスターズの姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳、白い肌。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。現代日本のファッションを試すことが多い、が、自爆してると思っている。でも一人を魅せるために挑戦は続いているので今日の春物ファッションは自信が在ったのに、要らぬ戦いが起きて台無し……と本人は想っている。
子どもは大人の「お手伝い」をしたがるものだ。
「うちの子はしたがらない」って?
そりゃ簡単。
あんたが大人に成れなかったから。
大人は与える者。
アンタは?
嫌々、渋々、ケチケチ、仕方がなく、アンタには大金でも端から視たら端金を投げ捨てて拾わせ
・・・・・・・・・・そんなとこれか。
与えるって言わねーよ。
返されるのは?
その程度で返礼を期待できる賤しさへの侮蔑。
その程度しかできないと無自覚な貧しさへの軽侮。
その程度で返礼を強要してくる相手への敵意。
手伝いしたがらない子どもの目を見て、頚を括らないアンタの自尊心に乾杯!
これは子どもに限ったことじゃない。
人間には互酬性ってのがある。
返礼の法則って表現でもいい。
「与えられたら与えかえす」
最低限、与えられただけ
――――――――――でないと辛い。
僅かなりと、与えられた以上に
――――――――――できれば嬉しい。
それを利用した決闘や戦争の作法があるくらい
・・・・・・・・・・大人と子どもの関係も、それ。
与える者と与えたい者。
だから子どもは大人の手伝いをしたがる。
でないと子どもは辛いから。
それを大人ならば受け入れてあげる。
それで子どもを楽にさせる。
出来ることは、家事掃除炊事くらいかな。
たかが知れてるなんて言っちゃいけない。
時には邪魔かもしれない。
大人自身でやった方がいいだろう。
それでなお、御世話をされてあげることが甘えさせること。
それは楽しいことだ
――――――――子どもは甘やかすモノだから。
日本ならそれで済む。
近所のガキに遠慮する必要ないし。
やりたいと言えない奴には言い付けたり。
今なにも出来なくても問題ないし。
教えりゃ済むこと。
ただ、互いの人数比は、どーにもならない。
全員から返礼される、工夫は必要。
皆で炊事洗濯料理されても納得してくれはしない。
数十人VS1。
異世界でも基本は同じ。
十数人VS1。
だからマシな方。
24時間ゼロ距離以内はシスターズ。
24時間視界の範囲はColorful。
ここに15才前後のメイドさんやら6つの幼児やらが時々通過。
俺が視るべき子どもに俺が視るべき子どもを観させる、って形が造れた日本時代。
誤魔化しやすかったな~。
高校生には中学生。
中学生には小学生。
小学生には爺婆。
ただ異世界はスペックが違う。
うちの娘たちだから、ってこともあるが。
料理一つとっても教えてあげられることはない。
社交や超感覚に至っては、世話に成るばかり。
なら俺が返礼しないと居心地が悪いのだが
―――――――――――――それぐらい我慢するのが、大人の嗜み。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/突撃(?)発起点/青龍の貴族】
俺か。
俺か?
俺か!
他人の目に敏感な俺でも無視出来ない。
身内の眼にドヤ顔するを矜持と言う。
視なかったことに出来るからこそ、視線を合わせて離さない。
ましてや子どもに観られたら、見栄を張るのが大人の嗜み。
周りには気がつかれていない。
――――――――――エルフっ娘の無邪気な期待。
キミ、ホントに256歳か?
肢体は十代後半だけど。
Gカップでキラキラ視線?
いやまあ、偏見だろう。
地球人類一般で女の子が成長するのは15歳で終わり。
・・・・・・・・・・そこから大きくならないから。
異世界人間種も地球人類一般と変わらんらしい。
―――――――――UNESCO調査団暫定レポート。
話を聴く限り異世界異種族も同じようだ。
・・・・・・・・・・肢体が大人で中身が子ども。
日本でも異世界でも安心するね。
だから乳房、括れ、腰は関係ない。
ガキはガキ、大人は大人。
騙して弄り揶揄っても揺るがない。
なにもかも委ねられて覆い被されるのは多世界共通。
応えられなかったら、男じゃない!
応えなかったら、女じゃない!
カッコいいから大人なんだよ諸君!
さあどうぞ。
・・・・・・・・・・誰か何方かお前様。
肝心なのは、その緑の瞳に映る俺、
・・・・・・・・・・俺、で間違いない。
皆、忙しいからな
――――――――――暇な大人が俺、独り。
いや、いつもはね?
忙しいフリしてないよ?
信じてほしい今は!
何をしても大丈夫と信じられてます。
ご期待には応えますけど今回は。
――――――――――期待されない方が好きです。
無視されてれば小成功が大成功に観えて気分が良い。
期待されていると大成功が当たり前に観えてヤバい。
今更ながらつくづく子どもだな
・・・・・・・・・・~実年齢とは別に。
女はガッカリさせても赦してくれます。
子どもをガッカリさせるのは赦さん。
目の前に映る256歳児の瞳は最早俺への暴力。
透明感があるリキュール。
それを満たすのは磨き上げられたグラス。
硝子と酒の屈折率の違いが鏡のような効果を発揮。
俺の背中に覆い被さる柔らかさの塊の澄んだ視線。
エルフっ娘が俺を見るって、
―――――――――――――――異常事態再び、今更、慣れないなあ。
酒の香りと立ち昇るアルコール。
健康な肢体から匂いたつ芳香。
酒のツマミか酒がツマミか。
女と酒と音楽に料理、ある意味てワンセット。
自分、不器用ですから。
一度に一つずつしか楽しまない。
それが基本、最終形態。
子どもと俺のマイナス距離は多世界共通、だが、何事か?
これ切り替わってないよね。
最初からこうだったよね。
むしろそれが当たり前だね。
そんな顔して自然に覆い被さってるよ、いつも。
エルフっ娘は直視してくるタイプじゃない。
そっぽを向きながらチラ見してくるタイプ。
このタイプは甘えるが隠しながら隠せない。
今はグラス越しを含む、俺や皆の視線を当たり前に受け止めてる。
俺が知らん人たちの飲み会に参加してナンパするときみたいだ。
耳が追尾してくる猫型種族が背後から直視。
される方に気付かれる辺り、まだまだだな。
だから対処出来た。
気がつかないフリ、してるとアピール。
・・・・・・・・・・む、まだ諦めない。
頬を染めながらいつもより余計に懐いております。
肢体を擦り付けてくるのは動揺の証
―――――――猫とエルフの共通項。
もっとも肉球のサイズや質感が段違いでどちらもいいといったら怒るだろうな。
みてる観てる視てる。
・・・・・・・・・・おかしい。
いやいやいやいや、普段なら普通ですよ?
エルフっ娘やら魔女っ娘やら、お嬢やらColorfulやら、働くお母さんと娘やら、軍属メイド長と司令部付きメイドやらやらやら。
俺を見る目に不自由は、あんまり、してない。
危険を視る。
奇妙を観る。
様子を見る。
・・・・・・・・・・こんなところかな?
通行中の侵略者を怖がる割に人だかりが出来るのは、多世界共通
――――――――――怖いもの観たさ
任地の街の太守府住民だって衛兵に威嚇されて視線を向けてくれるくらい。
・・・・・・・・・・・・目を伏せたままだと、侵略者の機嫌を損ねると思っているらしい。
なぁ~にみてんだよぉ?
―――――――――――その逆を恐れられてるんですね判ります。
衛兵は背中を向け俺を観ないでいいからといって、無理を強いるのはどうかと思いますが言いません。
事程左様に俺に眼を向ける非地球人類というのは珍しくない。
ましてや同じ釜の飯を食って一ヶ月半、うちの娘たちが史上最高の御兄さんを視ないわがない。
だからエルフっ娘が俺を眺めるのは可笑しくない。
うちの娘たちを観ると100%目が合うくらい
・・・・・・・・・・・・・たまに、あくまでもたまに、眼を逸らしてくれると気楽です。
むしろ警戒は耳で、観察は眼で、用心されつつ楽しまれてる
―――――――――――時々揶揄って距離を置かれるがすぐ戻る。
平均的な大人と子ども
―――――――――異世界で一週間以内に完成させた、俺はすごくツイている。
縛らなくても手が届く範囲
・・・・・・・威圧や道具で雁字搦めに、遊びじゃなくてガチで、するのは恥ずかしい。
そうしないで済んだのは、あれ、俺の人徳。
有徳人には、より大きな徳があつまる。
でも得はないから気にすんな。
そーいうこと。
うちの娘たちは良い娘すぎるからね。
俺が踏んづけるまで何をしても良い
――――――――――って、言うと足元に待機する。
被害者扱い狙いの近所のガキなら、小賢しいとばかりに踏んづけるが
・・・・・・・・・・ガチなんだろうな~。
現代日本の子どもなら解りやすい。
男の子は逃げる。
俺の本気が判るから。
踏まれたくはあるまい。
女の子は逃げない。
俺の本気を試すため。
踏まれない方に賭ける。
踏むけどね。
掴むけどね。
言わないけどね。
説いて聴かせるのは踏んでから。
聞かずに聴かせて踏んづける。
応えぬ答えで踏んづける。
俺が本気だったら殺された
・・・・・・・・・・そのように理解させる。
そうして子どもは大人になっていく
――――――――――いつかは俺を踏みに来るだろう。
それで踏まれる程度の俺じゃないが
・・・・・・異世界で、いつもの手口が通じてる、のが変?
そも侵略者に教育指導が可能かどうか。
子ども、っていう概念が生まれる前の時代準拠、これから生まれるか怪しいからな。
試してみれば解るけど、機会がない困った良い娘。
オカンが視ていなくてもへーき。
――――――――――そんな娘たち。
皆が役目を果たしたり探したり見いだしたり
・・・・・・・・・・子どもに役割なんか無いんだがな。
エルフっ娘は役目じゃない。
オカンという存在
・・・・・・・・・宇宙法則だって、いつかは甘えさせてやるさ!
だから普通、エルフっ娘は俺を視て聴いている。
索敵機能を俺に全振り
――――――――――お気づきになられただろうか?
今さら俺を脅威と見なしたりはしない。
産まれる前からオトモダチ。
ボクたち地球人、みんなトモダチ
・・・・・・・・・・ではなく。
侵略者の中ではもっとも無害である
――――――――――と勘違いされてる。
うん。
させている、って言う方が正直だよね。
言わんけど知ってるよ。
君たちを売国奴にしたり戦場巡りさせたり国際連合のロクデナシどもの標的にさせてる自信はあるよ?
お判りいただけただろうか
――――――――――エルフっ娘の懸念。
俺が役目をしくじらないか、心配されてるのだ。
寒いよ寒いよいざ征かん!
でも寒い。
毎年恒例年越しイベント。
ハロウィンと同じように、役所が中止しても皆で勝手に集まる、アレ。
中止を中止とは之如何に?
この類いのイベント、自発的なモノは強いですね。
「誰も死なない/病気にならない」
なんて普通に生きてれば解ること。
一方で、企業団体組織が関わるイベントは脆弱です。
この類いが軒並み役人の顔色を窺っている、からですが。
いやむしろ組織人というのは役人にシンパシーを感じるのか。
「ワタシの責任じゃありません」
って言いたい。
直接的に責任を問われる可能性があるなら中止。
間接的に被害が広がるのが確実でも気にならない。
「ワタシの責任じゃありません」
って言えればいい。
アイヒマンであり、スターリンであり、毛沢東であり、我が国の「殺意がない人殺し」ども。
……そんな虫ケラを嘲るために寒さに耐えるってバカみたいですが。
組織が関わらないところは屋外だから致し方なし。
税金ならともかく、馬鹿を嗤う機会を省く訳にはいきません。
社会への義務だと思って我慢しましょう。
とはいえ健康が一番です。
コロナ以外の「病気」は発病するものを指しますから、苦しいですからね。
そこでたまたま「コロナに昨年から感染してました」なんてことになると隔離されたせいで命に関わります。
皆様くれぐれも気をつけて。
馬鹿どもに台無しにされた年の瀬を、貴方だけでもお楽しみください。




