第一幕(Inciting incident.)
【用語】
『大本営発表』
:「報道」を意味する明治から21世紀までに置ける「日本国」限定のスラング。
その意とするところは
「願望を真実とする」
ことにある。
ちゃんと記録に在るから真実なのである。
ちゃんと判子が押して有るから間違いない。
ちゃんと部署が明記してみんなの責任無責任。
なお
「報道(造語)=大本営発表(用語)」
であり
「日本(文明の名前)≠日本国(体制の名前)」
であることに注意。
「形容」と「願望」を混同する傾向は人類社会に広く存在し、アラブ文明/中華文明などが代表。形成期に物質的に豊かで、故に後世えじきにされた……戦争に弱いのが共通点。西欧略奪文明が事実と願望の混同を「嘘」と呼び敵視しているのと好対象。嘘ではなく「表現技法」であり「無関係な文化」から見ると「嘘」になる。
つまり
「竹槍でB29墜とした」
という文は
「竹槍でB29墜としたい」
を意味する。
故に文化を理解していれば
「で結果はどうなのか?」
……と訊くのが正しい作法。
つまるところ環境に恵まれ楽天的に可能性を追及出来る場所に居たから、先ず「目標を提示する」という「可能性を追及しやすい」性向を持っただけのこと。
だからより豊かになれたのだ、とも言える。
だからこそ「文章で世界を完結させる」官僚制との相性が最悪。
つまり官僚主義では
「竹槍でB29墜とした」
という文がそれで完結。
文字の外側には何もなく何も在るべきではなく何か在ってはならないからだ。
官僚制とは文書制なので「文章=現実」でないと、そもそも成立しえない。
だから「願望=形容」なアラビア語や日本語や北京語系文化を官僚主義で解釈すると「竹槍でB29墜とした」どころか「竹槍でB29墜とせる」になってしまう。
もちろん確認や修正はあり得ない。
「文章を疑う」ことは「官僚を信じない」ことになるから「官僚制の否定」に他ならない。社会全体から見ると否定した方がいいが、当事者にとっては死活問題。
中華文明圏で科挙が毎回のように歴代王朝を滅ぼしたり、大日本帝国が国家公務員試験に一度滅ぼされて二周目にはいっているのは論理的必然。
……あれ?
「社会を巻き添えに官僚が滅びる」だけだから死活じゃないね。
選択肢無い。
「官僚が死ぬ」
「官僚と死ぬ」
死活じゃなくて、死死問題でした御詫びの上で謹んで訂正いたします。
なお国家を敵国に売り飛ばして生き残るのに成功した官僚制もあります。
「世界一優秀な官僚」って、そーいう。
宛:国際連合統治軍司令部付
発:国際連合統治軍軍政部隊
※登録済タグ表示切替
本文:
同日何事もなし。
状況「帰国事業」処理中。フェイズ2/二日目。当初予定通り。返却対象集積地環境確認。遂行主体を率いる現地代表以下協力者三名。国際連合軍軍属/支援業務兼任五名。当分派隊に以上同行。9:00―17:00まで偵察。集積物十万余りの再計算教導は集積地管理者へ委任中。明日の公休を挟み翌日フェイズ3開始予定変わらず。
しゅうじつなにもかももんだいなし。
最終更新:同日7:00
登録予約:同日23:59
《国際連合統治軍(中略)軍政司令官日誌》
【聖都/聖都市内/中央/大神宮前/巫女の賢所/青龍の騎士団陣形中央//彼の背中/エルフっ娘】
あたしが聴き耳を立てる。
・・・・・・・・・・元々あたしの耳は立っているから、目立たない。
あたしを見逃す男じゃない。
――――――――――肌合い一つで感じてくれる。
彼は、あたしを気にしない。
・・・・・・・・・あたしが知らせるまでは、気にすべきことはない。
信頼なんて易いモノじゃない。
――――――――――あたしに命を軽く預けてる。
いつも気にかけて常に心配してくれても
・・・・・・・・・・・だからといって、失敗なんかできないけれど、さ。
なにもかも思うがまま、にされて楽しいやら恥ずかしいやら。
彼を感じていれば、あたしを気に入ってると解るけれど。
委ねられるのは誇らしい。
任されて嬉しい。
心配されないのは悔しい。
あたしたちは、ただ彼を喜ばせようとしてるだけなのに。
なにもかも転がるままに転がして、あらゆる布石が打たれていく。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】
俺には造れない。
うちの娘たちから生まれている。
人を巻き込む力。
皆が俺と同じように楽しんで
・・・・・・・・・・雰囲気は感染する。
空気ってヤツ。
―――――――――読めて、無視して、使えるんだが。
誰かが楽しそうなのは無条件によろしい。
楽しんでる人は俺の敵へ絶対にならない。
女子どもが楽しそうなのは大変よろしい。
楽しんでる女子どもは俺の手が係らない。
緊張緩和に尚一層効果的で実によろしい。
溺れていても。
流されてても。
――――――――――行き着くところは、変わらない。
これは古今東西共通でね。
恥じるか?
恥じないか?
・・・・・・・・・・その違いしかない。
空気を取捨選択できる奴は少ないし、空気を造れるヤツは三佐くらいしか知らない。
だから普段は冷笑って、どっちが得か考えるだけだが、今はたまたま違う。
っていうか。
魔女っ娘。
おねいさんず。
俺たち。
うちの連中。
彼ら。
高いところから低いところへ。
大神殿から麓へ市街地へ。
戦闘状態から平時の中へ。
不愉快から愉快へ。
殺される覚悟から生き残る安堵へ。
現状は一方的な殺しとは違う。
殺される殺し合いには情理が必要。
名分は誰にでも簡単に揃えられるが、雰囲気は誰にも容易く変えられない
大神殿頂上。
指揮官たち。
同席食事中。
観てる観せてる兵士たち
今は撃てない殺せない。
殺人に限らんが。
動くには責任転嫁が必要だ。
責任者は隔離中。
観えるところにいるだけで、距離は壁だと感じない。
指揮されてると感じさせれば、独走は不可能。
・・・・・・・・・・それで動けりゃクーデター。
21世紀にはあんまり居ないから、まあよろし。
一度弛緩した空気を即戦時に戻せる奴はいない。
あとは定着させるだけ
――――――――――時間があればどうとでも。
No1なら雰囲気を楽しみながら、それで油断もしない。
・・・・・・・・・・いざとなれば戦闘即応カード在り。
それを示す俺は不本意ながら駆け引中。
旨いからガッついていたいんだけどな。
食事女睡眠他、何をやるにも一心不乱が俺のスタイル。
魔女っ娘の料理を楽しむ貴重な機会が失われていく
・・・・・・・・・・帰国したら食べられないもんな。
早く帰国すると魔女っ娘を味わえんし。
早く帰国しないとナンパ再建できんし。
速く魔女っ娘をデリバリーしないとな。
俺の将来設計のためにも今は遠望。
毎日食べてようなる美食 手を出せない女たち大神殿謹製美曲 異世界遺産並みの絶景 は鋼の意志で無視だ!
いや、ホント。
なにしろ 命も賭ってるからね。
旨い飯を頬張りながら押し倒すなんて無理。
全てを捨、後に回し、最優先の目的に一意専心。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮前/巫女の賢所/青龍の騎士団陣形中央//彼の背中/エルフっ娘】
あたしも。
あの娘も。
妹分も。
他の皆も、ただ欲するままに振る舞うだけで、絵が描きあげられる。
あの娘は引き続き青龍の騎士たちに、お願い。
数人がスープ鍋と果物籠をいくつか抱えて奥へ
――――――――――――――彼は背後を隠す気がない、みたいね。
いつでも和平を蹴散す姿勢。
大神宮内、柱と壁に囲まれた内。
彼を奉じる青龍の女騎士団は、ずっと突撃陣形。
完全に身を伏せたまま、青龍の魔法で外を確かめている。
あからさまにソコに持ち込まれる、多人数分の料理。
水と調味料で量増して余分を作りやすかったスープ。
調理の手間が増えないから余分に用意してある果物。
数十人分と周りに視取らせながら、背後の陣地へ。
あの娘を確認した女騎士団長は女騎士の半数を食事に充てた。
麓にいる青龍は全部、食事の準備にかかってるのに。
ムタグチ卿の土竜、ツジ卿の預かる騎士たちは微動だにしない
――――――――――戦う構え。
だから、か、いずれにせよ、か。
決戦から持久にきりかえた青龍の女騎士団。
突撃時には放棄予定だった背嚢。
内壁際に積み上げたそれから弁当だけとりだし
・・・・・・・・・・全員、私物なの?
宝石箱みたいな装丁だけど、糧食なのは間違いなさそう
―――――――――同じ箱から、温かい物と冷めた物が出てきたわ。
あの娘が欲しそうにして、色々と聞いてる。
彼の騎士団も同じ様な箱を使ってる。
もっと無骨で大きくて、温かさを保つだけ。
おなじことができるなら、いいわね。
・・・・・・・・・・彼女たちから、あの娘への贈り物がすぐに集まりそう。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】
俺に効く癒し効果。
――――――――――欲しがっている、緑瞳。
風に乗るのは屋内ガールズトーク。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・微妙に君ら同年齢みたいに話してない?
デザインがいい
――――――――――アクセサリーかな?
軽くて持ち運び安い
――――――――――インテリアかな?
保温性が高く液漏れしない
――――――――――バッテリーかな?
よろしい。
KLX250なら、備品であるが。
XLR250Rより軽くて好き。
KLXシリーズは米軍仕様で在庫豊富。
東南アジアでブイブイいわせてるから、異世界でも安定動作。
なんでもこーたる公金で。
どうやら地球と異世界の女子どもは、バイクの良し悪しを語れるらしい。
地球のバイクは異世界だと馬なのかもしれん。
そう考えれば違和感はない、かな、たぶんな。
が、液漏れって
・・・・・・・・・・馬刺かな?
調理整備改造転倒復帰は専門業種にまかせることを奨める。
が、それはそれとして見学やお手伝いは良いことです。
仕組みや構造を知れば100%のスペックを引き出せる。
車にバイク、車両一般はバランスだからね。
パワーや体重て制御するんじゃない。
例え自力で起こせなくても、些細なこと些細なこと。
F/A18だってパイロットの内、二人が女だったし。
人体を動力兼部品にしないと機能しないのは、第二次世界大戦型。
だから腕力体重持久力が無い女体に機械は無理無だった。
ラダーやギアチェンジが人力ってあたり、男だってやりたくない。
だって鉄塊だし。
車体機体エンジン火器弾薬。
人力制御の動力機。
むしろ乗馬の方が絶対に楽。
機械に乗られるか?
動物に乗せてもらうか?
だから女騎士は普通にいても、女パイロットや戦車兵は非常手段以下の苦し紛れ。
居ても居ただけです。
宣伝素材ってだけで。
史実だけだと、それ。
第三次世界大戦型に至って遂に、肉体は機械に置換。
真の総力戦が実現してしまったわけだよ
――――――――――男女同権!!!Fuck You!!!
まあ社畜になる権利を求めるドMはさておき。
人間が馬の代わりに機械に乗る時代
・・・・・・・・・それが1980年代。
現代モータースポーツは誰にでも門戸を開いています。
女子小学生が時速150kmに至るのを拒んでいるのは法律だけ
・・・・・・・・・・科学的根拠が無いのも法律の特徴。
だが異世界に余計なモンはない。
飲酒は二十歳からとか言い出さない
――――――――――飲用に適した水が世界に少ないから、酒が発達したとも知らず。
太守府は湧泉が多いが、ちびっこたちはワインをのむ。
素晴らしい
――――――――――国際連合異世界文化不干渉原則。
だからバイクに乗るのも良いだろう。
お嬢の馬に、おねいさんずが乗せて貰うのもよし。
日本来訪時に泊まる処をつくっときなさい。
彼女たちの部屋なら彼女たちも安心。
日本に誘致した後、真っ先に必要なもの。
うちの娘たちの身元保証と生活基盤。
数は力。
力は魅力。
力は数。
これで日本にいつでも帰れる。
――――――――――手に入るのは未来ばかりじゃないよ?
俺が、だだ今、欲しいモノ。
――――――――――今日を生き伸びてこそ明日がある!
周回遅れのメモリアル・デイ!
……本作中では、ずいぶん前に米軍と戦闘状態に入っていますが。
でも大本営は認めてないからそれでいいのでしょう。
以下いつもの。
今日の大本営発表。
……観てません(笑)。
今、わたしが居る店の中。
皆さんマスクを付けたり、ずらしたり。
もちろん最初からなかったり。
飲み食いしながら談笑してます(笑)。
いえ、緊急事態中(嗤)は公園でしたけどね。
いやはや。
大本営発表って
「日本帝国が売り飛ばされるまでは」
信じられていた、って聞きますね。
こんなもんだったのかな?
「右に三回転進しただけだ!」
……それUターン、って言わない御約束。
数少ない馬鹿だけが
「政府が言っている」
「専門家が言っている」
「政府の要請で自粛すべき」
……「自から粛する」とはいったい(笑)。
で、政府と名乗っていた官僚が帝国を売り飛ばすと、今度は
「(新)政府が言っている」
「専門家が言っている」
「(新)政府の要請で自粛すべき」
……まあ看板を架け替えただけで中身は一緒ですから、一貫性があるともいえますが。
頭が悪いって、こーいう(笑)。
そんな馬鹿どもは、私の周りにはいないのでしょう。
居ても息をひそめているんでしょうね。
人が死ぬような病気が流行っているなら糾弾しに来いよってところですが(笑)。
マスクをしていない相手に自粛警察はやって来ません。
嘲笑されてるのが目に見えてるから。
マスクをずらしている相手にならやって来るでしょう。
恐れ入ってくれますからね。
だから、マスク馬鹿どもを挑発してまいります。
大本営発表を唱和していた連中とは違う。
素知らぬふりして米国万歳と唱えた連中とも。
コロナは怖いと楽しげに話す奴等とも。
素知らぬふりして無かったことにする馬鹿どもを嗤わないと、人間の責任が果たせないじゃないですか。
という訳で、本作の更新時間が不安定化することを承知おきください。




