F/A-18E/F BlockIIにガンをつけられた。
【用語】
『F/A-18E/F BlockII』
:スーパーホーネット改Ⅱ型。ホーネットから始まる「戦争を知らない」軍用機の始まり。戦争の為に作られながら戦争に縁が無くこれからもない。それを言ってしまえば戦争国家であるアメリカですら戦闘機で戦闘機を撃墜することは20年に一度くらいの珍事なのだけれど。なぜ「F」ではなく「F/A」なのか。1970年代に開発されたF-15以降「制空戦闘機」というカテゴリーが無くなってしまったのか。空中戦と言っても四半世紀前に開発された運用半世紀以上の比較対象外を撃墜する程度しか起こり得ない現実が物語っている。
もちろん同世代同クラスの性能を持つ軍用機は限られていても存在はしている。
抑止力として意味があるという主張もあるが
「お札を買ったから災難に遭わないで済んだ」
「ワクチンを射ったから重症にならなかった」
「尊士様のおかげで人並みに暮らしています」
と変わらない。
つまりは対等の力を持つ国同士の戦争は第二次世界大戦後に起きたことが無いしこれからも起きないのだけれど。実際に最新鋭軍用機の役割りはコイン機の方が適しているような物ばかりで、使えば使うほど自軍の経済的負担が増える。ただし最新鋭のF35シリーズの様に「AKもった民兵にステルスするんですねスゴイや!」的な「誰も買ってくれない珍兵器」やF22のように「なんで生産しちゃったんだろう」と使い道が無くて生産中止して1970年代に開発されたF-15に回帰している「採用国の首を絞める」自殺兵器よりよほどマシ。
ってゆーか、ほんとーに、仮想敵がいないと趣味に走っちゃうんですね。
だいたいその手のゴミはサウジアラビアや日本が押し付けられます。
美術品やソフトウェアや軍用機は自称ですむ専門家によるコミュニティが造られており「ゴミに値段をつけても権限や責任がある部外者には理解できなくて誤魔化しやすい」から広く裏金作りに使われます。
「作者の死後評価された絵画」などというのは「多作されてインフレを起こさない紙幣」として古来から銀行家が愛用してきた道具です。
スーパーホーネットはステルス性を笑い飛ばして機体を大型化し、武装搭載量を増やした高級コイン機としてF16並みに使える立派な道具なのでF35(笑)とかF22(困惑)と、あまり一緒にしないように。
「あの娘に恐怖を与えるには、どうしたらいいの?」
『たいちょーを殺そうとすれば良いんです』
「なるほど」
『殺すと瞬間的に後を追うからダメですよ』
「え!」
『え?』
《五分前の世界/人類未分類無所属アーカイブス》
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】
俺の直上をフライパス
――――――――――嫌がらせか?
俺たちの、と考える程に呑気になれない。
大神殿の、ってことならタイミングがおかしい。
俺が大神殿を踏み出したらジャストなう。
俺だけで済む、訳がない
――――――――――嫌がらせだ!
って、驚いて観せる俺ではない。
銃声慣れした身には、予定調和。
背後からBAN!されたからどーした。
甘い。
こーいうことは、タイミングだけじゃダメ。
誕生日にパーティーなんてつまらん。
当たり前に過ぎて驚いてあげるのが大変だ。
それなら気が向いた瞬間に抱き潰した方が良い。
・・・・・・・・・・たいてい喜ぶし。
喜ばれないなら、嫌われてるぞ。
喜ばれない、ってわからないならなおのこと。
喜ばれる相手を、探しにいきな。
ただ近い相手には読まれやすくなる。
付き合いが長いとね。
関係が深いとね。
時折考えるとね。
それで相手が喜ぶ事刻を判らないなら、見込みなし。
相手に我慢させてるぞ。
自分だって苦痛だろう。
自業自得もいいところ。
次いけ次。
・・・・・・・・・・・・・男と女のことなら、これほど簡単、次いけ次、で片が付く。
事程左様に奇襲は難しい。
タイミング。
アクション。
全てを整えるのは、難しい。
第三の要素なんかないぞ?
真珠湾を観ればわかる。
交渉破綻は、衆目一致。
開戦を予想しなかった奴はいない。
時期は誰にでもわかる、だから、行動で上書きしやがった。
同じ同じ。
上空から一気に墜ちてくる。
墜ちて?
――――――――――フリーズ――――――――――
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形前方/あの娘たちと一緒/エルフっ娘】
あたし以外には聴こえない光景。
――――――――――彼が苦笑する。
あの娘たちも驚きながら、怯えてはいない。
何かが起きると判っていれば、大丈夫。
何が起きたのか解らなくても落ち着いてる。
咄嗟に身を屈める全員
――――――――――青龍も含めて。
あの娘たちは、背伸びしたけれど。
彼が嵐を無視しているから、平気。
あたしたちが平気なら彼もだけど。
彼の女、たち。
―――――――――何か起きると判っているから、身を伏せて伏せさせる。
主に委ねて観てほしいから。
彼を仰ぐ青龍の騎士たち。
―――――――――何が起きたか解っているから、身を伏せて備えに入る。
主に応えて参じるために。
ふふん。
あたしは、解らせられていたけれど♪︎
今回は。
あたしは観ていた。
彼は知っていた。
あたしは知らせた。
彼は悟らせた。
風を受け流して迎える彼。
迎えられたのは、巨大な胡蜂。
竜が竜騎士にじゃれ付くような、軽やかな動き。
彼の歩みに合わせて飛び付き、踊るように飛び回る。
麓、攻囲する青龍たちは混乱したまま大筒を空に構え
・・・・・・・・・・彼らの仕掛けじゃない、と。
すぐに応戦に備え。
すぐには応戦せず。
指揮には影響なし。
混乱しながら動ける古兵の所作。
此処、主を見送った青龍の騎士団、女騎士団。
内部から外の使い魔の視線を観ている騎士長、騎士団団長。
大胡蜂の動きを見ながら、皆の反応を抑えるのが精一杯。
道化や老騎士から目を離すくらい。
見えてはいても、結論に至らなかった。
だから、皆の動揺を抑えこんだ、だけ。
二人とも空の動きに気が付いていたのに、見過ごしていた
・・・・・・・・・・あたしの方が良く観えた、のは、先入観がないからかしら。
あたしには帝国の竜騎士周りで時々起きること、に見えたのだけれど
――――――――――青龍にとって、使役している巨獣は、勝手に動くべきじゃない、かな。
それを迎えて落ち着き払って、風圧にだけ備えた彼
・・・・・・・・・・青龍から観て異常なのね。
だとは思ってたけど。
単なる、じゃなくて、とっても、に上方修正。
「בְּרֵאשִׁ֖ית בָּרָ֣א אֱלֹהִ֑ים אֵ֥ת הַשָּׁמַ֖יִם וְאֵ֥תהָאָֽרֶץ׃!」
(産めよ、増やせよ、地に満ちよ!/ヘブライ語)
うるさい。
さっさとかってに行きなさい!!!!!!!
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)/正面入口テラス部分/青龍の貴族】
予期せぬエラーでプログラムは停止いたしました。
いやまったく。
驚いた。
いや肝を抜く。
喰らった圧力を想像してみて欲しい。
ジェットエンジンの轟音が、上から下へ
――――――――――おい!!!!!!!!!!
ジェット機なら普通は下から上に、だろう。
エンジンを絞って大神殿を掠めるように降下。
傾斜を目一杯利用して激突墜落までの時間を引き伸ばす。
降下速度を維持したまま、機体を引き上げる。
ツッコミが始まる前に、急降下から急上昇。
間違ってないんだけど、騙された感。
翼の左右から機体全面下に風を迎える。
大気を受け止める構造を最大限利用。
機体が上昇角に乗った瞬間
――――――――――エンジン全開。
墜ちる墜ちるとツッコム前に飛び上がるとはびっくりしたわ!
むちゃくちゃ力業で飛び去った、いや、まだ上空だ
・・・・・・・・・・はよいけ。
上昇に向いているが下降に向いていない、くそ重いジェット機を使って、よくもまあ、え、アレ爆装してなかった?
当たり前か。
今は戦争中。
ここは戦場。
しかも、ひーふーたくさん、何機もいたよね。
そこには丘陵状頂点に居る俺たち。
ソコに煽りをかけるなら、ギリギリ出来る、範囲
・・・・・・・・・・物理的に可能だからといって、やって良い訳じゃないと思うの。
縦横高18×13×4m。
重量24tオーバー。
先目測15m体感30cm。
口先以外で勝てる気がしない。
自由落下っぽい亜音速?
一瞬で真夏の熱気をかまして急上昇。
音速は出さなかったか?
俺が騙したんじゃありません。
大神殿を中心にした作戦。
その参加戦力を、ねじ曲げた奴がいる。
いったい何処の三佐かな。
隠さないようにしている辺り、命の危険を感じる
・・・・・・・・・・普段より。
偵察ならもっと高度を上げて周回飛行。
護衛や支援も、待機中ならば似たようなもの。
偵察より、もうちょい頭を上げるだけ。
あ、俺を支援してくれてるんだ
・・・・・・・・・・ね~~~~~~~~よ。
バイキングをエスコートするホーネット。
探査軸を延伸済みと制空、あ、爆装もいるな
・・・・・・・・・・いったいなにを想定してんだ。
ピンポイント攻撃なら対地支援の常道。
互角の戦力が錯綜して膠着するのを防ぐため。
互角の装備で数に差がある戦力が、地形効果込みで膠着している現状。
おかしくはない。
だが、別な考え方も出来る。
現代装備であっても、軽歩兵とオマケの機甲科。
頑丈な石造りの市街地は突破しにくい。
街路や路地、開口部を潰せば動けなくなる。
あとは艦対地攻撃で皆殺し。
・・・・・・・・異世界の都市で俺たちが繰り返してる、作業。
どんな場合にも対応出来る戦力で、どんな場合にも当てはまらない曲芸飛行。
軍事的要請、じゃあないわな。
第七艦隊に何の気なしに思い付きを示唆出来る女。
俺の動きを当てるのは簡単だ。
立て籠っていた場所から出てくる。
周りを見回すのは人情だろう。
索敵情報を観ていても肉眼に頼る。
百聞は一見に如かず
――――――――――百の客観より一つの主観。
高精度の観測機器より好不調がある五感が頼り。
間違いの無い電子情報より誤認だらけの脳内認識。
把握し易いデジタルデータ。
認識不可能アナログデータ。
どちらを取るのか言うまでもない。
機械に頼りすぎないから失敗する。
・・・・・・・・・・まさに俺。
何かやらかしてくるのは判る。
何をやらかしてくるか解らん。
何もしないは有り得ないがな。
背後をとったら裏耳に息を吹きかける女
・・・・・・・・・・意地でも驚いてやらない。
俺は声をかけることにした。
もちろん通信系統はまったく弄らず今朝のまま。
さん、はい。
「塩味?」
「おまかせします」
「Kewpieありますか?」
『塩以外あり得ない!』
俺が問い。
ツジが応えて。
大尉が続く。
濃い味が好きだが子供舌ではなく、岩塩の効き塩が出来る上にポップコーンなら塩味で甘いコーラとまとめてガブ飲みする女が〆めた。
そう、出来たは出来る。
雑談を〆められる、今。
――――――――指揮系統回復――――――――
近頃巷に流行るモノ。
……パンデミックじゃないですよ(笑)。
アミューズメント施設の運営ミス。
売店の値札処理まちがいやらなんやら。
ファーストフードの非バイト店員。
自動レジにセルフサービス。
閉鎖店舗には警備員の代わりに監視カメラ。
……解雇を繰り返した結果です。
女性店員や外国人労働者が激減。
実質的運営者がいなくなり、行き詰まる。
先が見えないから再雇用もしない。
お先まっくら前提の体制造り進行中。
残っている店も営業時間短縮。
通常営業を謳う店も店員がスカスカ。
……流行らないのは新型コロナくらいですね。
コロナ対策の廃棄は進むでしょう。
三回目四回目何回目のワクチンと同じ。
ですが、旧共産圏並みに劣化した日本を直すのに、どれだけかかるでしょうね。
仕方ないから、わたしは出歩いて遊びます。
馬鹿がやらかしつづける破綻に逆らう為に。
……「新しい生活様式」に合わせた体制が増えると、コロナが終われなくなりますから。
と言う訳で、作品の更新時間がズレるんじゃないかと。
ご承知おきください。




