Un ange passe./卓袱台返し。
【人物紹介】
『合衆国海兵隊一等軍曹』
:詳細は「第七章「神の発生」UNESCO Report.」参照のこと。ミラー大尉も登場済み。「俺」が知っている教官としての軍曹は幕間を飾る形で全編に時々頻出しております。
『陸上自衛隊曹長』
:国際連合軍/陸上自衛隊曹長。主人公の「俺」が困ったら、困ってなくても、まず頼る相手。
最初から一貫して登場しています。軍政部隊の大黒柱。プライベートでは妻を愛し娘を守る良きお父さん。
主人公の「俺」は着任以後、本土の友人知人を経由して曹長の家族に贈答をかかさない。奥さんだと遠慮されてしまうので、娘に受け取らせる戦術を多用中。賄賂を贈るときは家族に受け取らせるのが贈賄の基本。そのかいあってか主人公の「俺」は娘さんとはプライベートなメールをしあう関係になった。
娘さんにお父さんの良いところを吹き込ん間接的に曹長の機嫌をとろうとしている。
みんなの為なんだよ。
みんなが右を向けば、俺が左を観てあげる。
見落としが無いように。
みんなが止まれば、俺が進んであげる。
安全を確かめるように。
みんなが進めば、俺は止まって嗤う。
見届けてあげるように。
みんなは、かんしゃ、すること。
《防衛省内務調査記録(伏字)より》
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/三者対決/青龍の貴族】
「ゴハンにしましょう!」
一触即発な俺たちの間に天使が通った。
俺が頷き皆が沈黙。
・・・・・・・・・おうこら、うちの娘に文句あるんか。
魔女っ娘は両手を胸の前で構えている。
サラサラ金髪、赤い瞳、華奢なこぶし。
あ~~~~~~~~これは天使ですわ。
可愛いから天使。
――――――――――俺が保証する。
間違いない。
嘘ではない。
だから正しいとは言ってない
――――――――――詐欺師はいつもそうだ。
皆さん俺以外に気を付けること。
俺だから正しい。
正しいから俺、ではなく。
誤解なきように。
可愛い娘の言葉には断じて頷くのが俺
・・・・・・・・頷いた通りにするかは、その後決める。
子どもでも女でも、同じ。
叶えてあげたい気はするし、叶えないのも可愛らしい。
そりゃそーいうもんです。
叶えない時は?
あれは嘘だの一言で説得自在。
嫌われないから大丈夫。
泣かれて御涅られ拗ねられる。
以後ゼロ距離常時視線上を周回しながら無視をアピールなんか敢えてやらせたいくらいに可笑しい。
無視し返してガチ泣きさせるのも甚おかし。
それで俺は嫌われないのが間違いないから愉しいだけ。
つまり君が嫌われてるのは最初から
――――――――――可哀想。
女はたくさんいるから、次行け次へ。
それは他人ごと、今は、魔女っ娘、自分ごと。
可哀想な他人に石をなげ。
可愛い子に恥をかかせぬ。
俺に嘘をつくのは当たり前。
俺が騙すのは常識以前。
そんな何事もない日常ではなく、今は非日常。
優先すべきは宇宙開闢以来の真理がまたまた死地に跳び込んできたことなんですが
――――――――――曹長、発砲を許可する。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族前の胸元/エルフっ娘】
あたしの肢体だけが、彼の思い通りに動く
――――――――――いつもと同じか。
あの娘が出てくる、って、何で、あたしが、気が付かないかしら!!!!!!!!
その直前まで、あたしが一番よく聴いているつもりだった。
大神殿でさえあれば、街中、聖都中、海風陸風を合わせて聖都がある場所すべての音が聴こえてくるから。
だから彼に身を委せて感覚だけを翔ばせる。
エルフを調べ尽くした青龍にこそ判らない。
エルフを知り尽くしたからこそ、疑わない。
大神殿を調べ尽くした青龍にこそ判らない。
大神殿を知り尽くしてこそ、思い付かない。
それは此処とエルフ、青龍の貴族が組合せ。
好機。
儀仗が始まり無事に終わった。
彼を仰ぐ騎士たちが構えに戻った。
その刻。
――――――――――彼が視ている。
標的は二人。
二つの軍を率いる青龍。
麓の攻囲軍、その将。
街外れに陣を敷く土竜軍、その軍師。
一人目、攻囲軍の将。
ミラー卿と呼ばれていたわね。
麓で指揮を執っている時。
丘の上。
丘の下。
エルフの耳でも届かない場所で
――――――――――ここでなければ。
もちろん此処に向かう前。
此方に向かい始めた時は沈黙。
率いた文官にも強いながら。
名を晒すほどに馬鹿じゃない。
――――――――――賢い相手とは戦い易い。
ありふれた容姿、だから青龍には珍しい。
率いる騎士団も毛色が変わった者ばかり。
道化と似た色も居るし
――――――――――青龍の傭兵部族、ね。
氏族、部族、民族ごと雇われて戦に赴く。
それは良くあるけれど青龍では、こういう形なのね。
戦では常に先陣を斬る、って聴くに相応しい。
古兵が揃っているのが聴こえ続けてる。
二人目、青龍の土竜軍。
その将に何もかも押し付けられてる、女軍師。
聖都の外れから。
大神殿の麓を抜け。
まっすぐ階段を登り。
何も隠さず、大きな声と大きな身振りをしたムタグチ卿に堂々と偽名をばらされて、前に押し出されている
・・・・・・・・・・ツジ卿。
諦めてるから?
普段から?
ある意味でありふれた容姿のツジ卿。
その色こそが青龍、その中心民族。
他の連中は全く状況に関わらない
―――――――――――ふたつの勢力、その中心である二人。
戦力はともあれ立場はツジ卿が上かしら。
ミラー卿は周りに気を使っているのに、ツジ卿の将帥は何も気にしてないし。
ミラー卿。
ツジ卿。
龍同士の角突き合い。
その最中、前触れも無しに顔を出した二人。
青龍同士、相手の眼を耳を塞いで互角の戦い。
だからこそ隠した。
・・・・・・・・・・彼が儀仗で出迎えさせたこと。
驚いたことを。
――――――――――鼓動と呼吸は、聴こえてるけど。
測りきった間合い。
・・・・・・・・・・出迎えずに出迎えさせたこと。
さも当然のように答礼しながら、儀仗する騎士たちを視て取る。
青龍の貴族、元々その臣下ではなかった女騎士団までを従えて。
・・・・・・・・・・誰もが訳の判らないまま。
しかもそのまま、遅滞なく儀仗を解いた
――――――――――――――全員が従えられている、ということ。
・・・・・・・・・・憶えておこう。
青龍の感覚からみても、可笑しいのね。
――――――――――これ、ううん、彼。
あたしはワクワクして、いた。
ミラー卿は先行させていた腹心、青龍の貴族と旧知な老騎士の視線で確認。
大神殿内部に伝手がないツジ卿は彼、青龍の貴族に呆れ顔。
双方が彼独りを注視した瞬間。
あの娘が死角から斬り込む。
反射的に二人が背後に意識を向けた瞬間、真っ正面。
眼を向けられたままの彼が、頷いた。
同時に彼に従う騎士たちが構えを解く
――――――――――すぐに撃てるように。
どうするの?
頷くの?
頷かされるの?
あたしはドキドキして、いる。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/三者会談/青龍の貴族】
俺がすべきでないことは曹長任せ。
好きにしろといっておけば結果を出してくれる。
俺は、責任を取る奴を探しておく。
馘首や解雇や左遷なら望むところと思っていた時もありました。
・・・・・・・・・・・・・左遷はもういいです。
次は転勤拒否でリストラ部屋を狙おう。
自衛隊にそんな場所があるかって話だが。
国際連合軍にはもっとなさそうだけど。
夢を諦めちゃいけない!
――――――――――曹長の娘さんにもそう吹き込んでるしな。
御父さんは立派な自衛官です。
異世界の子どもたちを護る為にこれ以上の人材はおりません。
それも娘さんの御蔭ですから。
曹長の娘さんからは、義父さんなんだから遠慮なく使ってください、と許可を得てるくらい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中学生だし、誤字だろう。
なんか複雑な家庭環境を想像してしまったが。
人事考課にそんな記述は無かったしな。
もちろん俺は義父さんの味方です。
すなわち!
――――――――――撃つ突く殴る以外が俺の担当。
それはつまり子守りなんだが
・・・・・・・・・・何にもしていない今日この頃。
今日だけ今だけ何回かって、ワースト記録。
朝はエルフっ娘を狙ってないところで泣かせるし。
※第261話<煉獄/Lasciate ogne speranza, voi ch'intrate.>・第262話<地獄/ベアトリーチェの導き>。
※第295話<強襲制圧>から第298話<虚構兵器>まで。
その後は出発前に魔女っ娘を射殺しかけるし。
※第323話<一殺多生>から第327話<自尊己隷>まで
途上では通行中の異世界人たちの虐殺が起きるし。
※第404話<隣は何をする人ぞ。>より
最初の観光スポットで戦争中なのに戦闘だし。
すべて有耶無耶に出来る万歳突撃は中止したし。
挙げ句に魔女っ娘が俺の傍にいないって、さ。
四分の一日。
これだけなにも出来ていないってどうなのか?
・・・・・・・・・・事実ってところが、もう、ね。
俺は何もしていない
――――――――――しでかした方がマシ、最悪。
俺が担った役割を果たせないことなら全人類に個別訪問して周知徹底して楽な人生を送りたい。
俺が価値ある楽しみの機会をフイにしたというなら楽しいことは色々あるから構わない。
しかしこれはあり得ないから八つ当たりして誰かの責任にしよう
・・・・・・・・・・魔女っ娘が手の中にいない。
これである。
一ヶ月半ぶりじゃないか、これ。
うちの魔女っ娘は5m先に誘拐され中。
ライアンめ
――――――――――俺が誘拐している魔女っ娘に手をだすとか。
ちょっとちょっとと言葉巧みに幼女を誘い出すとは。
※第651話〈I Shall Return!/命よりは大事なこと。〉より。
全世界のライアンさんに謝れ。
これが幼児同性愛者だったら撃ち殺してるが。
曹長が。
おねいさんずも。
俺はいいんだ俺は。
一度仕留め損ねた通り射撃は下手。
俺が殴り殺す前に曹長が頭を撃ち抜いてるだろう。
おねいさんずは、ちょうど着剣してるから全員で刺突。
俺が蹴り殺してから。
俺の腕は女子ども抱くためにあるから蹴る。
うちの部下は子どもたちの盾だから我慢。
つまり俺はこれからどうするべきか?
ならばボールは誰がもっている?
俺がもってた、魔女っ娘がもってった、俺がもってきた?
無為に過ごした今、今日、初めての行動が問われている。
パスワークの果てに
――――――――――ボールが宙に浮いてる。
ダンクショットをキメるのは今ですよ、さあ、さあさあ、さあさあさあ
・・・・・・・・・・俺の手しか空いてないって、どうよ?
「手伝いましょうか」
近頃巷に流行るもの。
「製薬会社/WHOがそう言っているといっただけなので我々のせいじゃない」
by厚生労働省
「委託先の研究機関がそう言っているといっただけなので我々のせいじゃない」
by製薬会社/WHO
「事例が観測されたように思えたから報告したが『前提条件』を読まないのは読む人の勝手なので我々は悪くない」
by委託先の研究機関
「どこかの研究機関がそう言っていると製薬会社/WHOがそう言っていると厚生労働省がそう言っていると発表されたと報じただけなので我々は悪くない」
by自称ジャーナリスト
「なんで信じちゃいけないんですか!」
byコロナ馬鹿。
理解しようとさえしなければ「我々(決して個人名は出さない)は悪くない」と言いはれる。
これを「善意の第三者」といいます(嗤)。
なお「新型コロナウイルスは、プラスチックの表面では最大72時間、ボール紙では最大24時間生存する」と「WHOが言っている」と厚生労働省は言ってます(HPに書いてある/笑)。
誰も嘘はついてないな!
最大って、ことは平均は?
それ例外って言わない?
そも、なにゆえ段ボール?
プラスチック、ってどんな?
なぜ厚生労働省で追試しない?
世界には色々な素材があり様々な環境があるんですが(笑)。
日本バージョンの追試は「やろうと思えば」簡単ですね。
エボラ出血熱(致死率ほぼ100%)に等しい(厚生労働省基準)コロナウィルスですがP4施設があるでしょうに。
厚生労働省は絶対に嘘吐きにならない覚悟ですから仕方がないね。
以前からあるコロナ馬鹿の主張も同じです。
「みんなが一生懸命自粛してるのに、それを無視してる奴等が許せない」
「みんなが息苦しさや暑さや不潔さに耐えている時にマスク無し」
「みんなが外出を我慢して人に会わないのに酒を飲み食事をして宴会もしている」
「みんなが商売ができずに破産している時に営業して大繁盛」
正直者が馬鹿を見るヒドイ世の中だ!
拍手!
世の中捨てたモンじゃありません。
「正直者」がこれほど苦しんでいるんですから。
しかし!
足りない。
わたしは
「頭が悪い奴が地獄に落ちる世界」
を目指します!
さあ!
マスクの無い生活がどれほど快適か、出歩きながら執筆してでも「模範」を見せます。
なお、走りスマホで人にぶつからない特技があるので大丈夫です。
でも、しっぽつ速度は下がってしまうんで仕方がないです。
という訳で更新が遅れてしまいました。
ご報告まで。




