Pay it Forward/恩送り
【用語】
『ポチョムキン村』
:絶対帝政期のとある帝国で、大貴族が皇帝陛下に献上した品。その村には真新しく立派な家々だけが並ぶ。農夫農婦は埃一つ付かない綺麗な普段着を着こなす。子供たちはまるで貴族のように父母に見守られ遊び回る。もちろん一人残らず肌艶肉付きが良く、手足にはマメはおろか傷一つない。農具は磨き上げられ全て油が浮いた鋼。畜舎は労役と食肉用の牛や豚、みんなの脚になる馬で満ちている。誰もが幸せな笑顔を浮かべ、家々から音楽が溢れだす。長い冬と刹那の秋春、僅かな夏。一年中ずっと幸せな領民が、多からず少なからず。皇帝は身分を皇帝以外に俏し、出来る限り村で過ごす。選り取りみどりの老若男女はいない。暗くなれば松明を掲げることも出来ない。音楽は数種類で昼夜別たず何でも奏でる楽士もいない。本は手元の数冊のみ。質素だが粗末ではない民の生活を、共に過ごす。
それが皇帝にとって何を意味したのかは、定かではない。
アレが欲しがってるのは「ハーレム」じゃないわ。
女が集まるのは男だから。
女だったら男が集まるだけ。
逆ハーレム?
ふーん。
ま、何の変哲もない話よね。
平凡な夢。
「誰もが笑顔で過ごせる世界」
誰もが創りたい。
皆がやってるでしょう。
どうやって?
こうやって。
頭が良い人間はこうする。
「世界を救おう」
ん?
出来るかって?
物理的に可能なら出来ない訳ないじゃない。
ん?
失敗したら?
途中で殺されたら支障があるのかしら。
誰かが引き継ぐだけだもの。
誰も引き継がないなら正義じゃないわよ。
ありふれた頂上をめざしてるんじゃないの。
上から眺めたいんじゃない。
山を拵えてるのよ。
山裾になるなら、誰にでもできるじゃない。
さぞ誇らしいでしょうねぇ。
頭が善い人間はこう考える。
「自分の目にはいる範囲だけでも救おう」
で?
成功するわけないじゃない。
社会性動物は孤立しては為りたたない。
目に入らない範囲にいる別な同類。
ゼロサム・ゲーム。
敵と味方に世界を絶って、幸福の総量は最少化。
何一つ望めない凡俗が跳びつき易い、言い訳ね。
頭が可笑しい人間はこうしてしまう。
「周りに救われた人間だけを残そう」
ん?
周りにいない、と、存在しない。
・・・・・・・・・・どうちがうのかしら?
他人の不幸は一番の不快。
自分の不幸ならなんとでもなるし。
不幸になってから出てくんな!
・・・・・・・・・・・・て。
不幸は不愉快。
だから失くす。
不幸な人間を遠ざけて、不幸な事を追いやって、不幸を解消する。
――――――――――解決なんか想定外。
孤立するつもりはない。
周りには幸せな人間を置く。
最低限自力で幸せになれる人間を。
幸せに成れるなら、幸せに為してもいい。
誰かを救う気はないから、誰かとの争いは最少限。
かくして「誰もが笑顔で過ごせる世界」の出来上がり。
誰のことも気に掛けず気楽に過ごせる世界
・・・・・・・・・・本気本気♪
ソレがアレの欲しいモノ。
「ポチョムキン村」
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
今度は戦闘だ!
――――――――――いつ以来?
俺は目先のことを忘れたりはしない。
うちの娘たちは常に目先をうろちょろしているしな。
リマインダーより確実なアピール力。
本日の主役なエルフっ娘。
本来の予定。
ピクニックに至る突撃突破麓まで。
迷っていたが、俺たちだけで、と今決めた。
ゲストの二人は残して行こう。
第三勢力相手の共闘は謹んで御断り。
講和交渉に来た教官殿には残念ながら。
俺の銃を返してくれたのは、そーいう意味。
ただし交渉冒頭、ライアンの暴言を海兵隊の意思とは捉えない。
――――――――――譲るところは互いに譲る。
俺が銃を受け取ったのは、こーいう意味。
第三勢力からの御挨拶から三分。
隊列再編成完了。
ライアン回復に30秒。
回復したライアンは教官殿の足留めに使う。
ライアンが自由に動けた方が抑える手間がかかるからな。
なし崩しに教官殿も此処から動けなくなる。
人ひとり担いで此処までこれたのは、睨み合いの停戦状態だったから。
合意があった訳じゃないが、暗黙でね。
これからやるのは突撃突破。
銃撃戦の最中、女一人担いで行くのは無理がある。
麓の海兵隊がUNESCO調査団に派遣されている以上、調査員を護るハズ。
縛って捨てては行かないだろう、多分
・・・・・・・・・・よほど邪魔でなければ。
だから二人とも大神殿に置き去りに出来るって寸法。
大神殿を囲む勢力が三つのうちに。
麓の海兵隊。
教官殿のとこ。
南の陸上自衛隊。
第七師団か教導団か。
俺たち陸上自衛隊と海兵隊の混成団。
俺たちは自衛隊だけじゃない
――――――――――神父だ神父、海兵隊将校。
初めての役に立った気がする。
殺さなくて良かった。
今後のタイミングが難しいが。
それはそれ、あれはあれ。
三竦みじゃ神父を隠しても意味がない。
自衛隊VS海兵隊の政治問題まったなし!だから撃つのはやめようね
・・・・・・・・・・却下。
俺たちを砲撃した第三勢力が自衛隊だからな。
第二勢力、海兵隊が第三勢力と対峙している。
なら俺たちは自衛隊プラス海兵隊をアピール。
神父には、皆が注目するように索敵機器の前で、踊らせとこう。
――――――――――曹長、発砲を許可する。
脱いだら撃ってよし!
いや撃て。
それまでは俺たちの独自性アピールに使う。
第二第三どちらでもない俺たち、三竦みを強調。
・・・・・・・・どちらかにつけば先制されるからな。
潰しやすいところから潰して数を減らす
――――――――――作戦の常道。
背負う権威、政治力学では三竦み。
抱える戦力、物理暴力は言うまでもない。
誰もが陣地に入った今この場の戦力では、俺たち最弱。
この布陣でゴングが鳴れば、最初に殺られる。
逆に言えば戦闘にならない限り一番ほっとかれやすいのも俺たち。
――――――――――今この時の勢力図なら、いつまで続く?
誰よりも速く、潮目を読んだ、No1。
誰よりも早く、No1に合わせた曹長。
誰よりも全く、事態に干渉出来ない俺。
完璧。
皆がソレを吟味して何かしら決断する前に強行突破。
南に向けて海兵隊を突破して、その先の戦車部隊の前まで、とりあえず。
どちらでも無い者はどちらにもなりうる。
第二第三勢力の間に嵌まればこっちのものだ。
三者が動けない陣地戦と違い、動く少数は潰し難い。
火力を分けるか、まとめるか。
迎撃するか収容するか。
追撃するのか、行かせるのか。
誰もが上部指揮系を失っている以上、成り行き任せになる見込みは高い。
だからこそ第一勢力をアピールするために、第二勢力教官殿とおまけは邪魔。
射殺しなけりゃいけなくもないが、まあいいが。
そんな決まりきったついでではなく、問題はエルフっ娘。
――――――――――俺以外に注目するエルフっ娘という特異点。
それはあたかもエイリアンVSプレデターを前に余所見をするようなもの。
それがあり得るのは○ジラVS○ングが近場で起きてるようなもの。
・・・・・・・・・・俺はエイリアンVSプレデター派だが、ゴジ△VSコン▽を否定はしない。
いい線いってると思います。
――――――――――それぐらいの危険性。
俺が怯えるなら、まあ、いつもの、だが。
エルフっ娘の索敵能力ならマジモン。
天変地異の前触れです。
今困る。
さっきならいいが、これからは良くない。
俺に。
既に起きてる異常現象を納めるにはどうすっか。
両頬抑えて無理やり睨めっこしても失神するだけだしな。
暴れるナマズを喰ってしまっても地震が収まる訳も無し。
逃げ出したネズミを船に追い込んでも、沈むもんは沈む。
諦めよう。
絶望がスタートだと思えば希望はある。
マジで。
確実に起る不幸ってビックチャンスじゃないか。
何が起きるか判らなくとも、起きるとわかっていれば先手を取れる
解決できてないのに唯落ち着いてるだけで安心されて解決しやすくなる。
エルフっ娘を視てるだけなら、趣味実益一直線!
エルフの肢体が持つ機能より、積み重ねられた経験値が信頼出来るし依存します。
異世界幼女童女少女たちの保護者みたいなもんな256歳少女。
わずかな期間だからこそ、俺は観ていた体験中。
全員ひとまとめに未知との遭遇、侵略の開始、宇宙人に姉妹共々拉致されて、オカン気質で異世界からの脅威が勝手に所有したColorfulにも目配り。
この娘が一番全体を視ている。
皆の為に。
俺の為に。
えらい眼に遭ってるのに。
エライ目に逢ってるから?
控え目に言ってMIBにエリア51へ拉致られたリトルグレイ並みのアブダクション。
しかもキャトルミューティレーションを企むマッドサイエンティスト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今さらながら、ひどい人生、いやエルフ生になったな、ここ1ヶ月半。
256年間は知らんが、ここ十年は魔女っ娘となんとかやって来たのに。
豊かな特権階級。
・・・・・・・・・・周りに敬遠されてはいたが。
戦争とは無縁な平和。
・・・・・・・・・・いつ処刑されても自然な恐怖政治。
いつでも邦を捨て逃げ出せる用意があるからヘーキヘーキ
・・・・・・・・・・対敵協力者にしちゃったけど。
幸せに無理矢理しないとな。
――――――――十万年くらいは地球人類の責任範囲。
人生の急転直下は俺がやったんですけどね。
きっと良いこともあるよ。
――――――――――とりあえず今日は俺が保証する。
これからこれから、大丈夫、幸せにするって、俺そーいうの得意。
お前が言うなって?
――――――――――不言実行がよさそうだ。
強い相手を怒らせてはいけない。
なお特に皆さんの同意は取りませんでした。
――――――――――なんか流れで、なし崩し?
※第9話<トリガー>より
ある程度の信頼関係が作れたのが奇跡かも知れない。
子どもの意思を無視するのは大得意。
異世界では日本の法律が準用されるからな。
――――――――――――――――――同意があっても未成年者略取になるけどね。
エルフっ娘も一緒に拉致ってるから同意無しでヘーキヘーキ。
そりゃ保護者が俺から眼を、いや耳を離さんわな。
いくら子守が巧い俺でも限度という者はあります間違いなく。
君の気持ちはよーく判る。
君たちの、って言わずに一人に絞ってキチンと向き合うのがポイント。
・・・・・・・・・・・・・・・・って子どもに言うと、証明してみろっていうんですよ。
なし崩しで何とかしますけどね?
大人はわかってくれない、じゃなくて解らせるんだYO!とアピールしたら男の子は判ってくれました。
――――――――――日本では。
そんなこんなで仲はとても良いけど適切な距離感のエルフっ娘。
ある程度の割りきりは一番この娘が大人に近いからだ。
そんな娘の挙動不審な耳が目立たないわけがない。
ある日今ここ30秒で俺への信頼に目覚める訳がない。
はんせいしてまーす。
――――――――――つまり!
俺を聴いていない時がある、つまり、俺以上の危険を感じてるわけだ。
――――――――――ライアンに――――――――――
本編とは余り関係ない雑談。
……言うまでもない?
で、スルーしない方はどうぞ。
梅雨らしくなってまいりました!
わたしは口元スッキリ、呼吸も楽に過ごしています。
暑いわ涼しいわじめじめしているわ、周りを見回して同情。
たいへんですね。
わたしは最初から関係無いんですが。
頭が悪い輩の妄想に、巻き込まれる時も無くもなく。
なので、頭が悪くない皆さんの辛さは御察しします。
まあ一杯のんで、お気楽に。
と言うわけで、街を観てまわります。
先週までは公園路上で宴会ばかり。
コンビニの「路上のみはやめましょう」の張紙。
張紙のあるコンビニから酒とツマミを抱え出てくる社会人の皆様(笑)。
……あ、これ禁酒法時代の合衆国の記録で観た!
「お酒は法律違反です。当店で購入されたブドウの絞り汁を放置するとアルコールを帯びますから絶対にやらないでください」
っやつ(笑)。
では、現代とは思えない日本では、どんな(笑)がまっているかと。
雨だし皆、何処でのんでんのでしょうか?
……普通に居酒屋でのんでました(笑)。
普通かよ!
なお、マスクもマスクレスも、普通に同席。
これ、もうファッションなんですね。
臭かったり不細工だと愛用するかもしれません。
そーいえば、化粧の手間が省けると言うのがいたな。
肝心なときにス~ッゴく、困ると思うんですが。
そんなこんなで開店する店も更に増えてました。
朝まで営業お酒はあり、ってアピールも激増。
ますますパンデミックがドラマチック。
TVと新聞の中だけ(笑)。
「馬鹿をどう嗤うか?」
「虫けらをどう踏みにじるのか?」
人それぞれなんですね。
とはいえ都心部繁華街の「シャッター通り化」も留まるところを知りません。
阿保な都庁の役人の節穴が届き居やすいから妬心の方が厳しいのかも。
「馬鹿が呼吸している」ことですら大変な苦痛なのに、虫けらを利用もできない阿呆の「コロナ対策(笑)」に付き合わされてる人たちの方が、わたしより恨み重なるでしょう。
皆さま、頑張ってください。




