人はなぜ撃つのでしょうか?
【用語】
『光速』
:秒速30万km(299792458m/s)。
『音速』
:秒速340m(340.5m/s)
『電波』
:光と同じように電磁波なので、光速と同じ。
※脚注
:光速は「真空中では」という前提なのだが、そも「真空」ってなんだ?音速は「国際標準大気中では」以下略
……というところを投げ出して成立する概念。現実には存在しない概念を前提に「現実という仮定」を弄ぶのは科学の基本。ただ自然科学のそれは「現実の近似値(人類が認識できる範囲)」に収まる。文化人類学(なんなら否実証哲学)では「ファンタジー」しか生まれない。それが単なる主張に終わる場合は実害がないが「当人の理解できる範囲(精神医学的な現実)」に収まると万人迷惑本人コミコミ。人類に最大被害をもたらしているのは経済学で例外なくコレもん。
『そこに標的があるからだ』
『理由なんか聞いてません』
『間違いなく訊かれてない』
『・・・・・・・・・・・』
『何を聴いてる』
『貴男が聴いている音を』
『銃声は収まり苦鳴無し』
『とりあえず結果として』
『カメイツジの見立てならよし』
『貴男の見立てはどうですか?』
『観るのは全て任せている』
『観てないのに撃ちますか』
『観ていなかったのか砲撃』
『私は貴男に撃てと言いましたか』
『誰にもなにも言われていないな』
『・・・・・・・・・・』
『――――――――――』
『私が手元の端末でモニタリング中の神殿内の音だけ聴いて撃ったのですか』
『カメイツジから聴こえる音が彼処の音と知っていたから銃声に応えたのだ』
『・・・・・・・・・・』
『――――――――――』
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族前/跪くエルフっ娘】
あたしの意識。
一番大切な刻。
そこに出遅れ。
「青龍の魔法使いたちは貴女たちを解剖したい――――――――――ふぁ」
「HEY!」
BAN!
彼が放った殺意。
彼に放たれた誘い。
挨拶もなにも無しにとんでもないことを言い放った、この女。
あの娘に向かって
・・・・・・・・・・誰に言付けられたのやら。
軍使が斬られる
――――――――――戦場ではよくあること。
あたしの理解が追い付く前に、何一つ答えず無言で応えた彼。
彼の銃。
これ見よがしな囮。
引っかからざるを得ない青龍の老騎士。
囮と解っていてなお、放置は出来ない、か。
青龍が銃を重んじるのは、最初から織り込み済み。
今までも青龍の貴族が素手で挽き裂くのは青龍以外だった。
青龍を相手にするときは、撃ってる。
※第20話<インターセプト>以降ちょくちょく
青龍同士では使えないのか、使わないのか。
それは知らないけれど。
だからこそ銃を放すことが青龍の老騎士を座らせる。
彼が銃を目の前に置く。
力を投げ出すことで優位に立つ。
本当に戦い、駆引きに馴れてるわね。
彼と対している以上、青龍の老騎士も肩にかけていた竜殺しを離さざるを得なくなった。
互いに武具を置いても、後から続いた形は残る。
だからといって武具を構えたら、恥の上塗。
選んでいるようで、選ばされている。
彼にはどちらでも良かったのだろう。
和戦いずれにも役立つ布石。
あたしは青龍には、気にされない。
だから、駆引きでも武力にも、彼は優位。
そこまでは、あたしも心積もり。
――――――――――そしてその時。
意外、っていうより、訳が判らないタイミングで鯉口が切られた。
よりによって、誰にに言わされたのやら、この女の舌で。
青龍の貴族は当然、この女を、真っ先に殺す。
対する青龍の老騎士は、否応なく撃たせまいとせざるを得ない。
取り回しが利かない自分の銃を取れは自殺行為。
彼が目の前で誂えて魅せる判りきった罠の中にしか賽は振れない。
ドワーフ共の刀からすれば紙切れに等しい卓上、銃に伸びた腕
――――――――――利き腕だ♪
やはり老騎士。
全てを賭ける気概は買うけど、種銭が少ないことはどうにもならない。
だからこそ青龍の老騎士、その腕を叩き斬り、青龍の貴族の邪魔を払おうとした、その時
斬った!
――――――――――轟音。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
いかんいかん。
俺の気持ちは皆と同じ。
皆がコーヒー、俺ミルク。
みんなが右向きゃ俺まっすぐ。
次弾装填。
――――――――――――実包が落ちそうに、なったが掴む。
いやいやショートリコイル。
弾を抜いてどーする。
いやいやいやその方が安全。
落ち着け、皆さん。
俺が知り得る最悪の場違い
・・・・・・・・・・・・・・空気を読めないけど行動を自重しないライアン。
このタイミングでかよ!!!!!!!
空気を読んで流されるのが鴨。
空気を読んで利用するのが俺。
空気を読んで無視するのは三佐。
頭が良い元カノって言えば、ヤバさが伝わるだろうか。
――――――――――撃つな撃つな、皆は撃つな。
お前が言うな?
ごもっとも。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族前/跪くエルフっ娘】
風が弾けた刻を視て、あたしは度肝を抜かれた。
聖都の一角。
南側。
大きな波紋。
大角を振り上げた、青龍の土龍。
その角先から、風を砕いて巻き起こす、大風。
まったく青龍らしい。
――――――――――青龍しか、視ていない。
何かやらかすだろう、とは思っていた。
いつやらかすのかは、判らなかった。
あたしたち。
やつら。
それは彼ら。
神殿。
聖都。
街南。
その刹那
――――――――――我を忘れた。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺は魔女っ娘が火傷しないように、一射目以後、銃口銃身を上げたまま。
――――――――――排莢口から実弾を取り出した。
実包は暖かいな。
薬莢なら熱いだろうが。
銃身銃口を使えば根性焼き。
ちょっと手をだせ的な。
知らない?
昭和時代の習俗でね?
ダメージの割に証拠が残る悪手
・・・・・・・・・・知りませんけどね?
ちょっと跳ねてみろ的な貨幣経済全盛期の記録にあったのを観たことはある。
うちの娘たちからは小銭じゃらじゃらは聞こえない。
魔女っ娘は、まだディフェンスの構え。
小学生のバスケットボールのごとく、ピョンピョン。
ライアンが殺されないように
・・・・・・・・・・わかるわかる。
お仕置き確定!
銃の前に出てくるんじゃありません!!
可愛くても死ぬ!
魔女っ娘は、自分の為に人が殺されるのを嫌う
――――――――――助かった、けどな。
半身の構えを解いた。
右掌が痛い。
って、腕が肩まで痛い。
砲声が続かない様子。
・・・・・・・・・・俺のターン?
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族前/跪くエルフっ娘】
あたしの意識、一緒に瞬間の情景が戻ってくる。
――――――――――戦いが終わる刹那。
落ちついて卓上の銃を抑えた青龍の老騎士。
彼に向かって怒声を上げる青龍の道化。
道化が投げた銃を受け取った彼。
とっさに椅子を蹴り倒した青龍の老騎士。
無造作に撃った青龍の貴族。
あの娘は彼の腕にしがみつく。
痛みを呟きジタバタとする女。
ライアン卿が、まだ生きてる!
青龍の老騎士が女ごと、撃たれる直前に椅子を蹴り倒したのだ。
彼が放った鏃は|女《ライアン卿の頭髪を掠めて遥か後ろ、石床を削って翔びすさった。
仰向けに倒れた女は、まだ頭を抱えてジタバタしてる。
出遅れたあたしは彼の邪魔にならないように身をさらに低くしただけ。
青龍の貴族は筒先を下げて再び狙いを、というところで留められた。
あの娘、解剖を宣告された、当人に。
もちろん止まる訳がない。
自分の女のことだから、その生殺与奪は彼が決める。
当人の意思なんか、彼が気にするわけがない。
自分のものへの害意を赦すかどうか決めるのは、彼。
もちろん赦す訳がない。
まあ自分のものじゃなくても赦すわけないけど。
敵味方より利害より、癇に障れば皆殺し。
彼だけじゃなくて、青龍の習性。
同族に対してもこれなんだから。
わざわざ殺されたかしら。
彼の逆鱗を蹴り飛ばした女
――――――――――まだ殺されてないのは、彼が他に気を取られたから。
ジタバタしてる、あの娘じゃなくて。
彼が、あたし、たちの次に大好きな物。
敵。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央暫定中立地帯/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺に自分の銃を渡した神父が、その銃を受け取った。
『120mmが掠めました』
と、曹長。
PtoPで俺にだけ通信。
なおPerson-to-Person(個人間通話)であって、Peer-to-Peer(並列型通信処理)ではないので念のため。
OK!
デカイ砲声がなんだかなんて、俺には判らん。
だから、曹長が判る。
――――――――――なお一層、尊敬しております。
第十三集積地の野戦砲じゃない。
デカイ大砲の配置ならば俺には判る。
・・・・・・・・・・尊敬していいんだよ?
これからもよろしくお願いいたします。
そんな部下の技能を無にしない、出来る上司も偶々稀にやることもある。
戦車砲。
エイブラムスは海兵隊も装備している。
だが数が少なく日本列島にしかあえない。
大量の在庫を使える戦車兵は第七師団にしかいない。
なら、海兵隊側ではない。
海兵隊軍曹も一瞬止まったしな。
うちの90式なんか聖都に居たんか。
――――――――――居た訳ない。
第13集積地だけではなく、聖都周辺の国際連合軍/国際連合統治軍/UNESCO調査団の配置。
公式非公式のチェックはしてある
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・WHO以外は。
だがWHO除染部隊は普通、戦車なんか使わん。
第一、三佐がギャラリーに徹してるなら、そこにWHO戦力が来るわけない。
俺が知らない国際連合軍が出現。
来たのか?
なんで?
いつ
・・・・・・・・・・今日じゃない、今だ。
輸送作戦があれば、俺が、俺のコネが気づかぬ訳がない。
なら、今、この騒ぎのために調達されたのか。
違う。
動きが速い。
事件が起きたのついさっき。
15分で増援手配なんかできるもんか。
――――――――――調達じゃなくて介入か?
移動中の部隊が参戦した、のか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふつうじゃねーな。
なら部隊、戦車単独行動の訳がない、の指揮官が当事者。
俺が聞いてないし海兵隊でもない。
第三勢力。
VS同盟国だけじゃなく、陸上自衛隊同士で殺りあうのかな?
―――――――――頭の悪い三佐みたいなやつだったらどーしよ。
大きく息をすって~~♪
深く息を吐いて~~~♪
マスク、してますか?
わたしは観てます。
オフィス街は絶好の遊び場。
高層ビル街など夜は限られた子どもたちの遊び場。
……今は昔の物語。
平坦で、良く整備されたスペースがいっぱい。
ガラス面を鏡に踊ってる姿もよく居ました。
……いまは?
路上。
公園。
此処彼処。
サラリーマンの飲み会会場。
そこかしこで買い込んだ酒や料理を楽しみながら、談笑しています。
繁華街では前からでしたが、オフィス街は注目してませんでした。
頭が哀れな輩は「屋外だから感染しないと過信している」とやら「コロナが危険」という前提を死守しながら解説。
なわけねー(笑)。
昼間でも夕方でも、酒を出す店は満席です。
もちろん、皆さんマスクを降ろしています。
取りはしませんけどね?
首元に付けてますよ?
自粛なんだから仕方がないね(笑)。
ああもちろん、昼休みに連れだって外食なんかフツーフツー。
マスクはちゃんとしっかり耳に掛けてますよ(笑)。
お喋りの邪魔だから顎下に常に下げてますけどね。
では、わたしも「みんな」を見習ってみましょうか(笑)。
緊急事態宣言によりお店が自粛で閉まったら、路上や公園で愉しむと致しましょう。
そのうち「新型コロナウィルス」が発見されるかもしれませんし。
ワクチンの成果でコロナ馬鹿が片付くまで、時間がかかりそうです。
……日本ですからね。
民度が高いとワクチンなんか結局普及しないかもしれません。
では。
パンデミック探しの為に更新スケジュールが乱れることをお伝えしておきます。




