フォーマル・コミュニケーション
【用語】
『大元帥』
:国際連合加盟国武官の最上位階級。正式名称は「合衆国大元帥」で国際連合軍編成に際して階級上の混乱を防止するために修正復活。もともと合衆国軍に存在した階級であり実際に任命されている。そして二人目の任官者は現合衆国大統領。もともと「陸軍大元帥」であったが今回、陸海空海兵宇宙軍の垣根をなくし「軍」大元帥と改変。従来から英国などの諸国は「元帥」の階級が存在するために国際連合軍を編成する場合に指揮下戦力と兵力のアンマッチ、例えば全軍で旅団程度しか存在しない大将と一個師団を率いる陸将など、が発生していた。さらに兵力数最大である自衛隊が侵略作戦運用や多国籍軍指揮統制の経験が全くない以上、指揮権を引き受けることができない。だが合衆国軍の指揮下に入る訳にもいかず、国際連盟の枠にまとめてかつ上下関係の理屈付けをしなくてはならない。これは過去の世界大戦で発生した問題と同じものであり、二度の世界大戦で英国などは階級を盾に連合軍の主導権を争ったりしていた。常に侵略戦争を他国軍を指揮下に実行している合衆国の通弊。だからこそ元帥以上の階級を造ってあるのであり、異世界転移後の今日も「いつもの」手段を取り入れた。実際に国際連合の軍事指導者である現合衆国大統領をして、この仕掛けに組み込む辺り論理的整合性に抜かり無し。この辺り「加盟国議会の一議員」でしかなく「自分は一兵卒」を口癖にしている「国際連合に何の役職もない国際連合の政治指導者」を据えている日本と対照的。つまるところ軍隊は何処まで行っても官僚機構だということなのだろう。
六星大元帥階級章付陸軍将官正服。
階級章は現合衆国大統領の祖父が1955年に任官する予定だった際に決められたものと同じ。
その祖父は「二人も大元帥は必要ない」と言って話を蹴っている。
合衆国史上一人目は第一次大戦時のジョン・パーシングであり祖父、その恩人で嫌な上司でいろいろ複雑だが、それは理由ではない。
二度の大戦を経た功績により大元帥が一人誕生すると、政治的配慮でもう一人「特殊な人物」が追加されてしまう。
士官学校も出ていないし功績もなく配属先複数各部隊共通に「無能」と認定されて将校の戦士率が高すぎて「猿でもいい」とされた第一次大戦時に将校でありながら様々な経験の末に降格され「仕事するな」と厳重に命じられて閑職に回された記録的無能。
第二次世界大戦をず~とワシントンで過ごし「ルーズベルトの茶坊主」「トルーマンの女衒」他の異名を持ち軍主流派に対してワシントンの意向をゴリ押しすることだけを忠実に果たすことで大将になった輩。
ここまで来ると大元帥にする名分も無く「釣り合いをとるため」と開き直られるほど。
最前線で本間大和武蔵に詰め寄られた歴戦の大元帥予定者は同席拒否。
かくして合衆国最高司令官就任の夢は孫に引き継がれたのは、また別な話。
服の色はアーミーグリーン一色。
階級章以外の装飾は一切なし。
戦時下における軍服の基本規定。
戦場で必要なのは階級、それ以外の情報は邪魔でしかない。
国籍表示は付けてもいい、が、敢えて付けない。
「私が合衆国だ!」以上終わり。
制帽は傍らの将官佐官が持つ。
どんな状況でも被ることは無い。
最上位者であることを皆に示す為。
「戦闘中以外は被らない」
最高司令官が戦闘に参加することがあってはならない。
「脱ぐことで相手を上位に置く」
最高司令官の上に立つ者が存在することはありえない。
いずれも軍の慣習に基づく。
シルバーブロンドが自慢だという説もある。
腰にM1911A1MEU。
儀礼用武装。
合衆国軍全盛期に生産され実戦を通り抜けたコルト45は、後継器が決まった後もモスボール化されて大量に保存された。
つまりは後継器を前線が全く信用しなかったからだが。
別に拳銃に限らないけれど。
そしてその危惧はひとつ残らず実戦で露呈して顕在化。
その結果20世紀末、ベトナム戦争より前に造られた兵器のリバイバル、っていうより発掘が米軍内部で静かなブーム。
ゴミを押し付けられないよう、こっそり。
異世界転移後の合衆国大統領の武装もその一つ。
一応儀礼用だが、これで敵を射殺するのが大好きです。
本人談。
つまるところはコルト45。
状態が良いものを厳選してある保管品。
更に選別し専用工廠でレストアした特注品。
山ほど市販されてる新造物は完全無視。
戦闘を想定した前衛部隊だけに特別に配備されるモデル。
そーいうコンセプト品。
戦死順番待ちや数合わせの案山子には最新兵器を与える。
「大陸軍」軍人の合衆国軍最高司令官とついでに合衆国大統領が海兵隊専用装備を身に付けているのは、現在の合衆国軍の中核である海兵隊への政治的な配慮。
実用性が高い拳銃が好きという説もある。
《異世界転移後のフォーマルについて/ブリタニカ百科事典》
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺の予測を軽く越えて来やがった。
来やがった文字通り俺に向かって。
なにゆえに。
わからんし。
なんだこれ。
独りのマッチョが一人の女をリフトアップ。
――――――――――俺向けに。
俺にどんな顔をしろと?
背負うに有らず。
抱えるに在らず。
抱きあげに非ず。
妙齢の美女が一人、あからさまに拉致られてきた。
――――――――――知らんがな。
もーちょっとフォーマルな登場は無いのかな?
空気嫁。
―――――――――――だったらまだよかったのかな、俺はやだけど。
実体付。
―――――――そこはとても歓迎してるんですけどね、そこだけ。
合衆国大統領の儀仗兵だよね海兵隊は?
正々堂々と正面から俺に笑いかける女を担いだマッチョ。
笑いかける俺へとても判りやすく全人類に誤解無きよう
・・・・・・・・・・ちょちょちょっと遠慮してどうぞ。
平静なフリが出来ているとイイナー。
俺は素早く周りの気配を探ったりは出来ない。
死角なんかどうなっているか判らんがな。
代わりに素早く最適解を導く為に、状況把握。
優先順位。
うちの娘たちへの教育的配慮。
俺の精神的健康がかかっている。
あ、健康的生活もかかっている。
子どもに世話されてどーするか。
次順優先。
No1への異性愛的配慮。
おねいさんずへのアプローチ維持。
No1からNo2への印象操作。
印象が正しく在る必要はない。
つまり俺が嫌われないこと。
呆れられる程度なら、リカバリー可能。
さて。
・・・・・あ、あと大半の人間が生きてここをでること。
うっかりわすれさせられたぜ。
なんて狡猾な罠か!
いやいやいや、相手が在ることだけに、致し方なし。
俺の予想外すぎる展開だって当然、起こされる。
それぐらいのことに動じて見せたら格好が付かない。
アドリブと知ったかぶりは得意なんだ、俺は!
女子どもがこれを見て何を思う?
MPさん、こっちです。
というより、さっきまで、互いに銃撃戦?してたんですがそれは
・・・・・・・・・・・・・・きみたち一方的に海兵隊を撃ってたよね。
幸い?今は?
誰も銃口を向けない。
それはわかる。
傍らのNo1が何も指示してないからだ。
うちの部下と違って普通の自衛隊は命令なしに行動しない。
そこは信用できる。
だからこそ見回さなくてもNo1の気配だけで確認可能。
俺んとこはいーんだ、うちは。
うちの連中は偶にしばしば希に曹長すら誰の指示か判らん行動をとりますが、結果はどうあれ最善の行動なのでどーでもいい。
俺にも解らないくらいなんだから敵にも判る訳がなく、戦場で一番大切な主導権を握れるといいな。
だから今、うちの部下が撃たないし動かない銃口も向けないのはとても通常平常いつも通りでとても頼もしい。
これからももそんな感じでお願いします。
―――――――――――だから際立つ、おねいさんずの静止。
本来は味方である俺に銃口を向けさせたNo1は?
本来は友軍である海兵隊に発砲させた君たちは?
チェレンコフ光のように青く輝いていた君よ今何処?
撃ちまくってすべて台無しにしてその騒ぎを囮に正面突破を図ることになるのが正常なのに今異常。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうかそうか、解った判ったわかったぞ。
訳が解らないから撃たれない
・・・・・・・・・・・・・巧いな。
俺が真似したら撃たれそうだ。
で、俺に向き合う贈答品。
いやマジで目が合ったから。
担がれ運ばれたまま、定着。
疑問を抱いても良いんですよ
他の選択肢はなかったのか?
しかもこれ、逆じゃね?
普通は下半身側が進行方向、正面側に来るのだが。
担がれてる女の上半身がこっち側に向いている。
艶やかな長い金髪を垂らしながら、こっちを見ている。
担がれたまま。
顔を伏せずにあげている。
結構つらい態勢じゃないかな。
こっちみんな。
静謐なブルーアイズ。
焦点が拡縮を繰り返す。
全体像を把握、細部を観察。
首が痛くないですか?
だから瞳の動きだけが激しいのか。
首は上げるだけで精いっぱい。
運動が得意なタイプじゃない様子。
でも担がれ慣れてるようね、これ。
いわゆる一つの消防士搬送。
ファイヤーマンズキャリーの直訳。
陸自でも訓練する割には、実戦ではまず使わない。
運びやすく移動しやすいけど、担ぐ側も担がれる側も高い位置になるから。
射線に身を晒すのでいい的です。
後方地帯だったら担架を使います。
死体にするか死体を増やすか、どっちかの効果が見込めてしまう。
戦場では引き摺って移動させるのが基本です。
火災現場では呼気不可能なガスも上に集まります。
なんだかんだで日本では使われない。
でもキリスト教圏では結構使う。
土葬必須な文化では死体が葬儀に必要だから。
そのために戦争中に輸送機を飛ばしたりするってどうなのか。
とかなんとかツッコミ禁止。
宗教に理由なんかないんだから。
まあ合理的理由がある慣習なんかないが。
常識、家族、親子、社会、国家
・・・・・・・・・・偶然と惰性と日和見と。
だから常識に意味がないかと言えば、さに非ず。
俺はそれを否定しないし、馬鹿にして見せない。
常識があるからこそ非常識の効果が上がるんだ。
娯楽だけじゃないよ?
結婚が無ければ不倫も出来ない。
家族や親子が無ければ姉妹も母娘も無意味。
国家や社会に縛られてなけりゃ出し抜けない。
逆に言えば非常識、今、Fireman’s Carryが使われていることには意味がある。
撃たれるとは思ってない、っというゼスチャー。
身を隠して接近するより、あからさまに身を晒す。
これこそ常識の使い方
―――――――――――――――――無視するだけで、効果が生まれる。
一触即発の現場で軍使がとる姿勢としては大いに正しい。
・・・・・・・・訳が判らないから撃ってみろ、ってのは三佐だけ。
銃撃が収まっているとはいえ、実弾射撃の直後。
おねいさんずのスナイパーが照準を外していない。
相変わらず神殿外周、対峙する海兵隊を射殺する構え
そんななかで警戒を示せば、引き金にかかる指にも力が込められるってもんだ。
用心。
備え。
不信。
それは必ずリアクションを呼ぶ。
隙を探す。
対抗する。
自制低下。
万が一に備えれば、千が一から百が一にエスカレーションするのは軍事の基本。
相手の演習が奇襲攻撃のにもなるから一応は防戦準備を整ええたら相手もなぜか演習規模を拡大したのであくまでも念のために動員体制を上げたらなにゆえか相手も非常呼集の練習を初めたので前線兵士一人一人に警告を発していつでも撃てるようにして砲兵隊にも即応体制をとらせたら敵の空軍基地から多数の機体が離陸を始めたので味方の戦闘爆撃機に空中待機を命じたら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな感じ。
ひたすら火災保険に加入しまくったら不審火を疑われるに決まってるし、それが続けば放火犯認定待ったなし。
それよりなにより防火対策をしとく方がいい。
安全保障の基本原理、の割に素人には伝わらない。
備えと警戒で偶発戦争を起こすなら、自分から奇襲攻撃したほうがいい。
危険に備えるのは金がかかる。
危険を起こすのも金がかかる。
だったら自分で火をつけた方が無駄が少ない。
――――――――――予防戦争の原理。
だったら火が付かないように火種を無くせばいい。
――――――――――予防外交の原理。
だったらあらゆる危険に備えを固めておけばいい。
――――――――――頭が悪い奴の発想。
まあ、その辺り自衛隊と海兵隊なので阿吽の呼吸が成立している。
あるいは軍隊(含む準軍事組織)共通の発想というべきか。
犠牲を最初から織り込んで割り切る発想。
軍使が殺されても大勢に影響がない。
なら殺される前提でコストを省くべきだ。
ならばなお一層無警戒に振る舞った方がいい。
撃たれた時に、その事実を使いやすくするために。
まさに阿吽の呼吸だ。
その辺り自衛隊と海兵隊なので。
殺し合う時に備えないのが備えになる。
あつかいにくいね、どーにも。
ガチがいた(笑)。
バスに乗るときに「マスクを付けてください」っていうドライバー。
眼がマジだった!
笑ってしまいました。
嗤ったんじゃなくて、笑い。
わたしのまわりでは、すっげーレア♪
いえ、身近なコロナ馬鹿は近づいてこないですから。
気持ち悪いから、来られても困りますけど。
虫けらとしての自覚が生まれたのなら善いのですが。
世が世なら白い三角帽子を被って十字架を燃やしてる類い。
ガチはなかなか見つからないんですよ。
ぐるっと周りを見回しても、マスクコスプレしかいない。
……フツーの人たちですね。
もっと面白い生物を探して週末も出歩きます。
というわけで、また次回更新が遅れそうです。
12時間以内ではありましょうが、仕方なし。
馬鹿を嗤うのは人間の責任ですので。




