対立の創造：七十億の盾（残一億二千万体）
【用語】
『合衆国海兵隊』
：合衆国連邦軍で陸海空軍に次ぐ最小でありながら最古の軍。創設は合衆国建国前、独立戦争開始時点であり「宗主国（海軍国家の大英帝国）が海兵隊を持っているから」という理由で創設。そもそも大陸国家でメキシコやカナダと争って北米植民地獲得戦争に狂奔する合衆国に「上陸作戦を目的とする兵科が必要だったのか？」と訊かれたら言うまでも無し。はい！解散。それから１５年後。海賊に悩む合衆国が海軍を復活させた（なんと解散していた）ときに「そういえばあれ、それもあったね、うん」で「ついで」に復活。索敵能力に比べて広い海に置ける対海賊戦は、海戦よりも陸戦。フロンティアだらけで陸路が整備されてない未開大陸の沿岸に点在する海賊の巣を掃討。制海覇権など望むべくもない貧乏国家では、むしろ海軍より海兵隊の方が役に立った。海軍から恨まれたのは言うまでもない。その後も陸戦に大活躍。陸戦に。しかも宣戦布告が必要ない紛争に次々と投入されて便利使いされて酷使されまくる。このあたり今と変わらないような。平時の戦争というニュース種。派手に報道だけはされるから陸軍からは邪魔者扱いで憎まれたのは言うまでもない。毎年のように陸海軍合同で廃止解散縮小を企まれ続けるモノの、軍の力を怖れた大統領府のカードとして生き残る。すると大統領権力自体を危険視している議会や各州から袋叩きにされる。普通は親衛隊や近衛隊には名誉があるし、特権があるし、資産も有ったりするが……そんなものはない！常に土俵際。予算も装備も残飯扱い。最前線がキャンプ地。徴兵された市民ではなく、行き場のない田舎者が勝手に集まった収容所。
そんな彼らの友だちは、大日本帝国陸軍だけだった。
太平洋戦争勃発。
太平洋の島々で帝国陸軍と殺し合い。
「合衆国海兵隊」は、その時誕生したといえる。
近接戦闘上等！
死守玉砕日常！
戦死最高惜しいな戦傷！
まさにヒャッハーである。
サウザー様にピッタリ。
火炎放射器も得意です。
……結果、唯一の友達を殺してしまった。
万感の思いに耐えない。
強敵と書いて友と読む。
ジャンプ理論が顕現してしまった瞬間。
そして冷戦下の非正規戦争に投入され続け、徴兵制兵士を蹴りだし、志願兵制だけにこだわって純化を続け、本国の社会崩壊であぶれた勧誘兵士を山ほど送り込まれては追いだし殺して叩きのめして、世界に誰一人友達がいないことを繰り返し繰り返し
……さらに根性が曲がり続ける。
もう友達はいらない。
合衆国軍が統合軍体制を取り、各地域方面軍が独立してペンタゴンやキャピタルヒルやホワイトハウスと殴り合っている中で、「最初から合衆国は親の仇」な海兵隊だけは先駆者の威厳を漂わせて、硫黄島に旗を立て、今もそこにあり続ける。
そこ？
異世界。
どこ？
……地球に居たのが間違いだったんじゃ……
Ｈｉｇｈ-Ｒｉｓｋ, Ｈｉｇｈ-Ｒｅｔｕｒｎ？
Ｌｏｗ-Ｒｉｓｋ, Ｌｏｗ-Ｒｅｔｕｒｎ？
Ｉｔ'ｓ Ｌｏｓｅｒ．
Ｎｏ Ｒｉｓｋ Ｈｉｇｈ Ｒｅｔｕｒｎ！
Ｔｈａｔ’ｓ Ｗｉｎｎｅｒ．
危険を侵させた者だけが、すべてを手にいれる。
危険を引き受けた者は、すべてを失い殺される。
因果応報。
等価交換。
自業自得。
そうあってほしかった？
だから貴方は負け犬で、いくらでもある捨て駒。
まいどあり♪
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
いざという時に固まる俺。
それが固まらない理由。
皆さんご存知だ。
人間はリスクを背負わないと健康で長生きできるのだよ。
勝ち目があるから？
まさかまさか。
誰も死なない傷つかない？
しらんがな。
代わりが誰もいないから？
諦めません、逃げるまで。
さて、役は？
配られた手札は、悪くない。
伏せられたカードの使い道。
切り札は取っておくもんさ。
ゲームの外側で必殺。
ゲームの勝敗に無縁。
ならば卓上には、不要。
袖口か裏板にこそ必要不可欠。
気配
――――――――――しゃしゃり出ないか。
重畳々。
傍観者だな。
前に出る気は、ないらしい。
判ってるのか。
解ってるのか。
だがわかってない、足りない。
サプライズはタイミングを選ばないと、さむーいことになる。
海兵隊に海兵隊をぶつける訳にはいかないからな。
このタイミング
――――――――――銃撃戦になってからは。
神父は海兵隊将校だ。
あの歌の意味がわからない訳がない。
海兵隊は任官以後、退役しても、終生にわたる繋がりを持つ。
海兵隊であった過去は、証人保護プログラムでも消せない。
同じ合衆国軍、陸海空は、軍人繋がり。
海兵隊の軍種繋がりとは、全く異質。
――――――――――異次元？
秘密結社的な繋がりは、その成り立ちと現状から。
海軍の鬼っことして産まれ、実績で軍種になった。
合衆国軍の伝統からはみ出した、陸上戦力として。
常に最前線で戦う軽歩兵、だけの、一軍。
元々は、な。
果てしなく肥大化したのは官僚組織の常。
創始者は想像もしなかっただろう。
いらない子扱いしたジョージ（ワシントンの方）なら悪夢というか。
・・・・・・・・・・・・・・当時から、合衆国海兵隊はワシントン（Ｄ.Ｃの方）と仲が悪い。
大陸国として陸軍中心だった合衆国。
それが、北米大陸を制して海軍国化。
万単位の外征軍を運用する為に、だ。
陸海軍対立は世界一！
巨大な伝統勢力、大陸軍。
新興の重要勢力、海軍。
異質な部外者が、空軍。
だから産み出された、海軍の為の陸軍、海兵隊。
陸軍が潜水艦を４００隻造ろうとした国まであるんだから、多少はね？
数十隻しか出来なかったけど
・・・・・・・・・・しか？
場合によっては、大日本帝国陸軍艦隊とか出来たかも。
対抗して大日本帝国連合艦隊司令部付機甲師団とかね。
それが在り得て、成立しちゃったのが、合衆国海兵隊。
―――――――――――むちゃくちゃ嫌われました。
同じ国の陸海軍に。
ドイツ第三帝国の武装親衛隊と突撃隊と国防軍の間にしかない、と思われていた、心暖まる関係。
合衆国陸軍からすれば、商売仇の猿真似の利権泥棒。
合衆国海軍からすれば、下等陸上生物を真似る屈辱。
敵対的な商売仇と無理解な上層部をずっと恨み続ける未来永劫な合衆国海兵隊。
つーか、指揮系統上どこに所属するかが、ずっと曖昧だったていう、ね。
ハリネズミ的な排外主義と、マフィア的な連帯感が生まれたのも宜なるかな。
だからこそ、今、海兵隊と銃口を向け合っている時に、こちら側に神父が居ると、あちらの海兵隊に知られたら不味い。
海兵隊は、海兵なら殺してもいい、そう考えるからだ。
組織的犯罪者が身内の粛清に躊躇しないように。
他人、陸上自衛隊相手だからこその躊躇いが消える。
むしろ、政治的な言い訳になる。
自衛官だけ死傷させれば、自衛隊ＶＳ海兵軍。
海兵隊の、しかも将校を、敢えて殺せば？
あくまでもＵＮＥＳＣＯと国際連合軍の対立。
海兵隊を守る為なら、海兵隊将校が死ぬのは当然のこと。言い訳が出来るから、殺ってしまおう
・・・・・・・・・・そうなる、とまでは言わない。
だから相手に、選択肢を与えない。
海兵隊は傷つかないで済む、かもしれないとは思わせない。
殺し合いが始まる前なら、伝に出来た。
だが麓のアレが海兵隊と気が付いたのが、さっき。
こうなれば、神父は事後収拾までキープ。
切り札は最後の最期まで取り置いて、いらなかったな、といきたいね。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形聖都/聖都市内/中央/大神宮内中央/青龍の貴族の右前/魔女っ娘】
ご主人様が、愉しそう。
わたしにとって、大切なのは、それですが。
だけで終わらないです。
つまり、わたしたちは安全ってこと。
ミライエイゴウオマエタチガキズツクコトハナイカラアンシンシロ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
わたしたちさえ無事なら、何でもいいっていう方です。
ご自身の生死が、わたし、たちの在り方を決める。
そんなことを忘れて夢中になって、愉しんで。
わたしを愉しんでいただけない
――――――――――大問題！
世界だけではなくて、わたしを愉しんでほしい。
わたしを弄ってくだされば、危険はないのに。
それはまあ、わたし、たちでも。
女だけではだめでも、女にも力を注いでほしい。
わたしにどうにかできることではないにせよ、です。
だからどうしても、思い悩んでしまう。
好きな方の快不快、好悪に善悪、良否と感興等々を。
ご主人様の命令。
逆らえ。
欲せよ。
我侭に。
逆らえという命に逆らって従い、欲しいと思うがまま傍に寄り、わたし以外を顧みずに尽くす
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにどうすればいいのか、全然です。
ご主人様に、時々でいいから、命を大切にしていただければ。
わたしたちが在るということが、ご主人様にかかっていること。
愉しくて楽しくてたのしくて、夢中になっている、ご主人様。
わたしをもっと見てくださいますか？
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
君は何故ベストを尽くさないのか！
そんな貴方が、俺は好き。
手札が良ければ、さらに積み増し。
鴨ネギ鴨ネギ、薬味は七味唐辛子。
・・・・・・・・・・柚子胡椒は微妙。
あらゆる努力を惜しまない。
必勝法とは八百長のこと。
努力の人と呼んでくれ。
俺々。
大神殿内部の索敵機器。
それらは国際連合統治軍の優先権がある。
ＵＮＥＳＣＯとやり合った瞬間、おねいさんずと俺たち独占。
記録を見る限り、ＵＮＥＳＣＯ調査団は非戦闘部隊から動いている。
学者研究者助手好事家魔法使いその他が、大神殿へ動く。
なぜかしらんが。
護衛役の兵士たちがそれを制止しながら引き摺られて続く。
そりゃそうだろうな。
護衛なんだから。
殺さない範囲で対応する海兵隊。
殴る蹴るでは収まらない、のがスゴイ。
対暴動装備の兵士を数で突破する民間人？
あーこれ、観たことあるわ、ゾンビ映画で。
で、おねいさんずが発砲開始。
―――――――――――完全なる不期遭遇戦。
ましてや友軍同士の戦闘なんて想定外。
ＵＮＥＳＣＯ調査団が索敵機器を使って大神殿内部を確認するより、おねいさんずがその接続を切る方が早かった、だろう。
索敵システムの操作権限は軍人と自衛官が持つ。
ＵＮＥＳＣＯ調査団なら海兵隊司令官。
おねいさんずＮｏ１、軍政司令官。
戦域の序列は？
第１３集積地全体は駐屯軍司令官が最上位。
聖都内に限ればＵＮＥＳＣＯ調査団。
大神殿に限れば作戦中部隊司令官。
互いに友軍なので、権限争いは想定外。
つまり、早い者勝ち。
ＵＮＥＳＣＯ調査団、海兵隊司令官は、暴走した民間人を抑える、抑えられる、と儚い目的に全力だった。
友軍を敵と判断して撃ち始めた、おねいさんずとは違う。
俺の権限外で、操作ログは見えないが、アタリはつく。
わざわざシステムを、弄る理由がない。
斯くして密室成立。
もちろん今は状況が変わった。
――――――――――――――――――包囲してしまったＵＮＥＳＣＯ調査団。
だから、こちらを探っている。
索敵システムの操作権限がバッティングした場合、当然、上位指揮系統が介入する。
観察記録してるギャラリー
――――――――――今、上層部がしゃしゃり出るなら、そもそも戦闘になってないけどな！
ただし同士打ちを防ぐシステムに、軍人準軍人は干渉出来ない。
したいとも思わんが
――――――――――ＷＨＯか軍事参謀委員会参謀なら、多分、別。
なんか覚えがあるクリーチャーのことは、考えまい。
・・・・・・・・・・・・・個々人の生死に関心を寄せるタイプじゃないし。
将来の破滅フラグより、当面の敵。
ＩＦＦでこちらの数は配置を把握しているだろう。
ＩＦＦは前線指揮官の権限でＯＮ／ＯＦＦ不可。
だが、友軍表示だけで所属や人種はわからない。
ＵＮＥＳＣＯ調査団と国際連合統治軍は、そこまで連携してない。
俺たちの軍政部隊が、何人編成でかつ軍政地域でない場所に定員で来ているのかいないのか、同行している軍属の所属すら判らない。
半面、俺たち軍政部隊が大神殿に居ることは判るだろう。
今朝がたピクニック予定は、目的地に展開中のＵＮＥＳＣＯに通告してあるからな。
つまり大神殿に、ほぼ日本人の部隊が、いると思うはず。
全員日本人かも知れない、と、それぐらいは考えるだろうな。
軍政部隊は自衛隊から編成されるからだ。
――――――――――――――作戦中に同行する第三者としての監察官を除いてね。
監察官だって、ファンタジーの補強材料。
軍政で想定されていること。
ごく短期間の接触だから、戦闘力は二の次で良い。
定型化出来ない政治的問題が生じやすい。
文字通り、軍による政治。
政治問題を日本人以外に負わせることはできない。
ただ殺せば済む、という話にならないかもしれない、からだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・幸か不幸か、そうなっていないが。
今後もそうであり続けるとは限らない、なら在り続けるべく務めよ、って言いたい。
言えませんけどね？
地球人類というファンタジー。
日本人だけではない、というリアル。
ＶＳ非日本人という構図は、ありえない。
多世界同化政策の第一歩。
――――――――――――――――――――――――地球人類同化計画に反する。
ＯＫ！
ＯＫ！
極短期間の接触でなくなっている、俺たちの任務を活かそうではないか。
俺たちの軍政部隊が半分くらい異世界人で構成されているとは思うまい。
作戦自体が２４時間だから監察官が常に同行しやがってるとか思うまい。
神父を裾に隠すと？
これでよーく見えるはず。
リスクを被せる生贄。
ＶＳ自衛隊。
ＶＳ日本人。
ＶＳ国際連合。
――――――――――な。
国際連合は、いい盾になりそうじゃないか？
花粉症が気になる今日この頃。
花粉症にかかると、クシャミ鼻水鼻づまり咳に下痢から発熱頭痛、味覚障害や倦怠感に身体の節々が痛くなります。
程度や症状は人それぞれですが、ほとんど共通していますね。
……？
全部風邪？
そりゃもう、免疫反応ですから風邪と同じことになるわけですね。
それを「新型コロナウィルス」特有の症状だと意味不明の供述をするものもあり、おかげで多くの同胞が殺されております。
ああ、もちろん、日本人だけが日本人を殺してるわけじゃないですよ？
アメリカ人はテキサス族やカリフォルニア民やニューヨーク市民を殺してますし。
フランスでもイタリアでもイングランドでもドイツでも、同じ。
殺されるがままでいないのは、日本以外の各国諸族ですが。
「コロナ対策」なんだから「人が殺される」のも当然でしょう。
さて。
明るい話題から。
ラブホ街は元気そうでした
ミニシアターやライブハウスも人が集まっており、ニッコリです。
でもマスク……必要ですか。
まあ、カップルには必要ですねすいません。
……堂々としてもいいと思うよ？
暗い話題。
一時閉店や営業自粛の張り紙が、軒並み無くなってますね。
テナント募集に切り替わってます。
そりゃそうだ。
「自主的に営業しない」
からといって家賃が無くなる訳じゃないし。
経営者や店員がどうなったのか。
言うまでもないですか。
じゃあ、店舗建物の所有者管理者はどうなるんですかね？
言うまでもないですか。
「自己判断で営業できなくなったから誰れにも救われない」
店子がいなくなったら、施設設備の維持費管理費がかからなくなる。
わけもなく。
もちろん
「強制したわけでもないのになぜか勝手に自粛した愚か者のせいでなにがおころうと税金を待つ理由にはならない」
わけです。
「自分の命がかかっているのにロクに調べもしない。家族が死んで誰かを恨みたいなら、自分の間抜けを怨めばいいのさ」
……前にも引用した、とあるパンデミック小説の悪役が爆笑しながら吐いたセリフ。
まさに自己責任。
もちろん、わたしはなんであれ「自己責任」なんて概念が成り立つとは考えませんが。
コロナ対策に限らず。
コロナ馬鹿を傷付けないように、気を使っている。
それが世間というもので。
死ぬべき者を傷付けないために、なんで人間が死なないといけないのやら。
半世紀後に読んでいる人に訊いてみたいですね。
