相対他力
【用語】
『音』
:媒質(伝導体)を経由して伝わった振動の解釈。媒質としては空気が有名だが、以前取り上げた「囁きの回廊」のように建物の素材も音をよく伝える。むしろ液体や個体の方が伝導率は高い。「音速」の考え方も「特定条件の空気を媒質とした場合」なので媒質を水や金属にしたほうか音速は早くなる。しかも気体より液体個体の方が振動を打ち消す干渉を生じにくいので、減衰率が低く正確な情報がえられる。狩猟や戦場で地面に耳を当てて標的の情報(動作音や声など振動全般)を得ようとするのは、それが理由。もちろん人の聴覚は空気振動、身体の振動しか想定していない。直接地面や壁の振動(音)を聴取したりは出来ないから、効率がおちるのだが。それをカバーするために、聴診器を地面に当てる索敵方法は古くからつかわれている。先端の軍事技術では(本作内でも)振動センサーを地面に打ち込み、あるいは接触させたりもする。そうして集めた振動を前線では指揮通信車、さらに後方のシステムへ送信。アーカイブに照合して標的の数や動作、重さや大きさ種類などの情報を得る。これが「振動の解釈」であり、振動という物理現象は解釈が無ければ意味がない。「聴くものがいなければ、音は存在しないのか」と言う設問への答えになるが、さておき、解釈がポイント。
例えば作品中のエルフは耳が良い。人より広範囲の風(大気の流れ)を感知できる。物理的存在が大気中に在る限り音を発し続ける。動けば大気を震わせるのは、どれほど小さくても避けられない。動かなくとも大気は動くから、在るだけで風を曲げてしまい振動する。この理屈で言えば、大気中に存在する限り風を受け、時に風を起こす。エルフにはすべてが「聴こえる」ことになる。大きさ、形、動作に静止。存在の温度は体熱だけではなく、陽光からの熱吸収率により変わる。対象物の温度は当然、大気の膨張率に影響を与える。つまり、大気中に在るモノの温度変化とその効率、色も「音」に反映する理屈。暗い色は陽光を吸収しやすいので温まりやすい。明るい色は陽光を反射するので温まりにくい。温度だけなら素材でも差は生じる。だが素材が熱を吸収放出する速度は、遅い。温度変化に注目すれば素材起因でない。表面の色によると聴き分けられる。つまりは耳で視ている、光を聞いている。
そこまでいけば、聴覚だけではなく解釈。
つまり「聴こえる」と「聞こえる」では全く異なる。耳が捉えた振動を、解釈する/出来るのが「聞く」ということ。「聴こえ」ていても、理解出来無ければ可聴域外、「聞こえ」ない。地球人類のように外部システムを利用出来ないが故に、成果はエルフ個人の経験値に依存。アーカイブのデータ。総量と種類。効率的な検索。慣れと発想。向き不向き。
エルフっ娘は、それが出来るので、大建造物の中から外周、360度ではなく、大気の流れに合わせた空間全体を地球人類の動きを中心に「聞く(把握する)」ことができる。
聖都という、音響効果の為に造られた都市。その中で一番、聴こえやすい場所。そしてエルフっ娘が積極的に、むしろ必死に、地球人の情報に馴染み続けているから。観察比較参照情報収集に事欠かず。推論洞察考察そのものが日常そのもの。異世界全体でエルフ自体の絶対数が少ない。故に地球人類が入手したエルフのサンプルも少ない。だからエルフっ娘の能力、あるいは特徴(もしかしたら性癖)は、彼女を24時間かまっ……観察している人間にしか判らない。
「知は力なり」
と言うけれど「知る」というのは「知らぬ」も含むのよ。
例えば?
合衆国の副大統領。
国家的決定に際しては、必ず、蚊帳の外。
蚊帳だから、透けて解るけれど。
「判らない」のが重要。
だから賛否は問われないし、意見も言わないし、役割も果たさない。
だから、副大統領には、責任がない。
国家的決定が裏目に出たときに、大統領は責任を負う。
その決定から実行までのプロセス。
当然、誰に失敗があろうと、最高権力者が責めを負う。
大統領が国民の信を失った時、責めを負わない副大統領が権力を引き継ぐ。
そーいう、仕掛け。
例えば?
配下が何かを隠している。
アレが可愛がっている子たち、その中で最も好みな娘、彼女のこと。
そりゃ解るわよ。
大切に大切にしまい込んで、まだ食べてないところまで。
・・・・・・・・・・後が閊えてるのに。
ああ、隠し事?
――――――――――構い方が不自然。
戦闘中、彼女だけ後ろに下げない。
今は安全な位置だけど、他の子と違う。
やむを得ず、って状況じゃないし。
彼女の視線に反応しながら、最低限に抑えてる。
普段なら相手を安心させるために見つめるわ。
観ても判らない索敵表示なんか放り出して、ね。
眼を意識しないフリ――――――――――
隠しているのは、隠せることだから。
なら、外見のことじゃない。
能力のこと。
隠しているのは、隠す価値があることだから。
なら、知識や技能じゃないわね。
調べれば判ることや、現代兵器を前にした武術ではない。
なら?
瞳が緑なら、魔法や奇跡でもない。
なら?
それは地球人類の力に匹敵するなにか。
あの娘が、私達からも身を護れる、切り札。
――――――――――そりゃ隠すわよ。
アレは、そーいう、奴だもの。
???
なぜ?
自白剤を使って記憶も跳ばさないか?
――――――――――しない。
私が知れば、安全保障理事会や軍事参謀委員会も知る。
手を加えさせない為に、手を廻す必要が出てくる。
無駄手間以前に、干渉が生じかねない。
カードを溜め込むなんてバカのやること。
必要なモノ。
必要な時に。
必要なだけ。
自分が持たないほうが、効率的。
だから仕舞って置くの。
アレの懐にね。
小銭が必要になって、手をつっこむまで。
優しい上官でしょう?
――――――――――誉め称えなさいな。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)外周麓/UNESCO調査団内外阻止線】
UNESCOは、調査しなければ止まれない。
国際連合統治軍は、調査を止めねば退かない。
調査させれば止まる。
調査を止めれば収まる。
落とし処は、そこだ。
――――――――――ならば、学者が必要。
別に死んでも良い奴ら。
UNESCO調査団の非戦闘員
・・・・・・・・・・学者バカばっか。
社会的地位に釣り合うように、将校が一人一人殴らなくてはいけないくらい。
今回に限れば、地球人でなければならない。
UNESCOには、異世界種族が多数参加。
この例外異世界種族は無関係を幸いとして、何をしでかすか判らない。
第一、エイリアンの調査活動に、嬉々として参加してきた連中。
一人の例外もなく、好奇心の為なら多世界を斬り刻む、科学者。
――――――――――二つの世界のコイツらが、考えも無しに、いや、考えだけ突出させたから、戦闘になったのだ。
だからこそマッド・サイエンティストたちを納得させなくてはならない。
バカの一人。
学者どもに顔が広い奴。
バカの割に冷静で大胆。
調整型の研究管理者で、調査実験より観察観測を重んじ、部外者の話も聴くことは聴き、なにより戦闘中活動経験があり・・・・・・・・・・自分を含め、誰の生き死ににも興味しかない。
「来い」
「やだ」
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
さあ!
話し合いだ!
俺の得意分野?
――――――――――誰かに押し付けるのは得意。
仕事って、そういうもんだろう?
頑張らない為に、全力全開。
状況の変化に万々歳。
俺は何にもしてないけどね。
神様は正直者の味方だったんだなって。
おねいさんず。
見目にも楽しい彼女たち。
大切に出来る。
いや、したい、する、大切に、3分前から。
五分前にとは真逆の発想。
十分前に戻った発想。
五分後にはわからん発想。
一貫して助けたくはあるのだけどね。
これから末永い、3日以上の深いふか~~~~~~い関係に至る2~3人を含む、だけじゃない。
一人を口説くためには、周りの十人から好かれるのが最低条件だから、だけでもない。
俺が今、女に餓えた禁欲45日目だから、だけでも
・・・・・・・・・・ない。
禁欲は快楽をブーストし、真の悦びは禁欲の後にしかない
・・・・・・・・・・・・・って、知ってはいるけどね、知識として。
体験することはない、そんな飢餓を味わっているからこそ、おねいさんずの姿が麗しい。
だが辛いから、今回だけだとおもいます。
No1だって、俺のゼロ距離で聴き耳をたてている。
スナイパーのNo2が睨んでいるが、銃口を向けられないのが救いです。
見蕩れるだけではなく見惚れてかつ見習いたい将校な彼女と彼女
・・・・・・・・・・いえ、見習えるかどうかは、できるだけ、ですが。
とにかく!
――――――――――そんな彼女たちを使い潰す羽目にならなくて良かった良かった助かった。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】
なるほどね。
あたしは妬心を隠したまま。
キレなくても切り離して周りを聴く。
見まわさなくてもいい、っていうのは便利よね。
見回す仕草は不安の合図。
あたしが彼に不安を抱いている?
そんな勘違いをされたら、彼の沽券にかかわる。
――――――――――抱いてるのは不満だけ。
まあ、これ以上、不本意に彼を悦ばせなくていいわね。
あたしは、他のことはで喜ばせるべく、音に集中。
大神殿麓の青龍。
率いられてる324人。
勝手に動いている231人。
動きの意味が、必ず解るわけじゃないけど。
あたしたちに対している騎士、200人くらい?
聖都中の青龍が集まってるの?
聖都の外れ、ギリギリ外?
正門に居るのは、なにかしら?
空を飛び交う龍や、地に伏せる龍。
十重二十重に囲まれた、大神殿。
数はそれほどじゃないけど、囲んでいるのが青龍だ。
銃、手の長さは千の軍勢に勝る。
そのただ中では、指揮を執らない彼が中心。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
さて。
俺は、いつも通りに考える。
面倒ご
・・・・・・・・・・みんなのためになるほこりたかくえらばれたにんげんにしかこなせないたいせつなたいせつなもうひとつたいせつなぎむとせきにん。
ソレを誰かに押し付
・・・・・・・・・・譲って華を持たせて達成感味あわせて誇り貴く謳いあげるのを許してあげて、俺を含む皆から心のこもった御礼と感謝を捧げさせてくれる神様仏様天使のような自己犠牲に躊躇わない逸材はいないかな?
おねいさんず
・・・・・・・・・・麗しい彼女たちにバカをみさせては本末転倒。
大切にしてあげたいし、適性があるかどうか。
ざっと見て、思い浮かべて、考える。
――――――――――その間、30秒。
うむ、プロテクター越しでも、好い。
いやいや、総合評価ではなく。
この瞬間の局地的な役割分担において。
適性だけに限って、考えよう。
矢面に立てなくても、あんまり構わないから。
なにがしかの事態解決効果が抽出できれば大きい。
なにしろ一個小隊相当の人数がいるのだから。
一人一人の力を集めて大きな
・・・・・・・・・・無理。
彼女たちは、ポーカーには向いていない。
敵と味方で分ける感性だと、ゲームは出来ない。
しかもギャラリーが居るショープレイと来たら。
このゲーム全般が、おねいさんず全般には無理。
ま、得意不得意は違うよね。
今は
――――――――――後日、ポーカーを教えてあげよう。
口説けるとは言ってないが、経験値を積ませる方向で。
テーブルの設え方、ひっくり返し方、取り立て方に誤魔化し方。
ギャンブラー向きのNo1には、身代を賭けるくらいにさ成長してもらわないと、テーブルには連れていけない。
第一、最悪の結果になる可能性は、ゼロではない。
おねいさんずをテーブルに着かせるわけにはいかないし。
そもそも女子どもにチップを張らせるなって話か。
なら?
男で大人な諸君。
部下たちはどうか。
下士官以下は、貫禄が足りないけれども。
肩書役職立場ってのは、それだけでチップだ。
チップが無ければテーブルに着けないくらいに
――――――――――軍隊では特に。
資質が有れば、将校を飾りに立てる手もあるが。
それができるかと言えば。
頼りにしてます曹長
・・・・・・・・・・ある意味で、一番向いてない。
無能な将校を支える適性は、政治的配慮と真逆の資質。
必要なのは、無能な将校を戦死させる資質。
我らが部隊中枢、曹長には、無理
・・・・・・・・・・俺が生きてる、ってところで、お察し。
教官殿は、真逆だろうと、察しが付く。
無能な新兵を蹴りだし。
無能な上司同僚を始末し。
優秀な将校にだけ仕えて守らず共闘する。
貫禄不足を逆手にとって利用するくらいに、強かだ。
それを従えているのか、手を組んでいるのか。
後ろに控える海兵隊将校の資質が見える。
仲良くなりたい男でも。
――――――――――あくまでもお友達として、ね。
母親から姉妹、女友達を狙わないとはいわないが。
で、俺のところ。
芝や佐藤は優秀な兵士。
一流の業物は三流の政治家にも及ばない。
他の皆は、まあ、誠実な社会人が、善き兵士にジョブチェンジ
――――――――――できたかな?、っと。
押し付けるのは簡単でも、抱え込めなきゃ意味がない。
うちにもいるんだけどな、最適の逸材が。
つまり異世界住民と、俺を利用しながら、うまくやれる特殊なアレ
・・・・・・・・・・ここに居ないだけ。
連れて来れなかったんだが
・・・・・・・・・・坊さんがいないと、軍政が詰む。
三佐を掣肘出来るただ独り。
太守領を、俺がいるからこそ陰謀の舞台にしている三佐。
ほったらかしに出来ないじゃんか。
縁あって関わる現地住民を、無かったことされたら悪い。
俺の責任にされるし。
うちの娘たちの家族や知人もいる。
だから軍政部隊の二枚看板、その一人、坊さんは置いてきた。
それが原因で、一番必要な時にコレ。
聖都は、半分以上、遊びのつもりだったんだよ!
友軍がいっぱいで敵軍がいない。
大守領の徴集領民も国際連合統治軍に完全管理。
帰国事業の、こちら側調整は出発前に坊さんと役人が完了。
あちら側の段取りは、99%友軍任せにできる。
しくじったな。
ワンペアでも、チップが無ければベットは出来ない。
寒いよ寒いよ。
……は、さておき。
無用無急の長距離移動て疲れました。
コロナ馬鹿(の生存)を憂えるアレコレ。
あ、「生きてるかな?」って憂えるんじゃないです。
「なんで生きてるかな」って憂えています。
いえ、先週もまだ動いてましたし。
いえ「人殺しの話なんか知ってる」って方はまた来週!
「知らんけど馬鹿は見れば判る」って方も、また来週!
さて。
人混みが嫌い。
経済原理に否定的。
インドアライフ。
他人の生死に無関心。
そんな人間にとっての「コロナごっこ」。
その結果には都合が良いところもあるんですけれど。
映画を観に行きにくいのは、あれですが。
馬鹿が生きてるのは、どんな利益も打ち消します。
馬鹿は無知ではありません。
知らないことなんか、訊けばいい。
誰かが知ってることなんか、その程度。
馬鹿とは考えないこと。
だから何を教えられても知るだけで終わり。
理解出来ないのに知ってることで満足する。
「生贄」とは何か言える。
「雨」とは何か言える。
「雨乞い」をやめようとは思いもしない。
「ウィルス」とは何か言える。
「マスク」のスペックも言える。
「コロナ対策」が無意味とは思い付かない。
まったく、同じこと。
無意味なことに限られたリソースを割けば、意味の在ることが犠牲になるに決まっている。
致死率100%のエボラ出血熱。
あれで助かったとされる人は、他の熱病にかかっていたとみなすのが論理的必然。
病性が強すぎるから、患者は少ない。
……感染を広げる前に、ウィルスごと死ぬ。
無症状率が多すぎて測定不可能。
これで症状が出たと言う人は、他の風邪にかかっていたとみなすのが論理的必然。
病気?ってレベルだから、患者数に上限がない。
……無症状=免疫が反応しない=無害ゆえに滅ぼされない。
両方を同じ危険度に分類すれば、医療資源が足りるわけがない。
馬鹿が「全国民を三週間隔離すれば」とかいったらしいですが。
隔離して滅ぼせるウィルスは、免疫が滅ぼす有害なウィルスだけ。
10年隔離しても、ビフィズス菌が滅びるもんか。
つまり、コレが「思考力がない」ということですね。
わたしが知っている程度のことは、当然、知っている。
訊けば答えられる、もっとくわしく専門的に、たぶん。
ただし「知っている」ことはインデックスされてるだけ。
知って、判り、解る、考えつく。
プロセスの第一歩でフリーズ(ループ)、起動失敗。
出来損ないってのはこれだから。
特定のプロセスを繰り返す。
それだけ出来りゃ、大抵の仕事はこなせます。
ペーパーテストには、最適。
だからスターリニズム(官僚独裁社会)では出世するんですけれども。
ソビエト。
人民共和国。
ナチスドイツ。
官僚独裁社会=破綻/失敗とは限りません。
成功なんか、運不運できまりますから。
だだ官僚独裁社会の特徴は有りますけれど。
同胞殺し。
わたしも「コロナごっこ」に殺されないように、一生懸命出歩きます。




