用語解説:実践されるときには陳腐化している。
投稿予定日がずれてしまい申し訳ありません。
12月24日投稿
「第581話<第三勢力の逆襲:Merry Bad End!>
の文中単語解説、前提情報の提供となります。
本作は基本的に現実に即しているので「知ってる」「ググったから解る」という方はスルーで構いません。
ただ即しているだけで則してはいないので、プラスマイナスがあります。
その辺りが気になる方はお読みください。
では確認ありがとうございました。
【用語】
『高度情報化社会』
:死語。80年代に完成され90年代に実践され21世紀に社会の主流から忘れられた。根本にはギリシャ哲学以来の「世界を概念と物質に分類できる」と言う発想が「世界は概念と物質からなる」と跳躍/誤解され「概念=」とされてしまった「情報」という概念が独り歩きしだしたことに始まる。学問は人間の限界に対応する為に分類されるが、しばしば「分類(相互一体)=分割(孤立無関係)」という根本的破綻を導いてしまいずっと続いているのは辺りを見回すとお分かりいただけるかと。「高度情報化」で言えば「世界が電子情報化され共有可能な世界」が至る/目指せる/すべきという発想。「どんなせかい?」といえばサイバーパンクをイメージすれば判り易い。ウィリアム・ギブスンのニューロマンサーはとても良い作品ですけどマイナーです。日本では攻殻機動隊が代表格で、ソードアート・オンラインの世界観はまんまそのものと言えるほど。これは日本だけではなくファンタジーの一ジャンルとして先進国一般では普遍化完了。だからこそ現実の社会においては完全に終了しており、今となっては省みられることもない。1980年代に情報化の基盤技術となるコンピューターが確立。それ以前の「電子計算機」とは別の系譜に属する技術。以前と以後との相違は「焚火」と「核兵器」ぐらい。それが基盤となりインターネットも実用化から普及の段階に入る。それら黎明期の概念は「黎明期だから」発達余力を持っており、関係者が期待を膨らませたのも無理が無い。人類史の時期的にいえば冷戦という巨大需要が末期に入り、産業革命以来から続く飽和経済が顕在化。「製造物の消費が不可能なら、形のない情報なら生産できるのでは?」とばかりにケーキを求める資本が流れ込んできたのも無理からぬところ、かなあ?それ自体は年代が変る前に店仕舞い。
工業分野以外での電子化はそれほど意味がなく、そもそも工業的な過剰生産が元凶なのだから状況を悪化させただけ。ハードとソフトは相互不可分で情報そのものには意味も価値もない。それをそれだけ取り出して生産流通しようとしても社会に与える影響力はなく、かろうじて極表層なモノ(経済の中で流動性が高く不安定な上澄み部分)にしかならないのは人類社会全般で定着進行一般化したコンテンツ不況(出版/メディア産業の崩壊)で実証済み。よーく考えたらサイバーパンク物の面白さって社会や世界と無縁の個人的な人間ドラマに終始していたような気がする例外はあるけれど一般的ではなく。そりゃコンピューターやインターネットで世界や文明を語ろうとしたら「どうだった?(過去形)」って言われて詰んでしまうし、「こうなんだ!」って言い切るには相当な大風呂敷が必要だろうけどやり遂げてみせます乞うご期待。90年代は「80年代に人格を形成された人たち」の挑戦が繰り返された「ご苦労様でした」な時代。コンピューターを普及させるために必須のオペレーティングシステムの共有化。「情報ハイウェー」構想のような先進国内部とは言え個々人をネットワークに接続しようという試み。パソコンはすぐに陳腐化して携帯端末にとってかわられたが、そこでこそ本格的したSNS普及による双方向性の強化。
挑戦は繰り返されたが、繰り返されたことでお察し。
人類の圧倒的大多数にとって情報技術は無縁の存在。
登録数販売数出荷数だけ誇っても利用者数は知れたもの。
中世都市文化同様に同時代人類の90%以上は知りもしない。
インターネットに通信回線以上の意味はない。
ネットワークは広範囲故にセキュリティホールそのもの。
意味のある情報はスルーしてジャンクデータが降り積もる。
SNSが代表例。
かりそめの利用者数
人類世界の総人口。
世界になんか、つながっていない。
結果「電子情報だけで全知全能になれるんだよ!」っていう80年代でさえアレだったうーんな「半世紀遅れ」の発想が21世紀でなおファンタジーの世界に「だけ」残り続けるのは「夢から覚めたくない/夢を現実化できない/新しい夢を紡げない」人たちがその世界に降り積もっているからなんでしょうね。
艦隊現存主義。
大艦巨砲主義。
自由貿易主義。
自由経済主義。
共産主義社会主義民主主義ほか色々。
実践されるときには陳腐化していた「よくある」逸話の一つ。
『Symbian OS』
:ガラケーのオペレーティング・システム。安定性が高いから拡張性が少なく、安全性が高いからコストがかかる。iosの上位に位置するが、こちらの方が後。iosは廉価版のSymbian OSで、iosのモンキーモデルがAndroidと考えるとだいたい合ってる。UNIXとMac、Windowsの関係と考えると判りやすい。
現実の日本では経済産業省による突発的携帯端末販売抑止政策により、携帯ハードメーカーが壊滅。東芝とかシャープが潰れた理由、じゃないみとめないあいつらがバカだからわれわれはわるくない、と経済産業省は主張。指導と称する命令を波及効果無視で突然発して予測可能回避不可能な民間企業の損害は放置……いつもの。もちろん経済が悪化して産業が破綻するのは経済産業省の仕事。
オセアニアの愛情省かな?
結果Symbian OSの頂点を極めたガラケーは滅びてしまった。「消費者が欲しているのはゲームであり製品ではない(マーケティングの基本)」「売上を決めるのは品質ではなく、運と営業(経営学の基本)」ということ。だから実用性を求める限られた分野では、逆転が起こる。実用性がない「玩具」から機能性がある「本物」への先祖帰り。5.56mmと7.62mm。M16/4とMk11。ベレッタとガバメント。そして大衆向けのスマートフォンと、様々な中枢限定のガラケー(と内容がまったく同じもの)という構図が造られる。
「殺し合い」にだけは「玩具」ではなく「本物」が必要なので。
※「愛情省」歴史的名作1984年に登場するマッチョなゴリラが棍棒もってお出迎えして「みんな」とお「同じように」自然に「2+2=5」と思えるようになったら銃殺にしてくれるかもしれない日常業務を24時間続けているビックブラザーの愛情で出来た省庁。
【用語】
『JPAC』
:US Joint Prisoners of War, Missing in Action Accounting Command/統合戦時捕虜行方不明者調査隊。戦時下の行方不明者を「戦前戦中戦後にわたり」捜索救出するための組織。え?戦前?とか言ってはいけないスルー推奨。事件は起こる前から始めってるんですよ?行方不明者が出る前から行方不明者に備えて諜報、ではなく情報収集や捜索を開始していれば安心だね!安心しよう?安心できない?どうしてもっていうなら厚木基地に行こうか痛くない痛くない痛かったことを忘れさせてキミを絶対に見捨てない正常に戻してみせるよ努力すれば正常になれるってオブライエンも言ってました。missing in action/戦闘中の行方不明者リストが存在し続ける限り、戦域を問わず捜索救出活動が許される……許さないとか言ったら6統合軍以外を含む全兵士を敵に回す。ホワイトハウスもペンタゴンもキャピタルヒルも見ない見えない気がつかない「神聖にして犯すべからず」な世界。だから人類が到達可能なあらゆる領域が活動圏。戦闘中の行方不明者が月に連行されていないと誰に言えよう?もちろん、戦闘中の行方不明者が発見出来ないこともあるだろう。なぜか予算以上の装備や人員が常駐する時もあるだろう。NSAやCIAのメンバーが立ち入れないことなどなく、帰って来ないだけなのは、きっと溢れ出す情熱に感化され戦闘中の行方不明者を探し続けているからだ。連邦政府もペンタゴンも敵視している太平洋統合軍。戦闘中の行方不明者の捜索にとても熱心なのは戦友愛が駄々漏れだから。彼らは統合軍司令官の指揮下にあり、ありとあらゆる場所でありとあらゆる身分でありとあらゆる人に「戦闘中の行方不明者」に関係するかもしれない「ありとあらゆること」を必要に応じて尋ねて盗聴して買収して交渉して暗殺、いや、お悔やみを伝えている。もちろんある種の組織の基本動作として「外国の民間人」には手をださない。後処理が楽な順番で言えば「自国の関係者」「自国の民間人」「他国の関係者」「外国の民間人」となるのはお約束。なおあくまでも「戦闘中の行方不明者」を捜索しているだけなのでお間違いなきよう。アルファベット三文字の組織の様に自分たちの必要性を喧伝したり実績を誇示、おっと説明する文章を内外にばら撒いたり、時々議会に呼び出されて吊し上げられたりは決してしない。「知られてしまった」ら「戦闘中の行方不明者」捜索組織としては「何もかも終わり」なのは古典的な常識なのだから。「戦闘中の行方不明者リスト」に保存期間はない。統合軍が有る限り、地球人類が滅びても有る。
※「オブライエン」歴史的名作1984年に登場する「真理省」で記録を現実に合わせ常に間違いが起きなかったことにして人民の体制に対する「政府は絶対間違いを犯さない」という期待を維持することで社会の安定を護る政府組織の高官。「笑顔とは何か?」など多くの名言を残した人物。




