多重包囲／Overkill！
【用語】
『包囲』
：だいたい失敗した。包囲とは標的を殲滅制圧する武力に欠ける為に行われる間接攻撃。失敗するのが当たり前。前提からしてお解りの通り。武力とはつまり数であり、それが潤沢なら戦えば良い。それが足りなければ包囲は不完全なものとなり、包囲出来ない。大抵は突破脱出されます。
ゆえに偶々、希に、成功するとビックリする。第二次世界大戦で包囲慣れしたドイツ軍も、包囲された数だけ突破しているといっても過言ではない。希に降伏したりするから、総統じゃなくても怒る。だいたい包囲されるのは総統の死守命令のせいで、プロイセン参謀本部系将官はこぞって反対しては押しきられる。結果、夢よもう一度って思ってしまい各所でドイツ軍を包囲しては突破されたソビエト軍の立場はいったい。時間と物資を湯水のように垂れ流してナガシテながしてレンドリースの米国装備をゴミにしてパウルスパターンを狙って延々降伏勧告しては現場のドイツ将官に歓迎され歓待され接待されておちょくられてなんの成果も上がりませんでしたが一見すると勝ってるから粛清されないよやったね！もういっかーい！じゅーこふ元帥の胃がマッハ。包囲して希な勝利ってコレ。「ピュロスの勝利」勝ってはいけない敗けてこよう。勝たない方がまし。三木城を包囲した羽柴秀吉さんも辛かったろう。ジューコフ元帥とは良い酒がのめそう。プロイセン参謀たちが言うとおりに撤退してエンドレス包囲が無ければソビエト軍はもっと早くベルリンへ……総統的に大勝利じゃねーか。ポロニウム付きプルトニウム製柏葉付き騎士十字章が似合うパウルスくんは二階級特進して祖国への献身を千年にわたって讃えられてどうぞ。
信長包囲網の末路はもちろん、浅井朝倉連合軍を比叡山に囲んだ信長の末路も注目。なんなら両方失敗し続けた数ある対仏大同盟と同じくらい重ねられた大陸封鎖でもいい。
囲んでひどい目に遭いました。
経済制裁のような間接的に間接する包囲となると、爆笑である。包囲対象と強い経済関係がないと、貿易を止めても気がつかれない。包囲対象と強い経済関係があると、貿易を止めても自分達が苦しむ。しかも世界は広く、国はたくさん。成り代わりたがる国や勢力はいくらでも居るし、自国国民すら第三国の旗を付けて密貿易。国旗なんかいくらでもあるから仕方がないね。
太平洋戦争直前のＡＢＣＤ包囲網などは、その典型。実質的には掛け声だけ。禁輸措置は開戦一年半前からやっとショボショボはじまった。もちろん、世界最大の油田を持つ反米国家は当時からありふれていたりする。
もし日米開戦が半年遅れたら、中間選挙で破れた政権はレームダック化し１９４４年まで合衆国は機能不全に陥っただろう。日米交渉するならこの時期だったんだが……なんでこのタイミングで開戦したんだろう？宣戦布告の英訳すらできなかったくらいだから日本国外務省には英文を理解できる人間がいなかったのではないかと思われ。
似たような例は「またかよ」ってナポレオンの大陸封鎖からイラク、イラン、ロシアなどへの経済制裁などなどかぞえるだけ無駄なくらい。
The Governments of the States Parties to this Constitution on behalf of their peoples declare
加盟国政府は各々国民の全権代表として宣言すること。
第一条１項「組織の目的」
国際連合憲章の「普遍的価値観」に従い地球人類の安全と平穏を実現する。その手段としての教育、研究、思想的統合を各加盟国は担当する。「普遍的価値観」を護り伝播させる拠点としてのみ機能する「平和の要塞」を全人類一人一人個々人の精神内奥に築くこと。加盟国は、それこそ永遠の「平和」への基本条件であると認める。
※１９５７年７月２日、貴方を代行して日本政府が宣言済み。
※翻訳がすべてデタラメしか見つからないので冒頭以外は意訳。
※日本の官庁ＨＰ掲載の１００%誤訳は平常値の１０倍増し。
※そもそも「憲章」じゃなくて「条約」なんですが「意味を曖昧にして国内を誤魔化せれば外国の言うことだけきけばすむから楽だよね」っていう明治以来の伝統が光る職人芸。
※内外どちらも誤魔化しきった（生き残った）対馬藩主の宗さんとは違うのだよ。
《国際連合教育科学文化機関条約》
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
俺たちは、アレほどひどくないよね。
「「「「「「「「？」」」」」」」」
――――――――――あ、酷いことされてる、自覚なし。
きみたちは、もう少し被害者としての自覚を持ちなさい。
個人から受けた被害も、国際連合軍にまとめて請求するように。
「「「「「「「「嫌／や／ヤ」です」」」」」」」
――――――――――現実は非情である。
なら、えーと、うん。
ね？
「「「「「「「「はい？」」」」」」」」
ね！
「「「「「「「「はい！」」」」」」」」
・・・・・・・・・・うちの娘たちなら皆が即時一瞬の遅滞なく頷いてくれるからいいんだ。
いかんいかん。
肯定する他人に囲まれてると馬鹿になる。
己を肯定するのは己独りでよろしい。
って爺ちゃんが言ってた。
町内会長です。
三佐みたいに代々続く有力政治家の最愛の愛娘として父親の愛情で精神的にオーバーキルされた挙句に七代遡れる父親の後援会有力会員イコール地方有力者の師弟子女に成長期を常に全周包囲されて全肯定されて過ごすとあの有様だよ！
ないわ～。
俺は子どもたちの見本として子どもの前でだけはりっぱな距離感を弁えた相互理解について実践できる大人として過ごそうではないか！
というわけで。
実践できていない事実をひた隠しにしております。
俺は基礎知識を確認。
正しい対応
――――――――――見ちゃいけません！
そりゃ関わりたくない。
子どもが観てるが見えてはいけない。
うちの子たちがグレる。
国際連合教育科学文化機関は教育に大変によろしくありません。
幸いにして外部から視認できない大神殿中央。
列柱の間から零れ落ちる陽射しは優しい。
そこから覗ける空は五月の蒼さ。
余計なモノはなにも
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・哨戒気球は無視しよう。
！
偵察ユニットが覗きこんで来やがった。
エルフっ娘の耳を追うと、どうも見慣れない双発ジェット機がフライパス。
ずんぐりしている胴体はなにも積んでなかったが、民間機改造のコイン機じゃない絶対。
国際連合軍は地上攻撃機に軍用機以外を大量導入しているが、レシプロ機ばっかりだしな。
なんかあれインディペンデンスな映画じゃないリアル大統領の着艦ショーの背後にいた機体、か。
哨戒飛行にピッタリな燃費がよさそうな胴体。
速度重視で細い機体は揚力が減るからね。
それにしても低速だったのは対地攻撃か偵察。
アンテナっぽい何かを伸ばしていたが、見たことねーなあれ。
※観測機自体を構成する金属の磁気干渉を避けるために延伸された磁気探知機。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか、さらに高空に、黒い剣みたいな何かが見えたような気がするが、きっと気のせい、見える高度じゃないし、連想してしまっただけで見えてない物が見えたように感じるのはよくあること。
嘉手納基地も全部、異世界に移転したよね。
県外移設万歳って与党連合が一週間ぐらいお祭り。
きっとため込んであった武器兵器弾薬燃料部品は全部運びだしたはずで。
Ｍ４とかＭ１６、ベレッタにＰ３２０はモスボール化するのかと思ったら廃棄。
だからモスボール倉庫がやたらがら空きになって、使い切れないだろうな。
異世界転移前から、日本各所の貯金箱は見て回ったけどね。
兵站将校の特権で。
すっげー面白いんだよ。
近所のガキどもを連れて行きたいぐらい。
いや、連れて行ったけどね。
公然の秘密ってやつで、身内には隠してないから。
貯金箱ってのは、米軍が溜めこんでいる実戦用装備庫。
現用兵器とは一線を画しているモノばかりモスボール化。
予算書類に現れなけりゃ本国や官僚共は気が付かない。
って豪語していたのはヒッカム所属のくせに横田に常駐していた太平洋軍参謀将校だが。
あ、過去形だからって死んでない。
現合衆国大統領の側に異動した。
同性だからやりやすいのかね。
でまあ在りし日の米軍おもちゃ箱。
最新ではない物ばかり交換部品とセットでやたらと溜め込んでる上に、モスボール化って言いながら最新技術を持った整備兵や技術将校が〈実戦で使い物にならない最新技術を忘れるため〉に研修がてら解体整備してるし、二世代前の技術でレストアしたりしてるしてるからスミソニアン博物館かってくらいレアな退役したはずの対地攻撃機やら戦略偵察機やら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれは、帝国本土偵察にしか、使われてないはず。
まあ、あれだ。
あれは良いんだあれは。
良くないのはアレ。
空ではなく地べた。
大神殿外周に行かぬ限り直接見えない。
俺の戦闘情報は見せてしまっているが。
魔法翻訳のせいで意味内容は判るはず。
だが、ソレだけだ。
ＵＮＥＳＣＯ調査団の細かい表示が周りを囲んでいるだけ。
それ以外解らない。
専門家でなければアイコンの先は解るまい。
解ってしまうから、アイコンを見るだけでムカつくが。
おねいさんずとか、俺とか、専門家にはね。
一見するとコミカルなインベーダー。
大神殿にわらわら纏わりつく様、砂糖にたかる蟻の如く。
そりゃ撃つ。
子どもたちの守護者を任じる、おねいさんずが今も撃つ。
大人として当然のことだ。
だがインベーダーの動きは？
いつもより、おかしいな。
何を狙ってやがるんだ？
いくらでもバラしたり、バラしたり、バラしたりするモノが溢れている、ＵＮＥＳＣＯ好みの聖都。
真っ先に調べ尽くした此処。
大神殿には俺たちしかいないのに何故ここ。
・・・・・・・・・・なにを調べに？
やつらは異世界にしか興味がないはずだが。
もともと聖都は奴らの縄張り。
もともと調べていた。
調べ続けていた。
一通り調べあげて記録済み。
それは俺も観光資料として確認した。
いまも経過観察も含め、時々頻繁に爆発音。
壊しきらない程度に、だろうが。
何かを打ち付ける音もしてたしな。
振動を一定サイクルで投射する。
光学的に電子的に見えない領域を観るために。
つまり調査を終えて実験も仕立て観察中なんだろう。
科学の中でも比較的動きが少ないルーティンワーク。
ここ半月の、聖都の、ＵＮＥＳＣＯの記録。
なのになんだ今この、慌ただしい動きは。
全体像を把握させるために、微細な動きは無視する。それが索敵システムの解析プロセス。
なのに特異な動きを関知するアラート・プログラムが反応している。
その場駆け足する勢いで細かく動くアイコン。
そもそもなんで数がいる？
ここ、聖都にＵＮＥＳＣＯの戦闘部隊が？
統治軍の拠点内部なのに？
異世界迷惑なＵＮＥＳＣＯ調査団。
学者学生研究者その他。
彼らは非武装非戦闘員。
兵器紛いな調査実験観測記録機器をもっているだけ。
知識収集に集中させるためだ。
だが常に敵地、異世界の非占領地が作業地域。
そりゃ調査要員だけではなく、戦闘部隊も重点配置。
それこそ暴徒殲滅の阿鼻叫喚中、まったく気にせず調査できるくらい。
調査要員と戦闘員は同数以上。
だかだからといって、これはない。
もともと調査要員自体が少ないのだ。
学問に耽溺できる才能は、人類内でも極少数。
一次資料と称する伝聞情報を有り難がる。
決まりきった現在の常識を信仰してると気がつかない。
学者ではなく著述家。
科学者ではなく技術者。
既存の知識体系すら理解できない気付かない。
学者に分類されてるのが、そんなんばかり。
なので、異世界派遣研修の講師がどれだけ足りなかったか、足りないままか。
それこそ異世界で警察活動しそうになって、銃殺にされる奴らが、まだ居るくらい。
警察という概念が成立したのは地球人類先進国だって最近なんだ、って教えられる人材不足。
ましてやフィールド・ワークまでできる者がどれだけ居るかという話。
出撃前動作確認の硝煙すら匂わない根拠地中央。
本土並みに整えられた幾つかの大規模集積地。
まっ平らな敷地を往き来する車両が標準。
そこを一歩出たら、まあ、地球の大半と同じ。
帝国管轄の道路以外は不整地上等。
車両が入り込めない場所への徒歩行軍。
異世界を汚染しないために風呂トイレすらままならない。
知性だけではやっていけない、知性なしはNOThank You！
異世界でリクルートするくらいに、人手不足な調査要員。
そんな希少種族をスリーマンセルで護衛しても、戦闘員の総数は知れている。
戦闘員の適正も厳しいしね。
今は最前線が無風だから調達しやすいか？
実戦経験豊富、ようは近接で帝国兵士を殺した経験、が最低条件。
異国異文化で治安維持任務に参加した経験ごあればなおよし、ほとんどいないが。
そういう兵士は前線の要石。
日本中の兵士は既に大半が異世界入り。
促成訓練の追加研修にもベテランは必要だ。
うちにだって、曹長・佐藤・芝の三人しかいない。
いや、うちの連中は、有る意味で経験積んだけど。
ならば？
麓を囲むＵＮＥＳＣＯ一個中隊。
なんでこんなにいる？
敵地でもない、無人化した聖都。
空に浮かぶ迷彩塗装、光学迷彩の哨戒気球がたくさん
・・・・・・・・・・は、新しい異世界の常識。
光学迷彩っても、天気に合わせて色がいく種類かに変わったり、色相明度彩度が変わるだけ。
操作不要で周辺の温度湿度光量に塗料が反応してる。
ほんのわずかなパターンなのだが、空だからね。
なにも知らない相手しか誤魔化せない、単純仕様。
だから今のところは役にたってる。
まあそれは、地球人類がうろうろする範囲では何処でも同じ。
だが地上全域を覆う自動火線と監視装置群は、聖都にしかあるまい。
他の国際連合軍根拠地、大規模集積地は広いからね。
ここまで濃密な警戒、いや防御、ではなく攻撃網はない。
ある意味、異世界で一番安全な場所
――――――――――地球側の存在にとっては。
ＩＦＦにフレンド応答出来なかったら、まじミンチ。
そんな場所に護衛が大勢必要か？
なら、なんで、居るんだ一個中隊、それ以上。
１５００人以上です。
一日５０人以上です。
昨年一月「だけ」で。
日本「だけ」でです。
インフルエンザの死者。
たいへん平凡な犠牲でした。
例年通り。
発症者じゃありませんよ？
発症した人数なら桁が幾つも違います。
感染者じゃありませんよ？
感染イコール発症なんですけどね。
お馴染み。
治療薬がある
……ウィルスに治療薬って発想が、馬鹿すぎますが、まあ。
ワクチンもある
……ウィルスにワクチンって発想が、馬鹿すぎますが、まあ。
いやいや。
さすがパンデミックの最終形態。
「餅を喉につまらせて死んだ」
人数を軽くクリア！
で？
「新しく出現」
「治療薬がない」
「ワクチンも開発中」
な新型コロナウィルスさん(笑)。
感染者が７００、でしたか？
……ＴＶとか観ないので。
東京だけで？
いつ感染したんだか(笑)？
大本営発表ですら「新規感染数」ではなく「感染確認数」ですものねぇ(笑)？
こわいこわい。
馬鹿の妄想力が怖い！
全員死んだら新型コロナ(笑)を怖がるフリをしてあげましょう。
寛大な心を発揮して。
馬鹿への憐れみを込めて。
高度な演技力を発揮。
さて、コロナ患者を発見しました！
やり遂げたよ！
わたしじゃないけど残念ながら(笑)。
神様は働き者の味方……ながかったな～。
もちろん、元気そう。
健康そのものみたい。
そりゃ新型コロナ(笑)ですからね。
病気になる訳がない。
ということは、わたしも元気だからワンチャン？
コロナに感染するのは宝くじ並みのむずかしさ。
当然、コロナで発病するのは宝くじで人生に影響が出るくらいにレア。
もっとも監禁、いや軟禁、ああ政治的に正しい大本営発表で言うところの「隔離中」に風邪でも引いたら殺されますが。
医療を崩壊させて患者から治療を奪う……殺人と呼ばずに何と呼ぶべきでしょうか。
ああ、大日本帝、いや日本では殺人を「コロナ禍」と呼ぶべき、というのが馬鹿の主張でしたね。
殺意の有無は「首を跳ねたら死ぬとは思わなかった」並みの判別難易度。
まあ医療崩壊による殺人既に全国民が被害者。
「コロナ対策のために医療を崩壊させた」
のですから。
新型(笑)コロナ(嗤)以前から、米国やイタリアでは四半世紀ほどの日常でしたけど……日本にこんな日が来るとはねぇ。
無害な常在菌に医療のリソースを割いていれば、人も施設もなにもかも足りなくなって当たり前。
下には下がいるものです……「見下す相手いると喜ぶ」輩もいますが、理解出来ません。馬鹿が生きていれば怒りを感じるタイプなので。
人の国を壊してないで、馬鹿は馬鹿の故郷に帰れ！
……って、優しさから罵倒してあげているのに。
きっと御釈迦様なら赦してくれるから、逝け。
キリストかマホメットさんでも可。
針金も丈夫な梁もあるんですが。
まだ動いてました。
感染者がどうとか喚いてました。
凄い生命力だなぁ！
恥を知らないってすごい。
