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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十三章「未来予定図」

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576/1003

Nani gigantum umeris insidentes.


【用語】


『いい大人が小学生の中で威張り散らしてみっともない』

:ジャイアニズムなど数々の思想を生んだ、ど真ん中直球台詞が多い世界一有名な漫画のセリフ。


あるいは

Nani gigantum umeris insidentes.

(我らは巨人の肩にいる矮人に過ぎない)

※「自分たちは先人の積み重ねた成果の恩恵を受けるだけの凡人でしかない」

という意。


欧州文明の基本テーゼであり「藤子不二雄先生」の基本思想。


表題の例文は「タイムふろしき」で大人になった某いじめられっ子が遊び仲間の中に乱入、ガキ大将を捻じ伏せて調子に乗っているところをタイムマシンでやってきた本人が客観的に見て羞恥で死にそうになった時のセリフ。米国製ネズミランドと比肩し得る日本製青タヌキ作品ではしばしばこうしたシーン、時に一話丸ごとつかって繰り返し子どもを諭す。


欧州では文明の起源となったローマ由来のラテン語の戒め「quanto sunt iuniores, tanto perspicaciores/若い者ほどよく見える」(視力の話ではない)などの言い回しが繰り返し使われ、はっきり「我々はどの時代人と比べても優れた部分は何一つないが、先人の積み重ねによって何一つ自覚もなしに高みに立っている」と諭す文章も多い。


……っていうか、これは古今東西永遠に続く「人類普遍」の価値観でしょうね。


拾った拳銃を振りかざして幼稚園児相手に粋がる大人がいたら、侮蔑されるどころじゃすまない。見ただけで、そんな想像をしただけで吐き気がするのが人間だろう。もちろん人類の中には極少数の特殊性癖保持者もいるが人間が人間である限り「マイノリティ」の様に認められることは有り得ず罵倒と迫害が通常対応。


普通は本人たちも自らを恥じて性癖を開示したりはしない、っていうか人に知られたら首をくくるから、顕在化する可能性も少ないだろうが。



もし私が他の人より遠くを見通せたのだとすれば、先人の叡智に頼ることができるからです。

If I have seen further it is by standing on yᵉ sholders of Giants.


アイザック・ニュートン

Isaac Newton






【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


矮人は巨人の頭頂で背伸びをしても、観たものを理解できない。

・・・・・・・・・・俺です。


見えてはいるんだろうな。

それがナニかを判らんだけ。

最後に一つ、賭けてみる。


最期じゃないぞ。


さて?

何か起きないかな?

何か起こそうかな?


何事もないから油断できない。


銃声が響き弾頭の風斬り音が伸び薬莢の金属音が流れて落ちる。

風に乗った硝煙の匂いに戦場音楽と神殿音楽のコラボレーション。

後で聴きなおすからデータを保存してるけど、記憶にも留めたい。


環境音楽とはよく言った。


自然の風を、風を生み出す環境を、大神殿や聖都の構造、素材の共鳴や、もしかしたら経年劣化すら取り込んだ存在。


都市楽器。


何で7.62mm発砲連射掃射音がハーモニーに組み込まれてるんですかねぇ。


これはワザとだ。

俺たち(地球人類)のせいではなく。

演奏家、作曲家、芸術家だかの。


大砲の砲声を組み込んだ楽曲も、あるけどさ。

※序曲『1812年』より。


総合火力演習でお馴染み。

陸上自衛隊音楽隊でもでM101(105mm榴弾砲)演奏会。

FH70(155mm榴弾砲)M110(203mm榴弾砲)105(74式)120(90式)mm戦車砲でも。


ラインメタル 120mm L44版がすきです。


正統派(オーケストラファン)としてはM101《105mm榴弾砲》なんだろうけどな。

手間と予算がかかるから数を減らしたM110(203mm榴弾砲)版。

定数だと音が大きすぎで他の楽器を喰ってしまったFH70(155mm榴弾砲)版。


好みの問題はあるが。


合衆国陸軍音楽隊のM3(3インチ76.2mm)砲だと弱いから論外。

74(74式戦車)のライフル砲より、90(90式戦車)の滑腔砲。

砲声に雑味が無いのがオーケストラに相応しい。


何故か定数を揃えなかった74(74式戦車)より、台数も合わせて自動装填でスムーズに鳴らせたのも高ポイント。


発射タイミングを合わせるのは砲手。

だか、人数が少ない方が合わせ易い。

一台あたり一人、計6人で済むから。


そう考えれば音楽に銃撃がマッチしても可笑しくないし、むしろ自然。


おねいさんずに限らない。

元々、戦闘はリズミカルになるもの。

楽譜を銃撃戦に合わせて造るのは可能。


・・・・・・・・・・最初から想定してればな。


つまり地球の火力全盛期以後の話。

なんでここ、異世界の楽曲構成が、火砲にマッチ?

しかも100年前に造られた都市。


地球人類が攻めて来ると知っていたのかと小一時間、問い詰めたい。


演奏を味わいながら。


だが、これが最後かもしれん。

いくら地球人類が異世界を蹂躙しても、な。

ここ聖都で不期遭遇戦は無い。


聴く機会がどれだけあるか?


あってたまるか(楽器)が壊れる。

その前に録音録画ダビングクラウドアップ。

そして何より楽しみ耳で憶える最重要。


波長()振動()を工学光学的に記録しても、今聴くほどには楽しめない。

音楽はアナログが至高であり、生ほど気持が好いのはあらゆることに言い切れる。


などという、日常風景。

解せぬ。

死地にあるというのに。


いつもより。

・・・・・・・・・・?


俺の周りは死んでない怪我してない危険じゃない。

つまり今、何も起こっていない。

普通の戦場です。


なのになぜか死亡フラグが立ち終わって回収中

――――――――――俺の!

俺だけで済みそうもないぞ、コレ。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】


あたしは、彼の周りが見えてしまう。


あたし、たちが抱かれる。

青龍の騎士、彼の臣下が応じる。

距離を詰めて、あたしたちを隠してる。


あたしたちを護る為に

――――――――――青龍は青龍を守らない。

敵は殺すのに、味方は守らない。


そもそも銃が、そーいうものだもんね。


しかも動き易さ優先で、刃しか防げない鎧とか。

剣で殴られたら、持たない。


攻撃魔法ばかり発達して、守りは疎か。

つまり、ものすごく、不自然を強いている。


彼、青龍の貴族、その臣下である、青龍の騎士たち。

攻めるしか考えたことがないのに、護るだけ。


誰が強いているのかと言えば、主君である青龍の貴族。

なぜ強いているのかと言えば、あたしたちを守るため。


主君の女を護るために、慣れない盾役。


彼らの前で、あたしが甘える

・・・・・・・・・・ない。


誰が困らなくても、あたしを誰も気に留めなくても。

ゼッタイ―――――――――ムリ。

あたしはだから、耳を澄ませる。

あたしはそして、彼に眼を見せる。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


よし判った。

解らないと判った。

俺にはだが。


俺は緑の瞳に微笑み返し。

見切りをつけた。

割り切り投げ出し大得意。


よし任せなさい。

判らないことを解ったフリは大得意。

正確じゃないか。


答えはなくても正解はある。


居ないものが居るなんて、老後に考えて近所のガキをからかおう。

映画では前後左右を見回して、動きを止めたのが悪かった。


そりゃそうだよな。

ふつーは留まる動けない。


生きてるんだから。


今、殺されてない場所。

今は安全。


確実に居る脅威。


どっちから来るか判らない。

どこに居るか判らない。

移動先すべてが危険。


だから留まり

・・・・・・・・・・だから死ぬ。


それこそ俺が将校としての教育を受けたから解ること。


いや、将校に限らないか。

平均的な軍事訓練を受けたら解る。

俺だけの知識なら、絶対に悟らない。


エイリアンに、お持ち帰りされて苗床にされているだろう。


昔の人は偉かった。

山のような戦死者が生み出した教訓を、ちゃんと持ち帰ったのだから。


俺は幾千万の犠牲の上にたっている

――――――――――軍事に限らないが。


正解がない問題なんかない。

見つけられないだけ。


なら探せばいい。


自分で解こうとするから、犬死にする。

答えを考える前に、答えを探せ。


どうせ誰かが発見してる。

俺に必要なことは、過去千年間で検証済。

現代人に必要なのは、答え合わせの技術だけ。


では今は?


どこに居るか判らない。

どこから来るか判らない。

勝ち目の有る無し問わない脅威。


そんなものに出会ったら?


正解

・・・・・・・・・・逃げる。


反撃や防御の準備としての転進。

放棄損切りを前提としての撤退。


どちらに逃げるかは、どーでもいい。

逃げやすいルートだけ考える。


待ち伏せリスクを減らすより、移動コストを減らす。

あるかないか判らないことより、明確に解ること。


もし逃げた方向に敵主力がいても、迎え打つより割りがいい。

主体的に動きさえすれば、相手にとっても不意討ちだ。

不意を突ければ、強弱難易はリセットされる。

その瞬間だけ五分五分だ。


相手を知りつつ不意を突ければ最高だが。

そこまでは望むまい

――――――――――次回に期待。


つまり逃げやすいのはどっち?




【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の左端/お嬢】


わたくし。

ご領主様には常々色々然々歴々と、申し上げるべきことが有りますが。


もっと魅ていただきたい、わたくしを。

もっと触っていただきたい、わたくしを。

もっともっともっと気にかけていただきたい

――――――――――わ・た・く・し・を!


あ、あ、見てくださいました♪

・・・・・・・・・・あの娘、も、ですわね。


わたくしを魅てから、わたくしの瞳を誘って、視線逸らせ、他の女を見る

――――――――――いつものことですから、一層いっそうイッソウ不満ですわ!!!!!!!!


ご領主様が、わたくし、と、あの娘に御命令。

ご領主様は、わたくし、たちに我儘になれ、と御命令。



欲しいと言え。

望んで求めろ。

願い頼り叫べ。


隷属も従属も不要。

ただ従わせ、強いるだけ

・・・・・・・・・・ご領主様らしく、また、青龍そのモノ。


聴くも聴かぬも。

叶えるも聞き流すも。

与えるも奪うも。


御一人で決めて、従わせるのみ。

わたくし、たちの意志は無関係

――――――――――だから、わたくしたちに、言えと命じられますわ。


ご領主様の在るべき様。

ご領主様の決めること。

ご領主様の女が、かく在るべき姿。


口惜しいことながら

・・・・・・・・・・わたくし、たちには荷が重いですわね。


それでも、わたくしは大きな声で叫びますわ。

わたくし、だけを、かまってください、って!

ご領主様に甘やかされたワガママ女ですから。

――――――――――いまではありません、けれど。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


俺は経験値より、アドリブで巧くこなすタイプ。

こなすだけじゃなく、巧く上手く美味く。

積み重ねだけでなんとかなるなんてナンパだけ。


ここ、重要。


淑女の扱いは得意。

碧眼の魅力。

お嬢をエスコート。


引率ともいう。


俺が探るべきは転進方向。

つまり、あー、アレだ。

天井にも床下にも抜け道はないのは確認済み。


遠足先の選定、間違ったかな?

侵入路が無いってことは、脱出路も無いってこと。

今後の教訓として割り切ろう。


後で曹長に伝えて置けば、今後ずっと配慮してくれる。

俺だと忘れるからね

――――――――――丸投げ。


なら水平移動から大神殿を出て麓に降りる。

つまりは包囲を正面突破。


包囲の配置を確認。

まずソコ。

包囲が一番緩いのは?

次がソレ。

最後に相手の布陣に基づき段取りを考える

・・・・・・・・・・のが、曹長。


おねいさんずをどう巻き込むのか?

そこは女性担当の俺かな。


そんなこと(テンプレート)を確認。

ファースト・ステップ。

配置を確認。


俺たちとエイリアン(WHO)がいる大神殿。

その麓。


邪魔な壁を確かめ、隙間を

・・・・・・・・・・おい。


ぐるっと囲んでいる、おねいさんずに撃たれている、アイコンは

・・・・・・・・・・UNESCO調査団?


え。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最狂かよ。




好都合と不都合。

どちらを取るべきなんでしょうね?



人混みが減ったのは良いことです。

電車は空いて、店はガラガラ、映画館もそれなりに。

直接的な対価なしで小金も稼げる。

新しい生活様式とやらは嗤って無視すれば通ること。

身近に憐れむ相手が増えたの、まあよし。


「人間」が愚行に走ることは苦痛です。

専門家とやらの珍理論ゴッコは腹立たしい。

馬鹿を罵倒しても治る訳もありません。

自分に影響がなくてもマスク姿は見苦しい。

貧窮している人間が増えればムカつく。



いやはや考え所ですね。

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