普通の奴の為に/Sind Sie Herr(Frau) Eichmann?
【用語】
『凡庸』
:みんなが言うとおりにしました。自国の法律に従いました。一生懸命真面目に義務を果たしました。そうしたら「オマエが悪い」と「みんな」から罵倒されて「みんな」に晒されて「みんな」に絞殺されました。埋葬も許されなかったので、妻や子供たちには弔いも許されません。
キリスト教以外を信じたことは無いですが熱心ではなく、政治思想は難しいので敬遠しており、自分の家族と自分の国を大切にしていましたが、人並みだったと思います。
誰かを憎んだことはありません。何かを蔑んだこともありません。人を殺したこともありません。
私は命じられた書類を造ってサインしただけです。
みんながやれといったんです。
みんなでやっていたんです。
決まったことだったんです。
決まったとおりにしたんです。
なぜ殺されないといけないんですか?
なぜ私のせいなんですか?
なぜ悪なんですか?
戦争犯罪や企業犯罪、国家的な失政の際に必ず同じ主張が繰り返される。
……「現代の」日本人なら、共感するだろう。
間違いなく。
「法律を守った結果、惨劇が起きたのなら、個人が責任を負うことではなく、国家が責任を負うべきだ」
とか?
そしてそれは、人類社会の異端でしかない。
そもそも「法律を守る」という前提が異端なのだから。
法律が護られているならブルボン王朝は今も続いているし、アメリカ合衆国なんか存在しない。
「国家」は道具で「法律」は技術で、どちらも便宜上の存在でしかなく、要らなくなれば棄てるだけ。
要不用は「みんな」で決めたりするわけがなく、一人一人が自分で決めるのが「民主主義」のグローバル・スタンダード。
だから選挙が終わればデモを起こすし、自分が必要と感じれば銃を取るし、警官もデモ隊も武装して撃ち合うド突き合う。
「内戦を制度化」したのが選挙制度。
ならば内戦を防ぐのは制度運用者の責任。
誰かが「銃を取る気にならないように」しなければならない……民主主義を「多数決」と思い込んでいる輩には理解出来ないが。
三分の二ルールなどは、その為にある。
圧倒的少数派なら、銃を取りにくいから。
数は力で力は数で、金は数の為にある。
数百年にわたる「安定」法治国家の歴史体験は日本列島居住者のみ。
人類史上「一貫した一つの法治体制が平和に豊かに数百年続いた」例など他にない。
そんな異常な「正常」が270年続けば、それを基準にしたくもなる。
信頼できる政府が子々孫々まで続くことを前提とし得る時代に「日本」という文化は生まれた。
それは日本人だからできたのではなく、たまたま偶然の幸運だったのだ。
それが基準になるなんてありえないし、当の日本人でもしてはいけない。
その後のデタラメっぷりは、現在まで続いてるしこれからも続くだろう。
別に明治帝国がとりわけ無能で愚鈍なわけではない。
その程度が人類世界のスタンダートに過ぎないってこと。
長きにわたる幸運の後、日本人はツケを払ったし、支払い中。
だからアイヒマンは、日本人以外からは、同情されない。
「みんなの言うとおりにして法律を守って義務に従った?なんで貶められて殺されないと思ったんだ?このバカは?」
と「普通の国」に住んでいれば思うだろう。
つまるところ、アイヒマン(とある種の人型生物)は、非常識だったのだ。
貴方が傍観者であるならば、その責めを負わなくてはならない。
――――――――――ハンナ・アーレント(Hannah Arendt)。
※ドイツ系ユダヤ人で哲学/政治/社会学者。「アイヒマン裁判」で論文執筆。その法的な整合性を否定したために批判の的になった。が、それは論文のオマケ部分。論文の肝は「法と秩序に従う小市民こそが史上最大の悪」という部分。この論考は以後、社会心理学に引き継がれ「ロジック」ではなく「実験」で繰り返し繰り返し証明されることになる。
「法律」を守ってはいけなくなったのですか?
――――――――――アドルフ・アイヒマン(Adolf Otto Eichmann)。
※妻を愛し子どもを愛し国を愛した「善良な市民」であるがゆえに世界中から憎悪され曳き回された後で絞殺された。極めて平凡な人柄で世界最大の悪党とされた後も家族や友人親族が必死に庇っていたことから、人柄も察せられる。みんながやっているから。やると決まったことだから。憎むこともなく信じることもなく理解することもなく大量虐殺を行った。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺はいつも通り。
では?
周りが勝手に変わったわけだ。
いつものことだが。
知らんうちに。
いつものことかよ。
起きてから、渦中に気付く、なにごとも。
気付いてから、解る前には終わり、次が始まる。
何かが起きたらしい。
都合二回。
この事態はいつから生じていたんだろう?
――――――――――5分前からだな。
五分前、プラスα。
つまり突入されてから、問答が生じるまでの時間を加味。
それがNo2他の彼女たちと間接的にじゃれ合っていた時。
その時には誰も予想できなかったはずだ。
だからこそ、真面目な彼女たちと不真面目な俺が交流を持てた訳。
その後何かが起こった?
俺の人別確認が入ったってことは、宇宙人でも襲来したんだろーか?
ボディ・スナッチャー?
俺に何かが起きたなら、うちの娘たちが気が付かないはずはない、と思うが。
そして、何事も起きていない時、に交換した情報を基にNo2が俺を俺だと証明してくれた
・・・・・・・・・・・・・・おねいさんずが俺たちに背中を見せてもいいくらいには、な。
おねいさんずによる人別鑑定、俺へ。
――――――――――都合二回の一回目がそれ。
おねいさんずVS俺。
ここまで五分出遅れた。
おねいさんずVS?
おねいさんずによる外周の相手からの防御戦闘
――――――――――都合二回の二回目がコレ。
コレが終われば、10分以内に麓から新しいお友達が登って来るだろう。
そうなれば、応対しなきゃいかんのは、俺。
どーせ暇ですけどね。
俺の部隊は俺がいなくても支障無し。
うちで一番外郭に近いのは、佐藤と芝。
大神殿の麓、正面階段の下にはランドクルーザー。
留守番の隊員もいる。
その辺りは曹長にまかせて置けばいい。
何も言ってこないということは、何も起こってないんだろう。
うちの部隊には。
俺に何も出来なくても、何かあれば俺に報告だけはする。
曹長はしっかりしてます。
それまでは、俺の責任であっても俺のすべきことは無い。
つまり報告が来たら手遅れ。
俺の負け。
では。
――――――――――アイコンの意味は?
俺たち。
彼女たち。
新しいお友達。
俺は、みんなと仲良くなれるかな?
魔女っ娘の神を撫でて集中集中。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形聖都/聖都市内/中央/大神宮内中央/青龍の貴族の右前/魔女っ娘】
あ。
あ!
わたしを見てくださいました♪
ご主人様の、黒瞳が、確かに一瞥いただけました♪
申し訳ないのですけれど、とっても、とっても嬉しい♪
・・・・・・・・・・ダメですね。
わたしなどにも、判ります。
――――――――――わたしどころではない、と。
先ほどから鳴り響くのは、銃の音。
もちろん、小さな音にされていますが。
わたしたちの耳を痛めないよう、青龍の魔法。
話し声より、やや、大きいくらい。
聴こえなくはない、ように。
――――――――――危ないことを知らしめる。
聴こえなくはならないように。
――――――――――仕える女として、ご主人様の声を。
在るべき様に成される。
ソレが青龍の魔法。
魔法を設えた意志。
ご主人様の御命令。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
魔女っ娘が視てる。
俺は、覗き込まれて困るタイプじゃない。
敢えてページを捲る速度をあわせる
――――――――――本なら。
相手が女じゃなくても、同好の士かもしれない。
人は飲み食い女のみにて生きるに非ず
――――――――――同志は大切です。
女の子に同じ趣味など求めないが。
本を読んでやるのは好きじゃない。
子どもには聞かせずに魅せるもの。
決して手抜きではない。
実際、異世界でも地球でも好評。
グラサン、情報端末からの表示は、網膜投影も可能。
だが、敢えて観せる設定のまま
・・・・・・・・・・・・・・おねいさんず攻略モードと名付けよう。
おねいさんずが忙しく、設定を解除していなかった。
だから覗き上げられています。
索敵情報はカラフルで賑やか。
子どもに地図情報が喜ばれる。
視界が狭いからね。
俯瞰認識は大切だ。
上目遣いのシスターズ。
判る判る。
ちびっ子ふたり。
3Dが大好き。
子どもは光がすきです。
索敵情報はアイコン表示。
アイコンって可愛いよね?
だから仕事中、空間投影を多用している。
ちびっ娘ふたりが常に傍ら。
安全上の配慮だがストレスフルなこの環境。
俺の傍は安心出来る。
俺はそれほど動かない。
子どもは動いて彷徨くもの。
それに合わせて職務を先送りして俺があそ、歩き回るという建設的な意見具申もしたのだが
・・・・・・・・・・却下。
本来は勝手に実行、後で言い訳。
許しを得る
――――――――――下策。
赦しを請う
――――――――――常道。
普通なら。
三佐が相手じゃなければね。
相手が相手だから全部のせ。
プラスα。
仕方ないから、うちに娘たちに我慢を強いることを俺が我慢。
だから殺風景な戦闘情報でも賑やかしにはなるだろう。
すこしでも気が紛れますように。
そして子どもが視ていないうちに、アイコンをチェック完了。
これなんだっけな~。
どーでもいいことは覚えてない、だが、なんか見たことがある。
ってことは、どーでもよくない。
どーでもよければ、絶対憶えてないからな。
記憶してるのは必要なことだけ。
重要で。
必需品じゃなく。
めったに出くわさない。
な~んだ?
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形聖都/聖都市内/中央/大神宮内中央/青龍の貴族の右前/魔女っ娘】
わたし、たちが何を聴くべきか?
――――――――――ご主人様が為さってくださいます。
わたしたちの耳を覆うのは、青龍の魔法具ではありません。
ご主人様の、お心遣い。
聴こえるのは、聴くべき音。
見えるのは、見るべきもの。
ご主人の、わたしへの、意志
・・・・・・・・・・いけませんいけませんいけません!
慶んで喜んで悦んでる場合?
何か、お役に、たてないかな?
わたしが、今この時に、できる?
ご主人様が指し示す印。
わたしは、目を凝らしました。
ご主人様が見せてくださるモノ。
わたしが見るよう、命じてられたから。
なんででしょう?
わたしたち?
ですよ?
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺は魔女っ娘が注目してるアイコンに注目。
現地協力者や軍属はカテゴリー友軍です。
捕虜、帝国軍女騎士は国際連合の資産。
棄損破壊は平和に対する罪となる。
ある意味で国際連合関係者なら余計なことをしないと期待できなくもない
盾を造れば、盾を消費しないで済むかもしれん。
これを抑止力と言います。
俺だったら壁が高ければ高いほど帰って寝るし。
まあ抑止力が機能した実例を考えれば、あんまり安心する気にはならない。
盾が厚ければより強い矛。
敵の数が多ければ味方の数を増やす。
強くなる前に、数が増える前に、先に殺れ。
アホかという実例しかないっていうね
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・世の中はマゾで溢れている。
うちの娘たち、あとは鎧から覗く肌が大変いい帝国女騎士。
俺は口説けないので心の血涙を絞るほどにイイ女。
彼女たちを護るため、鉄板相当の人体が三桁あれば心強い。
国際連合軍/国際連合統治軍兵士なら、うちの娘たちや捕虜を護ってちゃんと死ぬ。
くれぐれも触らないように
――――――――――幸い、違反事例はない。
馬鹿がやらかすのは野良異世界種族相手のみ。
異世界環境には異世界生物も含むのだよ?
それはそれで、人道に対する罪。
国際連合管理外、野生の異世界知的生物には基本的人権が準用されています。
違反者には基本的人権が適用されません。
どっちにしろ死刑。
異世界環境に優しい侵略戦争。
国際連合のテーマ。
死刑になれたらとっても幸運。
・・・・・・・・・・数少ない違反事例、異世界種族との不適切な関係は、WHOが最初に対応するから。
どのような意味においても治療を目的としたことが無い熟練の医師団が大歓迎してくれます。
地球人類の肉体と精神の限界、
――――――――――let’s Challenge!
単に苦しめる為だけの措置ではない。
絶対に、正しい、生きているべき地球人の為になる。
喜んでくれる本音が解りすぎてたまらない
・・・・・・・・・・って、言ってました。
最恐のWHO。
そのアイコンまである。
――――――――――大神殿?
はて?
抉られた跡がない四方。
硝子化した痕跡もなし。
滑らかに斬られた跡も。
苔むす石畳。
風化の跡がある細工。
土地の匂いがある風と空気。
・・・・・・・・・・痕跡はないが。
WHOの通った跡にはペンペン草も残らない。
完全に清浄な空間が遺される。
化学的な無臭による違和感が。
?
どこにでてきてもおかしくはない。
日本列島から異世界は帝国領域に、未踏地域まで。
だが、どこにいてもおかしくはない。
・・・・・・・・・・訳がない。
ここ?
WHOは数が少ない。
痕跡には出くわすが、そのモノには出会わない。
出会ったなら、最期。
出会う前に、逃げなくては!
Sind Sie Herr(Frau) Eichmann?
貴方はアイヒマンではありませんか?
コロナ馬鹿には通じなかったぜ。
ガチ
……日本語についていけなかったのでしょう。
罵倒されてるのに、気が付いてないとは。
だからまだあらわれたのか、コイツら。
虫けらには言語野が無いからしかたがないね!
アイヒマン。
つまり良心の欠落。
※日本国最高裁判所基準
ようは「市民としては」善良。
※社会心理学上の定義。
わたしは時たま見かけます。
図々しくも呼吸しているコロナ馬鹿。
アイヒマンは何故「悪」なのでしょうか。
彼が法律に従ったからです。
守るのではなく。
彼が義務を果たしたからです。
認めたのではなく。
彼が決まったことを実行したからです。
取捨選択せずに。
彼が「みんな」に気に入られよう望んだことは万死に値します。
結果ではなく、過程にこそ罪があります。
人類最悪の悪徳は、ソコです。
結果は運だけで決まりますから、問題外。
実際、運よく、四桁くらいの命を奪うだけで済んでるアイヒマンが身近に生きていやがりますね。
コロナ・パニックが無ければ、誰も殺しやしなかったでしょうが、馬鹿のくせに生きてはいたわけですよ。
コロナ馬鹿は虐殺者だから許されないのではなく、アイヒマンだから生きるべきじゃないのに。
いやはや。
聞いてみたんですけどね。
まだ生きてます。
困ったもので。
仕方がありません。
コロナ馬鹿の虐殺を止めるために、また週末であるきます。
家で寝て暮らせる日まで、あと半年。
害虫を特定できただけでも良しとしますか。
アイヒマンを早め早めに特定しないと
……というわけで、またまた更新が遅れます。
あ!
アイヒマン!




