悪き我の為に/侮蔑する義務と称賛する権利。
【用語】
『Dante Alighieri』
:ダンテ・アリギエーリ。一流の政治家だが世界的な文学者として知られている、でも本人は生涯政治家。経歴はググればわかるが、一度権力の中枢に昇り詰めながら失脚した上で、生涯復権を諦めずに果たせなかったが正業のオマケでしかない文学作品で歴史に名を残してしまった不幸な人。欧州文化圏には「自称政治家」で「他称文学者」というケースがありふれている。しかも「自称」でお察しの通り、政治家としては不遇。「他称」でお判りいただける通り文学者としては世界的歴史的な偉人。同類のマキャベリはフィレンツェ共和国大統領補佐官として内政外交戦争指導までこなし、共和国崩壊と主に若くして失脚。生涯復権運動を続け、その為に書いた論文「君主論」が歴史的名著となり人類全体に後世まで広く知られた。んが、コメディ小説や芝居の脚本も書いているし、小金持ちのパトロン掴まえて公演をうって大成功したりしている。その小作品が現在でもイタリアで演じられたりしているあたり、哲学者であり政治家であり官僚であるよりも文筆家としてこそ才能がったんだろうな。ただし本人はあくまでも政治家のつもりで山のような提言を広く有力者に送って贈って憶っている。作品は大ヒットか小ヒットまでして数百年を超えて未来まで残るのが確実だが、提言は後世でこそ評価されているが当時すべて無視されましたしマイクロジャンルの歴史家以外は見向きもしない。現代でもアーチャーという世界的な小説家がいるけれど「職業は政治家です」と言い切ってやまないが、政界入り第一歩直後の不幸なスキャンダルで失脚中に手慰みで書いた小説が世界的ヒットという、いや、もう、あれね。その後も世界的なヒット作を連発しているけれど本業は政治家なんだそうです。政治活動も熱心に続けておりますが「小説家」としての名声をあてこまれて正解に呼ばれたかと思うとスキャンダルで失脚。服役したりもするけどさらにヒットを飛ばすがあくまでも作家としてであり政治活動は続けてますがググっても調べるのが大変なくらいミクロンジャンル。ダンテといいマキャベリといい「政治的名声で愚文が人目をひいた」のではなく「作家としての名声で政治家になれた」わけでもない。一国の中枢に自力で参入して諸般の事情で失脚しても全然一切懲りずに諦めずに死ぬまで政治活動を続けるけどまったく日の目を見るこもなく終了。でもなぜか手慰み暇つぶし宣伝活動の一環で書き散らした文章作品の方が人類文明に影響を与えてしまうという努力の方向音痴で神様は意地悪で本人たちの文章から読み解く限り「千年後の人類文明に爪跡を残す」権利を「長靴半島の小さな都市国家(地方自治体相当)の中枢の雑用係」になる権利と迷わず即座に交換してしまうこと請け合いなので、悪魔が居なくてよかったよかった。人類文明を衰退させる悪意の存在がいたら絶対に取引を持ち掛けるよ、本人たちは寿命を全うできなくても幸福で人類にとっては大変な損失になる道。
もし本人に会えたら、小説家、っていうかライターになろうとして日々努力して泣いてる子もいるんですよと小一時間説教したくなるインタビューを気が済むまでしてから。
机の引き出しを探してるのに、今日も青タヌキが出てきてくれません。
……なぜだ?
I luoghi più bui dell'inferno sono riservati a coloro che mantengono la loro neutralità in tempi di crisi morale.
――――――――――Dante Alighieri
※以下意訳
正邪が問われんとする時、善行も悪行もなさざる者ら。
地獄は汝らのために在り。
――――――――――ダンテ・アリギエーリ
人間は捨てたものじゃないですよ。
いつの時代でも。
どんな場所でも。
いくら辛くても。
ちゃんと法律を破って、社会の為に尽くしてる人たちがいるんですから。
例えば?
無認可ゆえに安価な慢性骨髄性白血病対処薬を海外から持ち込み患者たちに提供。
認可薬の費用負担に耐えきれずに死を待つだけだった千数百人の命を救った。
――――――――――陸勇。
警察の捜査官やマフィアに追われながら活動を続け、薬物密輸密売組織の首魁として逮捕。
例えば?
戦争を利用して高級官僚複数と癒着して、贈賄を繰り返し巨額の国家予算を横領。
有り金全部を費やして体制が崩壊するまでユダヤ人千数百名を護りぬいた。
――――――――――オスカー・シンドラー。
戦中は逮捕と釈放を繰り返し、戦後は過激派に糾弾され狙われ続けながら亡命先で死去。
善を叶えるために、悪を為す人は絶えません。
・・・・・・・・・・大勢ではないにしても、絶対。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺には絶好のカバーがあるからね。
うちの娘たちをかいぐりかいぐり。
子守に集中しているように見える。
だから隊員たちは、俺が余計なことをしていると、気が付かない。
索敵情報。
作戦区域全域の情報。
天気湿度温度風向き、現状と予想。
味方の位置と装備状態。
味方の作戦予定。
味方以外の位置状況。
将校である俺が視てどうするのか、という話。
本分を忘れてはいけない。
子守役が視れば注意が逸れて子どもが危ない。
片手間に子守するのは得意です。
――――――――――矛盾してないから!
得意は得意なんだ。
ホント。
迷子紐を繋いでいたら、情報戦を仕掛けられたことがあるくらい。
そーいう趣味だと知らなかったけど頑張ります、とかなんとか。
順番待ちの自主的尋問官はもちろん、ご近所中びっくり。
若い者はいいのう体がついていかんわとかまだまだいけますが十代並みは許してくださいとか、びっくりってより、ドッキリ?だが、そんな反応もムリも無し。
一人繋いだ段階で理解できた。
確かにアレは見苦しい。
人間が紐に繋がれる姿。
マジで嫌悪感を感じる。
やったからこそ解ること
――――――――――ほんとに、試してみるといい。
いや、吐くから止めとく?
首枷手枷足脚枷はギリギリ、アクセサリー、に、ならなくもないが
・・・・・・・・・・貴女の趣味は否定しない。
紐は無いわ~!
以来、手が届かない範囲に行こうとすると自動的に掴むスキルに開眼。
親しくなる前にやると驚かれるけどね。
これから仲良くなるから何の問題もないな!
そもそも子守りは集中すべきことか?
子どもの相手を子どもに割り振れば、大人一人で十人はいける
・・・・・・・・・・八人とか?
だが、それは平時の街中でのこと。
ハイキング・コースレベルの街外。
トレッキング・レベルの活動中。
イベント中なんかは言うに及ばず。
そのレベルではもう、子どもの野放しをしない。
それがましてや戦場とくれば!
一瞬たりとも気を抜かぬように善処する所存と表面している
・・・・・・・・・・不言実行。
今がそれ。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】
あたしの敵は、別にいる。
ばかりじゃない、だからといって、女がいない訳がない。
しかも。
あたしには判らないように、居るのに隠れてない。
あたしにしか解らないように、聴かせているわ。
あの女。
でも。
それがちょくちょく起こるってどーいうことなのかしら?
それ
――――――――――青龍同士の角突き合い。
改めて振り返れば、初めてじゃない。
青龍の皇女、青龍の女将軍、青龍の女騎士団
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次は、青龍の、女なに?
また。
またよ、また。
彼は判ってない。
今回もそう。
女の気配がする。
女にしか解らない。
はるか遠く、
――――――――――遠く?
そう。
遠くだ。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
有能なら頼られねだられ付きまとわれる
――――――――――ことがない、俺。
俺には能力が無いから大丈夫!
だからこそ人生に他人を巻き込んできたんだが。
頼られないから、目立たない!
つまり俺は俺が必要な時だけ他人を呼べる。
・・・・・・・・・・いまは例外。
巻き込む他人に押し付けられないのは痛いな。
被害範囲に居るのは確かだが、責任範囲には入ってない。
巻き添えになっても、誰か巻き込むのは無理。
それを知っているから、どうにかできる。
慎重に、ゆっくり、一つづつ。
集中せず、距離を置き、離されず。
視点を合わせて、視野を広げて、斬り捨てて。
慣れないことをする時の基本。
ソレだけを見ていると失敗します。
ソレだけで成り立ってないからね。
ソレだけを心得ればどうにかなる。
集中するとあらゆるタスクをこなしてしまう。
そんなことしてたら時間がかかる。
少ないリソースが最後まで保たない。
手を抜く代わりに、気を散らす。
余分なことを考えるのは、ルーティンワークの基本です。
もちろん、知らない見えないは考えない。
可能性なんか、考慮する価値も無い。
在るモノ以外は無いと割り切る。
俺の行動が敵に気付かれてもかまわない。
そもそも敵の有無すら判らんから、放置。
――――――――――味方に気付かれるべからず。
まずは味方を欺く、全力で?
眼の焦点を調整。
ズーム・アップ。
ズーム・ダウン。
俺自身で肉体的に視界調整やってるんですよ、これ、機械操作じゃなくてね?
普通は全部、自動的に最適化してくれるってのな。
考えながら繰り返し、できる範囲で索敵情報をチラ見。
見難いなおい。
目立たぬようにバレないようにシステムアシストなし。
つまりは今、システムアシストを切っている。
グラサン型バイザーの内側に表示される情報。
それは本来、目の焦点に自動補正されて見え易い。
が、それに任せていると外から見てバレバレ。
子どもたちに、ではなく、指揮下、いや指揮してないから隷下の隊員たちにね。
何だかんだで、俺のこと見てるんだよ。
指揮してないのに、俺のこと。
そんな視界があるなら周りを見ろって。
ま、心配されてるんだろうが
・・・・・・・・・・部隊内最弱だから、俺。
周りを視ずに情報を見てる俺。
当然、周りの事物への反応が鈍くなる。
読書しながら歩いている感じ。
眼の前に浮かぶ索敵情報と、その向こうの視界情報。
索敵情報と直視視界は平行表示。
どちらかをオミットしたりはしない。
戦場では、両方必要だからね。
つまり俺には関係ない。
指揮官が全体状況を把握しないでは済まない。
目隠しして前線を歩き回る訳にもいかない。
だから意識と視線を切り替えるわけ。
つまり指揮官、曹長の役目。
兵士、隊員はそれをカバーするように訓練されている。
指揮官が概況把握のために殺されたんじゃ、本末転倒。
熟練将校だと兵士に悟られず索敵情報を管理するとか。
目の前の敵を狙撃しながら、視界外の部隊へ警告を発したり。
目の前の敵を狙撃しながら、視界外の部隊へ警告を発したり。
それなんてマルチタスク?
だからそれは下士官だけで十分だよねと繰り返し繰り返し言ってるんですが、世間は判ってくれません。
十分とは、完成。
それ以上でもそれ以下でも破綻する。
だから将校は平野下士官の邪魔をしないことが重要。
ついでに不当解雇してくれると失業保険が手に入り易くて助かるんですがダメですかそうですか。
役割が曹長と被らないように、スルーしていた現状把握。
指揮権に介入しなくても、指揮への関心が覗かぬように。
俺がやろうとしてるのは指揮ではないが、誤解なきよう。
俺だけではなく、普通の将校はそこまでできません。
俺は普通の将校ならできるとされてるところもできん!
素人が真似事でもしたら、もうコレ。
誰が見たって丸わかり。
それを今、俺がやってる、仕方なく。
このアイコンなんだっけ?
――――――――――って、見ながら考えなくちゃいけない。
俺が戦場にいていい状態じゃない。
だから出来るだけ、周りに感心がないフリ。
俺が周りを見てない方が自然自然。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】
彼の女、の中では、あたししか気が付かない、そんな高みから彼だけを見つめて、死地に在ることを念入りに確かめて、何時でもなんでもできる癖に何もしないで、お茶でも楽しみながら、もっと愉しんで。
青龍の貴族、彼を味わっている。
青龍が何人死のうと気にしない。
青龍以外が何人死のうと気がつかない。
誰に対しても等しく同様にしか、感じない。
公平な無関心は、青龍らしい。
――――――――――青龍の貴族とは、別の意味で。
どこかで通じてる感じが判る
・・・・・・・・・・不愉快とっても、妬ましい。
彼の女より、彼に通じて理解してる。
彼が平然と受け止めている。
――――――――――それに興を昂じて拍手。
あたしたちが右往左往。
――――――――――含み笑いを噛み殺し。
殺し合いを始める同胞には目もくれない。
――――――――――目に映らない。
命に何の関心もなく、自分も相手も守らずに、為に為す、それだけを面白がる。
あの女。
青龍の公女。
数寄者。
彼と気が合っているから余計にとっても気に入らない!!!!!!!!!!!!
じゃれ合いで済まされても腹が立つ!
命が危ないなんて冗談じゃないわ!
あたしの命ならともかく!
地獄の最下層が見えてきそうな今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
三寒四温、なんでしょうか、今夜は寒いような。
コーヒーだ!って張り切ったら暑かったのは昨日。
クリームソーダだ!って張り切ったら寒いのは今日。
今年も「また」たった一種類の病気で1日数十人が死ぬ季節ですね。
毎年恒例「季節性インフルエンザ」です。
感染者数=発病者。
一冬で数千万人が発病し、数十万人が「直接的」に死ぬ。
いつものことですが。
毎年各国が全力で準備を整え待ち構え、長年の研究を積み重ね全力を尽くして、やっと抑え込んでいる代物。
もちろん医療体制が整っていない国では被害が跳ね上がります。
何年?いや、何十年単位で医療崩壊が「日常」的なアメリカなど。
他にも……元々医療崩壊している国を知りたい向きは、珍妙な新「ウイルス」で死者が増えた(と言い張っている)国々のリストをご覧ください。
日本は医療崩壊していなかったので、昨年冬は大丈夫でしたね。
インフルエンザで一日50人程度しか死にませんでしたし。
アメリカみたいに数万人死んだ国もあるのに。
いえ、実質途上国ですから無理もありませんが。
今年は先進国も大丈夫じゃなさそうです。
なにしろ病気(無症状)でもない人たちをエボラ出血熱感染者レベルの対応で隔離してるんですから。
医療崩壊まったなし、っていうより最中。
インフルエンザまで行かなくとも、季節の変わり目の体調不良でも致命的です。
医療を受けられないと、人間って簡単に死にますからね。
それこそ、昨年までは考えずに済むことでしたが。
人為的に医療崩壊させてるんだからヤバイ……頭が。
コロナにかからないようにするのも一案です。
コロナに感染していれば転んでも「コロナのせいだ!」って言われますし。
コロナで発症することはありませんが「隔離されたせいで医療を受けられずに死ぬ」っていうのは実際に起きてますから。
風邪の諸症状は免疫反応で、花粉でだって起るのに。
因果関係無視……「免疫」って言葉知らないんでしょうけど。
ウィルスと細菌の区別もつかない人たちですからね。
ダンテ先生に侮蔑の眼差しを受けることなきようにしたいものです。
この調子で地獄を賑わすのは馬鹿どもに任せましょう。
巻き込まれませんよう、皆様ご自愛ください。
本作の出来不出来は貴方にかかってます!
出来が悪くなると、わたしがつまらなくなるので、ぜひ、体調管理に気を付けてください。
……身勝手ですいません。




