眺めてみれば?/bird's eye view.
『戦術情報データリンクシステム』
:作戦情報を「共有させない」為にあるシステム。
現代軍隊の基本であり、根幹。
作戦情報。索敵情報のような敵由来のものから、報告のような味方由来のものまで。作戦単位、部隊や兵士。作戦レベル、階級や職責。特記事項、任務や戦域。あらゆる情報を絞り混む。
必要な情報を必要な時だけに必要な対象にのみ与える。惑星一つ覆う軍事情報を一人兵士に与えても意味がない、よりなお悪い。偵察衛星の画像一つとて、専門の分析官が大勢がかり。前後数日リアルデータ、無縁な過去の知識に経験値、無数の画像と比較検証しなければ意味をなさない。普通なら意味もなく閲覧するだけで何も出来なくなる――――――――――戦闘どころじゃあるまい。
だから、情報はあたえない。
おー納得なっとく
――――――――――嘘である。
実際は「よらしむべし、しらしむべからず」そのまんま。個々兵士部隊軍を「自主的に」戦いを強いる為に、判断材料を操作しているだけだ。
例えば部隊後方に「民間人」を設定して死戦を強いる。
例えば直接確認は出来ないが期待できる位置に「友軍」を設定して士気を保つ。
例えば敵の配置や移動を演出して棄駒を玉砕位置へ向かわせる。
非武装の民間人への突撃から、敵正面への敗走まで。
全て命令なしで実現できる。
その手段はいろいろとあり、例えば兵士用の聴覚防御機能付き通信器。
周囲の音を選択的に遮蔽し、砲爆撃下でも耳を痛めずに味方の声だけ拾える
・・・・・・・・・・拾うとは言ってない。
耳を護りながら、死すべき味方の悲鳴や要請を遮蔽できる。民間人が大虐殺されている渦中で、平凡な学者が史跡を調査して、まったく気が散らない。
すべては当事者の操作と無縁に管理者権限で可能。技術的に陳腐で、価格も安く、生産性も高い。操作も簡単でスイッチ一つ、事前に設定も簡単。
だから作品世界でもありふれている。
一人の男の為に完璧に肢体を磨き上げる。
選び抜かれた完全なドレス肢体に纏う。
出会えた歓びに跳びつくと、彼は言うの。
――――完全なフォームの完璧なジャンプだね――――
「しかも笑顔で嬉しそうに祝福しながら抱きしめてるわけ」
「嬉しいのに絶対、素直に喜べないけど、絶対に怒れない」
「普段から誇ってるところを褒められたらうれしいわよね」
「今アピールしてるところを外されたら泣くに泣けません」
「相手の一番優れているところを誰より早く見つけ出す」
「誰でもわかる長所より誰よりも優れたところ、ですか」
「都合が良くて、助かっちゃう」
「三佐殿には御見通しですから」
「観てて面白いし」
「それはそ、まあ」
「容姿を褒められたい?能力を褒められたい?」
「無能よりブスって言われる方が傷つきますよ」
「容姿は相手の感性に訴えられる」
「能力は相手の財布に影響します」
「好きな相手に見て欲しいところ」
「好きな相手に求めて欲しい部分」
「女心を解ってないのよね」
「判ってるからいいのかも」
「そうなの?」
「リベンジ!」
「ああ、褒めてもらうまで延々と繰り返すでしょうね」
「褒めて貰えたところもずっと磨き続けるでしょうし」
「満たされないから、飽きが来ない」
「それは彼女たちだけでしょうか?」
《同日同時刻/異世界大陸西方「日本海」国際連合軍日本海艦隊旗艦「ブルーリッジ・LCC-19」/国際連合武力制裁活動統合司令本部》
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺はグラサン内側の情報をチラ見。
身につけた情報端末は腰に装着。
まさに端末、ほとんど通信機能だけ。
その先は大容量回線で、大規模集積地へ。
出島、と呼ばれる場所に蓄えられているのは銃器弾薬燃料兵器糧食部品捕虜だけ、ではないのだよ。
生きてない鹵獲品は別な場所。
作戦の邪魔にならない異世界各所。
管理する現地住民の、ご近所。
動植物も含むから、生きてはいるか。
それは俺には関係ない。
関係あるのは戦術情報。
俺に与えられた範囲内。
出島、あるいはさらに先の日本本土、で索敵情報から自動生成された仮想異世界。
リクエストによって、その一部、が与えられる。
ほぼリアルタイム。
範囲は最初から決められているが、加工はない。
たぶん
・・・・・・・・・・そこまで手間はかけないだろ。
たかだか一将校、一部隊、一作戦。
判断を誘導するほどの情報操作には、手間がかかる。
それこそ一軍でも一分隊対象でも、費やす手間と人材は変わらん。
味方を騙す訓練を受け経験を積んだ人材を局地通行中の俺たちごとき極小部隊を誘導する為に費やすはずがないじゃありませんか間違いないと言いきりたいおそらく信じよう信じられる俺の判断ではなく知らないことは常識で考えれば解らなくても判るという歴史的常識。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】
あいかわらず、あたしに命じる気はないみたい。
彼は、いつも通り、誰にも命じる気配はなし。
なんで、ってことはない、けどさ
・・・・・・・・・・特別扱いは、まだかしら?
あたしは、よーく目こらす。
あたしに気づいてもらうため。
あたしの眼は彼に、耳は外側へ。
彼の関心は、あたしにはない、あまり。
大神宮の外側に、初めて気が向いた、みたいね。
あたしに聴こえる二つの勢力。
――――――――――どれも青龍だけれど。
ひとつめ。
大神宮内を固める青龍の女騎士団。
周りより一段高い場所から銃をふもとに向けている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すごく放ってるけど、いいのかしら?
同じ青龍、よね?
・・・・・・敵対すれば、相手が同じ旗を仰いでいても、関係ない。
青龍らしい。
あたしも憶えておかないと。
彼女たちは、あたしたちには関心が無い。
――――――――――訳でもない、わね。
あたしたちを窺ってる。
こちら、ではなく、あたしたち。
青龍の貴族、その女たちを確かめながら戦う。
その護りは青龍の貴族、彼自身に任せるみたい。
最初からそうしろ、って話なのよね。
自分の女なんだから、あたしたちを彼が手放さない。
無傷で側に置いておくに決まってる。
ふたつめ。
麓からにじり寄ろうとしている青龍。
新たに現れた、って、いうか、集まってきた一団
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんか不揃いね?
黒旗団みたい。
青龍だけじゃなくて、エルフやドワーフ、青龍とも何ともつかない人もいる。
今回に限れば、女、ばかりじゃない?
・・・・・・・・・・珍しく、ううん、初めて。
喜ぶべき、ことなのか、どうかしら。
――――――――――嬉しいんだけど、ね。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
だから俺は慎重に振舞う。
俺の指揮下にある軍政部隊展開地。
大神殿周辺の索敵情報。
俺の部隊の情報を俺が視るって、もしかして初めて?
本来ならば、指揮する者だけが把握すべきこと。
曹長とか。
万が一に備えて佐藤か芝。
指揮の序列からいえば、そんなとこ。
名目上の指揮官が、戦闘に関わる。
実質的指揮官に従っていた隊員たちが、俺に注意を割く。
指揮系統の分裂、その影響。
小部隊には直接的に。
大部隊には波及的に。
佐藤や芝みたいに、取捨選択に慣れた奴はすくない。
いや、反応速度が違う玉石混淆が、かえって不味い。
けっして部隊練度が高くない、俺の部隊
――――――――――致命的なズレが生じる。
無視すべきをスルー出来ない奴はいる
・・・・・・・・・・ズレた挙げ句に隊員同士、バッティングしかねない。
だから曹長から指示されるまで、戦闘情報は無視すべき、だったってーのに。
しぶしぶ止むを得ず仕方なく、そうと見えないように気を散らしながら。
カタツムリのようなねちっこい確実性で前進中。
もちろん間違っても索敵情報を意識したりしない。
嘘と演技の基本原則。
欺くべからず。
演ずることなかれ。
俺は得意中の得意なんで。
雑念のネタに困ることは無い。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の腕の中/エルフっ娘】
常識外れ、それが彼の常。
あたしたちの、じゃなくて、青龍の。
だから、非常識を呼び寄せて、離されない。
幸いにして、あたしたちは青龍の常識と無関係。
彼が青龍の典型だってことは判る。
典型っていうのが、当たり前じゃないことも知ってる。
あるべき姿を体現するのは少数派。
付いていけなくても、あたし、たちは捨てられたりしないからいいけど。
青龍は不思議がる。
あたしたちは驚く。
いつものことよね。
付いていけなければ、あたしたちは連れ去ってもらうまで、なのだけど。
彼、青龍の貴族が楽しそうなら
――――――――――良いわけない。
彼、青龍の貴族が死ぬかもなら。
青龍の敵は青龍
・・・・・・・・・・強ければ無敵、なわけがない。
力があれは敵は多い。
敵は当然、力がある。
貴族騎士なら当然か。
力の差、というのはそういうこと。
小が大を喰い。
弱者が強者を倒す。
それが当たり前なのよね。
一対一で決闘してるわけじゃないんだから。
大きければ目立つけど、小さければ逆。
強ければ富裕で、他のすべてから狙われる。
持たざる者は襲われず、小さい故に目立たずに。
――――――――――不意を突けば?
あたしがそれを知っているのは、ただ見ていたから。
人の世界で200年も過ごせば、誰にでもわかること。
だからこそ、人がそれを知らないのは当たり前よね。
それを知ってる、青龍の貴族。
エルフほどに生きない、って、意地悪なことを言った彼。
それこそ、かかってこい、って言わんばかりだったけどね。
あたしたちには、こう聴こえてる、って絶対に気付かないのよ。
貴男に護られっきりで、依存して、甘えて、縋ってる。
――――――――――だからこそ貴男にも青龍にも気にされない。
それが、それこそが、貴男だけが所有する武器なのよ。
あたしたちを一番よく見てる貴男が気が付かないなら、世界のだれも気が付かない。
あたしたちでも、彼の役に立てる。
女として、っていうのは別にして、ね。
そこが戦場であれ、宮廷であれ、大神殿であれ。
あたしたちだけなら、青龍にとって意味が無い。
向かい立つのが青龍と青龍だからこそ、あたしたちに意味がある。
そう、エルフしか出来ないこと、だけじゃないからね?
あたしは皆、あの娘に妹分、Colorfulたちに合図。
遠くを聴いてる、あたしの代わり。
人に見える、限られた範囲を視てちょうだい。
限られているからこそ、判ること。
見えないからこそ見えるところが、貴女たちのすべきこと。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】
俺は観賞、いや、干渉範囲を広げざるを得ない。
変化に引き摺られて、だが。
嫌々やむを得ず、放棄したプランを反芻しつつ。
おねいさんずが、殺しにかかっている。
焦れたのか?
――――――――――内部状況。
敵の増援か?
――――――――――外部状況。
無駄弾を撃たない優秀な相手なら、簡単には殺されまいが。
むしろ、おねいさんずの
・・・・・・・・・・弾切れが近いのかも。
いずれにせよ時間がない。
タイムカウント開始。
いずれにアタリをつける。
作業プレイは後悔の時間。
せっかく、みんなで様子見してたのに。
洞ヶ峠を決め込むって、ロマンだよね。
日和見主義の両天秤ってなにそれ最高。
持久戦闘なら互いの疲弊を狙えばよかった。
俺たち以外、皆々様の。
完全な膠着状態ならば、動くより動かない方が易しい。
自分で動くより、他人の動きに合わせる方がやり易い。
そこが狙い目、俺たちの。
みんなが動かない時なら、動くだけで主導権を握れる。
俺たちは一番弱いからね。
一個小隊相当おねいさんず。
一個中隊以上の誰かさんたち。
最小戦力だからこそ、動いても見逃される。
第三者でーす!
――――――――って俺たちが仲裁に回ることも出来た。
可能性としては。
互いに疲弊したタイミングなら、主導権を取れる。
いや、ホント。
舐められるって最高だよ
・・・・・・・・・・・・過去形だけどね。
おねいさんずの発砲頻度が落ちれば、下の連中が来る。
下の連中の犠牲が許容量を越えれば、強行突撃が来る。
ギャンブルと戦闘と株の売買の常識
・・・・・・・・・・損切りが上手い奴はいない。
状況が動けば、最小勢力は瞬殺される。
俺たちが動けば、反射的に撃たれる。
動かなければ、最小勢力に未来はない。
どうころんでも、俺たちが関わらざるを得なくなる。
――――――――――なら、先手だ。
ギャンブルなら大得意。
つまり戦闘なら
・・・・・・・・・・どうやって?
動かずに動く、知って知られず、考えるだけ。
相手を知らなければ責任を逃れやすい。
安全策切替。
相手を知り尽くして言い訳を造りだす。
麓の連中が誰か?
俺一人の責任で探りだすべし。
見りゃわかる?
見るのが大変なんだよ!
さてさて。
うろちょろしていたら時間を食ってしましました。
何をしていたのかと言えば、人間としての義務を果たしていたのですが。
具体的に言うと「コロナ対策妨害」と「コロナ馬鹿嘲笑」ですけれど。
では皆さまがマスク無しで生活できる日が今日訪れますように!
以下、言い訳。
本編とスタンスは同じですが、現実の話だと毒が強すぎるかもしれません。
日々目に映る現実を侮蔑の眼で見たくないのは、悪いことではないですから。
付属スパイスを読むかどうかはお好みでどうぞ。
苦情罵倒罵詈讒謗は歓迎いたします(笑)!
「新型コロナウィルスが危険かどうか?」
って話は、百の講釈より一言で済むでしょうね。
いちいち教えるの面倒ですし。
周りを視ろ。
はい、投了。
もう一度募集しまーす!
コロナで直接知り合いが死んだ人いますか?
そろそろ「モチをのどに詰まらせて死んだ人の数」を越えてるはずですが?
こんにゃくゼリー並みの危険性を持つコロナウィルス。
※コロナに感染していた死者が「死因コロナ」扱いされてるのを寛大な心で赦して差し上げるとして。
ああ、なにぶん、誰も死なないから「後遺症が恐ろしい」に移行してきたみたいですね。
半年前は急性症状で死亡するって吹いていましたが。
論点をずらしていくのは、似非科学の常道ではあります。
「ドイツ・フランクフルト大学病院研究チームによると「45〜53歳のコロナ回復者100人のうち78人が心臓に異常」が見つかったという」
……おーい。
全世界の感染者数知ってる?
ドイツの感染者数知ってる?
統計上最低限の意味を持つのは500以上ですよ。
あ、もちろん、母数の大きさによってもっともっと増えますけどね。
減ることはありません。
元がその数以下だと、統計なんかで指針を出せないので。
もちろん、統計は「結論」を証明するためにある学問じゃありません。
無数の可能性から絞り込む指針を得るための技術です。
「百回祈ったら百回とも雨が降りました」
これで雨乞いが科学的に離床されましたね!
そんな感じ……雨季のある国で試せばだれにでも再現可能(笑)。
お!
科学的な再現性までついたぞ!!
わたしが統計学を習ったときは、最初に言われました。
「統計学を一番利用するのは詐欺師で、奴等は母数を無視して因果関係を検証しない」
納得。
まあ、コロナ馬鹿は人を騙したりはしていないでしょうが。
馬鹿はまず、己を騙すものです。
悪党は改心させれば済みますが、
因果関係を、いや、そも「考える」ということをしないから「馬鹿」なんです。
あ、そーいえば。
小松左京先生は「復活の日」で「生体の外で存在を維持できないウィルス」でどうやってパンデミックを起こすか工夫しておられました。
一般的なパンデミック物を書くときは「ウィルスを寄生させる細菌(微生物は単体で存在も増殖もできる)」を設定するのですが、「復活の日」から始まったのかと想像。
コロナウィルスは、生体外に出て単体で長時間生きてるそうです。
……ウィルスを「生きてる」って表現が、すでに、アレですが。
どーやって?
現実の医学者(?)はすごいですよ!
なにもかも「と言う可能性がある」で片づけやがった(笑)。
新型コロナウィルスが出現して一年過ぎてますが。
まだ断定できないって、どーよ(笑)。
いや、最期の良心なんでしょうけどね?
「月にウサギが住んでいる可能性はゼロではない」
というのが科学者の言い回しですが、これを口語訳すると
「そんなことは無い」
となります。
つまり?
コロナウィルスは飛沫が乾いたら消えます。
手指の消毒?
マスク?
……直後なら、「感染を防ぐ」意味がありますね。
感染者と直接接する管理された医療機関の中でなら。
感染を防ぐことに意味があるとは考えられませんが(笑)。
今は温かく見守るべきなんでしょうね。
感染者がどれだけ増えようと、なんか理屈なしに規制緩和。
このバカ騒ぎを初めて、利用した馬鹿にてこずっている元凶どもが、なし崩しにコロナ対策を終わらせる日。
あと半年か~。
お後がよろしくないようで。




