死に征く君は美しい。
【用語】
『グライフ作戦』
：歴史に名高い欺瞞作戦。敵国兵士に偽装した特殊部隊を数千名単位で敵の後方に送り込む単純な作戦。アドルフ・ヒトラー氏企画立案実行。
古今東西の特殊工作としては類例がないほどの大成功を収めた。
僅かな犠牲で圧倒的な戦力を誇る米軍に対し、雲泥の差がある戦局で、巻き込まれた英国軍まで含めて連合軍全体を機能不全に陥れる。予定通りに広く浸透、計画通りに各地で発覚し、予想以上に米軍は大混乱。バレないように破壊活動ならもっと控え目な少数精鋭にするのだが、端からそんなつもりはない。発覚しないように浸透しながら、広い範囲で一斉に米軍上層部が隠ぺいする余地なく敵の上下末端までが「友軍と見分けがつかないドイツ兵がそこかしこに居るぞ（見たことないけど）」と気づいてもらわなくてはならないのである。
――――――――――ヒトラー総統的に。
結構ハードルが高く、アルデンヌの地図と天気図をやぶにらみにしつつ米国の地図を眺め米軍鹵獲兵器装備を鑑賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・観察していた総統以外はかなり懐疑的だった
――――――――――やり遂げやがった！
浸透要員は作戦開始前に綿密に打ち合わせ、囚われたら銃殺になる前提で真実味のある、整合性の高いデタラメを幾通りか用意して「厳しい尋問に屈して」複数のグループで個別に自供するようにしてあるとか
――――――――――タチが悪いなんてもんじゃねーぞ！
なお準備が完璧すぎて偽装したドイツ兵士が正しく米国の知識を覚え込んでいたために、テキサスのド田舎者の勘違いで発覚（？）したりした。
あいや、合衆国／連邦を一つの国家と勘違いしたせいだが。
現代日本人のほうが、このあたりの勘違い
「アメリカって一つの国家だよね」
は酷い
――――――――――とても笑えない。
そりゃ合衆国ですから。
州(States／国)を越えた異国の知識なんか無い。
イリノイ人民とノースダコダ族とルイジアナ臣民の間には共通点も利害の一致も同胞意識すらない。
ソビエト体制下でウクライナ人とキルギス人とロシア人の間にある感覚と変わらない。
結果、良かったんだか悪かったんだか？
うろ覚えを突っ張って押し通した田舎者に、教科書通りの知識を彼歴した偽装米国風ドイツ兵士が射殺されるという
・・・・・・・・・・米国人より米国に詳しかったばかりに。
ヒューストンなんかしらねーよ！
１３州以外合衆国じゃねーよ！
「日本人？世田谷？練馬？千代田とか？２３区以外は外国だよ？」的な言い回しで同士討ち多発。
合衆国市民なら知ってる、でカリフォルニア人にイリノイ州の首都（ヒューストンはテキサスの首都）を聞いたってしらんのである。シカゴが何処にあるかも怪しいのに、スプリングフィールドなんて言っても小銃のブランド名としか思われない。
・・・・・ドイツ兵は「イリノイ州の州都はスプリングフィールドです」と答えて嘲笑した米兵に銃殺にされた模様。
日本風に言えば「京都府の府庁所在地は任天堂です」と答えたような扱い。
なお銃ブランド名発祥のスプリングフィールド造兵廠はマサチューセッツ州です。
戦争映画のネタとしても広く取り上げられるのは、復員した米軍兵士にとって最大のトラウマだったから。
日本で例えれば血走った目をした友軍であるはずの憲兵にセーフティを解除してトリガーに指をかけたまま後頭部に銃口を突き付けられ「横浜の首都は何処だ！！！！！！！！！！！！」と絶叫されたと想像してみよう。
・・・・・・・・・・お解りいただけただろうか？そんな目に遭った連合軍兵士の心情は察したくなく余りすぎ。
そらずっと覚えてるわ忘れられんわ。
なお軍事専門家（自称／笑）には評判が悪い。
国際法違反って、まあ、ふつーなし崩しにするところを堂々と
――――――――――・いや、戦略爆撃とかどーなん？
奪取攻撃破壊する予定の目標にたどりつかなかったから、とか
――――――――――行けたら行く、程度の話だし。
潜入って次々発覚してバレバレだったろーが
――――――――――拘束前提の自供打ち合わせの意味わかる？
まあ、敵味方に大恥をかいた米軍上層部の言い訳公式文書を「一次資料(笑)」が大好き、ようは考えなしで権威（笑）ある公式文書に依らないと口も利けない「ソレ」系が嘯いてるのだか。
いつもの「俺たちは負けてないヒトラーが負けたんだ」と連合国のヲタクを餌にし外遊していプロイセン参謀本部残党が「素人の作戦が一番上手くいった」と死んでも認めたくないので盛大に否定の為の否定を繰り返したのを「当事者（なのに生き残れた傍流）の証言（主観に満ちた自己弁護）だ！」とお布施を払ったミリオタが「供物に価値があった」と思い込むために更に吹聴する
いつものパターン。
死ぬほどカッコいいことは無い。
カッコよくて死ぬ。
―――――――――じゃないぞ？
カッコよさの上限。
―――――――――でもなし。
「死ぬ」
のはカッコいい。
殺されるんじゃなくて、自らの意思で命を絶つ、絶たれる。
それは人類普遍の価値がある。
みんな知ってるさ。
誰もが肯定している。
賛美が絶えたことが無い。
遍く世界に受け入れられている創作物を見て見ろ。
―――――――――証明終わり。
生きることなんか誰にでもできる。
見ろよ。
俺たち生きてるじゃないか？
―――――――――証明終わり。
俺はそれをずっと見続けたい。
―――――――――ん？
あははは！
サトウさん。
シバさん。
良い質問だ。
俺はな。
彫刻は好きだが、彫刻になりたいと思ったことは無いぞ？
彫刻家になるのも御免だ！
だから安心していい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の上官には、好きが高じて芸術家になってる奴がいるが、な。
《とある幹部自衛官による選抜普通科隊員向け研修会講師差し替えに伴う即興講演「有事における事務職の愉しみ」より/異世界転移まで半年》
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
ＮＯ２は自分がなにをしているか、理解している。
死ぬ気だな。
その証拠に、瞳の焦点がほぼ固定。
意図か反射か。
良く見えてないのか？
見ないようにして自分を支えているのか？
眼に映るは何ごとか？
そんな仕草が大好きです。
カッコいい。
君の瞳に乾杯！
挙動にあらわれる、胸を支える重心の取り方。
プロテクターに押し潰されて、呼吸もくるしかろう。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の左端/お嬢】
あの娘が、自分の力を振るい始めた。
わたくしたちのことも、使ってみせて。
ご領主様のこととなれば、他のことは消えてしまう。
欲に任せて思うがままに、わたくしたちを使って。
わたくし、慌てず急いで、あの娘の感覚を追わせます。
わたくしより大き、背丈が、ですわ、Ｃｏｌｏｒｆｕｌに目配せ。
貴女たちももっと、ご領主様の役にたてるのよ？
・・・・・・・・・・って諭すまでもなく、従ってくれるのね？
こういうところは、ご領主様が取り立てただけありますわ
――――――――――奴隷の立場は譲れない、でしょうけれど。
高い眼耳、知見に経験は、ねえ様に比べる術もありません。
だからこそ、見え方が違うところが肝ですわ。
賢者独り、凡俗五人
――――――――――値は同じ、使い様。
わたくしがまとめ、ねえ様が俯瞰し、ご領主様が生かす。
その源は
――――――――――あの娘。
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
今の俺は、眼にも楽しい見物人。
いや、最初からそうだったような気もするが。
特に今は。
皆が、死を受け入れている。
おねいさんずも軍政部隊も、敵も味方も。
訳も解らず判ろうともせず。
俺以外。
兵士の本懐ここにあり！
・・・・・・・・・・すごいな～。
たまたま俺だけ他人事？
よかったよかった。
たまたま子どもらの前だから。
たまたま女たちの敵だから。
たまたま慣れてるシチュだから。
だから助かるわけではないが、ギリギリ護れる範囲をキープ
うちの娘たちは当選確実。
うちの部下たちは当落線上。
おねいさんずもそのライン。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺とＮｏ２が同じ位置。
健康に良くない。
なら？
彼女にも意図がある。
俺は？
それに期待しよう。
次の一手が思いつかないなら、受けて返すのが上策。
選択肢が一つしかない中で一番って話ではあるが。
決して主導権を失っても悔しくなんかない。
むしろアレ。
装備調達に関わる以上、俺はＮｏ２に申し訳ないと思う。
女性自衛官用の野戦装備は特注品。
だがさすがに、ワンオフ専用着ではない。
国産以外に特徴がないゴミ、いや、新たに開発し直した新古兵器を棄てることさえできれば！！！！！！！！！！
もともと不要な維持費だけで、内部構造がワンオフなプロテクターを全女性自衛官に装備可能。
事務系から普通科、そうとうに下駄を履かせて捩じ込んだ2名のレアな空挺まで。
――――――――――フルセット×３、調達可能。
開発歴で隔世すぎて爆笑、利益も見込めない航空機なんか外部調達でいーじゃん！！！！！！！！！！
車両と電子兵装だけつくれよ！！！！！！！！！！
でもF22／35は勘な？？？？？？？？？？
まあ女を前線に出したりしないけどね。
戦死者リストに男女平等を求めるとか。
男女全員から選抜しないと志願者から戦闘可能な兵士が揃わないとか。
自衛隊は、そこまで狂ってない。
米軍にしたって苦肉の策だが。
だから女の子の護衛が必要な時だけが出番です
――――――――――今日みたいに。
あ、あとは広告塔。
女目当ての偏差値４０から終わるジャンクじゃなくて、平均的な女性労働力を集めるため。
新人の廃棄率、訓練研修での脱落放逐される不適合者の割合は、女の方が低いしね。
それは採用費用対効果が高いということ。
当たり前だが軍隊、的な組織は戦闘職だけじゃ成り立たない。
事務系だって必要です。
俺みたいに異世界転移前は実弾射撃経験を覚えてないようなのも要る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・組織論じゃなくて、予算構成の欠陥から実弾を調達出来なかったのは、別の話。
さておき、ただでさえ人手不足な自衛隊。
前線転用不可能な人員だって貴重です。
使い物にならないジャンク兵器の開発調達を棄てられりゃ、金で片付くはなしだが
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防衛省があるかぎり無理。
かくして女性後方要員が増え、組織の背骨は女だけで足りるようになる。
そこで侵略戦争なんか始めると、戦闘職不足士官不足が見え見え。
性別が男だってだけの事務職まで最前線に送られる。
あれ？
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の不幸の原因？？？？？？？？？？？
失敗の多い人生でした！！！！！！！
しくじった～～～～～～～～！！！！！！！！！！
帰国したら近所のガキどもにくんなくんなとプロパガンダ！！！！！！！！！！
戦争は男の役割近寄るな！！！！！！！！！！
って、感じにまとめるべき。
高校生くらいも多いからな。
俺の不幸は元から絶たねば。
女が自衛隊に入るとガチムチマッスルにされて、もてないぞ、とか。
まあ、実際にはそうならんけど。
なぜなら女比率が上がっても、前線部隊が混乱することはないのと同じ。
空挺や戦闘機乗りはもちろん、普通の女は戦闘職なんか考えないしね。
攻めの反対は受けと答えるのはマメシバであって、女性一般に無関係。
だから女は、俺程度にしか訓練しない。
故にないないガチムチマッスル。
隠れマッスルくらいかね。
女性自衛官の体格は、趣味で金を出してジムに通う普通の優良企業の女とおなじです
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・個人差アリ。
万が一にも赤紙が来て、煽てられて騙されて調子に乗って、戦闘職に着かされたら？
――――――――――それはそれは不幸なこと。
上官を後ろから打ってやれ
・・・・・・・・・・撃つ弾はない。
だが、そこで鍛え上げても、マッスルはない。
ガチムチまでなら魅力的だしな
――――――――――――――そこまでいく生け贄は例外中の例外。
広告塔ってのは、そーいうこと。
カッコいい例外により、イメージだけ印象つけりゃいい。
憧れるからこそ、憧れになろうなんて思わない。
人間の習性、そこが付け目。
だから女性自衛官は基本的に前線に行かない、行かせない。
本土決戦？
亡命させて自由日本国自衛隊つくらせるわ！！！！！！！！！！
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の左端/お嬢】
わたくしは誇らしくて、ご領主様を視ようとしてしまいました。
今すぐに褒めていただきたい
・・・・・・・・・・もちろん、そんな可愛らしい真似は致しません。
――――――――――わたくし、たちから、眼を離されるわけが、ありませんもの。
あの娘が必死に隠しても、しられているわ。
単純に、肢体を愛され心を捧げたい、だけ
・・・・・・・・・・不本意よね？
でも、あの娘の願いは叶わない。
ひとつ。
ご領主様は、唯々諾々と女の願いを聴いたりしない。
ふたつ。
ご領主様は、女の隠しごとは、暴いて認めさせる。
みっつ。
わたくし、あの娘を自慢する機会を逃しません。
わたくしの序列が、下がるかもしれない。
でも、ご領主様が愉しみは、わたくしの喜び。
あの娘、その功は喜ばれましょうね
・・・・・・・・・・妬ましいこと。
いつもいつも、わたくし、たちは撫で転がされ愛されておりますけれど。
ご領主様へ、具体的で明瞭な形で愛を還して悦ばせて差し上げられない。
皆、ともに等しく苦悩しておりますの。
欠片なりと、お返しできれば後刻の寵が捗りましょうね
・・・・・・・・・・嫉みは隠しますが。
あの娘に覚らせないのは容易。
ご領主様には隠せませんし。
魅せつけて煽って狂おしいくらいに嫉妬させて御愉しみ
――――――――――わたくしに、たちより尚も、わたくしに。
こういうのも、女の嗜みよね。
ともあれ、単に嬉しくもありますわ。
あの娘。
その特別な力。
わたくしには及ばぬこと。
青龍の方々が相手でも、通じるのね
――――――――――裏書きは、これからですけど。
老獪な商人でも、あの娘が察する機微は追えません。
園遊会ひとつ、独りで仕切れましょうね。
あの娘に、察して踏みにじる、強さがあれば。
商家の女。
当主の補佐。
仕える身に、一番、求められる、力。
悔しくて悔しくて、なりません。
ご領主様の社交を仕切る、最高の技。
その技を生かして、ご領主様の一番になれる
――――――――――術を持たない。
わたくしが、あの娘に及ばぬが悔しい。
あの娘がもっともっと幸せになれないのか悔しい。
ご領主様に、もっともっともっと尽くせないのが、一番、悔しい。
まあ、もっともっともっともっと、は、これからよね。
わたくしが、ついてますから。
あの娘を飾るのは、楽しい。
ご領主様も、お望み。
でも、わたくしくらいですわ。
あの娘の力を整えられる
・・・・・・・・・・ねえ様をのぞけば。
まあ、上には上がある、ということ。
わたくしには、まだまだまだまだ、伸び代がある
――――――――――ですわよね♪
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央/青龍の貴族】
じゃあ俺の前にいる、おねいさんずはなんだって話だが。
なのだが来ちゃった前線が。
日本では余り一般的な認識ではない。
だが、戦場とは行く場所ではない。
なぜか昔から誤解される戦場の真実。
あれは、勝手に不意討ちにやって来るものだ。
ただいまみんなで体・験・中！！！！！！！！！！
今、ナウ、ここ大神殿に。
完全に制圧した拠点のはじっこ、現地協力者への接待中。
誰もがあり得ないと３分前まで断言したところに。
という訳で、胸が苦しいＮｏ２の胸元。
女性一般の解剖学的な差異、ようは形状差、は無いに等しい。
装備調達基礎知識。
だから数少ない前線装備は、共用が中心。だが、だから、一番差がでるのは胸周り。
そこはそれゆえそれなりに、各種取り揃えていますが。
上方向に規格外だと、当事者以外の女性の反感が強く。
俺が彼女たちのボディサイズを露骨に確認したからではない。
視線計測は、不機嫌になってから。
素晴らしく平均凌駕したサイズを語るだけで不機嫌になる。
一人残らず、例外なく
・・・・・・・・・・バストは女の命です。
面白かったですが、希少サイズ調達予算が保留になる悲劇！！！！！！！！！！
大きな少数派は常に忍耐を強いられる
――――――――――――――保護しなきゃ！！！！！！！！！！
そんな苦しい胸の内、俺の保護を待っていることにしたいＦ、いや、Ｎｏ２。
俺たち軍政部隊陣形外縁、５ｍほど
お、眼の焦点が俺に合った。
黒瞳は良いね！
最近は碧眼ばっかりで、朱瞳や緑瞳も慣れたし可愛いが。
それは碧朱緑だからどはなく、当人が可愛く魅力的だからな。
好みで言えば断然、
――――――――――とＮｏ２の言葉を聞き逃しちゃいけない。
意図がある。
俺たち二人の君の方。
勇気を出して前進したんだ。
ピッチャー返しに定評がある俺。
ばっちこーい！
「私のアドレスは？」
俺は答えた。
