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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十三章「未来予定図」

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子どもは大人を英雄にする。

【用語】

『第13集積地司令官』

:陸上自衛隊一尉。国際連合軍出向中は国際連合統治軍大尉。基の階級からいえば主人公より遥か上。主人公が戦死すれば到達できる位置。現階級からいえば主人公と同格。第211話〈TPO/ドレスコード〉が初登場。

百万人の難民処理を任せられた人。どんな人かはエピソード参照。

※第237話〈実力至上主義の陥穽/Disk 1〉~第241話〈全自動秩序回復装置/Disk 5〉にてエピソードあり。


『国際連合の階級制度』

:国連軍一般として異世界人と日常的に接触する立ち位置の将校は一律「大尉」でまとめている。異世界人との接触率で言えば国際連合統治軍が一番多い。

ではあるが、国際連合軍でも黒旗団のような地球異世界混合部隊がありUNESCO調査団にも異世界人が多数参加。

地球人と一番多く接触する異世界人は支配層であり、階級社会。

将軍レベルであれば構え過ぎられてしまい接点が薄くなる。

将校未満では「武力に任せた成上り」程度とみられる。

そこで将校の中でも最上位を任じ「マウントを取りつつ距離を取られにくいようにしている」つもり。

ただこれは「支配」する必要がある統治軍の事情であり、「通常の戦闘序列に組み込む」国際連合軍や個々人の能力知識を生かすために「同僚扱いする」UNESCO調査団には適用されない。


「見えてるな?」

全員が司令官に見えるように、頷いた。




軍事行動に限らないが、人の営みは定型化されている。

軍事行動に限れば、定型化した意味を分類し共有する。


故にこそ、言葉に頼る部分がすくない。


符丁、仕草、前例。

皆が共有する合図だけで下命受命、報告確認再確認までが済まされる。

会話など交わされない。


複数の状況を統合統制する指揮中枢。


末端オペレーターは総動員され、次々交代し続ける。

緊張感を維持するために、機械に徹するために。


階級が上がるほど代わりがおらず、下に権限を委譲する。

緊張感を緩和して、機械化してしまわないように。


すべての端末を埋めたオペレーターたちは音をださない。


ディスプレイ経由で情報やり取り。

発して受けるの繰り返し。

入力と表示と相互チェックで進む。


一昔前なら、メモ紙が跳びかっていた。


通し番号が振られた専用紙。

専用字体に略号略称。

確認者のサインと時刻記入。


それはそうだろう。


司令部で報告や命令を叫んでいたら、どうなるか誰でもわかる。


聞き間違い。

言い違い。

聴こえない。


囁いていたら伝わらない。

伝えようと声を上げれば喧しい。

必要無い者に聴こえて邪魔になる。


指揮崩壊を起こす前に、声を挙げたオペレーターが射殺されるだろう。


第13集積地司令部。


オペレーター数人でユニットをなし、一つの担当を把握。

そんなユニットが複数ある。

複数ユニットがまとめた個々の状況を、咀嚼し上に送る。


階層化された指揮系統。

上から降りてきた情報や命令を下に割り振る。

さらに上下の意図状況を先読みしなければならない。

下は下なりに、上は上なりに。


作戦中の司令部ほど、静かな場所はない。



だが、時折、人の営みにそぐわないことが起きる。

前例がない、だれも知らない、異常事態というやつだ。


部隊施設の管轄内で、人類史上二回目の珍事が起きた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・からではない。


珍事。

椿事。

突発事態なら、どうということはない。


軍隊や準軍事組織は、そのためにある。

・・・・・・・・・・必ずしも成功してはいないが。

司令官は機械的に処理し得ない時のためにいる。

――――――――――しばしば機械的処理に使われるが。


そんな突発事態の最中。

進行中の事態のなかで、一番情報を得ているはずの上級司令部が、何ひとつ命令しない。


上級司令部が壊滅したのならいい。

軍事組織は、当たり前に備えている。

上層部の全滅すら定型化した行動規定。


誰でも判る。

誰も迷わない。

誰もが覚悟する。


だが今は?


上級司令部、上層部は、問題なく存在している。


それを明瞭に示してくる。

ただ、その役割を果たさないだけ。

それはナゼかと尋ねても返ってくるのは



―――――――通信受領内容確認済―――――――



それだけ。


通話を求めれば拒否。

一文に満たない単語一つ。



司令官は思っていた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いっそ連絡不能ならいいものを。


従来の命令は取り消されていない。


明示された難民解消作戦は継続。

付随している聖都の管理は継続。


そこで第13集積地司令部は、自らを分割した。



数ヶ月繰り返した作戦。

従来の任務、聖都周辺に集積された異世界人の管理。

突発事態の影響はあれど、確立された手順の延長上に収まる

――――――――――――――納めた。


そしてより重大な突発事態、全ての元凶。


判らぬ何かに対処するために、司令部の隣接別室に戦闘指揮所設置。


司令部と従来作戦は当直司令に丸投げ。

司令官は隸下全部隊の極一部、最精鋭を選んで直接指揮。


指揮所要員も最小化。

作戦対象を突発事態に極限。


(別室にして正解だった)


これから定型化すべき事態にあたっているために、すべて言葉でやりとり。

しかも誤解を防ぐために、念押し確認重複繰り返し。

音声映像を記録するだけでなく、専任するタイピスト役を設置。


復唱の声などが司令部に響いたら、指揮崩壊を起こしかねない。

だからこその別室であり、だからこそこんなことができる。


大神殿内設置自動機銃。

M2重機関砲4器を管制する射撃装置。

回転銃座を標的に対して最適化する制御装置。

それら制御系を管制するプログラム。

すべての基になる緒元を確認する観測機器郡。

光学式、電波式、音響式、熱源指揮。

観測、走査、統合。


人に与えられた任務を忠実に果たす仕掛け。

それには権限さえあれば、介入することが出来る。


照準していない対象を確認させる。

確認した対象に照準させない。


「動作に干渉するなよ」


連続的な駆動音の変調。

アクチュエーターの起動音。

不規則転調する索敵系の摩擦音。


変化一つで、暴発全滅しかねない。

敵味方、いや、味方同士が睨み合い。

自動機銃は異常事態と判定しない。


味方識別装置(IFF)

(identification friend or foe/味方と味方以外を確認する)


自動機銃の視点では、何も問題が生じていない。


射界に在るのは味方と味方しかいない。

味方判定はスイッチひとつで切替可能。

今は射線から味方を剃らすために動く。


もし索敵範囲外から何かが侵入してきても、味方を傷つけずに制圧射撃。


12.7x99mm徹甲砲弾が味方以外の動体に浴びせかけられる。


音速の三倍。

一秒に百発以上。


石造りの壁柱。

人体や大型異世界生物全般。

紙のように射線上の全てを貫く。


だから味方の位置、形、動き、質量、可能移動範囲まで常時把握。


その貫通効果で破片を最小化、味方に怪我をさせない。

――――――――――なるべく。

その時に備え、稼働部分が僅かに動き続ける。

――――――――――ウォーミングアップ。

そねデータは敵味方入れ替わっても問題ない。

――――――――――赤い瞳は優先度が高い。

護るときも殺すときも。


全ては100%破壊と殺戮の為。

無駄のない、無駄の為の完全体。

ゆえに機能の二~三割は使われない。


与えられた任務に必要がない、故にこそ切り捨てられた情報もそれ。


しかし存在はしているので、それを拾い上げることは出来る。


緊張、弛緩、仕草。

赤面、微笑、表情。

視線、態度、感情。


12.7mmの銃口に映った数値。

設えられた仕掛けが無視する要素。

破壊と殺戮に無縁な余剰データ。


「全員、感じたままに、自身の感覚だけで、どう見えるか、答えろ」


《異世界大陸東北部/国際連合統治軍第13集積地/作戦司令部/聖都分遣隊戦闘指揮所》





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


働いたら負け。


世間の理はそうじゃない?

俺も聴いたことあるよ?


働くことは良いことだ。

――――――――――主語は何処にいった?

新たな価値を産み出そう。

・・・・・・・・・・使い道があんの?

働かざる者食うべからず。

――――――――――食いきれない物を捨ててまで?


反対はしない。

まったくその通り。

子どもに教える大人の知識。


世の中がそうなっているなら、逆らうのは大変。

世の中がそう言ってるなら、逆らえば大儲け。

どっちにしろ向かうところは同じだけどな。


みんながしているとおりにすると、馬鹿をみる。


これから俺が成すべきこと。

為す前に成すべきと知る。


代価を払わないと成果を手に出来ない

――――――――――――――完全に同意。


だから代価を払わせよう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺たちが払う道理があっても、通りがない。


無理を通せば道理は引っ込む。

そのていどの話だ。

残念ながら、自慢は出来ない。


俺が見つけた真理、なわけがなく。

偉い人が言いました。


豚を殺す。

麦を殺す。

人を殺す。


勝ちさえせずに、手にいれる。


因果応報、すればいいよな。

弱肉強食、だと判りやすい。

等価交換、なら納得できる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ねーよ。




因果は廻らず。

道理は引っ込み。

強弱なんか問われない。


正統性や理屈などない、たまたま得られたこの立ち位置。


代価を払うのは俺たちじゃない。

犠牲になるのは、見知らぬ他人。

観とけよ視とけよ、子どもたち。


やるかやらぬか、なら簡単。


敢えて言葉にしない。

大人の男。


俺は背中で語る。


その背中は子どもに安心感を与える。

俺も叔父さんの背中に甘えたもんだ。


有言実行が一番だけどね?

失敗した時に一番恥ずかしい。


不言実行は誤魔化しが効く!

これ重要。


なーに、誤魔化しかたも教えるさ。


ケツは任せな、今だけだが!

頼りにしていい、今だけな?

ニートになる前、今だけは!


俺を見てバカをみるな。


死は悼むもの。

墓は参るもの。

女子どもは奢られてなさい。


さあさあ一緒に嘆き哀しみ同情しようぜ。


悲しい涙は生き残った者の娯楽。

胸の痛みは喰らう側のスパイス。

見下して心から御詫びし続ける。


働いてくださる皆さんに感謝。


楽して生きよう一度っきりかもしれない人生!!!!!!!!!!!

二度目があるかなんて知らずに生きようじゃないか!!!!!!!!!!!

俺が安心して帰国できるように、きみらだけで生き残れるように!!!!!!!!!!


人生?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔女生だったりエルフ生だったり異世界人生もハーフエルフ生でもあり?


ま、生きていてこその人生だ。

大きくなったら、なにになる?

そのためには大きく成らないとな。


仕切り直して、うちの娘たちを再配置しておく。


ちょっと頭を伏せさせておこうかな?

「「「ふゃ?」」」



【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/巫女の胡坐/青龍の騎士団陣形中央/青龍の貴族の右前/魔女っ娘】


わわわわたたたたたたわたししし!

「?!」

「!!」

「!」

「「「「「♪」」」」」


ふやややややややゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ♪

ありえる声をあげないようにとっさに口元を抑えられたことを褒めて欲しいですけどねぇさまが抱きすくめられたままひざまずかしていただきちいねえさまとわたしは髪をつかまれおしつけていただいてご主人様に手で制されていたからふるさんたちは悦んでちゅうごしに跳びついてますけどそれは制されなくなったのではなくごしゅじんさまのてがふさがってるいだけですからわたしをにぎにぎされてぁぇぇぇっぇぇぇぇぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


俺は手を停めずに、視界の角で確認。

女子どもの扱いなら、目をつぶっていても楽々。


手触り腕触り香りに異常なし。

挙止挙動に不審在り。

言葉に成らずに声質が鳴き声。


ひとまず確認

――――――――――これ、アリナシどっち?


準備として、うちの娘たちをまとめたのだが。

なんか、うちの娘たちに取り付かれている。

いつもより余計にしがみつかれてるような。

当社比1.5倍な気がするが、限界値スタート。


一割増しでも体内にめり込む。


物理的な密着は増やしようがない。

要は心の距離なんだろうな。

近いのは気だけで事実は平常通り。


心配させ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・てる風でもないか。


――――――――――――シスターズ、Colorfulの順に確認。


うるうるした瞳だが、相変わらずの信頼感。

いやまあ、子ども特有の、相手に一任した感じ。

大変よろしいのですが、大人をもっと疑いなさい。


眩しくて灰になりそう。





世の中には易しい人が大勢いらっしゃる。

馬鹿や虫けらとは違い「新型コロナの脅威」とやらにはしゃいだりはしない。

特に調べもしないけど、恐れたり用心したりもしない。


まあ「調べるまでもない」なら判ります。


思考力があれば「新型コロナの脅威」なんか信じるわけないですが。

日々更新される作品、ではなく、「確認された感染者(新規とは言っていない)」やらの数。

「世界で死者が80万に迫ってる」

……あのさぁ。


数字を目にする度に、「たった、それだけ(笑)」と嗤ってます。

いい加減、他の感染症との比較っていうのは、陳腐ですかね?


そこら辺をあっさり割り切ることが、易しい人たち。

調べなくても、比較せずとも、答えを得られる。

だから最初から不安など持たない、怖がらない。


マスクをつけるけど、隙間だらけで適当。

列の間隔は空けるけど、並ばないときは密集。

手指の消毒なんかしませんが、求められたら断らない。


「コロナ対策ごっこ」を馬鹿にしてると、一緒に大笑い。

でも「コロナ対策ごっこ」にはお付き合い。

「コロナ対策ごっこ」不利益が軽い内は、黙ってがまん。


たまたま馬鹿と虫けらの被害が小さい立ち位置。

殺される側に落ちる危険性がある殺す側。

そうと知らないわけでもない、のも割り切ってる?


そんな人がわりといます。


確信犯にかける言葉がありましょうか?

もしかしたら、貴方は易しい人ではないですか?

周りに「易しい人」を見かけませんか?


気づかれたことがあれば、教えてください。

あ、もちろん、作品についてでも何でも。


ではまた。

作品の読み手と書き手としても、お会い出来ますように。


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