表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十三章「未来予定図」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

543/1003

絶対他力

【登場人物/三人称】


地球側呼称《マッチョ爺さん/インドネシアの老人》

現地側呼称《副長/黒副/おじいさん》

?歳/男性

:インドネシア国家戦略予備軍特務軍曹。国際連合軍少尉。国際連合軍独立教導旅団副長。真面目で善良で人類愛と正義感に満ち満ちた高潔な老人。幼少期にインドネシア独立戦争で日本人と関わりはじめ、9月30日事件で活躍。階級以上の影響力を持ち引退後、級友を訪ね訪日中に異世界転移した。

旅団には現地職制の副団長が同格としてあり、白を基調とした魔法使いローブのエルフが努めている。区別の為に肌が褐色な彼が現地兵士に「黒副」と呼ばれている。



地球側呼称《三佐》

《青龍の公女/碧の魔女》》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。

陸上自衛隊の正服第2種礼装(緑色)が標準なのは馬上でも変わらず。

異世界では泣く子も逃げる《碧の魔女》と呼ばれているが、制服の緑と国連旗の青が印象として混ざって「碧」。

父親譲りで、私利私欲と公益を「完全に一致」させることが出来るタイプ



「正直なことだ」


「あれは平和教育の賜物でしょう」


目の前にいる、彼女。


「聴いてるだけじゃないでしょうね?」


彼女は感情を隠さない。

支配者の血統、それ故の資質。

人は見えない者になど、従えない。


好悪が判るからこそ、解らなくても従属できる。


「聞いておりますとも、両方を」


褐色の肌にはなにも浮かばない。

褐色の老人は知っている。

言葉にするまでもないことを。


殺すこと。

殺されること。

壊すこと。

壊されること。

奪うこと。

奪われること。


――――――――――――――戦争。


殺されるのが嫌。

壊されるのが嫌。

奪われるのが嫌。


――――――――――――――平和教育。


ならばこうなる、当然のこと。


殺す側にいたい。

壊す側でいたい。

奪う側でいたい。


――――――――――――――願いを叶えた人間は、醜い。


「勝ちたいと欲するのは、醜い」


人には醜いところがある。


だから仕方ない。

だから当然だ。

だから人間だ。

――――――――――――――だ・か・ら、は醜いのだ。


至らぬと自覚出来る知性をもつのは、堕落するためではない

――――――――――――――超克するためだ。


さもなければ、人ではない。

人のカタチをしていればこその、人でなし。


殺さなければならない。

殺されなければならない。


「わたしが勝ちたがっている、と?」


老人は応えた。


「貴女は乞食ではない」


正しいことが成る。

正しいことが勝つ。

正しいから、為す。


正義は勝つ。


なんどどれだけ負けても、繰り返せば済む。

担う者が根絶やしにされても、未だ居らぬ誰かが引き継ぐ。


正しいのだから、当たり前ではないか。


だが、だから、だからこそ、勝つから戦うのでは、ない。

正しいから、戦うのだ。


見知らぬ国、インドネシア独立に挑んだ先達。

日本政府の命令に反した日本人。


彼らは勝利を信じることなど、出来なかっただろう。

敵の強大さに圧倒され続け、祖国に裏切られた直後のことだ。


人はそれほど強くない。

だから超克せねば、人ではない。

人とは彼らを表す言葉。


だからこそ、老兵は、老人の父祖は見様見真似で彼らを目指した。

そして、人になった。


負けに征くこと。

死にに征くこと。

勝敗を超克し正義を奉じることを。


それを先達の孫たちに伝えるのは、歳を経た者の好意であり、これも正義。


地球に取り残された、老人の子どもたち。

異世界に放り出された先達の子どもたち。


みな、正しく死ぬことができる。

それは疑いようがない正義。


黙して先達の言葉を待つ彼女。

老人はふと、異世界で出会った魔法使いの子どもたちを重ね視た。


「勝ち負けに拘っているように、感じるのでしょう?」


正義は勝つ。

そう知っているのに。

くだらない。


この娘が、そんな愚物なら、老人が殺している。


「敵に利用される。その可能性を危惧している」


悪を利する可能性が否定できない?

ならば、腹を斬る。

当たり前のことだ。


だから、老人に聞かせた。

己が醜さと向き合い、超克するため。

先達を訪ねる

――――――――――――――良い娘に育った。


だから老人は、殺さない。

この娘は正しい。

正義は克つ。


「気に留める必要はありません」


日本を異世界に拐った敵。

地球人類の大半を殺した敵。

我々の子どもたちに触れた敵。


「正義は勝つ」


その結果がどうあれ。

地球人類が滅びたところで。

一時的な後退?

いや、結果にいたる過程でしかない。


世界の為に正義があるのではない。

正義のために世界があるのだ。


「征きなさい」


だから、貴女は貴女が感じるように振る舞えばいい。





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央/青龍の貴族】


けっして俺の責任を回避しようということではない。

俺は天命待ちながら、他の人事を尽くさせる。

尽きちゃ困るんだがな、俺が。


皆様に尽くしていただく、と考えた方が良いかもしれない。

要検討。

で。


おみくじは何度でも引き直せるが、人事には限りがある。

昔の人もそう言っていたと聞いたことがある。

人間の数は限りがある。


大丈夫だ問題ない。


無限の可能性をリトライする訳じゃない。

その場しのぎで十分至極。


まず俺は素早く手持ちのカードを再確認。

それと悟られないように自然にこなす。


麻雀とポーカーは得意なのだよ?

俺が困った時、真っ先に思い浮かぶのは?


曹長

――――――――――部隊指揮で手一杯。

危うい均衡状態を独りで支える、ここからリソースを割くのは自殺行為。


坊さん

――――――――――遥か彼方の太守領。

見てればなんかしら助けてくれるだろうから、きっと見てない間に合わない。


なら、最強のワンペア。

佐藤と芝の実戦経験者コンビ。


いや俺たちも人殺してたか。

はて

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何人だったかな?



まあいいか。

ただ二人の場合は経験値が違う。


俺みたいに非武装の民間人を処刑させた訳じゃない。

俺たちが持つのは、相手がみてさわっても理解出来ない軍用兵器。


しかも、肩が痛くなるほど訓練済み。

相手は訓練どころか対等な殺し合いすら未経験なチンピラ暴徒野盗。そ


んな刃物鈍器程度しかもたない奴らを殺させた。

恥ずかしくて、他人には言えないレベル

―――――――――――それが俺。


切り札の佐藤、芝はガチチ―ト種族である帝国軍、の中でもエリ―ト、騎竜民族と直接、殺りあった逸材。

そんなのが、おねいさんずの背後、一角を占める。


タイミング次第で死命を決することになるなだろう

――――――――俺には判らんタイミングで。


だから、おねいさんずが佐藤と芝を潰そうとすれば、こちらも全力先制攻撃に追い込まれ、おねいさんずがそれと予測して全面攻撃にでるのは必定、だからといって俺たちはそうなる前に

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・切り札が、かえって暴発のきっかけにもなる?


まあ、抑止力理論って、結局こうなるよな。

単なる抑止力なら、100%失敗するのが歴史的教訓。


3B体制と3C体制。

ワシントン、ロンドン軍縮条約。

防共協定、複数回の対仏大同盟に信長包囲網。

どれもこれも役に立たない、手間の無駄。


幸い、おねいさんずにその動きはない。


わざとじゃないんです。

たまたまその配置になっただけ。

ぞっとしておいてください。


俺の祈りは届くかな?


女に届いた祈りは十中八九無視される。

10~19%は逆に作用します。


まあ100人中1に届けば成功ですが。


男にはそもそも届かない。

なにか期待するもんじゃないよね。

だから祈ったりしない。


それを踏まえて

――――――――――俺の切り札。


佐藤と芝はM72をスライドさせて、ワンプッシュで発射用意済み。

だが、構えてはいない

――――――――――助かった。


対帝国戦用に有り余る旧式M72をもってきたからな。

いや、大半はランドクル―ザ―の荷台だけど。


前衛の二人は予備弾倉を減らして水筒無しで、二本ずつ背負ってきた。


重いよ?

一本2.5Kgだから。


対装甲兵器はゴ―レムや竜みたいな、重くて硬い相手に良く効きます。


M72、M72といっても各種在りまして。

対装甲用一本から破砕効果付与の対人兼用まで。


まあ最新の装甲には効かなくなったからね。


主力戦車と呼ばれる重戦車全盛期の現代軍隊。

装甲質量と新素材新成形で、ガチの対戦車ミサイルすら耐えかねない。

竜の火焔に歩兵携行兵器じゃ、異世界に来た90式相手に屁の突っ張りにもならん。


市街戦塹壕戦に持ち込んで、上面ハッチか履帯狙い?

そんな決死の攻撃より、155mm野砲か1t岩石のゴ―レム投擲の方がいい。


現代軍隊の携行ロケット兵器は陣地攻撃用。

塹壕や防壁を吹き飛ばして、背後の兵士を殺すためにある。

手榴弾と兼用するために、破片効果をプラス。


一発目で守りを砕き、開口部に弾片シャワ―。

二発目を破抗に撃ち込み皆殺し。


使い捨てロケット兵器は大人気です。


なお、最新装備のSMAWロケットランチャーやM136AT4なんか持ってきてませんよ、念のため。


SMAWは8kgオーバー。

M136AT4もほぼ7kg!


M72なら三本分。

威力は2割増しと大本営発表。


どちらにせよ、戦車相手には使えない。

装甲車か陣地攻撃がせいぜい。


なそれでM136AT4なんか一回限りの使い捨て!

ペンタゴンの官僚以外なら、M72三本もつ方を選ぶ。


SMAWは使い捨てじゃないので撃ち終わった後延々と背負う。

誰も背負わないで棄てると思うけどね。


そりゃ政治的配慮で中華民国しか買ってくれんわな。

そんなゴミ。


得意種目はエコロジー。

戦場に回収BOXでも設える気かよ馬鹿ってスゴイ。

操作も二人がかりじゃないと無理。

シルベス○―・ス○ロ―ンなら別だが、人類には無理。


二人がかりで安定させるデカブツを、背負いながら銃剣振り回してみる?


ペンタゴンの間抜けには、日常の奇跡すらわからない。

ウェイターやウェイトレスの離れ業にも気が付けまい。


いくつもの皿やコップ他をひとまとめできる平衡感覚。

それを前提とした代物を戦場に持ちこむって、アンタ。


いやまあ防衛省がまともとは言えないけどね。

リトルペンタゴンだし。


はい。

いつものごとく平和ボケした最新兵器は日本列島の廃棄物倉庫へ。


うちの部隊が持ち歩いてるのは、実戦経験豊富な古強者。


半世紀以上前に開発されたM72なら、独りで楽々操作可能。

片手撃ちもできます、非推奨。


撃ったら棄てて、撃ったら棄てて、だんだん軽くなる。

手榴弾代わりに腰から下げて、小銃とセットがスタンダート。


ただ、うちの部隊が持ってきてるのは初期型なんだよな。

対人を想定していない、対走行車両向けのM72A7です。


プロテクタ―付きでも、紙装甲内部の人体破壊は苦手。

直撃で跳ね飛ばしたら起爆しないかも。


もっとも佐藤に芝のことだから、何とかするだろ。

弾体自体には備わらない破片効果を、使い方で生み出すとか。

床や壁、柱や天井狙って破片をまき散らすのが定石。


撃つなよ撃つなよ。

規定外の使い方だと、被害半径がわからん。


まだ撃つな。




相変わらず街を歩いています。

外出に努め、外食に努め、愚行を嗤う。

閉鎖された店舗が封鎖されるケースが増えましたね。

工事中の呈で囲われますが、いつも作業音がしない。

再開の目がなくなり、テナント募集を諦めて、設備維持にだけ専念したか。


まだ営業している店では、出入口にダビデの星、おっと「コロナ対策賛同マーク」が掲げられてます。


キモッ!


もちろん、似非科学に満ちた「感染症予防グッズ」が配置済み。

売り付けてるのは、警察か保健所か。

どうやって集金してるのか

――――――――――――――狂ってやがる。


そんなこんなで世界中のコロナ感染者と死者は、毎年恒例のインフルエンザに追い付きましたか。


特に悪性でもない、普通のインフルエンザが一冬で生む犠牲。


丸々一年かけて、やっと。

水増しコミコミで、やっと。

感染症の概念を無視して、なんとか。


「感染症の死亡者推計は、確定に何年もかかります」

毎年恒例インフルエンザのように準備されていない限り。

未知のウィルス(笑)新型コロナ(嗤)ともなれば、何十年?


「何の症状もない90才台の御爺さんが、入浴中に死去」

大往生……コロナに感染してたってよ(嗤)。

航空機事故が起きたら、遺体を検査するんですかね(笑)?

コロナ犠牲者倍増計画(爆)!


天国の御爺さんも同居の家族が監禁され、病院にもいけなくなり、猛暑の中で地獄おくりとは思うまい。


そこまで捏造して、この程度の死者。


もっとも特に悪性でもない、普通のインフルエンザ。

今年は大変な犠牲を生みましたね。

アメリカなど何十年も前から医療が崩壊したままの国では、コロナごっこを始める前から大虐殺。

だからコロナに飛び付いたんですが。


「同じウィルスで同じ人間が感染し、死者の数に大差が出る」

医療環境の差に決まってます。


人種的差異とか文化の違いとか集団免疫とか。

……馬鹿ってすごい(笑)。

ワクチン開発とか抗体獲得とか、そんなネタもありましたね。

……ググれカス(嗤)。

ウィルスをなんだと思ってるんだか。


いつでも止められる。

だから?

いつまでも続けられる。


台風にはしゃぐコドモのように、安全な非日常にwktkする馬鹿ども。


いつもの自己保身で「最善は尽くした」と言う根拠を捏造するために「思い付く限りの感染症対策」をばら蒔いた官僚ども。


調べもしないで口車に乗せられて、詰め腹斬らされるまでの時間稼ぎに狂奔する首相閣僚知事議員。


さあ!

みんな!

覚悟は決まったかな?


決まらなくても、ツケを払うのは「みんな」だよ!

明治からこっち、いつものこといつものこと。


……と言うわけで、皆さんは「みんな」に無理心中させられませんように。

「みんな」が馬鹿をみるのは、馬鹿を罵倒せずに生かしておいたから。

「みんな」が地獄に落ちても、皆さんは無関係。


くれぐれも御自愛ください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ