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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十三章「未来予定図」

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Countdown!

【用語】


bandingバンディング

:生態学の技術用語。生物の位置や移動経路を確認追跡記録する為に足環や首輪、体内インプラントなどで測定装置兼記録装置を装着すること。渡り鳥の移動コースを追跡する足環が有名で、移動経路やサイクル、生息地を特定することを目的とする。

異世界転移後も同種の研究は行われており、異世界人間種を研究するツールの一つ。




これが「セーフティーロック」です。


bandingバンディング』ツールの最上位バージョン。


難民の標識調査に使う安物ではありません。

※第53話<地球の流儀>より


標識調査用の(ring)は体内埋め込み式。

火薬式打ち込み銃を使います。

もちろん使い捨て。


セーフティーロックは装身具のように身に着けるだけです。

安保理が生存を決定している標的に使います。


哨戒気球の信号を利用した多層三点測量による平面位置特定。

惑星球面を球面三角法で測定することにより高低差も常時特定。

この部分は三系統トリプルチェックで動作保証しております。


国際連合兵士のDogドッグ tagタグと同じ作りですね。


しかもこれらは首筋、両上腕、両腿、の五カ所に装着。

事故事件に在っても五カ所が同時に接続を失い難い。

砲撃の直撃に在ってなお、どこかの部位は残るでしょう。


それが装着場所選定理由です。


五カ所のシステムが身体電位で接続され連動。

バイタルチェッカーとして機能しています。


その精度は軍用プロテクターの比ではありません。

デジタル化した標本のバイオデータをリアルタイムに再構成できます。


多系統拡張システムであるだけではなく、肌に直接密着し生態と電気的に接続されておりますから。


そして装着自体がストレスとならないように装飾性を重視。


ストレスとは計測データに対するノイズです。

通常、装着初期のノイズは誤差データ。


解析データは順化が進みノイズが低減された後なのですが。

装着誘導手順次第で、初期から有意なデータを取得可能。


そのためのデザイン性です。

標本が装着自体に喜びを感じ、主体的に保持し続ける。


その貴重な成功例をご覧いただきましょう。





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央に侵攻中/青龍の貴族】


指揮所設営まであと三歩。


俺は自分が立てたスケジュールを確認する。


二人以内で動くときはそんなもの立てんが。

それ以上で動くときは立てる。

人数が多くなればなるほどきちんと立てる。


あらかじめ決めておけば、誘導しやすくなるからな。


相手の意思なんか聞かないよ?

訊かれてないと気付かせないからね?

むしろ訊いたら負けだからね?


今回のエルフっ娘の気晴らし遠足だって、俺だけで決めてるし。


意思確認なんか契約の時だけで沢山だ。

契約する時、であって、契約を取るとき、ではないらしいが。

させる時は客観的に見える状況を造り判子を取ればそれで充分

――――――――――と言ってました。


高校時代の同級生ですけどね。

元気に企業の歯車してるシングルマザーです。

今は娘さんを預かる町内会のコネを提供する程度の関係ですが。


俺の回りは、男も女も強い奴ばかりでよかったよかった。


で、今。

大神殿中央に曹長が立った。

隊員たちが行軍隊形から全周警戒へ。

しかる後の全周索敵開始に備えてる。


ここ。


指揮所設営直前完了

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・直前?

完了直前ではなく、直前で完了していることに留意。


直前完了っていうのは、実質的に設営出来たってことだが。

それは部隊が作戦区域を管制出来る、って状態。

具体的に、曹長が作戦区域を見通せる場所に立つことを指す。


直前が完了したのがソレなら、設営完了は?


まあ俺が中央にたつだけだ。

一応、司令官なんで、一応。


硫黄島だって、守備隊を壊滅させてからお父さんたちが旗たてたよね。

つまり完全な設営完了と旗立てはイコールだと思えばいい。


俺、旗。


旗はとても大切にされます。

旗が大切な訳ではない。

大切にされることと大切であることは無関係

――――――――――テストにでるよ?



隊員たちの全周警戒。

進軍中より立ち位置で決まる布陣範囲を広くとっております。

止まればリスクが上がるから。


距離は最大の防壁です。


佐藤、芝は本陣外。

定位置で銃を構えている。

最初からだが。


俺たち本隊が大神殿に侵入してからずっと。

安全化作戦区域最外周、まあ大神殿の中、出入り口側の真反対奥、で動かず。


柱を背に本陣側に向き直り、支援射撃準備。

二人は交互に大神殿外も視ている。

端っこにいるからね。


しかも大神殿という、開放型に近い構造物内。


端から外を狙いやすい。

だが真ん中からは狙いにくい、狙われにくい。

守りやすい造りだな。


神殿内が制圧済みなら、いざ戦闘になれば神殿内外対決になるわけで。


神殿出入り口は見通しが利くから、本隊が対応。

ほかの隙間は接近される前に外周を睨む佐藤、芝が応戦。


殺られなければ、だが。

歩哨潰しは国際連合軍も帝国軍にも常道。


明るい外をにらむ位置。


しかも隙間から外を覗いているのは、広角カメラのファイバーレンズだけ。

低視認性赤外線対策済みのプロテクターを纏う歩哨は見つかりにくい。


しかも身を晒していない。


どこに立っているかわからない歩哨が二人。

襲撃側が殺るなら可能ポイントを同時全攻撃。


外部監視可能な数十の開口部を、全部同時攻撃なんて、考える余地もない。


密殺されなければ歩哨は有効。

歩哨の役目は迎撃じゃなくて見張り。

本隊が襲われる前に警報を発すること。


それができれば歩哨の勝ち。


もちろんバイタル・チェッカーがあるから、兵が死ねば判る。

呼吸と脈拍が判るだけだけどね。

うちの娘たちが手脚首周りに付けているセンサーほどじゃない。


密殺出来るものならやってみるまえに気がつけ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・敵に教えてあげれば無駄な犠牲が省けます。

教えても信じるかな~。


そんな無駄をするなら、間口が広い出入り口を強襲すべきだ。

敵がいるなら助言してあげたい。


つまり佐藤も芝も、最初から勝っている。

仮想敵が強襲を選んだら、歩哨の二人は予備戦力。

遊兵にはならず、補強か予備。

反撃の切り札になる。


いずれにせよ、そこで生じる間を生かして、曹長が進退を決めるんだが。


俺はそれに従う。

子どもたちは俺に従う。

玉突きの間合いは、曹長がきちんととる。


部下たちも優先順位はわきまえているから、なお安心。


俺もまあ、曹長の動きにアタリをつけてるしね。

アタリだけだよ予想じゃない。

予想予測はじゃまだから。

予定じゃないしね。


心構えと心積もり。


心構えはいい。

単なる即応体勢。

心積もりはマズい。

単なる即応行動。


指揮官の判断命令にすぐに従えるのが心構え。

予定の行動にすぐに移れるのが心積もり。


お判りいただけただろうか?


作戦行動は心積もり。

戦闘行動は心構え。


従う者が心積もりに傾くと、現実がずれた場合に反応が遅れる。

心構えなら現実がどうあろうと、何にだって対応できる。


平時を前提とした組織なら、心積もりで十分。

有事を前提とした組織なら、心構えが必須。


自衛隊がどちらかなんて、言うまでもない。


だから俺は、心構えのみ。

余計なことは考えない。


部隊の指揮中枢である曹長。

俺の任務である子どもたち。

両方を、把握しておくだけ。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列先頭中央/青龍の貴族の手が届かない距離/一足飛びに届く距離/エルフっ娘】


あたしの耳には、無数の風が捉えられる。

だから、あたしにだけは、判る。


青龍の騎士たち。

青龍の騎士長。

青龍の貴族。


彼、あたしたちを包む青龍、その間に取り交わされる遣り取り。

それは彼、青龍の貴族、彼等、青龍の騎士たち、その肌で買わされる音。


剣も弓もない戦場。


あたしは油断なく構えながら、力を抜く。

消耗を抑え、感度を高める為に。


とても心強い。

何かが起こる、そう判っているのは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なにが起きる、とは解らないにせよ。



気を逸らすために思うこと。

彼、青龍の貴族、については、ダメ。

気が別世界にいっちゃうし。


あの娘、は、もっとダメ。

不安になって気が持たない。

ならまだ、彼の方がいいくらい。


謀主の彼に集中していれば、事が起きた瞬間に続ける

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遅れをとるけれど、それも彼の手の内。


あの娘の為に、あたしが為すべきこと。

彼が、あたしに求めること。

あたしが、彼とは別の視点から備える。


あたしが、彼とは別の位置から、はしる。

あの娘を彼が忘れることはない。

あたしは思うことは、あの娘ではなく此処のことでもなく、彼のこと。


あたし。

あたしたち。

あたしたちの世界

――――――――――たよりにしてくれて、いいからね。






【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿(改め建築楽器)内/中央に侵攻中/青龍の貴族】


もっとも今は演習だから、普段できないことも考えてみる。

部隊行動なんか俺に関係ないし。


俺たちが襲撃されたら?


即後退。

攻撃を受けたら踏みとどまったりしない。

ここまでは戦闘原則。


その先を曹長がどうするか。


射線射程がとりやすい出入り口付近、三本柱を即席陣地にするのかな。

階段下にランドクルーザーがいるしね。


大神殿の外側、安全化区域外は自動機械任せ。

追加情報も支援射撃も期待出来る。


期待だけ、ってのは兵隊さんの常識だが。

俺よりよっぽど信頼出来る、機械仕掛け。


いつものいつもの。


上から順に哨戒気球、偵察ユニット、自動機銃。

簡易陣地や退却路逃走路には困らない。

支援砲撃にミサイル空爆もあり。


ただ、支援は潤沢な代わりに増援は苦しいか。

第13集積地の人数は少ないからね。

整備・管制要員が大半で、戦闘部隊は一握り。


集積地外周を含む全体情勢がつかめてからでないと、投入は出来ない。

故に何かあったら、自前の戦力と周辺の自動機械だより。


だがまあ例外もある。

俺たちだけの頼れる味方。


頼りになりそうな友軍、ってか、義勇軍。

ボランティアおねいさんず。


今、命名。


異世界幼女童女少女たちを死守するために集まった、自主的な戦闘団って、指揮系統どーなってんのだろうかどーでもいいか。


大神殿外周にとりついている姿が素敵です。


膝射姿勢で内部を覗いておられる。

銃口がブレないのはたいしたもの。


たまに交代して常任線上、いや戦場を実現。

射線には見えないポインターが目に浮かぶ。

線上標的に合わせて微妙に動く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺ですかそうですか。


トリガーに指をかけるのはやめようマジ。


ミリタリー・マニアにツッコまれますよ?

撃たない時はトリガー・カードに指をかけましょう。


自衛官、しかも戦闘職なら必ず叩き込まれる。

常識常識、撃たない時は

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・撃たないよね?


俺は万が一、いや百が一、十


頭蓋骨の固さは鉄兜並みだって知ってた?


複数十字砲火なら、必ず一発は防げる。

跳弾を警戒してホローポイントを使っているだろう。

子どもたちに当たらないように。


なら、貫通はない。


跳弾警戒なら、撤甲弾で壁面床面にめり込ませる手もある。

硬い弾なら砕けないで破片にならず、かえって安全。

だが俺なら、石片による怪我を恐れる。


ちびっ子二人はもちろん、肢体だけ大人な娘たち。


怪我に耐性があるのはエルフっ娘くらい。

歴戦の剣士たるエルフっ娘にしても、これ以上経験させる気はない。

おねいさんずも、きっとスコープ越しにそう考える。


いけるな

――――――――――子どもたちは安全。


後は俺と彼女たち、個々タイマン。

神父がフラフラするから、射線も不定期に開閉。


射線を固定出来ねば撃ちにくかろう。

撃ちにくければ撃たない

――――――――――万が一にも標的以外に影響を与えないように。


時々、射手を交代するのは即応狙撃体勢を保持するため。


ツーマンセルかよ!!!!!!!!!!


腕がしびれる前にかな。

俺みたいな素人にはわからんが。





37.5度以上の熱が出ている方はおられますか~?

――――――――――はい、おめでとうございます。


あなたは流行りのコロナ・ウィルスに無縁です♪

アレで症状が出るのは稀です


熱が無い=コロナでは無い。


良かった良かった

……あ、インフルエンザですから、お気をつけて。


あなたと周りの方全員が命の危険にさらされています。

なお、変異が早いウィルス性疾患一般には特効薬はなく、免疫もあり得ませんので。

今年の感染者は730万オーバー(日本のみの集計/症状がでた人限定)のインフルエンザ。

昨年ピーク(1月)は1日50~60人が死んでます(日本のみの集計)。



お後がよろしいようで。




というわけで、寒暖差にもめげずにコロナ対策妨害に頑張ります!

スケジュール混乱の為に月曜日にまとめ読みが流行ってるのかもしれない本作。

皆様の御協力に改めてお礼申し上げます。


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