山吹色の「誠意」（「真心」でも可とする）。

さて。

襲う方ですか襲われる方ですか？

「襲う方だ」

前提も言い換えもなしに女に向かって放言しますかこんちくしょー。

「オマエに言わせれば『襲わせられている』というところか」

そーそ。

押し倒されるための工夫。

押し倒すための工夫。

男と女。

初めての共同作業です。

「酔ったフリとか認めんぞ」

お？

責任取らされるのは御免です？

「素面であることを完全に自覚させて人生で最高に鋭敏な感覚で人間として最も明晰な意識で事前事中事後を体験させないと面白くないだろーが俺が」

どんなドＳですか！！！！！！！！！！！

恥じらいとか躊躇いとか求められたいってところ無視かい！

「羞恥や良識や禁欲があるからこそ面白んじゃないか」

それって一生忘れようがないことになっちゃう気がするんですけれど実際にそうしてますよねだんちょーとかはつたいけんで４８て以上のカーマ・スートラ/アナンガ・ランガ/ラティラハスヤをフルコンプさせられただんちょーとか。

「いったいアイツはオマエに何を話してるんだ」

これから魔女っ娘ちゃんたちが遭遇するであろう未来予想図に付いて。

「しねーよ」

しないんかい！

「させるか！うちの娘たちにそーいう無茶はさせん！」

するのはアンタでしょーが！！！！！！！！！！！

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・オマエな」

かかってきなさーい！

「よーく考えろ」

いつも考えてますけど？

あの娘たちの恋をどうやって成就させるか♪

その後のだんちょー込みのバトルロイヤルについて。

成就した刻、その瞬間からデスマッチ！

頂点は一つ！

たいちょーは一人！

勝者は独り！

「小学生を思い浮かべろ」

ほい。

「欲情するか？」

するわけないでしょー。

たいちょーじゃないんですから。

「なんでだ！！！！！！！！！！！！！！」

だいじょーぶいけますいけますいかせます。

愛はどんな障害も打ち砕くんですよ？

【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央に侵攻中/青龍の貴族】

響く歌声、風の声、街や潮騒は伴奏かな。

俺は大神殿の大広間、的な場所の、ど真ん中へ。

いや、この祝詞が一番好く響く場所は、どこかな～ってね。

老後に住み着くまで我慢する、そんな馬鹿ではないのだよ。

中央ならそれでよし。

中央を起点にうろちょろして探るのもよし。

ドッグタグの記録から音を落として末永く楽しもう。

足りん。

環境音楽に手を加えた自動演奏。

とは言え、いや、だからこそバリエーションが多い。

コレクター魂を燃え立たせるね。

半野外だけに、季節や天気や湿度や気温によって奏でられる歌曲が違うだろう。

完全な音を収集するには、さて、どうするべきか。

やはり第１３集積地勤務の女性自衛官を、口説かないといかん。

ＵＮＥＳＣＯ調査団＆執行部隊は危ないからパス。

音楽の話から口説いて、口説いてから音楽の話に持って行き、延々とつながる好循環。

俺たちの観光、いやここでの滞在作戦期間は数日間だけ。

これで大神殿の、演奏合唱すべてを集めきるのは無理がある。

ましてや数十人いる女性自衛官を一人残らず口説き切れる訳がない。

現実的にいこう。

今日は此処、大神殿の音源が好みだって確認できた。

俺たちの回りを遠巻きに狙う女性自衛官のスペックも判った。

彼女たちにアピールしつつ、一番楽しめるようにアタリを付けよう。

感触的な好みがあるから、公開データだけじゃ判らんのだよ。

オーディオに詳しいわけではないが。

一番いい場所ってあるものですよホント。

ここ大神殿で昼御飯ってのもあり。

半開放式で、陽射しと風が豊富ながら景色は見えない、っていうのがもうね。

読書と音楽は食事に合います。

映像と食事は取り合わせが悪い。

酒と飯などもってのほかです。

俺調べ。

音だけを楽しむ。

音と食事を楽しむ。

音と本を楽しむ。

場所のアタリが付けば、後はお任せ。

第十三集積地勤務の女性自衛官多数。

何人か口説けば録音録画は頼めるだろう。

録音録画を絡めて下心も隠蔽できる。

細工は流流仕上げを御覧じろ。

音も女もあとからあとから。

子守を終えないと寄り道できないしね。

子守しないと子供が死ぬし、女がいないと俺が死ぬ。

では。

女に音楽。

そういったついでも兼ねて、食事会。

頼むぞ魔女っ娘。

調理器具は階段下のランドクルーザーの荷台。

だが、まあ、携帯用だからなんとかなる。

良く鍛えた陸上自衛隊隊員に運べぬ荷物はない

――――――――――俺は鍛えてないから頼んだぞ。

作るのはキミで運ぶのは君らで食べるのは俺も。

部下一同は給与と魔女っ娘料理が振る舞われるから良いとして

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔女っ娘には、なにをあげようか。

妖精さん妖精さん。

魔女っ娘が嬉しいのは何ですか？

【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列中央/青龍の貴族の前の前の前の前/魔女っ娘】

この歌、歌らしいのですが、わたしには曲にしか聴こえません。

古い古い言葉、わたしたちが忘れた言葉、ご主人様にしか解らない言葉。

お父様に教わった言葉には、当てはまりません。

ならばこの街ができる前、遙か遙か前の言葉。

わたしたちの世界なのに、わたしが伝えてさいあげられないって。

うぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不面目です。

ご主人様がせっかく、べつのところからいらしてくださったのに。

ただ、この旋律は、体に馴染みます。

ご主人様に侵され溶けた肢体が、旋律に整えられる

――――――――――感じがします。

きっとまた、いえもう、ふたたび、ご主人様に浸されている途中ですけれど。

わたし。

わたしたち。

わたしたちの世界。

みんなみんな。

ご主人様のご意思で好きになれました。

だからご主人様。

わたしが好きになれた世界を

――――――――――――――――――――もっと楽しんでくださいますか？

【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央に侵攻中/青龍の貴族】

贈り物。

それはとても難しい。

俺は得意だが。

とはいえプレゼント一つで文化人類学の一分野を築ける程度には、重要なジャンル。

第２２１話＜幕間：贈与論/Systematic love.＞より

ゆめゆめおろそかにする勿れ。

例えば。

プロフェッショナルの女に現金以外を贈るのは間違っている。

勘違いしてんじゃねーって話。

ひくわーひくわー。

ノンプロかセミプロに現金を贈るのは間違いすぎて取り返しが大変。

勘違いさせてんじゃねーって話。

怒る怒るスンマセン。

贈るのは大きく分けて二つ。

物か時間。

いつだって人間は、この二択の中で生きている。

現金は物。

つまり価値で言えば物で済ませるのがもっとも軽い。

物で済んでいるうちはそれで済ませたいところ。

現金以外で言えば、下記条件に留意。

個別性。

保存性。

可処分。

俺だ俺だとアピール。

勝手に無くなるようじゃ困る。

いつまでも残られると大変だしな。

俺はオリジナル・アクセサリーを使うね。

はっきりわかる識別力。

棄てない限り無くならない。

潰して売れば、現金化。

お察しの通り値段は材料貴金属の質量価格、プラス、僅かなデザイン作業料。

美術大関係で彫金鍛金鋳金ができる人間とは仲良くしておいた方が良い。

金の手配から最後は鋳つぶして再生するまで一人で全部やってくれます。

当人にとっても小金稼ぎと腕試しができて互いにとってもリーズナブル。

俺が紹介したプロフェッショナルな女たちにも大人気。

ブランド物と違って完全な一点もの

・・・・・・・・・・・・・・に見える。

同じものは幾らでも造れるけどな。

けっこう贈る方も贈られる方も気が付かんのよ。

デザインがどーとか理屈を付ければ、イニシャルを入れないで済むし。

職人っぽい人の言い分はだいたい通ります。

中心的な顧客の数なんて、指の数位だしね。

指輪やイヤリング、ネックレス、他装身具を分けるだけ。

いつもあなたに贈られたものを身に付けてますごっこが簡単にできる。

棄てる時、逃げる時。

金銀貴金属は宝石と違って、質量イコール価格。

誤魔化す方法はあるが、誤魔化しにくい。

そこは付き合いがあると安心。

経験値稼ぎを兼ねれば手間賃も格安ＯＫ。

ホストホステスナンパ師キャバ嬢に限らず便利便利。

まあ作り手が女だから、男の利用者は俺が仲介してるが。

んが。

子どもに、この手は使えない。

子どもは時間がかかるのだよ。

例えば俺が曹長の家族、娘さんの機嫌を取るとき。

アクセサリーは使っているが、汎用性が高いデザインを選んでいる。

使いまわしたり、家族や友達に譲れるようにね。

まあ親密になる必要はないんだから、それでいいともいえる。

元々前線戦闘職ではない、俺。

急遽手配されたベテラン曹長。

突然挨拶された曹長の御家族。

しかもオンラインでのご挨拶とくれば、あちらさんも驚いたであろう。

俺は三佐に合わせて部署ごと異世界大陸に来てたからね。

国際連合軍の侵攻準備、侵攻開始、侵攻中に同期して職場が移動。

前線停滞と同時に軍政官に仕立て上げられ、曹長他対面。

一人一人の経歴技能なんか、どうでもいい。

人間、とりわけ戦闘職のカタログスペックなんかわからん。

兵器備品他のリアルスペックを割り出す方法なら知ってるけどね。

専門職がチェックして配置してるんだから、お任せお任せ。

素人が口を出すより、マニュアル専門馬鹿の方がマシ。

それでも下士官が肝になるのはよくわかる。

軍隊、いや、自衛隊っていう官僚組織で唯一実力で決まる役目。

組織で一番安全牌が多い、そりゃ皆が頼る。

だから俺も頼ったわけで、頼り続けるわけで、第一印象前から決めてました。

顔合わせ一時間前に、家族構成や家族の経歴身上データをチェック。

顔合わせ五分前には曹長の御家族ご両親三親等以内への挨拶状発送。

顔合わせ一時間後に、御家族一人一人への粗品が三日後着で手配済。

何でも書きたがる暇人なら、ＳＮＳで反応も簡単に読める、文字通り。

曹長の奥さんより娘さんの方が読みやすいのは、一般的だろう。

娘さんの反応から、お母さん、奥さんの反応も読み取れるのも類型的。

いったんパターンを掴めば、ずっと観察する必要もないってところまで普通。

俺は自分の情報を垂れ流す趣味は無いが、まき散らされてるものは謹んで利用する。

曹長(せいめいせん)は、俺の生命線である。

かくして曹長(せいめいせん)を維持する。

曹長(せいめいせん)の御家族(せいめいせん)は俺の生命線。

みんなで帰ろうニッポンへ！

というような作戦は成功している。

が、それは副次的な効果に過ぎない。

だから、物で済ませられるわけで。

派遣中で時間を取れないからこそ代替手段。

特に親しいわけでもなく、親しくなる必要もない。

せいぜい結婚式に読んでもらえるかな、程度の関係だからアリ。

魔女っ娘、とりわけ親しい子を相手にする時は、物で済ませるわけがない。

ならば時間、あるいは手間、それか両方を費やすべきだろう。