幕間:フェミニズム/tasting.
【用語】
『マーティン・チャールズ・スコセッシ』
:映画監督。イタリア系カトリック。元神学生でカトリック教理を基盤にした作品で知られる。多作な監督でヒットも多く、まったくの娯楽作品の中にも否定であれ肯定であれ葛藤であれ信仰の要素が外れない。ナザレのイエスを人間として描いた「最後の誘惑」が敬虔な信徒の間で大炎上したのはむべなるかな。ただしバチカンに隠れファンが多く、出禁はならないのも「やっぱりね」というところか。枢機卿(元枢機卿の法王)や大司教ほど「人は神にあらず」という主題に共感する立場にある人間はいないですからねぇ。
「女」であることに意味付けがない。
異世界ではね。
キリスト教がないから、女に価値が無い。
男と同じくらいに、女にも価値が無い。
「人間は、すべて等しく、価値が無い」
これ。
正しく、平等。
映画のパロディじゃないわよ?
宗教の立脚点。
無より来たりて有に至らん。
これでも私、キリスト教徒なんだけど?
だから科学的に考えられるの。
科学は信仰だってば!
信仰と科学は同じ、っていっても、理解しない輩が多いけど。
「科学とは神ならぬ我々が神を窺う道のりである」
――――――――――アイザック・ニュートン――――――――――
ってね。
私たち信徒は神の意志を知ることはできない。
知ろうとするだけ。
私たち信徒は神の行いを為すことは出来ない。
真似ることだけ。
私たち信徒は神として在ることは出来ない。
だから工夫するの。
それは人の技。
教義とも信仰とも無関係。
それでいいのよ。
例えば「処女信仰」であって「童貞信仰」ではない理由。
性を管理するために、市場原理、つまり数ではなく、教団が価値を偽造した。
※詳細は第476話<幕間:性夜の軌跡>
性を支配下にする。
信徒を支配下にする。
教会が信徒を支配する。
その為に造られた考え方。
「処女信仰」
「童貞信仰」
必要なのは不均衡の捏造。
ならば片方を選ばなくてはならない。
なら「童貞信仰」でもかまわない。
なら「処女信仰」でもおなじこと。
ならなぜ「処女信仰」の方が選ばれたか。
女の価値を高め、女をツールにしたのはなぜ?
単なる偶然?
――――――――――有り得る。
たまたまはずみで勢いで、理由なんかない。
世界に意志など無い。
宇宙に必然など無い。
万物に運命など無い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・科学的よね。
単なる合理性?
――――――――――悪くない。
女を、女だけをツールにすればリスクとコストを減らせる。
女は男より早く成熟する。
性、性衝動を管理するなら、女から先にしないと逸脱する。
片方だけ支配すれば、残りは流される。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合理的よね。
単なる打算?
――――――――――私はこれを推すわ。
とある宗教、共通教祖。
それが一人だったのか指導部の名称か。
それすら、議論の余地があるけれど。
その周りには、女が多い
たくさんのマリア。
キリストに妻がいた、女がいた。
そんな説は普通にあるわよ。
スコセッシだけじゃない。
処女マリア、聖母信仰自体が誤訳で生まれたわけだし。
ヘブライ語、ギリシャ語、ラテン語。
翻訳再翻訳再々翻訳拡散の過程で「若い女」が「処女」に読み替えられたっていう。
単語としては同じ単語だったからよ。
チョイスが趣味を反映してるけど、女だけで救世主を造りたかったわけ。
それが広く知られている上に、説得力がある
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だーかーら、殺されるので、言わない方が良いけれど。
ローマ時代に隠れた、数百年にわたる、弱小カルト。
当ての無き雌伏の時代。
世界宗教となるなんて、誰も思ってなかったでしょう。
それが社会の有閑階層に支えられたのは間違いない。
富裕層の女たち。
それは今でもカルトの基礎基盤。
あるいは指導部。
あるいはブレーン。
あるいは管理役。
処女を崇めるか。
童貞を崇めるか。
どちらでも良いことなら、彼女たちの趣味嗜好、都合が反映されてもおかしくはない。
それが偶発的であっても、そこに一定の合理性があれば、定着して教理となる。
そうね。
「教義」は神の御業、「教理」は信仰の在り方。
「目的」と「手段」と考えればいいわ。
つまりは教理として有効であればどちらでもよかったから
「女が女を讃えただけ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんなものじゃない?
この構造は、我々の問題に裏返るわ。
我々人類の優先研究課題。
多世界家族計画。
両者を併存させるのならば、どのように作用し合うのか。
偶然ではあるけれど「情動の結合」には成功した。
あとはより関係を深めていけばいい。
精神的にも肉体的にも、あるいはその両面でもね
って、両者は区分けできやしないけど、便宜上。
ただ今みごとに足踏み中。
時間がかかるのは仕方がない。
でも空転するのはいただけない。
なぜ?
地球側が動かないのは、まあ判る。
不合理であれ何であれ、禁忌が多いから。
それが「どのように変容するのか?」自体が実験。
なら?
異世界では「処女信仰」も「童貞信仰」も無い。
ならばこそ、女を縛る禁忌もない。
足踏みする理由もない。
だから。
地球ローカルな発想で、男が襲いに行かない。
そんな事情は異世界側の知ったことじゃない。
本来であればあの娘たちから押し倒しにいくところだけど
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すっかり受け身になっているわね、あの娘たち。
まあ判りやすいこと
――――――――――「女」であることに意味が無い世界。
故にこそ。
二律背反が成立。
成立したらパラドックスじゃない?
成立するからパラドックスなの!
つ・ま・り。
愛とは「与える」こと。
Eros,Philia,Agape,Storge,
同じ同じ。
キリスト教的?
さあ困った!
あの娘達には与える物が無い。
女の肢体に価値が無い世界だもの。
自分にリボンをかけてプレゼント!
・・・・・・・・・・・・・・・・って訳にはいかない。
逆にそれ。
あの子たちは欲しがるほう。
与えられても与えられても。
欲しくて欲しくてたまらない。
「愛」とは執着。
百と八つは上げられないけど、煩悩。
一緒にいたい、肢体を交えたい、求められたい、想われたい。
仏教的?
さあ困った!
あの娘たちは諦められない。
男女が求めることへの禁忌が無い世界だもの。
だから。
女が男を、男が女を、ただただ欲しがって何が悪い!
・・・・・・・・・・・・・・・・って訳にはいかない。
難しく考えてるわけじゃないわよ。
これ。
古典的命題としての二律背反。
「愛している」ことで必然的におこること。
つまり。
愛してるから与えたい。
愛しているから求めたい。
よって。
与えられないから、求められない。
与えてくれる側から、求めてくれない。
なので。
求めたくても、求められない。
与えたいのに、与えられない。
彼の方は、彼女たちに与え続けてるのにね。
安全。
居場所。
尊厳。
力づくで、与え続けて、無理強いする。
何も言わずとも助けるし。
誰かを助けたいと思えば言わせるし。
言わせたことは叶えるし。
与えている側にその自覚が無いから、一方通行。
そりゃまあ、彼からすれば子ども相手だしね。
与えられて当然の相手に与えてるだけ。
しかも職権拡大解釈で、自分の腹は痛まない。
何かしている自覚さえない。
「女」
いいえ、
「人」
の立場からすれば、看過し得ない堪えられない。
嬉しいこと。
愉しいこと。
幸せないこと。
与えらることそのものが暴力になる。
※文化論的詳細は第221話<幕間:贈与論/Systematic love.>
だから返礼が必要。
好意を受け続ける為に、お返しをしなくてはならない。
出来ないのに相手との関係を絶つことが出来ないから。
彼の「側にいる」っていうだけで追い詰められていく。
どうかしら?
あの娘たちには与える物がある?
地位や権力、財貨が無意味な相手に?
ある。
客観的にはね。
女であること自体は無意味でも、美しさ可愛らしさは普遍だし、あの娘たちのレベルなら、とっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ても貴重。
可愛いだけで、十分以上。
綺麗で美しければ、他に何必要ない。
容姿の美しさは科学的に言えば、生物としての優秀性の証。
文化的なバイアスがかからないので、時代や地理を超えた普遍的価値がある。
もちろん人類型生物の間であれば、多世界共通。
それを自覚できさえすれば。
自分が「特別」なんだと実感するには比較が必要。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・世界とは、個の知覚できる範囲。
超絶的な美貌を誇るエルフ。
――――――――――生体として完全無欠であるがゆえに。
最も近い可憐さを持つハーフエルフ。
――――――――――不老という核心の特質を得るがゆえに。
唯人でありながら互角に並ぶ幼女と童女。
――――――――――幾代を経た種の血統改良の終着点ゆえに。
特別がそろえば、平凡が輝くわけではないけれど、非凡が出発点でしかなく。
そろいもそろって、稀少価値をもつ容姿。
周りを見回せば、みなそれぞれに魅力的。
それがそろってしまえば、団栗の背比べ。
主観的にはね。
そう。
見回す限り、美少女美童女美幼女ばかり。
美貌の希少性に気がつけない環境。
アドバンテージに感じない、から使わない、から無いのと同じ。
与えられ続けているがゆえに、相手が欲しいと言い出せない、絶対に。
奪われない限り、奪われる価値があるとは気が付かない。
ほしくてほしくてジタバタする。
あげたくてあげたくてウロウロする。
なのに男は、ただただ与えて甘やかす。
あげたくてあげたくてなにもない。
ほしくてほしくてたまらない。
ただ独りで男と対していれば、自分にリボンをかけようと想えたでしょうねぇ。
以上。
現状まとめ。
特別な状況ではないわ。
破局する関係ではありがちでしょう?
不均衡な関係が続くわけがない。
二律背反なんて人間関係の基本。
主観を超えた客観なんて無意味。
だからどーした。
それで終らせは、しませんわ。
地球人類が、付いていますもの。
衆参両院、法務委員会だって報告を待ってます。
法文になる前の前提条件、男女関係の基本構造。
地球人と異世界人、相似と類似に相違の洗出し。
行き着くところまで行かせないと、何が起こるかわからない。
解ってしまえばどうにでもなる。
臨界反応、それ一つ判れば原爆水爆から中性子爆弾だって造れるように。
元素ひとつから宇宙まで、過去の果てから未来の彼方まで、叶わぬことなどない。
今すぐにでも、百万年後にでも、何の違いもありません。
いずれ叶うことなのだから。
人類の手が届かないモノなど、モノでないものなど無い。
だから私達が招かれたのでしょうねぇ。
後悔してないかしら。
ともあれ。
被検体の意識改造は進んでいます。
自然に、偶然に、無理なく。
け・い・か・く・どおり♪
まあ、いささか遅きに逸した感はありますけれど。
作為を許さず変数を抑えるというなら仕方がないですね。
あの娘たちがどこまで持つのか愉しみ、ではなくて。
それも自然に、偶然に、無理なく、了解済。
どれだけ時をかけられるか。
でもまあ、想いを遂げさせてあげようじゃありませんか。
不憫な娘たち。
地球人類の代理人が、恋心を護るわけがない。
襲われる前に襲わないといいけれど
―――――――――――――――――――――――――――――――――あら?
―――――――――――悪い貌――――――――――
舌で転がすような味わい方、ですわね。
少佐殿。
治す気が無い病気は治せません。
科学は万能ですけれど。
「自粛」の張り紙が「テナント募集」に切り替わっていた件。
暖かい春の日差し。
汗ばむ陽気に春風が心地よく、お散歩日和です。
こんな季節はぜひ遠出したいもの。
っていうか、してます。
マスクをしている奇天烈な方々にはお気の毒なことで。
それでも時に暑くなるのですが、先述の張り紙を見ると寒くなりますね。
「自粛」の張り紙が色あせてはがれかかっていたりするのも見えたり。
ちゃんと手続したからテナント募集がかかるんですよね。
誰がこの時期応じるのかって話もありますが。
さて、いくつの店が戻ってくるのやら。
コロナのせいにしていればいいってもんじゃねーぞ。
あんなショボい病気が社会に影響する訳もなく。
なにもかも自粛/緊急/非常事態宣言のせい。
さてさて毎日、不要不急の外出中。
後世の嘲笑を少しでもかわすため。
身をもって馬鹿に対抗いたしましょう。
「大勢の同胞を死に追いやった、あの時代に生きてたんだよね」
って軽蔑されるのは防げないですけど。
まあナチス時代のドイツ人と同じ。
「私はユダヤ人に石を投げなかった」
と言っても余計馬鹿にされる。
「じゃあ石を投げるのを止めなかったんだよね」
と。
まったく寒い時代とおもわれませんか。
自業自得ですねそうですね。
早く更新を通常スケジュールに戻したいもの。
出来るだけ努力いたしますが、まだまだ乱れは続きそうです。




