家族/Ｃｌａｎ．
【登場人物/三人称】
地球側呼称《神父》
現地側呼称《道化》
？歳/男性
：合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父で解放の神学を奉じる異端寄り聖職者。野戦戦闘服か制服にサングラス。ときどき咥えるコーンパイプや葉巻はネタ。異世界住民に接触する国連軍関係者は、地球産化学物質の影響を与えないために皆非喫煙者。
『Ｃｏｌｏｒｆｕｌ』：奴隷商人に造られたハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。髪の色がいろいろなため、神父が全員あわせて「Ｃｏｌｏｒｆｕｌ」と命名。一人一人の名前は髪の色に合わせて白・朱・翠・蒼・橙と主人公が名づけた。異世界では用途別の奴隷を出産から教育まで一貫して生産する奴隷牧場がある。前領主（帝国太守）が奴隷商人に発注し、引渡し前に戦争開始。占領軍の太守資産接収に伴い軍政司令官に引き渡された。軍属として雇用契約を結んでいるので日本の労働法が適用される
性格
一番不器用で耳が短い、橙。
その橙をフォローすることが多い、碧。
一番背が高くシスターズと一番話す、翠。
事あると真っ先に前に出てくる、朱。
一番胸が大きくおっとりしている、白。
「どうしてこうなった」？
そりゃそーでしょうよ。
何も求めずに与え続ければそうなりますよ。
ならないと何故思った。
札束で生き埋めにするよーな真似しつづけてタダで済むとでも？
愛せば愛されるもんです。
愛されないのは愛さないから。
愛そうとして愛せる訳ないでしょ。
例外なんかないから、判りやすいですよね。
――――――――――Ｄｒ．（博士号持ってるんですよ？）マメシバ。
勝手に押しかけて開始される恋愛カウンセリング中、紅茶の香りを吸いながらつぶやいたこと。
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央に侵攻中/青龍の貴族】
お父さんポジションが俺。
お母さんポジションが、魔女っ娘（１０歳）。
お姉さんポジションがエルフっ娘（外見１７歳）＆お嬢（１２歳）。
１５歳Ｃｏｌｏｒｆｕｌが末っ子五つ子か。
そして今朝。
そんな心配な娘たちの采配をして出撃準備。
その間、２時間。
いろいろしながらの、二時間。
先述三点以外。
第十三集積地司令部に参謀旅行の許可を取り。
顔を洗ったりエルフっ娘を慰めたり閲兵したり。
出撃前の試射訓練させてから魔女っ娘を説教したり。
移動中は収容、いや集積されている異世界住民の皆々様に尊い犠牲を出しつつ、子どもたちとおしくらまんじゅうしながら教育上の配慮に満ちた隠ぺい作業を間断なく執行し、駐留軍からの支援砲撃督促を断固遠慮しつつ、やっと到着。
一体俺にいつ下調べをする時間があったのかという話である。
まあもともと太守領を出る前に観光スポットはチェック済みであった。
港街の商人たちとの打ち合わせ、黒旗団との調整があったからチェックだけ。
何時でも調べられるように目星を付けるだけしかできなかったけどね。
もちろん自分で調べるような効率の悪いことは考えないのだが。
人に聞く。
人に尋ねる。
人で試す。
これこそインターネット。
ジャンクデータの中を溺れるな。
ググる前にアタリを付けろ。
そも検索サイトは仕掛けの宝庫。
有益な情報が得られるなんて期待しちゃいけません。
特定検索をできないようにしたり。
検索順位を操作したり。
検索履歴を抽出分析、誘導したり。
異世界転移で検索サイト本社が消えたから、しばらくは大丈夫だろう。
国際連合が引き継ぐまでは。
ＮＳＡのスタッフと、検索サイト大手は重なってるからな。
システムは単純、手遅れか。
ＳＮＳや検索サイトに登録すると、検索履歴を抽出されて、それがＮＳＡに提出されるっていう、まあ、都市伝説ならよかったね、な立証済み事実。
もちろんそれは内部告発され合衆国議会で大問題になり厳重な処罰を受けましたよ、内部告発した人が。
でまあ相変わらず大手ＩＴ企業とＮＳＡ他の電子戦担当は互いの領域で人材交流を繰り返すっていう、ね。
※ＮＳＡと検索監視システムの関係は第１１９話＜Ｕｎｉｔｅｄ Ｎａｔｉｏｎｓ ｉｓ Ｗａｔｃｈｉｎｇ Ｙｏｕ！＞参照
まあ正直、それほど実害があったとは思えない。
ＩＴ技術の概念すらわからないパラノイア系軍人が管理。
ＩＴ技術が判らないから妄想できるファンタジー系議員が後援。
ＩＴ技術の操作だけしかわからないオタク系技術者が迷走。
いつものごとく目的と手段が転倒し、意味のないジャンクデータを税金を浪費してため込み続ける、っていう謎コレクターが生まれただけ。
アリがちな展開。
とはいえそれは、あくまでも異世界転移前の話。
以後は拘留すべき、いや交流するＩＴ企業本社が地球の彼方に行っている。
むしろ拘留で済ませてはならないが、幽世行き。
今頃、世紀末救世主伝説と化したカリフォルニアで吊るされているであろう。
※詳細は第４５話＜世界の外の日本（地球人類終了のお知らせ/死因：肝不全）＞より
よって俺が観てる異世界観光情報まで国際連合の魔の手は伸びていないだろう、大丈夫、たぶん。
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列中央/青龍の貴族の前の前の前の前/魔女っ娘】
わたしは少し、後ろを窺います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり。
こんなに離れたのは初めて。
いつもいつも、ご主人様と一緒ですからね。
今も一緒ですけれど。
間に人、ねえ様以外が入る距離、です。
なんででしょうか。
不思議、不思議不思議、不思議不思議不思議。
想像もできないことをしています。
でも、おかしくなりません。
――――――――――ご主人様が視てる♪――――――――――
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央に侵攻中/青龍の貴族】
俺の見るところ、いや、聴くところ。
魔女っ娘は音に反応しているな。
間違いない。
となれば、知ったかぶりのネタはそこ。
スクロールスクロール。
しかしスゴイなこの床面。
舗装路よりも真っ平ら。
ネット読みながら歩いてるのに、足場が凄く超安定。
帝国が管理させてる街道、そこに直結する街内大通り。
これは綺麗に舗装されている。
砕いた人骨で。
細かな砂で。
揃った小石で。
限度はあるにしても、それなりに整っている。
あそこでさえ、脚を取られるくらいには凸凹だけど。
そりゃまあ馬車が支障なく全力疾走できること、って基準だから。
それでさえ、まあ、もちろん少数派。
異世界の普通は未舗装、泥道草道砂道。
石畳や煉瓦舗装なんかもあるが、アスファルトとは違う
アスファルトだって、けっこう凹凸あるけどな。
聖都だって街の道はそんなもんだ。
別に帝国が壊したせいじゃないだろう。
聖都解体作業の為に、最重要なのは道路だからね。
作業員や機器を搬入し、瓦礫や回収資材を搬出する。
よって道は守るわけで、帝国はその辺、ブレない。
インフラを重視するのは世界帝国共通原則。
よって今、帝国管理下の聖都、その道なり。
これは往時のそれと遜色ないか、向上した。
はず。
だが、そんなレベルの話しじゃない。
大神殿、の中。
俺たちが今、歩いている場所。
磨き上げた床面に、むしろ時々キズがある。
んが、すっごく平面、水平線。
瑕がむしろ浮いている。
ここだけは、たぶん戦闘による損壊だ。
だって漆喰で平らにならされてる。
帝国が補修したんだろう。
解体作業の為に。
だから俺は、理想的な歩き読みができる訳。
日常で文庫本を嗜み音楽を聴きつつ周辺の女をチェックしてるからね
人混みでダッシュスマホ出来ないわけがない。
そんなそこだけ軍人の鏡な俺に、大神殿の舗装床面で資料読込は児戯に及ばず。
歩きスマホよりなお悪いって？
走りスマホが出来ない軟弱者は、陸上自衛隊には無用。
網膜投影は極端にせよ、眼の前の戦闘指揮をしながら俯瞰した戦術情報を見る。
それが映るのは眼の中か、バイザーの内側か、指揮装置の画面かしらんが。
歩きスマホが出来ないよ―な脱落者は駅のホームでフライ・ハイ！
それは軍隊の常識です。
それで戦車に轢かれるってんなら、轢かれてしまえ。
そんな奴は事務職送り。
俺か？
人混みダッシュスマホができるから最前線に送られたんか！！
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列中央/青龍の貴族の前の前の前の前/魔女っ娘】
なるほどです。
わたしはわかりました。
手が届かない。
ご主人様の手の範囲から外れている。
それでも正気でいられます。
思ったより、わたしは強くなれたみたい。
貴男が命じてくださる、それが感じられる。
ご主人様の。
お望みだから、ですね。
その時、貴男がたべたい味付けが判る。
そう考えたら、ご意思が解っても不思議なことは無い、です。
今は？
貴男が、魅せたいものを観るために。
青龍が手入れた世界。
青龍が奪い取った世界。
青龍が支配する世界。
大神殿。
聖都。
海。
空。
わたしたちが何も知らずに過ごしていた世界。
それを観ろと命じてくださる。
青龍の貴族である、ご主人様が。
わたし、たちに。
あらぬ期待を、してしまいますけど。
許していただける、だけですか。
叶えて、くださいますか。
【国際連合統治軍第１３集積地/聖都市内/中央/大神殿（改め建築楽器）内/中央に侵攻中/青龍の貴族】
無意識に部隊長としての責務を果たす。
意識は添乗員よろしくガイドの準備。
ネットの海をピンポイントセーリング。
波は掻き分けるもので乗るものじゃありません。
そこには極めて実用的なサイトがあるという。
異世界転移からまだ半年たってないのに。
これってもう、ガイドブックじゃね。
非常に有名な何かに似ているような。
る○ぶ？
○るぶ？
るる○？
おすすめ観光スポット、って、おい。
しかもここ、聖都。
趣味のサイトでこれはすごい。
そんなに暇なのか我が同胞日本人たち。
しかもデザインとイラストがどーみても写実性を無視してまるっこくデフォルメされたアイコンってーかキャラクターで男性向けと女性向けに分かれてしかも解説文のテンションがおかしいてっいうね。
そんなにあれなのか我が同胞日本人たち。
サイトを開くと画像が凄いんですが。
しかも音声付きアニメ幼女動画。
『そんなのおかしいＹＯ！』
おかしいのはおまえだ！！
何のサイトを紹介しやがった！！
バチカン市国に送って火炙りにすっぞ神父！！
なお異世界転移後のバチカン市国は東京都千代田区三番町９－２にあります。
元大使館なのはお約束。
大使は大司教さんです。
つまり枢機卿ではなかったのでコンクラーベ未参加。
コンクラーヴェじゃないからご注意を。
法王候補が枢機卿って規定はないけどね。
選ぶのが枢機卿だからなんとなく互選。
『ＭＥ？』
じゃねー！
枢機卿の顔なんか知らんけど。
俺は声に無反応を装う。
枢機卿でないと断言はできないが法王ではない。
異世界転移後の法王の顔くらい知っている。
ちゃんと列島在住の枢機卿だけでコンクラーベ。
国際連合決議、異世界文化不干渉原則審議にはバチカン市国も参加。
異世界転移前、あらゆる国際連合決議に棄権している。
バチカン市国は政治的な中立を原則にしているからだ。
が、この時ばかりは宗教的中立のためとして賛成した。
キリスト教徒、しかもカトリックが絶対少数派になった異世界転移後。
最大の非日本勢力は、プロテスタント合衆国。
日本の宗教人口では絶対少数派。
知名度と権威だけが拠所。
『ＨＡＨＡＨＡ！ロングロングローリング！』
いやあのな。
ながいものにはなんとやら、ってのは意地悪すぎる。
一歩間違えば瞬殺される。
危険を即断即応。
オスマン・トコ帝国内のキリスト教聖職者たちだって、皇帝とすぐ手を組んだ。
イスラム教指導者の皇帝が、命と信仰以外はすべて奪う方針だから。
それだけは残してくれたから、それで十分だった。
信徒はともかく、信仰を守るとはそういうこと。
『Ａｈ～Ｎｏ～生きて虜囚の辱めを受けず！』
らしいけどな～。
意味はな～。
オマエ日本人だろ。
さっきからＰｔｏＰで騒ぎ始めた神父の声。
っていうか、うちの神父の正式な職位なんか知らねーよ。
俺にしか聞こえないが戦闘作戦中に付き、通信遮断はしない。
戦闘単位の中にいる以上、パージするのは自殺行為だからな畜生。
神父、通称、こいつはカトリック異端、解放の神学派閥。
ＡＫを持った聖職者、赤いキリスト教徒なんて呼ばれる。
現世救済こそ神の意思として反政府戦闘に勤しむ聖職者。
宗教はアヘンと喝破する共産主義者とカトリックは天敵、かといえばそんなこともない。
そもそも阿片に否定批判の意味が付いたのは第二次世界大戦後。
共産主義の絶頂期もその頃からだが、成立期には阿片と酒は同じ意味。
コカインが主食だった名探偵だってロンドンにいたくらいだし。
神父の経歴を聴いたときは、戦闘時にあてにできる、としか思わなかったが。
ある意味で役に立っているとは言えるが、このガイドブック？
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内容はまともだな。
えーまた更新が遅れてしまいました。
しょぼい風邪が話題の今日この頃。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
天気が良いから散歩に最適ですね。
そんなさわやかなお散歩中「三密」とやらを知る羽目になりました。
めーわく。
いえ、視界に映ったり小耳にはさんだりしたことはあるんですが。
ノイズと目障りですね。
もちろん、調べたことなんかありません。
馬鹿の鳴き声なんか、どーでもいいです。
渋谷の真ん中大画面で聴かされる羽目になるとは！
都知事。
あの虫けら。
まったく。
自覚して自分で始末できないから虫けらなんですが。
で、三密ですが。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ググレカス。
接触飛沫空気霧状感染全部ごちゃまぜですかそうですか。
感染症って概念が理解できないんですね。
厚生労働省ですから仕方がないですが。
採用条件がロボトミー手術とは。
三歳児以上の認知力を持つ日本官僚を見付けたらご一報ください。
ツチノコの方が探しやすいですかそうですか。
しかし。
空気感染に換気って、何したいんでしょうか？
病因を周囲にまき散らすだけですが。
機密性を高めて汚染を特定し、封じ込めるべきなのに。
化学物質と違って病因は体内で増殖しますから、密度を下げても意味がない。
密閉されたビルの中で換気する阿呆を知っていますが。
もしも万が一、空気感染すや霧状感染の可能性がある疫病（最低でも１千万人以上の感染発症者が出るレベル）が流行したら、ぜったいに換気はなさらないように。
部屋を密閉して、感染者であろうが無かろうが開いてはいけません。
その程度は「考えれば」わかることなんですが
……あれですね。
無人のエリアが多い、人口密度が低い国のマニュアルを丸写ししたんでしょう。
字面だけ追って読んでない。
原子力災害のマニュアルが核攻撃対処マニュアル流用みたいな話で。
カット＆ペーストって馬鹿の証明ですものね。
まあ、たかが風邪を撲滅しようって愚行の中で、馬鹿を嗤ってられませんか。
やっと全世界感染者数で２００万程度、死亡者が２０万ばかりを超えましたっけ？
だからどーしたという話。
よくある風邪ですね。
これ恒例行事にするのかな。
死亡者数を感染者数で割って死亡率と称する馬鹿もいますし。
医学にもジャンルがありますが、思考力が無いっていうか。
死亡率なんて年単位で精査しないとわからんのに。
……おっと、誰かが来たようだ。
ではまた。
その辺の街角でお会いすることもあるでしょう。
