prelude♪/奏でる物と響く者。
【用語】
『供給過剰社会』
:1948年に作家ジョージ・オーウェルが提唱し1964年に小松左京が追認し本作が追いかける概念。
「産業革命以後の人類社会は慢性的な『供給(生産)過剰/需要(消費)過少』な状態に陥った。消費される当てのない生産物の氾濫とそれによる社会の崩壊を防ぐことが社会の一義的目的となっている。よって社会の機能、その大半が過剰生産物を破棄することにつぎ込まれている」
とういもの。
まあ「過食症に苦しみながらダイエットに狂奔する状態」とお考え下さい。
英国植民地統治の実務を担った後で帰国されたオーウェル、本名エリック・アーサー・ブレアさんは身に染みたでしょうね。
一生懸命苦労して侵略した先から収奪するのではなく、植民地を本国の余剰生産物を廃棄するゴミ捨て場にしている様子。
植民地に棄てるためだけに行き場のない生産物を造って限界を超えて、過労死していくのが女子供を含む英国の同胞。
自滅のための侵略戦争。
病因に関しては諸説あり
「欠乏が常態であった動物(含む人間)は栄養摂取(生産)を抑制する機能がない」
「前例を基に行動する動物(含む人間)は栄養摂取(生産)を抑制する発想がない」
「社会的な制約をもつ動物(含む人間)は栄養摂取(生産)を抑制する体制がない」
本能のせいで滅びかけてる?
常識のせいで滅びかけてる?
体制のせいで滅びかけてる?
「本能だ」っていう発想をとるなら無限の生産資源と廃棄場所が必要。
多くのSF作家が宇宙に望みをかける訳。
「常識が悪い」っていう発想を取るなら機を見て変更すればいい。
小松左京先生はこのタイプ。
「体制が原因だ」っていうのはオーウェル先生ですね。
事が顕在化されたタイミングで台頭したマルクス先生もその一派か。
「殺していない。死んだんだ」
殺人犯が主張する、もっとも一般的な認識。
言い訳じゃないことに注目!
刃物で刺したら死にました。
銃で撃ったら死にました。
首を絞めたら死にました。
意外に思われるかもしれないが、決して嘘はついていない。
だからこそ、殺人罪の構成要件たる
「殺意の認定」
において
「未必の故意」
なる訳の分からぬ概念が出る。
法律的に殺意を造るために、
「その行為が命を奪うに足ると一般的に理解されるなら、殺意はあった」
ということにする。
頭に45口径弾を撃ち込んで「殺す気はなかった」って言っても通らないよ、と。
それが銃の威力を知らない子どもだったりすれば、「殺す気はなかった」もあり。
銃が身近な国の出身者と疎遠な国の出身者、など経験の有無でゴールが変るけど。
さて、問題。
以上を踏まえ、ご回答願います。
スターリンは。
ヒトラーは。
毛沢東は。
自国民の大量虐殺に置いて「殺意」があったでしょうか?
シベリアに送れば人は死ぬ。
――――――――――それは当時、一般常識でしたか?
アウシュビッツに送ればガス室です。
――――――――――それは当時以下略。
農村に放擲すれば人は死ぬ。
――――――――――いやそれ、今でも常識かどうか?
スターリンは書記長であり、レーニンの秘書官だった。
「鉄の男」と名乗っていたのは箔付の為で実体がない。
実情を鑑みれば、権力を握った石田三成みたいなもの。
ヒトラーは独裁者であり、当然にして全体像を把握できていなかった。
一国を独りで裁量しようとすれば、何一つ把握できなくなる。
独裁者は責任だけ抱え込み、その下の官僚たちは権力だけを持て余す。
毛沢東はスターリンの愛弟子だけに、会計係として大成した。
コミンテルンからの資金援助、それを管理していた。
日本で例えれば財務官僚に相当していた。
もしかしたらもしかしてもしかすると彼らは書類を見て思っていたかもしれない。
「その地域ではたくさんの死者が出ているんだな」
「なら穴埋めのためにもっとたくさん人数を送り込まないとな」
「いったいいつになったら、その場所に十分な人口がうまれるんだろうか」
官僚主義の三原則。
前例墨守。
検証禁止。
責任回避。
最後が一番重要。
責任を回避する為に結果を問わずにありとあらゆる事例を繰り返す。
その結果、原爆を落とされようが国体が破壊されようがかまわない。
ではなく「かまう/かまわない」もなにも考慮以前にそも認識禁止。
常に
「最善を尽くした」
といえることがゴール。
その結果はロスタイム。
結果が良ければボーナスタイム。
結果が悪くてもモラトリアム。
誰が傷ついても、彼らは傷つかない。
止めて止まるわけがないが、そもそも誰も止めやしない。
もちろん処理限界を超えた現地では生き残る為に、次々と送られてくる増援を一生懸命に殺していたんですが。
とは言っても、大半、十中八九は、「殺した」のではなく「死なせて」いる。
餓死。
病死。
事故死。
衣食住を極限まで削れば容易い
――――――――――――――そんなわけがない。
跪かせて後頭部から撃ちぬいた方が早いし、楽で、安い。
・・・・・・・・・・・・・・・・人道的なのは、言うまでもない。
だがなぜか、そうはしない。
百や二百ならともかく、万を超える虐殺に置いて、なぜか殺さない。
手間暇かけて死なせている。
それも踏まえて。
彼らが裁かれるかどうか。
彼らに罪があるかどうか。
彼らが何をしでかしたのか。
それは別の機会に考えよう。
虐殺者は
「殺す」
と、思っていたでしょうか?
そう認定できるでしょうか?
であれば、どうでしょうか?
大虐殺に、殺意/悪意って、必要あるんでしょうか。
今虐殺されている皆様のご意見や如何に?
貴方は今、殺されていますか?
死なされていますか?
《国際連合統治軍軍政作戦記録(検閲削除)より》
【聖都/聖都市内/中央/大神宮内/隊列先頭中央/青龍の貴族の手が届かない距離/一足飛びに届く距離/エルフっ娘】
あたしは、無理やり視点をそらす。
視線も耳も逸らさない。
あの女を威嚇と気づかれない程度に観る。
彼、青龍の貴族に耳をそばだてる。
自分の女の前で、他の女を躍らせる。
それはそれで腹が立つ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いつものこと。
でもその揶揄い方が小気味が良い。
だから、あたしも楽しいところが、ないわけじゃない。
もちろん、主に不愉快だけれどね。
大神殿に
――――――――――目を奪われてる。
あたしが自慢に想うところじゃないけどさ。
あの女。
半年近くここ聖都に駐留していたはずなのに。
我がモノとして支配していたはずなのに。
世界のすべてと、見比べることが出来るのに。
気がついてなかった、見過ごしていたのね。
今の今まで、男が目を向けさせるまで。
帝国軍は神殿を観て楽しみはしなかった、か。
そこも、青龍との違い。
奪って行く者と、奪いに来る者。
おなじ?
おおいに違うわね。
持って行くか、見に来るか。
敵を根絶やすほどに徹底的に、楽しさや美しさや愉しさも奪いつくす青龍。
なにもかも、一つのこらず余さずに。
観て聴いて知って憶えて記録して、使わなくても把握し理解し考え尽くす。
青龍が、帝国の様に収奪しない理由。
財物に無頓着な理由は、すべて所有していると考えているから。
必要な物を在る場所から移動させるだけで事足りる。
逆らえる者なんかいないのだから、手元にため込む必要がない。
なるほど、とは思う。
彼、青龍の貴族や騎士たちは、帝国の資産を見付けるとため息をつく。
それを管理していた帝国を、殺している最中だから。
莫大な財貨を押し付ける当てがない、だから嫌々自分でやるしかない。
そりゃまあ、金貨や宝石を数えても、面白いわけないわよね。
青龍は世界そのものを、自分たちの金蔵だと思っている
――――――――――そう聴かせてきたのは、あの若い参事か。
商人らしい目利きだけれど、趣味の世界に暗いのね。
だからこそ、財貨の管理を丸投げされたわけだけど。
世界が宝箱なら、敵も味方も宝物。
戦争は整理整頓、調べることは遊ぶこと。
知らないモノは、愉しめないなら、その逆は。
強者にとっては、絶対者にとっては、誰もが逆らえない者にとっては、知ることだけがすべて。
奪う。
支配する。
司る。
その仕草が、手法が、概念が、あたしたちとは真反対。
赤い龍も御覧なさいな
――――――――――壁をなす柱の開口部から降り注ぐ陽光。
採光を重んじてはいるけれど、風にも気配り。
海風陸風に対して斜めに向かい、風の勢いを緩める。
風の向きと陽の角度、違いと差を、時間や季節で測って百年。
観て楽しみながら、彼、青龍の貴族に視線を絡める、あの女
感謝の目を、彼に向けるあの女。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんたへの贈り物じゃないからね?
あんたは、虜囚。
なのはともかくとして。
彼、青龍の貴族は敵だって判ってる?
肢体で篭絡して、彼を利用しようとしてただけ、よね?
せいぜい彼の肢体が気に入っていただけで、彼自身に興味なかったよね?
彼だって、あんたの肢体は楽しそうだったけど、気が向いたら使ってみそうだったけど、あんたにすればとっかかりがつかめればいいってぐらい、どう転んで損がない程度、でしょう?
この女!!!!!!!!
な~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~にを。
嬉しそうにはにかんでいるのか!!!!!!!!!!!!!!!!
口説かれて嬉しいわよね、そんな、鎧姿で何を。
あんたたち、世界征服をこなしていただけの、武骨で野蛮で物知らず
美を贈るのは、女を口説く定番ではあるのだけれど。
自分ひとりへの、自分ひとりにしかわからない合図、と想ってるけど。
それちがう。
武骨な鎧に身を固めてるくせに仕草が女になってるじゃない!
彼は、貴女が欲しいからこの場所に連れてきたんじゃないんだからね!
モノにしようと思って女を口説くような彼じゃないんだから!
ただ単純に、良い女がいれば、それを可愛がって悦ばせるだけなんだから。
そもそも彼が、あんたを指名したわけじゃないんだから。
あたしたちがいるときに、敢えて他の女を手配するほど趣味悪くないから。
いつも女が勝手に集まるだけで、自分だけが口説かれてると思ったら、大間違い
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふん。
そう。
そう。
そう。
反省。
彼の女として、あしらわないとね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし。
よーく見なさい。
感じなさい。
楽しみなさい。
帝国が等閑視していた世界。
最高傑作ね
――――――――――アイツの。
独りと客が憩う為だけの場。
数百人の部外者も快適に過ごせるように
――――――――――余分な皆が、独りの邪魔にならないように。
風声が高鳴る。
詩を聞くといいわ。
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿内/中央に侵攻中/青龍の貴族】
子どもたちが楽しんでいるから楽しい。
それもある――――――――――それだけじゃない。
俺は魔法翻訳に感謝。
邪魔なときもあるが、今は有り。
さて、この声は何だろうか。
意味は解れど何処か判らず。
陽が昇り続けて、陸地が暖められる。
海はなかか暖まらない。
陸上の大気が膨張し、海上の大気は圧される。
当然、聴こえて、いや、聞こえてくるのは
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・陸風の声。
旋律が判る。
歌詞が解る。
意図がわかる。
狙いは何だ?
コロナに出会えない今日この頃。
もちろん当然に、まったく用件がないんですが外出して、出来る限り歩き回ってます。
マスクなんぞ「馬鹿に絡まれないために偽装すべき」と判断した時しかつけていおません。
もちろん、マスク無しの方はだんだん増えていますからプライべートでは関係なし。
おかげで花粉が辛いです。
おかしーなー、とおもいつつ、気がつきました。
きっと出会っても気がつかないんですね。
考えればわかることでした。
さわぐ馬鹿の鳴き声が耳に挟まり、影響を受けたとは恥ずかしい限り。
そりゃそうだ。
感染して、快癒して、感染して。
繰り返し繰り返し。
我ながら
「感染して症状が出ない(で終っている)」
の意味が解らないなんて、ボウフラ以下ですね。
あんな弱い無害なウィルスじゃ、気がつかないのがフツーフツー。
馬鹿のせいで汚名を着せられたのか、異名をつけられたのか。
ニューヨークでもパリでもみなさん散歩してますね。
今日も頑張ります。
目の前に居ない馬鹿を嗤うために。
花粉対策の為に時間をかけてそろえたインドア娯楽ラインナップが台無しだよ!




