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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十二章「男と女と大人と子ども」

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きのくにのゆううつ

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子/エルフっ娘》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。シスターズの姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳、白い肌。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/魔女っ娘/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。




むかしむかしのおおむかし。


「空が落ちてくるんじゃないだろうか」

と心配でたまらない人がいた

――――――――――空というのは大気圏のこと?


ずいぶん前から落ちているのだが。



むかしむかしの少し前。


「疫病のせいでエロ本が売れない」

と廃刊した雑誌があった

――――――――――合衆国版「PLAYBOY」です。


売れなくなったのはヌードグラビアを止めたからだが。



むかしむかしのついさっき。


「疫病のせいで年金基金の資金が破綻した」

と報道させた官庁があった

――――――――――まだ破綻してないなんて、誰が想像しただろう?


政策破綻を粉飾する為に、強制徴収と同時に株価操作に垂れ流し。



むかしむかしのつい昨日。


「疫病のせいで外出できなくなった」

と吹聴した国があった

――――――――――カタルーニャ独立運動が香港並みに最盛期。


反政府運動に外出禁止令、って言うよりも聴こえがいいよね。



皆さん疫病や災害が大好きでいらっしゃる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・後ろ暗い者は、皆さん仲良し。

人類皆共犯者。


さあさ!

この機会に片付けましょう。


世界大戦は今年の疫病のせいです。

民族浄化は今年の疫病のせいです。

恐竜が滅びたのは今年の疫病のせいです。

放射性廃棄物が生態系で濃縮され体内循環を繰り返しチューリップバブルが弾けて農林省のバカが杉林ばかりにして阿呆が首を括らないしアカデミー賞は駄作だらけで引きこもりの才能に恵まれずニートに選ばれず2+2=5

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぜ~~~~~~~~~~んぶ疫病のせい。





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿内/正面入り口直ぐ/青龍の貴族】


やっべー!!!!!!!!!!


俺は思わず立ち留まる。

目の前に広がり広大な空間。

大神殿の出入り口すぐ徒歩一歩。


広間と言うには大きい。

敢えて比べれば、コンサート会場とか。

格納庫と見ればアリか。


いろんな設備装備仕切りがない吹き抜け突き通しな空間。


高さは30mくらい。

幅は左右80mくらい。

奥行きは見まあ100mくらい。


そんな場所だ。


現代人が驚くサイズじゃない?

だが、現代人が怖がるサイズに間違いない。


柱がない

――――――――――って言えばわかるよね。

何もない空間の上は石造り。


あれ何トンあるんですか?

石造りの限界を越えてませんか?

だってまあ、空間に柱がないんですよ?


空間の周りも隙間の多い壁、あるいは壁柱っていうべきか。

それだけで巨石の組み合わせを支えている、ように見える。

頭上を覆う天井が一枚岩のように見えるのはどういうこと。


俺は今まで勝手に武装してお邪魔した各種異世界建築物を思い出す。


太守府、王城。

港街、海運倉庫。

太守領農村、神殿。


一番デカい空間があったのは、王城か。


そもそもここまで大きくない。

もちろん空間内に柱があった、いくつも。

そして天井が、半球型だった。


ふつーこういう大きな空間を覆う上部構造、天井は半球型だ。


天井構造物の重量を各構造材に拡散して、頂点に集める。

下部構造が受ける重量こそ同じだが、それを外郭に散らせる。

各重量同士が支え合うことで天井という一つの形を保ちやすくする。


だからこそ、大きなものは複数の部材に分けて組み合わせるんだが。

小さいモノであるなら、一体形成が強度最高なんだけどね。

自重が重いものは分散できなくなるから、勝手に崩れてしまう訳で。


素材による?


ハリボテなら安心なんだけどな。

中空の素材を化粧して一つに見せかけてるとか。

警備上の不安材料になるから、それはないと確認済み。


大神殿に人や物がひそむことが出来る空洞構造物はまったく一つもありませんから安心してください!


なんて安心なんだ。

中までぎっしりみっちり詰まってるんですよ。

バームクーヘンみたいに穴があってもいいんです。


なにで出来てんだこれ、天井。


実に重そうですね。

途中で崩れて隙間が出来たりしない。

隙間なく埋めそう。


何もかも磨き上げられた鏡面のような石、は上ばかりではないが。


大理石の皇帝(Bardiglio)

この白系統の絵の具を塗りたくったような色合い。

それっぽいが断言はできないな?


まあ、それは誰かがやってるだろう。


この場所の画像データは公開されてるからな。

日本列島の暇人の中には、石のバイヤーだっているはずだ。

俺が事前に見たのは線形構造図だけだったり。


重量感質量アタリはつかんわな。


いや、第一印象は直接見て決めたいじゃない?

立ち入り制限の警報警告注意も出てなかったしさ?

これはやっぱり外殻の化粧部分だけが大理石で芯が通ってる?


大理石呼ばわりでいいのかって話もあるが。


イコール炭酸カルシウムなら、異世界でも存在してるだろうしな。

生物の組成が地球と変わらない、部分が多い以上、量もそれなりのハズ。

沈殿なり蓄積なり生物無生物由来で堆積して鉱物化するのが自然。


物理法則もそれほどは変わらないみたいだしね。


ほんとーに変わらないかどうかは、確認中だけど。

それはつまりニュートン力学も地球とほぼ同じというわけで。

リンゴが木から落ちるんであれば、天井だってね。


思わず大質量物質の恐怖を感じる、俺。


手榴弾は使わないようにしないと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考えすぎ?




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正内/隊列先頭中央/青龍の貴族の手が届かない距離/一足飛びに届く距離/エルフっ娘】


あたしは耳がヒりつくような気配を聴いた。

あたしたちに強く強く向かってくる意思。

あたしたちを護ろうとする気配に、皆が振り向く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの女(帝国女騎士)も!


彼の緊張

――――――――――初めてのこと。


普段の彼、青龍の貴族は力を抜いている。


闘う前の熟練戦士がそうあるように。

自分の肢体を疲れさせないように。

手脚がすぐに敵に向けて動くように。


周囲の気配を感じやすく。

つまりは常に攻める構え

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、瞬殺して戸惑うまでが、定跡になってるけれど。


ふふ♪

なんで死んでる?って不思議そうに。


殺意が無くて、壊そうとした、それだけだものね。

それは戸惑うわ。

貴男にとって、あたしたちの世界は石鹸の泡みたい。


それでも何度でも、攻める姿勢は崩さない。

まずもって攻撃。

それが彼、青龍の貴族と青龍の構え、様式?


それが緊張、受けに回った。

それはもちろん、守りではない。

彼、青龍に、それはないし。


受け流して殺す。

受け逸らして壊す。

受け止めて潰す。


何を?


あたしは広間の中心、を見てから周りを一瞥。

先行のサトウ、シバ両卿が左右前方の端を抑えている

――――――――――敵はいない。


なのに青龍の騎士たちは力を抜いている

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・攻める構え。


いつもの逆。


普段なら青龍の騎士たちが緊張し、彼らの主である青龍の貴族が弛緩している。

定石、おはじき賭博のような決まり手、みたいなものがあるから。


外郭自体が青龍の騎士、内郭に構える攻め手が青龍の貴族。

壁を兼ねる青龍の騎士たちが、纏った鎧で一撃目を受ける。

受けが在ろうが無かろうが彼、青龍の貴族が機を捉え殺す。


まあ青龍が先手をとれたら、だけど。


誰よりも耳が聴き、眼が届き、手が長い。

だから普通は、彼が殺して終わり。

着いた時には死んでるか、龍が暴れてる。


でも陣形は変えないのよね。


もっと耳が冴え。

もっと眼が効いて。

もっと手が遠い。


そんな相手に備えてる。

そんな相手しか、いないかのように。

そんな相手が、必ず来ると。


それが常々無駄なのだけど、無駄を省く彼らが省かない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・機会が無いことに備えるのは、青龍の常。


彼、彼ら、青龍は、どこかズレている、わね。

あれだけの力を振るい、何処までも傲慢で、何モノをも従えて。

なのに、なぜだか、確信している、疑わない。



―――――――――――もっと強い敵が来る―――――――――――


だから一つ一つ、上から下まで、なにもかも

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・対等以上の敵に備える。


あたしたち、遥かに格下に、むしろ戸惑うまでがお約束。


帝国にはない特徴、って言っていいのか、よね。

帝国はむしろ、圧倒的な弱者を蹂躙することしか、知らなかった。

青龍に出会って初めて、戦いを見直したくらい。


それでも勘違いしている。

――――――――――見直せば、勝てる、と―――――――――――


それを笑える訳がない。

自分が体験した範囲でしか、考えられないのは皆おなじ。


大勢の体験、知識の集積は書物や口伝で溢れてる。

それなのに、顧みられるのは

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・狭く限られた、たった独りの知見。


百人の言葉より一つの主観に引きずられる。

ばかばかしいことだけれど。

――――――――――人もエルフも、他もおなじ。


一見を排し、百聞を優先できるのは、賢者だけよね。


あたしに青龍が、その一端がわかるのも、偶然。

あたし、じゃなくて、あたしたち。

彼に愛されているから、その一人だから解ること。


あたしたちと青龍、違いはある。

あたしたちにしか出来ないことだってある。

あたしたちの方が好かれるときだって、あるわよね。


優劣なら議論できる、かもね。

でも議論や好悪の余地がない


――――――――――強弱には―――――――――――


青龍が工夫して、合わせてくれているけれど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いまも、そう。

単にわからないならいつものことなんだけど。


あたしにも、解る。


盾と矛、受けと攻め。

今は逆。


緊張している彼が、受ける構え

――――――――――初撃を防げない、とみてる。


打撃を受けたとき、弛緩させていたら死ぬ。


ただでさえ防御に弱い彼、青龍の貴族。

ならば肢体を張り詰めさせるのは当然。


そして奇妙なことに、普段とは逆に、青龍の騎士たちは受けるに備える様子がない。


青龍の騎士たち、彼の手脚。

攻める構えに集中、弛緩した様子を強める。

今にも追撃が始まる、それを待ちかねる猟犬そのもの。


そしてなにより、あたしたちに備えさせない。


防ぎ得ない、のか、防ぐ気がない、のか。

その一撃が、陣形内側から生じるかのように。

あたしたち側、あたしたちから生じるように。


なら、いい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彼、龍の貴族が解っているならば。







-------------------


次回更新は少し遅れる予定です。


今週末は都区内外を積極的に周回し

「人という名に値しない虫けら」

が、どれだけ観られないか観てまわりますので。


コロナに感染したら面白いですね。

症状が出たら、これほどレアな体験もありません。


観られない者だけでも価値はありますが。


パリやニューヨーク市民の様に笑って外出し、大統領や知事をキレさせるか。

武力で抑え込まれた武漢市民の様に、命がけで立て篭もるのか。


日本の首都圏住民は、どちらでしょうね?


いずれにせよ次回更新はスケジュールの範囲内には収まりますので。

よろしくお願いいたします。






追記。


先程気がついたのですが。


今年は妙に、愚行に対して不快感を感じます。

普段なら嗤って楽しむだけなのですが。

これはやっぱりあれですね。


「分を弁えない虫けらの、指図がましい音」

が聴こえたので、気分を害してしまいました。

お恥ずかしいことです。


「犬に怒るは人でなし」


その自戒をもって、責任ある自粛破りに邁進いたします。

皆様も良き「ぱんでみっく」をお楽しみください。

来年あたり、振り返ってみる日を願って。



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