表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十二章「男と女と大人と子ども」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

501/1003

責任分界点

【なつかし……登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。

陸上自衛隊の正服第2種礼装(緑色)が標準。

馬上の時もスカートのまま、横座りで馬を操るのになれている

父親譲りで、私利私欲と公益を「完全に一致」させることが出来るタイプ。


だいたいこいつのせい。



地球側呼称《頭目/お母さん》

現地側呼称《頭目》

?歳/女性

:太守府の有力都市、港街の裏を取り仕切る盗賊ギルドのボス。昔エルフと恋に落ち、ハーフエルフの愛娘(6歳)がいる。


ほぼエルフっ娘の天敵。



地球側呼称《坊さん/係長》

現地側呼称《僧侶》

?歳/男性

:国際連合出向中地方公務員。得度した僧侶。浄土真宗らしい。軍政司令部文官。


概ね百万文字くらい未登場。



地球側呼称《官僚/財務官僚/役人》


現地側呼称《役人》

?歳/男性

:財務省官僚。高級官僚の一族に属するらしいが、異世界転移後の官僚機構一斉粛清で大半を失った。殺された者もいると信じている。


ほぼ忘れられてるけど、生きてます。



『フレンズ』

10歳前後/女性

:第67話〈世界の流儀〉から登場。港街の有力者から献上された良家の子女13人。いろいろあって軍政部隊司令官のファンクラブ化している。新規会員勧誘中。


これはインドネシアの老人のせい。






みんなが正しいとき共に正しければ正常者

――――――――――みんなたがいにきにしない。


みんなが間違っているときに一緒に間違えれば共犯者

――――――――――みんなおなじにんげんなんだ。


みんなが正しい時に、一人だけ間違っていれば無能者

――――――――――みんなのなかにはいられない。


みんなが間違っているときに独りだけ正しければ反逆者

――――――――――すべてを敵に回して烙べられる。



「忠誠」

間違っていると理解したうえで、その間違いに皆と共に従うこと。

「叛逆」

正しいかどうかを理解したうえで、皆の空気を察してなお従わないこと。

「正常」

皆がどう感じるのかということを、痕跡を残さずに察して反応すること。

「異常」

皆がどこからどこまでなのか、区別が出来ず察せずに考えること。


《官僚社会の一般原則》





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿入り口正面/青龍の貴族】


俺の責任ではない行いの結果。


何の成果も得られませんでした!

なんてすばらしい結果なんでしょう。

誰も死ななかったのが珍しくも。


第13集積地ではこれまで非武装の民間人が10万人以上不幸な最期を遂げている

国際連合起因による民間犠牲者数のトップ、ではないが、三位以内、でもない。

が、ほら、あれだよ、三佐がかかわっていない範囲で五本指に入るはず、たぶん。


戦争は罪のない人たちから、順番はともかく、多くの犠牲を払うんですね、強制的にってところで払ってねーだろ奪われてんだろってことはさておき。


なのに、聖都では一人も死んでいないのである。

これは奇跡といってもいいのではないだろうか。

殺したんだから死んだではないよね、ではなく。


この人命が軽い時代に、地球人でも国際連合関係者でも協力者でもない命がカウントだけしかされない時代に、聖都の中で死んだり殺されたりした人命準人命が、0、ゼロっていう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここ半世紀近くの四半期(さんかげつごと)景況判断か、官公庁中央銀行の発表か、警察の記者会見なみの信頼性に満ちている。


異世界転移後も相変わらず地球の海外ニュースが流れているあたり、もう、ね。

※第488話<150年間失い続けてもまだ残る凄い国(錯乱)>より


大災害が起きて外出禁止令が発せらていると報じられる。

その地域の住民は禁止令も知らず普段通りの散歩をSNSにあげる。

凶悪なテロリストが爆弾を仕掛けたと報じられる。

デモ隊が春節の爆竹を鳴らして気勢を上げる動画がアップされる。


いつものこといつものこと。

※第489話<まだあと十年「も」失える!/positive thinking?>より


ここ半世紀、世は全て何事も無し。

今は無き地球のニュースが流れたって、流す方も聴いてない方も気にしてない。

意味を理解しようとすれば解る事。


馬鹿がバカ向けに提供しているナンセンス。


だが俺も一応大人だ。

嗤って身内の安否を確認するだけに留めよう。

身内の身内は別枠で。


最近、ここ一か月半で身内が増えたけどね。


うちの(シスターズ&)娘たち(Colorful)が8人。

働くお母さん(盗賊ギルド頭目)と娘さんとお友達が15人。

一応神父を入れて15人(軍政部隊)

王城のメイドさん執事さん料理人さん下働きさん。

元カノマメシバその配下。

ギリギリ太守府、太守領に住んでいる人たち、も、か、なあ。


ないわー。

俺だけの可能範囲はせいぜい20人以内。

多いかな。

責任範囲と可能範囲に差が大きすぎる件。


あとは誰によろしくるすか?


だからまあ、作戦関連情報から読み取れること。

俺はともかく、うちの娘たちは国際連合の保護下にある。

その安全にかかわる情報であるならば偽装したりしないだろう。


つまり本当に聖都内で、敵意の無い民間人は殺されていない。


おかしい。

マジで。

不思議だ。


最初の一人にならないよーに、注意しておき注意させないと。


何の成果も得られないと確認するためならば、何百何千の命も惜しまない。

そーいう連中ですよ、UNESCO調査団。

国会議員の先生たちは、有権者(いっぴょう)以外の命を気に留めたりは致しませんしね。


そーいう連中が指導してるんですよ。


投票に行かない人間なんていない、と断言する地方議員もいますよ。

俺の知人ですが。

つまり投票所に行かない者は有権者でもなければ人間でも以下略。


そーいう連中なんです地球人はお気を付けください異世界の皆さま。


最適解を見付けるっていういのは、ほとんど終わりのない作業に近いんですが。

科学は最適解を見付けるために、無駄を全部踏破し潰していくものなので。

正しくは、最適解らしきものが最適なのか検証する為に、それらしい成果が上がった後も考えられるあらゆる無駄(パターン)で追試するのだが。


そこでどれだけ何が消費されても、偉大な成果でしかない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・らしいです。


異世界最高の素材を入れ替わり立ち替わり出入りさせても、組み合わせや順番やタイミングを換えて、拘束して安置してキャンプさせても、な~~~~~~~~んも起こらん。


魔法も奇跡も爆発も、何一つ。


この方法では何もわからないということが判りました。

それは科学的に偉大な成果らしいんですが。

手詰まりかと思いきや特段そーいう事でもないらしく。


次の手順を継続中。

別の手順も模索中。

更に手順を構築中。


聖都は聖都で続ける。

これが次。


それ以外が別であり、更でもある。


帝国が根絶やした神殿、ここ聖都だけではなく、の記録記憶痕跡を収集

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・巫女神官の復元も諦めてない。

滅ぼせたのなら再現だってできるし、新たに造ることもできるだろう。


これが、次の手順。


もし出来なければ、出来ないという偉大な成果が得られるわけで

・・・・・・・・・・・・もう、ええっちゅーねん。


そして更なる手順。


でまあ再現計画の話。

俺の耳にも入っている。

国際連合統治軍の縄張り、軍政計画と絡む面があるからだ。


神殿全盛期から帝国期まで一貫して、赤い目の赤ん坊は一カ所に集められる。


神殿全盛期は魔法使いや巫女神官にするために。

帝国期は魔法使いを造るために。

赤い目こそが資質の証。


その習慣は途切れていない。

今は戦時下だが、それこそ慣れてる異世界住民。

そりゃもう70年くらい戦争中。


赤い目が産まれたら?


帝国統治下では帝国へ。

反帝国勢力圏では神殿へ。

境目狭間では有力者が保管する。


では今は?


地球人は、異世界の人々と無接触

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そも、言葉すらほとんど交わさない。


異世界の人々は、途方にくれている。

地球人だって、困る。

預けられても、取り扱いが判らない。


だが、巫女神官魔法使いの元、紅い眼の子どもを集めるのは苦労がなさそうだ。


魔法に興味があっても、そのインフラ基盤が判らない。

だから、それは帝国を滅ぼしてからの話。

年末には方針が定まるであろう。


なんであれベビーシッターが大量に必要。

とまあ、俺が耳に挟んだ更なる手順の話は、そこまで。


誰が困るわけでもないから、好きにすりゃいい。

俺に関係するのは次の手順。

偉大神殿以外の神殿の録記憶痕跡を収集って話。


俺の任地、太守領なんか一定範囲ごとに神殿が乱立しているくらい。

跡地で何も無いようではあるが、それを確認するだけでも時間がかかる。

帝国領域内の遺跡を調査できるのは、来年ぐらいに開始予定だって。


一応、聖都、大神殿は最優先。

一通りの確認は終わっている。

つまり途中経過に過ぎないが。


他との関連付けが出来ないままでは、まさに見ただけで終わっている。

UNESCO調査団の主たる関心は、大神殿を離れて聖都各所の調査実験。

まずは大神殿からその周辺、そこから大陸全体、最終的には異世界すべてを。


大神殿は、無人にして観察中。


何年間かデータ集めて、何も起こらない場合の定義を作成。

しかるのちに試薬、いや、素材(material)、まあ魔法使いを投入。

そしてまた再び差異の有無を判別っていう。


じっさいほら。

何も起きていないかどうか。

そこから確認しなくちゃならん。


なにかが起きていても、俺たちに判らないだけかもしれない。

俺たちに動員された異世界の御歴々、彼らにもわからないだけかも。

そこまで行くと、哲学論争になるかもしれないけれどまあね。


実証哲学イコール科学と考えれば無理もないか。


んで。

判る解らないの前に、記録だけ取ることにした。

今ここ。


ここ聖都、この大神殿はそのためのギミックとなるであろう。


いずれは新旧魔法文明の再興を計画している第一歩。

異世界人ですら忘れて、遺跡探索している旧文明も。

まとめて地球科学が再建する計画、っていうか予定。


なのために?


いやべつに。

魔法や奇跡が無くてもこまりゃしないが。

そんなこといったら、異世界に侵略にくる理由もないわけで。


本能的に?


実効ある魔法に奇跡っていわれたら、誰でも興味はあるよねえ。

他人を素材扱いにしてまで、ってのはひっかかるが。

ひっかかるだけかとツッコまれると、俺もかなり毒されてるな。


なぜ科学文明絶好調の地球は先進国の日本が、魔法や奇跡に執着するのか?


UNESCOの趣味人や日本全土に散在する学者学生だけじゃない。

国際連合安全保障理事会が認めている、というか、推進している。

それはきっと何かの目論見があるんだろうな、と知らなくても参加。


意義が解らんことに全力。

そりゃ軍人なんて意味や意義を問う者ではないが。

暇なんか、と言うなかれ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・暇なんです、地球人は。


今は忙しい、俺たちだけ、だがほどなく暇になるだろう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だよね??????????


日本列島の現有資源と既存生産設備、いまはほぼ動いていませんが。

稼働率3割程度でさえ、生産が消費を上回り在庫の海で溺死する。

フル操業は簡単なのに、加減して動かすのは難しい。


暇だからって異世界を侵略するのはどーかとおもいます。

それだけって訳じゃないだろうけどさ。

大英帝国みたいに、貧乏になるための世界侵略は御免だ。


そんなわけで俺、俺たちは大神殿正面出入り口をくぐり、中へと進む。

多くの素材、いや被験者、いやいやボランティアが潜り抜けた場所へ。

何も起こらず何かが起こると期待されている、異世界観光スポットに。


踏み込んだ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ