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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十二章「男と女と大人と子ども」

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とくべつな

【用語】


『カール(中略)フォン・クラウゼヴィッツ』

:軍事オタクの神様。ググると様々な妄想が出てきます。Wikipediaは必見。「インターネットでモノを調べるときは見出しや強調文を流し読むのではなく、文章を読んで辻褄が合うか考えないといけないな」と考えさせてくれる。


それを踏まえてクラウゼヴィッツさん。


日本のヲタク界隈以外ではマイナーでほぼ無名な軍事オタク。実際に何かをした人ではない。そこはほら、ローマ全盛期に「平和を欲さば、戦への備えをせよ」と喝破した(前略)・ウェゲティウス・(後略)さんと同じ同じ。できる立場にいたけれど、何一つしなかったけれど、同人誌だけは書き散らしていたけれど、死後発見されました。だからハードディスク(紙)を破棄しておけとあれほど(以下略)。ドイツ武器弾薬製造社がローマのミリオタの妄言を商標にする辺り、時空を超えた繋がりを感じます。

クラウゼヴィッツの言葉には大変意義深いものを感じる人は大勢いますが、辻褄はあってない。というか戦争を外交の手段にしてどーなったのかプロイセンは、というところでお察し。


こと外交を語るのであればヴェネツィア共和国という実績満載の国の言葉を引けば判りやすい。

「大国とは戦争の開始と終了を自ら決めることが出来る国のこと」

つまり強国にとって戦争とは内政問題に他ならない。外交を司る官庁を「国務省」と名付けている例からしてお察し。オスマン・トルコというチート国家に土俵際で粘り切った国は違う。


プロイセンという国内事情で戦争を始める国々に囲まれていた欧州後進地域の二流国家にとっては、外交というモノがとっても大事だったのは確かだろう。それを全く大事にしなかったのでひどいことになりました。

それは軍事と外交を混同する人がいるところで予定通りというところでしょうか。



「恋愛」とは人間交流の一手段であり、その意図するところは相手に我が意を強要するところにある。


≪恋愛論≫より

――――――――――カール・フィーリプ・ゴットリープ・フォン・クラウゼヴィッツ


「はい、これがダメな例ですね」

「聞いた事ねーよ」





【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面階段/隊列先頭中央/青龍の貴族の手が届かない距離/一足飛びに届く距離/エルフっ娘】


青龍の騎士団。

あたしたちにとっては、彼、青龍の貴族、の臣下。

彼の意志を体現するモノ。


彼の手足にして眼であり耳。


彼の命令を待たない。

彼は命令しない。


手足に命じる者なんか、いない。


だから彼らを視ていれば、彼の意志が判る。

自分の女を護る

――――――――――為に殺す。

自分の意志を通す

――――――――――為に殺す。

青龍

――――――――――であるから、殺す。


そんな、彼の、彼ら。


青龍の騎士団。

もっとも、青龍の騎士一人一人が手を下すことは、余りない。

敵意を感じたら街ごと滅ぼす。

彼に限らない青龍の、それが普通だから。


そしてそれを、一人一人の騎士にやらせたりはしない。


彼、青龍の貴族が、滅ぼすべきモノに目が向いたとき。

龍がいきなり飛んできている。

ううん、(ちぬーくさん)だけじゃないかしら。

彼は大隼(F-16)海龍(強襲揚陸護衛艦)を呼びつけれるけれど。

幸いに、彼、青龍の貴族が興味を抱いてる間は殺さない。


あたしたちにとって、幸いに。

あの娘が悲しむし、ね。

彼が興味を向けている、あの娘。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿正面階段途中/青龍の貴族】


まったく幸いなことに俺たち自衛隊は現代の軍隊じゃない。

現代じゃないとは第四次世界大戦仕様じゃない、ってことだ。

下層階級を僻地に投棄しないと維持できない社会じゃない。


そりゃそんなもんは、インフルエンザごときで1万人以上死ぬような国じゃないと出来んわな。


社会基盤が崩壊して再建不可能になっている国。

医療が制度も技術も破綻して無くなっている国。

公衆衛生より意思疎通が不可能になっている国。


自己責任が大好きで、市場原理が信仰で、むやみやたらと国旗(星条旗)を振るアレ。


それこそ金が無いから感染したまま働きに出て、家族が全滅して発見される。

そんな先進国が世界で一番豊かだっていうホラーが実在したんだよな。

いま地球世界の果てで、どうなってるのか知らんけど。


広大な第三世界って皮肉られてたくらいだから、意外に生き残ってるかもね。


生存条件、医療と食料を保証できないような国。

共同体でもないし社会でもなく、国家というべきか怪しい。

失敗国家、破綻国家、崩壊国家、そんな名称と基準があるんだが


それを定めたのがワシントンのシンクタンクって辺り、ツッコミどころ満載。


壮大すぎるブラックジョーク。

灯台下暗しってレベルじゃねーぞ。

そりゃ同じ市民が爆弾もってツッコむわ。


世の中には生活保護を打ち切られて餓死者が出る国もあるのに

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おっと、ブーメラン。




※合衆国内で起るテロはほぼすべて自国民による。なので珍しく外国人がテロルと大きく報道される。あくまで極めて珍しいからであって他に意図はないとトラン○大統領も明言するはずであるが、偽証罪に問われる可能性がある以上合衆国憲法修正第5条(黙秘権に近い)に従うとを主張するかもしれない。「法律と前例は従いたい時だけ従う」というテロル(恐怖政治)の基本を押さえている。

※インフルエンザの死亡数は日本では数百ほど。ただし超過死亡(インフルエンザが原因である可能性がある)は含まないし、毎度のことながら基準がでたらめなので「統計がどれだけ信用出来るか?」という問題もある。存在しない一次資料を探すのも馬鹿なので、とりあえず辻褄が合ってるうちはその数を採用する。

※WHOは超過死亡での推計を推奨しているが「個々の死因を統計する基盤が無い」世界の大半を想定しているからであって、統計の基準が明確な先進国では意味がない。

※統計の基準が不明確、ってか恣意的だと何も把握できない。海外で死者多数なのに発生源の国内で死者が全く生じなかった(発表されなかった)為に「愛国ウイルス(笑)」と自国民に揶揄された共産主義国家ではネット検閲、ではなくエゴサーチで自らがディスられるのを閲覧するのが日課になっている政府当局者、ではなくドMがハードプレイに耐えかねて地域党幹部を粛清、ではなく臓器密売密造工場に優良品として一族丸ごと納入させた国もあるとか。あれ?

※ジャーナリストがいないので報道の自由が機能しない国では国民に選ばれた政治家は試験で選出された上級国民の代わりに責任を取るだけの簡単なお仕事。責任者は政治家、いや馬鹿、いやさ内閣を弾除けにして処罰はおろか揶揄すらされない。

おや?どこかの国、おっと誰か来たよう



【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面階段/隊列先頭中央/青龍の貴族の手が届かない距離/一足飛びに届く距離/エルフっ娘】


あたし、たち、青龍の貴族の女を護る

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むぅ。


そーいう動きなのは、判る。

別に不満でもない。

むしろ嬉しい。


あたしたちが歩き出して程なく、陣形が変わった。

ううん、歩き出しながら、か。


青龍の騎士団。


最初。

大神殿到着直後。

あの女を狙いながら、周りを警戒。

次。

顔合わせが終わって、歩き出す。

あたしたちを護る、そんな陣形へ。


そこから、すごく、面白くない。


なんか、今は、あの女(帝国女騎士)のことも陣形に入れてるわね。

つまり、護られる対象ってことで、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・青龍らしくは、ある。


つまり、これは、べつに、そーいうことじゃない。


あたしたちと同じ、近い扱いは面白くはない、けれどさ。

あたしだって初対面から護られたし。

あたしはまだ、青龍の貴族、彼のものじゃなかったのに。


彼の臣下、青龍の騎士団は、彼、青龍の女を守る、だけじゃないってこと。


あの日あの時、出会ったばかりのあたしをあっさりと内陣に入れ、剣まで返して

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・取り上げすら、しなかったか。

※第7話<三人姉妹> ~第8話<人間って、なんだっけ?>まで


そもそも青龍は、向かい合った相手の武器を取り上げたりしないのよね。


この女(帝国女騎士)だって捕虜なのに、帯剣どころか完全武装。

敵を降伏させる時は、棄てさせるみたいだけど。


戦場で見聴きした限り、騎士も兵士も一緒くたにしていたわね。

それはもちろん、騎士貴族を唖然とさせていた。


名誉を保持するための飾剣すら許されなかったのだから!


だからといって、青龍には相手を侮辱する気はない。

敵であってもなくても、殺しても殺さなくても、相手を否定しようとはしない。

気がつかずに侮辱しないように、気を使っているくらい。


そのあたりは、彼のモノになる前に、判ったこと。


あたしたちが出会ってすぐ。

まだ見知ったばかりの女へ。

あの娘に対する接し方でね。

※第10話<冬の日。春の日。>


まあ、今から考えれば、それも好きになるきっかけだったのかもしれないけれど。


それは実利的なことでは無くて、ただの嗜好でしょうね。

相手を侮辱して楽しむなら異常だけど、その真逆。

でも圧倒的な強者が、それ以外を気に留める必要はない。


――――――――――なら、何なのか、って話よね。


明らかな敵に、一度外させた武装を返すのは?

敵か味方かわからない相手に、武装を許すのは?

誰もが青龍に、いずれは挑んでくると決めつけて?


降伏させるときは、武装を許さない。

虜囚になった後は、なにもかまわない。

すぐに返すなら、その武器に意味はない


青龍自身の身を守るためではない、ってことになるけれど

――――――――――だから、かな?


彼、青龍の貴族が、時々あたしたちに言う。

とってもとっても不愉快な言葉。


俺が死んでも何も変わらないから、安心しろ

――――――――――いまだに慣れない腹が立つ。


でも。

そーいう事なら。

なのかもしれない。


青龍は不死でもないし、剣が刺さらないわけもない。

なのに青龍は、自分の、自分たちの安全には無頓着。


一人の死に、意味を感じていない?


あたしたちのいる世界。

青龍の世界。


あたしたちでも、青龍の貴族や騎士を殺せる。

でも、青い龍に勝てはしない。


鱗を剥がすことが出来ても、龍は傷つかない。


強いということ。

強者であること。

不変であること。


そっか

――――――――――――――あたしたち、弱者が見えない、見ているつもりで、見えてない。


武器を奪うんじゃない。

棄てさせる。

生死を選ばせてやった。


青龍自身がどう感じるか、それ以外、まったく考慮されていない。


それは、侮辱しないため。

生死を選ばせるため。

選ばせてやる、そのため。


でもそれは、選ばせてもらっているだけで、選べるわけじゃない。


剣を握っても。

金を掴んでも。

馬を駆っても。


青龍にとって、その生死自体に意味がないから、投げ捨てられる。


騎士も剣士も魔法使いもお金持ちも、ただの弱者。

世界中、誰も彼もが弱者。


弱者は強者の許しがなくては、死ねはしない。

だから皆、青龍の口中。


青龍が興味を無くすまで

――――――――――青龍の貴族、彼か殺すまで。


生殺与奪とは、よく言ったわ。


殺されることすら、青い龍が決めること。

あたし、たちが護られることと、あの女(帝国女騎士)が護られること。

その意味は違う、絶対に違う、今は違う。


青龍の敵じゃないけれど。

あたし、たちの敵。

あの女(帝国女騎士)


風で間合いを測る。


あの女、それを彼が見定めてから、あたしが歩き出した。

それはもちろん、彼の息遣いを聴いたから。

敢えて、あの女に背を向けて、気にしない、素振りでね。


それはまあ、あたしの見栄なんだけど。

あたしが気にしていることを、あの女に知られたくはない。

それは隙になる。

あたしが気にしていることを、彼には知らせたい。

それは知られてる。


でも、敢えて、不満足の表明。


抗議なんか出来ない。

だから、意志表示だけ。


――――――――――どうせ愉しまれるだけなんだけど。


なら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (もうすこし、あたし、) (たちをとくべつあつか) (いしてくれても) (いいのに。)



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