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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十一章「夏への扉」

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「「「「「「「「C'est que je t'appartiens 」」」」」」」」

【用語】


『最適解』

:古代ギリシャの弁証法に起源をもつ考え方で「特定の前提に基づく仮定の中で最も矛盾が少ない仮定」のこと。

現実という変数(特定できない要素)の中で絶対解(不動の正解)や相対解(比較上の解)を求めることはできない。

宇宙の中心を測定することはできないし、定点を求められずに相対することなどできないのだから。

故に最初から現実を無視し知覚できる範囲だけで答えを求める。

そのためには「仮定はあくまで仮定であり正解ではない」という最初の前提を意識し続けなくてはならない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・という考え方だけれど、まあそんなことはよろし。



Aという人間がいた。

Bという人間がいる。


Aはaという食物を食べることが出来ない。

体質的な問題ではなく宗教上の理由によって。

Bはその事実を知らない。


皆様予想された通り。


Aはaを食して自殺した。

BがAにaが入ったシチューを提供したからだ。


こう考えることはできるだろう。


Aが「私は宗教上の理由でaを食べることは禁じているんです」と伝えていれば。

Bが「食べられないモノはないか?」と提供する前に確認しておけば。

Aがaを食べたと一生涯にわたって気がつかないでいたら。


どう考えることが出来るだろう?


Aを殺したのは誰か。

何も知らずに、知ろうとせずに、Aにaを食べさせたBか?

何も知らずに、知ろうとせずに、aを食べたA自身か?


それとも?

合理的な根拠が無いので信徒以外には察することが出来ない禁忌を造り、ソレに対して死を凌駕するほどの規制をかけた、神様か。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面階段/青龍の貴族の左後/お嬢】


わたくし、たちの、ご領主様。

うらや、いえ、悪い癖ですわ。

あの女(帝国女騎士)も目を丸くするくらい。


俯かれているので側背から見上げることができます、ねえ様の涙目。

咄嗟に距離を取ろうとして、思い留まれた仕草。

また悪戯されるのは困るし、


ご領主様の手が届く範囲から出たくもない。

それはそうですわ。


エルフの耳、と言えば大変な意味があるくらい。

まあ、その、主に女の、肢体にまつわるアレコレに例えられるくらい。


エルフを見たことがない者にも通じます

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・種族を問わず一般的に。


いつも毎日常日頃、湯殿や閨で、お使いいただく。

それは本懐でありましょう。

時折、常にではないことが意地悪、御愉しみです。


うらや、いえ、愉し、いえ、楽しんでいただける場所多いことは善いこと。

わたくしたちは常日頃ねえ様を見習っておりますけれど、無いモノは無いのです。

胸や背丈は変わりますけれど、耳は後から長く伸びる訳もないですし。


そこは努力、で、短い耳の良さを味わっていただいております。

けれど、及ばぬことは在りますわ。


秘したることなのに、見えぬことなく目立つこと。

意味が、誰にも誤解されないくらいに周知されていること。

形式ではなく互いの悦び、いえ、喜びになること。


でもでもでも、あえて人前で?


それは、ありにも剰りにも、余りにも。

ねえ様がうらや、いえ、御可哀相です。

チラリと魅せた目尻に、涙があふれて。


いえ、まあ、それは、涙なのか潤んでいらっしゃるのか、判然とはいたしませんが。


でも、恥ずかしそうに見えないように取り繕っていらっしゃる。

跳びあがったのを一瞬に抑え、とっさに振り向いたのも刹那。

ご領主に集中して敢えて、あの女(帝国女騎士)は見ない。


その御姿に感銘を受けましたわ。

まさにそれこそ最適解。


正解とは、終わってみて初めてわかるものなのですね。

わたくしも、わたくしらしく、真似いたします。


あの女(帝国女騎士)も動揺を抑えかねている様子。

ごご領主様の関心を惹けた、と思っていたらこれです。

さりとて、ご領主様、あの女(帝国女騎士)から眼を離すでも無し。


翻弄されてますわ。

いい気味。


ねえ様は、ご領主様に翻弄されて、それどころではないのですけれど。

カクカクと軽やかに歩きながら、とにかく考え続けていることが伝わってまいります。


辱められた、と怒るべきか?

可愛がられた、と悦ぶべきか?

何故人前で、と糾すべきか?


嫌がってみせれば二度と、いえそうではなく、むしろより繰り返し、などと作為を凝らしている場合ではありません。


ねえ様、どうされるのかしら。

わたくしも、知りたいです。

どうするのが正解なのか。


妬む訳でも僻む訳でもなく、悔しさを梃子に、涙をのんで、学びます。

敬愛する女たる、最大のて、競争相手である、ねえ様に先んじるため。


いつもように途中で力尽きる、だけではない地平を開かれた?


ご領主様の趣味嗜好からして、新しいイジワルを繰り返されるは必定。

ねえ様の失神率は跳ね上がりますわ。


最後までたどり着けない可能性が高まれば、それはそれで好都合のような、いつもと変わらないような。


でもでもでもでもでも、きっと構って頂き易くなりそうな

――――――――――いえ、邪念は捨てます。


わたくしは、ねえ様を見習い学ぶだけです。

ひたすら羞恥に懊悩し煩悶する、ねえ様。


その打ちひしがれ、無かったことを装い、それが故に強がっていることが露わすぎる御姿。



同じ女として羨ましさなど棄てましょう

――――――――――代われるものなら代わってさしげたいです!!!!!!!!




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神殿正面階段途中/青龍の貴族】


お嬢は指をくわえて見上げ、魔女っ娘はあたふたと見まわす。

俺が二人の頭を撫でると、ふにゃっと笑う。


おーい、アメ持ってこい!


歩きながら軽ーく背後に向き直り、Colorful、直後が白になっていた、の頬を摘まんだ。


子どもって平等が好きだよね。

でないと拗ねる。


平等は公平ではないこと。

ここ重要。


理由や因果によらず、同じ機会に同じこと。

独りを撫でたら全部撫でる、のは基本だが、変化を付けないと飽きられる。


ので摘まんだのであって、Colorfulの丸いほっぺが柔らかくて心地がいいから、だけではない。

サラサラだったり、ウェーブがかかってる、艶やかな髪も大変良くて不満など御座いません。


お嬢がColorfulを、睨んではいないな。

不満そう。


子どもって特別が好きだよね。

でないと拗ねる。


自分だけ、ってのが好きなのは、大人もか。

ここ重要。


その辺りは俺だって子どもの頃に憶えあり。

姉と同額のお小遣い千円より、内緒でもらった500円の方が嬉しい。


そーいうもんだろ?

ちがう?


もちろん大人になると与える側。


特別と平等を両立させるのは難しい?

そんなこたーない。


そーいうのは、みんなが見ていない時に配慮すればいいのだ。

それが難しい時は、種類や仕草で差別化を示すだけのこと。


撫でるか摘まむか。

力の強弱、触る場所。

視線ひとつで示してもいい。


お嬢もなんとかご納得。



一通り済ませると、俺は前に向き直る。

エルフっ娘の背中が敏感に反応。

何かされると思ってるな。


帝国女騎士が俺の視線に気がついて、エルフっ娘との間に入ってくれた。


これで安心エルフっ娘。

ちょくちょく連続で弄りやしない。

油断するまで間を開けよう。


俺のことは忘れて、心置きなく楽しみなさい。


エルフっ娘、懐かしの聖都に再訪。

実に結構。


本日の観光慰安接待慰撫旅行、いや、遠足、の主役主賓。


もともとエルフっ娘を喜ばせるための遠足

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・聖都についてから思い出した、とか帝国女騎士を一通り愛でてから再確認した、なんてことはけっしてありませんよ。


作戦目的は常に一つ。


軍人の常識だね!

作戦と付けなきゃ社会人の常識?


まあ人生の常識かな。

軍人じゃなくて自衛官だけど、国際連合出向中は軍務中。

どうでもいいように見えて、ここ重要。


二つ以上の立場と無数の関連法規。

国際連合憲章と日本国憲法だけじゃない。

組み合わせれば無数の役ができる。


利用すれば楽を出来るし、命が助かるかもしれない。


カード数は53~4枚?

役も組み合わせも限りある?

誰に聞いたよそんなこと?


貴女の谷間や裾に55枚目のカードが!


などと言ったら怒る女には、翌日再度アプローチ。

笑って応える女には、布石を明後日、回収しよう。


そーいう意味にとってくれる方がはかどるよね。

じゃなくて。


だけ、じゃなくて、普遍一般基本原理。


53枚か54枚かわからないなら、55枚目以降のカードもあるだろう。

耳の後ろとか、袖の下とか、手の裏とか表とか、カードが分裂だってするだろう。

見えない無いモノはない、と思わせるのは良いが、思っちゃいけない。

勝負はそこで決まるのだから。


本当に大切なものは、眼に見えないモノなんだ!




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面階段/青龍の貴族/隊列先頭中央/エルフっ娘】


あたしは取り繕うのに必死だった。

そう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・取り繕えなかった。


なんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよなんなのよ!


いきなりそんなごういんすぎててがせまってなにをされるかわかってたのにさからえなかった

――――――――――なんなのよ!!!♪!!!♪♪!

あんな、人前、あの女の前、で痴態をさらすなんぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!

あの娘、妹分にみられた~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

見られるだけならいつもだけど人前で人前で人前で霰もない二人っ三人っ八人に彼と閨や湯殿や部屋の中とはちがう――――――――――!





次回更新は演出上の理由で前倒しいたします。

週二回更新という前提は変わりません。

その場合に週末の更新が一回になるとお考え下さい。

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