謝肉祭/Thanksgiving.
登場人物&設定
※必要のない方は読み飛ばしてください
※すでに描写されている範囲で簡単に記述します
※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします
本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。
他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。
文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。
よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。
・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。
・【語る人間の居場所/誰視点】とします。
・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。
・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。
以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。
(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)
【登場人物/一人称】
『俺』
地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》
現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》
?歳/男性
:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。
【登場人物/三人称】
地球側呼称《神父》
現地側呼称《道化》
?歳/男性
:合衆国海兵隊少尉。国連軍軍政監察官。カトリック神父で解放の神学を奉じる異端寄り聖職者。野戦戦闘服か制服にサングラス。ときどき咥えるコーンパイプや葉巻はネタ。異世界住民に接触する国連軍関係者は、地球産化学物質の影響を与えないために皆非喫煙者
地球側呼称《曹長》
現地側呼称《騎士長》
?歳/男性
:国際連合軍/陸上自衛隊曹長。主人公の「俺」が困ったら、困ってなくても、まず頼る相手。
主人公の「俺」は着任以後、本土の友人知人を経由して曹長の家族に贈答をかかしていない。奥さんだと遠慮されてしまうので、娘に受け取らせる戦術を多用中。そのかいあってか主人公の「俺」は娘さんとはプライベートなメールをしあう関係。娘さんに曹長、お父さんの良いところを吹き込ん間接的に曹長の機嫌をとろうとしていることは間違いない。
地球側呼称《三尉/マメシバ/ハナコ》
現地側呼称《マメシバ卿》
?歳/女性
:陸上自衛隊医官/三尉。国際連合軍独立教導旅団副官。キラキラネームの本名をかたくなに拒み「ハナコ」を自称。上官の元カノが勝手に「マメシバ」とあだ名をつけて呼んでいる。
陸上自衛隊の正服第2種礼装(緑色)を仕立て直したように見せかけた完全新作を着用。
もちろんマメシバブランド。
恋愛至上主義者で、倫理や道徳はおろか「愛は地球(人類)より重い」と即答できるタイプ。
肢体の繋がりって、すっごく大事なんですよ?
「それからの方が口説きやすくなるからな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さすが、たいちょー。
奪うんだか与えるんだか。
追い打ち男。
オーバーキラー。
釣った魚にドーピング。
「それ今おもいついたのか?どっかで言われてるのか?なんで知ってるんだ?」
《太守領太守府王城軍政司令官私室にて》
【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】
あしたのために、その三。
ナンパ開始までライバルを含めた地球人男のイメージを無難に保つべし。
好印象を与えて敵を利してはいかんし、巻き込まれて不評を買ってもいけない。
「お姉さんと妹とお母さんの有無を教えてくれるかな?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~Ouch!!!!!」
あくまでも俺に向かう、帝国女騎士の眼。
同性の友達から先輩後輩まで自然と見知っていくのが正しい。
姉妹に母のことなんか本人に直接聞くことじゃねーだろバカ。
まったくナンパ、いや、友釣り、いや、基本がわかってない。
接触やら結合やら相互作用を説得する機会を得るためのドキドキだと思えば、十年間、いや、巻きで行けば5年くらいは楽しめないこともない。
神父はエルフっ娘に関節をキメられて声も出せなくなったので安心。
声も出せないくらい完璧にキマっているのに、絡みつこうとする神父。
腕と手首だけを捻ってキメて、接触を最小限に抑えるエルフっ娘。
瀬戸際の攻防です。
神父はなんとかコブラツイストの体勢に持って行こうとしている。
かけられる方に。
苦悶の表情していますが、そこまでしてセクハラしたいのかお前。
――――――――――殺すか。
エルフっ娘は体重や肢体を使わずに、バランスや重心だけ。
大柄な合衆国海兵隊員を、長身とはいえ少女の肢体で、まあ。
関節を潰さずに筋肉を傷つけずに痛みだけで留めているのが巧い。
なんていい子なんだ。
Tap Out!Tap Out!!Tap Out!!!Tap Out!!!!Tap Out!!!!!!
Tap Out!!!!!!!
数が多いから無効だな。
※ギブアップの意思表示は2~3回たたくこと。
撃ち殺させちゃおーか。
曹長。
発砲を許可す、あ、オチた。
っていうか、オトした。
みんな無視。
へんじがない。
ただの しかばね のようだ。
やれやれ。
そんな俺に向けられる瞳。
俺は帝国女騎士を見て楽しんだ。
触れないから仕方がない。
グラデーションのかかったブロンド。
日焼け不可避な長期馬上生活を、ヘア・アレンジに生かす
――――――――――大好物ですお洒落ゴコロ!!!!!!!!!!
兜からはみ出す、いや敢えて、はみ出させているのかもしれない毛先。
兜を付けていない時は編み込んでいるのが判る、後ろ髪。
兜はどーあれヘアピンで留めている跡がある前髪。
毛先は
基本金髪なんだけどね。
日に焼けた部分が赤みを帯びる。
ブラウンからレッド、ストロベリー。
度合いは生活に、色合いは髪質に依るけれど。
帝国女騎士、彼女の場合。
全体がストロベリー・ブロンド。
毛先と頭頂、編み込みを解いたラインで変化。
編み癖が着いた物理的ウェーブ。
ソレに反する色合いのウェーブ。
戦場生活にも日焼けにもめげない、おそらく手入れをかかさない髪質。
陽の光にかざすと踊るようだ。
光に映える金髪だから、ってのもあるだろうが。
陽射しを今も、意識しているのが判る。
戦場を良く知り利用する、将校の鏡。
日光。
風向き。
地形。
そーいう意味で特に力説したいポイント。
匂い。
香りじゃなくて。
匂い。
風下に立ったが俺の不覚。
いや、間違いなく立たされてるんだが。
ほのかな香料の中に漂う肢体の香り。
実に堪らないのは演出だ。
香料、その選択の意外性。
香水、香料、香るもの。
それは各種ある物だ。
俺は使わんが縁はある。
子ども、つまり、子どもとして扱われている、健康な子ども。
これは基本的に良い匂いがする。
魔女っ娘やら、お嬢やら、エルフっ娘だけじゃない。
異世界でも日本でも、あんまりかわらん。
んが、成長するにしたがって、独特の匂い/臭いがつく。
歳を経て体内に蓄積されていく成分。
成長限界による新陳代謝の循環崩壊。
健康な肢体でも、癖が付くモノだし。
それは必ずしも悪い意味で、臭い、じゃないんだけれど気にする女が多い。
いや、病的な臭いなら臭い。
それは気にした方が良い。
病気は治して、生活は直して、健康な匂いを取り戻そう。
そーいう、気にした方が良い臭いじゃない匂いを気にする。
結果として、通り一遍の臭いでソレを塗りつぶす。
他人に与える影響を気にする割に、ほぼ主観で行う。
だから俺も知ってはいるけれど、いい印象はない。
いや原理と対応がずれてるから、成功するわけがない。
香るが臭いに早変わり。
まあ仕方ないところもあるんだけれど。
一般に、化粧、含む香水は教育されないからね。
俺が知る限り、みんな自己流、あるいは口伝伝承。
どうせ避けないなら、義務教育に取り入れればいいのに。
よってまあ、極めて残念な結果になるわけで
厚塗重塗に臭気爆弾の出来上がり。
感覚的に耐性が出来るから本人だけ無事とか。
ないわ~。
ここまでは残念な日本(現代社会)の御話でした。
異世界では、いや、帝国騎竜民族は違うようだ。
異世界全体は知らんからね。
俺が知っているのは太守領の風俗。
今知ったのが、帝国女騎士の趣味嗜好。
其れがこの演出。
風向き一つで香る。
すっと鼻を抜ける刺激。
騎兵に向いていないよな。
刺激臭は動物一般、含む人、に警戒感を醸し出す。
だからこそ、用心深く、ふかぁ~~~~~~~~~~く吸う、と
――――――――――健康な肢体の匂い。
しかも、香料の香りは急速に収まっていく
――――――――――彼女の匂いだけを残して。
揮発性が高い香水?
付けるタイミングが難しい。
ほんの少しズレたら、まったく無意味。
実害はない、訳がない。
値段がどうあれ、消費量が通常香水の比じゃない。
肢体に害が無くても、懐を直撃。
金がかかる。
化学的大量生産時代でもアレなのに、中世だよ?
誰を狙うかも難しい。
スペック次第で豚に真珠。
微妙なかぎわけができる、相手。
鼻がバカにならない、健康な肢体を持つこと。
嗅覚がマヒしない、健康な環境に居ること。
五感が鋭敏な天分があり、感覚が鈍っていない、つまりそれなりに若い相手。
受動的な香りで能動的に識別。
気を曳き眼を引き押し付ける。
不動の攻撃性に静止した行動。
無差別に行われるピンポイントマーキング。
絨毯爆撃である精密爆撃。
制圧射撃でありながら狙撃って、おかしくないですか?
しかもこれ、香水はあくまでも看板に過ぎない。
引き摺りこんでメインを賞味させるための、飾り。
人間と動物は、警戒すれば否応なしに反応する。
生きるために自動的に進むプロセス。
嗅ぎ、聴き、視る。
五感の中で一番先に、そして最優先。
嗅覚は脳に直結している一番明敏な感覚。
ってほんとうでしょーか。
其処を狙う。
相手に選択権を与えない、意図的な術策。
不快ではないが、気を惹く香。
誰もが必ず深く吸う。
確認のため。
その時には、ひかれた香りは霧散。
深く吸いこまれるのは、彼女の肢体、そのものの香り。
レストランに例えれば、一口目を必ず口にツッコむような物。
つまりそれで十分、味わえばわかる、ってわけだ。
この場合は彼女、帝国女騎士の肢体なんだが。
はてさて、そこまで自信を持てる人間がどれほどいるだろう?
付けるのが帝国女騎士、もとより本人の肢体、その匂いが馨しくなければ
――――――――――自爆。
本来なら欠点ってほどじゃなくても、この演出では致命的な欠点になる。
良い匂い、と感じさせることが出来なきゃ、終わり。
良くも悪くもない、は、男女間に限ればマイナスだ。
欠点だったら、言うまでもない。
マイナスブースト。
終わりが始まってしまう。
どんな美点が在っても、有れば有るだけ言われてしまう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アレがなければ、って。
それはもったいないんだけれど。
大抵は、そこで終わり。
欠けた、足らない、ダメな、をよく咬んで愉しまないのは実に良くない。
俺によこせ。
そして世界の大半は俺ではないわけで、残念ながら俺にとっては。
ともあれ、この香料が好いのは、引き立て役、ではなく、強調効果だからだな。
帝国女騎士が、自分の匂いを自覚しているからこそ。
美味い物は塩だけでいーんですよ。
マヨネーズも好きです。
そのあたり、美女が自分を把握している、だけなんだろうが。
その上、相手の鼻がバカだったら。
徒労で済ませられないのは、俺が貧乏性だから。
ある意味、細部まで気にする俺向きだが。
主計将校の本能ですよきっと。
いや、ちがうのかな?
二の太刀要らずということなら、むしろ自負ではないのかもしれない。
自負もあろうが、覚悟の問題?
一撃にすべてをつぎ込み、次は考えない。
軍隊の発想じゃねーな、これ。
二の手三の手を考えるのが、軍隊、ってか、組織だもの。
つまりこれは、この女、彼女の心意気か。
惚れちゃいそーです。
しかもいい匂いだし。
君の香りであと十年は戦えます。
いえ我慢できるのは五年くらいか。
我慢しなくていいなら来年くらいで如何でしょう?
鼻が利くってのは、良し悪しだ。
良いところはココだね。
ココも、かな。
臭いで体調不調がわかる。
それは、誰にでもできる。
悪臭ならば誰にでも嗅ぎ分け可能。
動物は、危険に敏感だからね。
生き物の悪臭とは?
不健康ということ。
心か体か両方か。
それが体内体外どちら由来でも
――――――――――近寄ってはならない。
これ本能。
だか、良い匂いはなかなか難しい
――――――――――らしい。
俺には簡単だが。
或いは、良い匂いがすくない場所で育つと、そうなるのかも。
日本では、老人の真似をする奴が多いからか。
老いを熟しと言い繕う、自称大人実態老醜に騙される奴は多い。
いやまあ、騙してるのは自分自身かもしれないが。
優れたものを楽しむより、自分以下に貶めよう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなのおかしいよ。
かくしてカモられる、まあ、バカなんだが。
金と手間を費やして、自家製臭気爆弾になるとかないわー。
臭いから匂いを嗅ぎ分ける身になってくださいまったく。
それはあたかも砂浜から貝殻を探し出すような。
あれあれ?
もしかして悪くない??
でもやっぱり手間だよね???
蟹の殻を剥くような、のほうがいいかな?
だが、異世界最強の女型決戦兵器には抜かりがなかったぜ。




