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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十一章「夏への扉」

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確信犯≠故意犯




【登場人物/三人称】


地球側呼称《三佐》

現地側呼称《青龍の公女》

?歳/女性

:陸上自衛隊三佐、国際連合軍事参謀委員会参謀、WHO防疫部隊班長、他いろいろな肩書を持つ。日本の政権与党を支配する幹事長の娘で、父親と連携して戦争指導に暗躍している。

陸上自衛隊の正服第2種礼装(緑色)が標準。

馬上の時もスカートのまま、横座りで馬を操るのになれている。

父親譲りで、私利私欲と公益を「完全に一致」させることが出来るタイプ。


※地方から中央政界に睨みを利かす実質的な世襲政治家一族直系の産まれで、長女にして一人娘。

※生れ落ちて以来、父祖代々の支持者に傅かれ(かしづかれ)て育ち物質的な不自由を感じたことが無い。

※どこか他人を「他」と認識せずに自分の肢体、その一部であるかのように扱う傾向がある。

※「生得的(産まれつき)な関係」を自明としており、後天的習得的なものはその延長と認識しているフシがある



「殺す」べきか「死ぬ」べきか。


それが問題よね。


「殺した」

「死なせた」


同質でありながら、異質。

正気と狂気の違い。



知ってる?

殺人犯の一番多い供述。


「しんでしまいました」


しんでしまうとはなさけない!


言い訳、じゃないのよね。

罰せられる恐怖に耐えられず、とっさに口を突く言葉。

感情的な叫び、つまり、本気、なわけ。


こういうこと。


弾を装填するでしょう?

銃口を向けるでしょう?

引き金を絞るでしょう?


照準した場所に弾丸が当たって?


――――――――――死にました――――――――――


あらあら!


「殺しました」


でしょう?


似たようなことは幾らでもあるわよ。

ふふん。

そう。


「赤ちゃんが泣いています」


これは?


「赤ちゃんが泣かされています」


でしょう。

雨と涙は違うわよね。

泣くのは自然現象じゃないんだから。



蹂躙し虐待し脅かしている人間は、まったく自覚が無い。

ソレを見過ごしている連中も、まったく理解できない。


限られた人間。

共感性が強く、他者の痛みを自分のことのように感じる者。

彼らだけが、怒るわけ。


「うるさい!」


それが異常者扱いされる。

ね。

狂ってるわ。


ことほどさように、少ないわけよ。

自覚的な「殺人者」は。


死なせることが出来る奴なんかいくらでもいるのに。


むしろ、その方がたくさん殺せるくらい。

ボルマン、スターリン、毛沢東。

百万千万単位で殺した人物。


共通点は何でしょうか?



当事者意識がないこと。

アイヒマンと同じよ、お・な・じ。


ガス室に押し込めました。

扉を密閉しました。

ガスのバルブを開きました。


中で人が死んでしまいました。


あらあら!

ホント、やだ。


良心の呵責?

殺したという事実に耐えられない?

自分を騙すことで罪の意識から云々?


は!


当事者意識が無い奴らはね、積極的に仕事(さつじん)を造るのよ。

苦痛があるというのなら、それを増やす生き物があり得るかしら。


同種の生物を殺すことに苦痛を感じる。


そんなシステムはない。

危険を感じて逃げることはあっても、それを防いだりはしない。


当たり前よね。


防ぐってことは、危険とイコールだもの。

脅威と、接触しないといけないんだから。

そんな不合理な本能など、存在しないわ。


ならばなぜ?

仕事(さつじん)を増やす必要があったの?


それは簡単。


増やさないと無くなるもの。

仕事(さつじん)が。


殺せば減るじゃない?

減ったら増やすじゃない?

増やしても減るじゃない?

だからもっと増やすじゃない?


このサイクル。

ソレを留めることはできない。


仕事(さつじん)が無くなるってことは「執行者が要らなくなる」ことだから。



本質的に存在価値が無い。

寄生することでしか在り得ない。

その理由を絶やすことはできない。


その認識に耐えられないから、仕事を創り出さずにいられない。



パーキンソンの法則。

一つ。

仕事の量は労力の限界以上に膨張する。

二つ。

予算の額は歳入以上の額へと膨張する。

三つ。

よって役人の数は、仕事の量とは無関係に増え続ける。



ソビエト連邦の最高権力者が「書記長」と呼ばれていた理由。


スターリンは、レーニンの事務官だったからよ。

党の誰からも注目されず。

特に実績もなく。


最期はレーニンの代わりに命令書を書いた。


ヒトラーの秘書でしかなかったボルマン。

コミンテルンの援助資金を分配していただけの毛沢東。

何も産まず何も壊さず何もかも滅ぼしつくした、官僚たち。


日本国家の最高権力者気取りが「事務次官」と呼ばれている理由。



だからね?

善良な傍観者なんか、要らないの。

そんなのエルサレムで吊るされてりゃいいわ。

責任を取るやつも、間に合ってる。

むしろ責められることを自覚して、逃げ回る奴。


今、じゃなくて、常に、必要なのは「殺す」人間。


「殺意はなかった」

な~んて、言い張ってる奴がいいわ。


いない?


必要な者はね、必ず「在る」のよ。


《とある日における国際連合軍事参謀委員会での会話》





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


あしたのために、その二。

五年後の異世界ナンパのために、今日のジェントルを保つべし。

目の前に居る類まれな美女は、無数の異世界女性への扉である。



俺の背後で激しい殺気を笑顔で抑えるエルフっ娘。

視えなくても見えます。


単に動きを封じられていただけの神父が、次のステージへ!


心の目(フ○ース)で見えるのは喉を踏みつけられ(いき)を止められる神父。

ロングスカートの裾を少しだけ抑えて、神父に生地が触れないようにしています。

もちろん肌を見せるようなへまは決していたしませんのはいうまでもなく。


踏んづけられて身悶えする様な変質者を殺すのは自衛行動です。


ルパンダイブ発動シークエンス緊急解除

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺が何をしだすかわかったもんじゃない。



さて、魔女っ娘を撫でようかな!


両手をわしわししている俺に向き直る帝国女騎士(おとなのおんな)

――――――――――俺に?


さて、お嬢をかいぐりしようかな!


両腕を広げる俺の腕の範囲は帝国女騎士(わかいびじょ)でいっぱいでした。

チッ!!!!!!!!!!


美女ってだけなら大歓迎なんだけどね~~~~~~~~~~ハニートラップとか美人局とかキャッチセールスとかとかとか実に扱いやす、いやまあカモネギ、後ろめたさを持つ人間は実に扱いや、とにかく、俺に向き直った彼女(帝国女騎士)には自信と自負しかない。


観てて楽しいイイ女。


つまり大変扱いにくい。

だからこそ魅力的。

つまり避けた方がよい。


コストパフォーマンスが合わない。


イイ女、遠くに在りて想う者。

俺は身の程を知ってますので。

タナボタなら歓迎しますけど。


現に、聴かぬ、と断定。


よく見て、聴いて、考えていらっしゃる。

獲物にされる側のことを配慮してほしい。

何が不満だ、と俺に言いたげだが、違う。


俺には不満がありません。


が、不満をぶつけられるのはなれてます。

女の八つ当たりぐらい、面白いだけ。

攻撃不平不満拗ねるどんと来い。


それが気に入りませんかそうですか。


つまらん、といいたげだ。

要は、俺にも聴かせてたんだな。

それはまあ、魔女っ娘もそうなんだが。


しかも、訊く、でも、聞くでもない。

きくとは。


聴く。


魔法翻訳の意訳効果で語感が判る。

それはもちろん、お互い様。


聴く

――――――――――尋問調査確認の基本。


向かい合った相手から答えなんか得られない。

よほどの雑魚なら別だが。

雑魚から得られる、答えはゴミでしかないし。


棄てる手間がかかる上に、判断を迷わせるノイズ。


なら、向き合うに値する相手に、なぜ話しかけるのか。

相手の反応を窺うために。

拒絶に受容、虚構に願望、知見の限界、態度表情等々。


その辺りは古典的なコミュニケーション・テクニック。


自白剤が全面導入されていても、その必要性は変わらない。

薬物は基本的に、敵以外には使えないもの。

あくまでも基本的に、だけれど。


味方が怖くないとは言いません

――――――――――――――――――――――――――――言っていいのかな?


まあこの辺りの原則は、原則だからこそ無視されがち。

現に、相手に聞いちゃう奴なんかいくらでもいるよね。

それで騙された間違ってた、自分のせいじゃないって。


帝国軍は、そんな間抜けじゃないらしい。


いや彼女(帝国女騎士)は、かも知れないが。

地球人が特別にバカって訳でもない限り。

彼女(帝国女騎士)は取り分け優秀なんだろう。


異世界人が、いや帝国騎竜民族だけでもコレだったら?


俺たちすでに、詰んでますね。

いったい何回詰むんだって話。

詰んでも詰まぬチートの汚さ。


千年分の進歩でカバー。

お前は既に死んでいる、って言われる傍からリポップしやがって、しかも回数無限ときてますよ。


時の流れは偉大だな~。

千年前に出発したカメに、ウサギが追い付けるかどうか。

勝負を投げないってだけで感心するやら呆れるやら。


先人の積み重ねだけで、異世界に行っても大丈夫!

今は。


愛しの君(ていこくおんなきし)君たちよ(いせかいのびじょ)

待たせることを許してほしい。

あと十年。


あ、今すぐ、ですか。

そうですか。

お待ちいただけない。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の右前/魔女っ娘の右/エルフっ娘】


あたし、あの娘、妹分、そしてColorfulが、皆みてる。


いっそ堂々と向きなおった帝国女騎士。

彼に正対し、正面から迫っている。

自分を見て欲しい、と。


あの娘はビックリ。

妹分は静かに激高。

あたしは?


感心するしかないわね。

ううん、羨ましい、かしら。

あたしたちにはできないこと。


彼、青龍の貴族、の態度が不満。


せっかく女として見られているのに。

間違いなく女として魅了しているのに。

彼が男として対していると判ってるのに。


楽しまれ愉しまれ欲しがれない。

触れられないどころか触れない。

なにもかも一方的で交わらない。


あたしたちは、まあ、求めあえるし、触れ合えるし、焦らされているだけ、だけっていうほど楽じゃないけど、大丈夫なんだけれど。


彼の女あつかいに、思うところはたくさんあるわけで。


わかる。

それは判るけれど。

それって、余計に遊ばれるだけよ?



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