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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十一章「夏への扉」

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452/1003

が、がんばりま、す?

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子/エルフっ娘》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。シスターズの姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳、白い肌。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/魔女っ娘/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。





我が家はね。


父と母が、兄で試した。

兄が加わり、私が出来た。

主に私が弟を育てた。


一つとして同じものが無い、とーっても沢山の仕掛け(はぐるま)


子に非ずに全。

全にして子。

親に子。

子に親。

兄と妹。

姉と弟。

なにもかもが不完全に組み合って。


幾つも幾つも止まることなく回り続ける、一直線の機能(レール)




それが、我が家。

「政治家」なの。

政治屋でもいい。


特別に珍しくも無いわよ。

どの地方にも、一つくらいはあるんじゃないかしら。

なかなか根絶やしにはされないのよねぇ。


この列島に生じたミーム(言霊)


ふふ。

実態(ソフト)しかない、実体(ハード)がない。

とても希薄で、それでも在る。


こんどこそ、こちらが滅ぼす。

我等が世界を蝕むモノを。

苗床から根絶やしに。


それで我が家の役割りも終わりにするのだけれど

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、その話じゃないか。


それ。


さっき貴女が言ったじゃないの。

親父様と私、父と娘の区別が無いように感じる?

アレだったら、そんなことを言葉にしたりしないのになぁ。


ほんと。


あたりあたり。

さすが、私の部下。

頭がいいわ。


ん?


大丈夫よ。

だいじょうぶ。

大丈夫、大丈夫。


我が家はね、

貴方たちの幸せを生み出すの。

政っていうでしょう。


政り(まつり)ごと、祀り(まつり)ごと、奉り(まつり)ごと、祭り(まつり)ごと。


後援会。

支持者。

選挙民。


かくあれかし。


求めればいい。

願えばいい。

望めばいい。


安心して、って、そればっかりね。


引き摺られたり、しない。

獲りこまれたり、しない。

侵されるなんて、ありえない。


しあわせって、なーんだ?


だーれも否定し得ない。

誰もがだーい好きな。

みーんなが喜ぶ。


幸せにしてあげる。


日本人を。

日本列島に住む人たちを。

日本の全人類を、ね。


そのために在り始めたのだから。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の左前/魔女っ娘の左後ろ/お嬢】


わたくしは、帝国女騎士、その様子を観ておりました。

あの娘の背を推しながら、ご領主様の感興を摂しつつ、同時によーく、眺めます。


あの娘の逆転劇

――――――――――――ひとたび総ての視線を惹きつけたのに、それを返され、そのまま添え物とされた帝国女騎士。

ご苦労さまね。


そして。


帝国女騎士は、逆らわずに、あの娘の添え物に甘んじる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・流石。


ご領主様を惹きつけた自信があったでしょうに

―――――――――――――実際、不幸にして、たいへん不満足なことに、いえ、わたくしの不明とするところではありますが、ご領主様が、あの大きな部分とくびれたところに、惹きつけられたままですけれど。


普段ご寵愛いただいている、わたくしの、だけとは申しませんが、あの娘のモノを含む、今という時だけしか楽しめない肢体を大切に間断なく集中していただきたいと強く想います!


想いますからこそ、ソレと見透かされているからこそ、わたくし、と、あの娘が憤り憤懣やるかたなく悲しむ直前であるからこそ、敢えてなさっているのではあろうとわかっておりますけれど!


ねえ様やColorfulのように、見習うべき見本となるべき距離感がつかめている敵、いえ、競手ではないからこそ、ご領主様はお愉しいのでしょうけれど!


あえて魅せ付けるように、敵手に惹かれみせる、きっとそれもまた本音であられて、わたくし、たちを愛するのと同じように、なのでしょうけれど!



そこからが、ご領主様。


敵、新しい女を愛でながら。

元々ご自分の女を可愛がる。

あの娘を、女に魅せつける。


わたくしたちを無視して魅せた帝国女騎士。


そういう愉しみ方があるなんて、想像しませんわよね。

そういう愉しまれ方をされるなんて、最中でも理解に及ばず。

そういう経験を日夜寸刻問わずに積み重ねている、わたくしですが。


唖然とする、大きな胸と豊かな御臀と括れ腰、いえ帝国女騎士。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・同情、というのは、不遜に過ぎましょうか?


この、見習うべきところが無しと言えない、強敵。

不動を気取る、張った胸と突き出た御尻と動く腰、な帝国女騎士。


ご領主様(ねらったおとこ)のなさりようを無視するわけにもいかず

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、自分に言い訳しているでしょうね。


実際は、ご領主様に思わず惹きつけられた様子。

隠せませんわ。

もしかしたら、敢えて、隠してないのかもしれない。


それでも、轡を取り返すことはできませんわ。


狙う男が、惹きつけた男が、まっすぐ別な女に向かったのだから。

奪われるつもりが、奪われて。


それでなお、ご領主様は、帝国女騎士への関心を隠す気もなく芝居でもなし。

それでもそのまま他の女、あの娘を可愛がり愉しんいらっしゃる。


恋われて、請われず、退けずに、惹かれ。


訳が分からず、戸惑いを隠して様子見

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・を取り繕って、動けない、だけ。


あの娘の痴態に興味津々。

好奇心でも無視でもなく、自分の未来を魅せつけられ。

自負も自信も保たれたまま、為す術もなく転がされてる。


ふん。

誰もが通った道ですから。

いい気味だわ。



考えて挑めるような方じゃないのよ?




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


俺にのけぞる魔女っ娘。

いや、姿勢を正した。


かなり。

だいぶ。

それなりに。


まだ俺に背を預けたままだが、帝国女騎士に向き合う。


グッと両の拳を握りしめ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さいなあ。

さっきまでとは違う

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一見すると、素人には判らないかもしれないが。


俺には判る。

魔女っ娘専門家。

姉妹の次の次くらいには。


さっきまでの彼女ではない

―――――――あぅあぅしながら、おかんエルフっ娘とスパルタお嬢に連行された可愛い系宇宙人、な魔女っ娘ではない。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の前/揉み解され中の魔女っ娘】


わたしのワガママ、言い訳、身の程知らず。

なにもかも、筒抜けですよね。


だから独りで誤魔化そうなんて

――――――――――ただひとつ大事なこと!


ご主人様の命令です!!

拝命いたしました!!!



ご主人様の指先。

ご主人様の視線。

ご主人様の吐息。


その都度、伝わってきます。


鎮静。

昂揚。

惑乱。

睡静。


まるで弦を奏でるように、わたしの肢体が従います。

それは不器用な、わたしのひとつだけの自慢。

ご主人様の指先に、意図なしに操られることが出来る。


血の巡りが速く早くはやく。

だからこそ、気持ちが冴え渡ります。

わたしの首筋に走る喜び。わたしは、ご主人様に命を握っていただける。

それを教えていただきます。


わたしだけではないのですが

――――――――――何も怖くありません。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


俺に背中を向けながら、間違いなく俺を視ている。

魔女っ娘。

その眼は真っすぐ、前を見据え、微動だにしない。


固まってない固まってない。


「よろしくお願いします」


魔女っ娘が帝国女騎士に応えた。


100点である。

控えめながら堂々と。

肢体から余計な力が抜けて、可愛らしく。

仕草は目礼に留めて、礼を逸せず謁するように

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お姫様かな?


魔女っ娘の魅力、性別を問わない、最終奥義がが全面展開。


可愛い、は最強。

マジでマジ。

老若男女、を保護者に変えて特に反目しがちな同性をひれ伏させる。


あぅあぅの直後でなければ、なおいい。

が、まあ、可愛いからよし

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・顎と両拳で俺の手にかぶりついているが。


一見すると縋って頼って怖がってるようなポーズ。

それで威厳を発せられるのはすごいのだよこれが。

きっと内心の安定が周りの印象を全て飲んでいる。


力一杯、しがみ付くその力が、全力

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・弱い。

可愛いからよし!!!!!!!!!!




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の右前/魔女っ娘の右/エルフっ娘】


あたしは、ちょっとだけ自慢。


あの娘にとって、それが素なのはわかってる。

だからまあ、あたしはあんまり関わってないけど。

あたしのことじゃなくても、自慢したいわよね。


ふふ。


見てる。

観てる。

視てる。


あの娘、そして、あたしたちが好きな男。

その男を狙う、不埒な女。

あの娘を見るべき、二人が視てるわ。


まあ、あたしたちやColorfulも目を奪われているけれど。


一言。

仕草。

空気。


やっぱり血は争えない、ってことかしら。


ただただ、あの娘を皆に自慢したい。

特に特に、あの娘が愛している彼に。

そんな彼が、あの娘を愉しんでいる。


嬉しくて悔しくてどーにもならない♪


かなわないわ~。

あたしと同じ気持ちの妹分も、にっこり。

あの娘が取り乱したときは、柳眉を逆立てていたのに。

器用なことに、人知れず。




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


しかも魔女っ娘。


その声、いや言葉が、いつもより俺の耳を惹く。

いつも小さな桜色の唇から、いつもとは違う音。

それは耳慣れないが、いつもと同じ声ではある。


「通じますか?」

「ご配慮感謝します。こちらは如何?」

「不自由ありません」


魔女っ娘、ホストの余裕。

帝国女騎士、年長者の余裕。

俺、傍観者の余裕。


帝国公用語、か。

いつも聴いてる魔女っ娘の口からでたから、気がついた。


しかも帝国女騎士は魔女っ娘たちの基礎言語を使っている。

単純に言えば、太守領の言葉に近い。


それは異世界大陸東北部、その広範囲で使われる言葉。

敢えて基礎、と付けるのは違いが少なくないからだ。

太守領は地勢的に孤立しているからね。


北方にしては温暖な気候。

その気候が許容した豊かな植生。

結果生じた肥沃な大地。


よって古くから、魔女っ娘たちの先祖が暮らしていた。

山脈と森林に遮られた土地に、少なからざる人口密度。

二百年にわたる政治的統一と安定は浸透と集合を生む。


文化が一人歩きする理由。



気候を緩める暖流が南から人や物を流してくる。

暖まり膨張した大気が気圧差を高め、風が帆を南へはらむ。

豊かさ故に海路を通じて続く交易が、文化を攪拌。


それは時代、航海技術の進歩に従って増加。

文化は独りにならずに一人で進む。

かくして言語が枝分かれ。




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