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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十一章「夏への扉」

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北風と

【用語】


『北風工作』:大韓民国民政以降以後慢性化した南北朝鮮支配階級による共同作戦の総称。大韓民国内で選挙が行われたり体制側のスキャンダルが発生。すると朝鮮民主主義人民共和国がミサイルを撃ったり軍事境界線付近で戦闘を起こしたりする。その結果スキャンダルは忘れられ、選挙では与党側が勝利する。このスリーステップサイクル。それが南北朝鮮半島政府による談合で行われていたことが発覚し「北風工作事件」と呼ばれた。主体となっているのは二勢力。大韓民国中枢の反北朝鮮過激派。朝鮮民主主義人民共和国赤色貴族の武力統一派。両派は日常的に中国国内で親善を深め、融和的関係を維持。中華人民共和国政府からはたびたび抗議苦情皮肉に嫌味に別件逮捕されていたりする。それはさておき外患が必要になると直接膝詰めで会談。朝鮮民主主義人民共和国は軍事衝突を起こす。大韓民国からは支払いとして莫大な税金が現金で送られる。その結果、両者とも外敵の存在をアピールすることで内部の体制批判を有耶無耶にできる。両国国民の士気も上がり、社会が何一つ改善しなくても精神力が増す。


まさにウィンウィン。


狡兎(こうと)死して走狗(そうく)()らる」の警句が示す通りの本末転倒。「敵を倒す」目的で造られた手段である体制が「体制を維持する」ことを目的にしてしまう。

この手の関係は歴史上よくあることであり、第一次世界大戦の西部戦線末期に連合国と同盟国の前線部隊が「相手に当たらないように」砲撃を繰り返したケースなど有名。なお間違って敵に当たってしまったときは謝罪のために軍使が派遣されたとか。


選挙が近づくと空母がうろつきまわり、他国にミサイルを撃ちこむ国より文明的。


「戦争とは国民と政府の間で起こっている(byジョージ・オーウェル)」と言われるくらいである。


こうした文化的な「戦争ごっこ」がガチな愛国者のせいで粉砕された結果、朝鮮半島が不安定化。大韓民国は敵役を東方向へ切り替え、朝鮮民主主義人民共和国は東の列島でスキャンダルや選挙が起こるたびにミサイルを撃ちあげてくれるようになった。すでに季節の風物詩と化しているが、これが始まった時期が発射国と日本政府がちょくちょく交渉するようになった時期と重なっているのはきっと偶然。

ミサイル発射にはコースがあり、高い順にテポドン/ノドン/対艦ミサイルと各種取り揃えられている。最近は対艦ミサイルばっかりなのは不況のせいなのかな?日米合同演習のほうがたくさん撃ってるミサイルを脚色して報道させる様は、吉野家の超特盛をおもわせるから悲しくありません?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・支払いは誰が何処からしてるんですかねぇ?




「共通の敵ですか」


そそ。

検証上、定数(オトコ)を増やすわけにはいかないの。

団結させて奮起させ扇動する為に。


変数(オンナ)/公式(ペア)を増やす」


そそ。

定数が一定であれば公式が増えて変数の特定が容易になる。

巧く増えて良かったわねぇ。



「ナニかさせる気ですね」


そそ。

意欲さえあれば何でもできるじゃない。

あの娘たちいっつも一緒なだけじゃなくて、お風呂もベッドも一緒に密着してるんだし。


「一緒にお風呂は負けフラグって言いますけど」


そう?

密室で半裸全裸が当たり前で定数(オトコ)、じゃなくて、被験体No1「どっちも変わんないです」アレは同衾してる子たちが居ても平気で熟睡できるし。


「ナンでもできますね、そりゃ」


そそ。

矯正強制強精はしない。

あくまで自発的に自然に偶発的にしてほしいのよ。


「満州事変なみの偶然ですね」


そそ。

ルシタニア号やグライヴィッツも参考になるわ。

千年積み重ねた人類の叡智、ってことかしら。


「鳴かせて見せようってタイプですね」


そそ。

あれがされるがままなわけないし、途中で押し倒し返すでしょう。

さっさと啼かせちゃって欲しいわよねぇ。





※衆議院法務委員会と国際連合安全保障理事会は国籍法婚姻法他民法改正案審理と戦後処理計画策定のためにのために「化学的干渉の禁止」を要求している。

※衆議院環境委員会並びに厚生労働委員会、国際連合教育科学文化(UNESCO)機関は種と異世界環境保護のために「可及的速やかに三世代交配の実現」を要求している。







【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の右後/エルフっ娘】


あたしは後で、と心に決めた。

彼、青龍の貴族へ八つ当たり。


そう。

八つ当たり。


文句。

抗議。

嘆願。


彼は全部受け入れて、もっと言えと、もっと望めとムチャを言う。

言うだけならまだしも、どんなに嫌がっても、我が儘をさせる。


ソレを躱せるとおもっていたけれど、ダメ。


あたしですら、感情の箍が外されかかって、るわ。

多分もうしばらくは持つけれど、時間の問題よね。


明日のあたし。


視野が狭くなってる。

物分かりが悪くなってる。

解るのに判らなくなってる。


きっと彼を困らせて、苦しめて、縋り付いてるでしょうね。


信じらんない!!!!!

で、それを受けて、飲み込み、押しつぶして。

きっとそれを愉しまれてる。


今もそう。

昨日の、あたし。


信じられるかしら?

こんなにバカのになっちゃったのよ?


ううん。

そうされてしまったんだから。



彼が何かをこらえている

――――――――――笑ってるのね!!!!!!!!!!


嗤いじゃないからっていいわけない。


これ見よがしに帝国女騎士に向いた後。

判りやすく不自然に、あたしを見た。


視線があった、あたしの嫉妬と不安に満ちた眼を。

その笑みで安堵した、あたし。


八つ当たりなんて言っても

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・きらわれないとわかってるからこそ、なんて、判ってるけれど。


それも含めて、思うつぼ。


あたしたちが離れられないと知っていて、それを知っていると判り易く示して、安心も不安にもさせて、右往左往させて。



わざわざ煽って、あえて迎える。

振り子が往き来する間に、上げて落とされ。

落とされ上げて

――――――――――あたし、頑張るんだから!!!!!!!!!!




【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


エルフっ娘に癒される、俺。

目の毒とは大違い。


いやエルフっ娘のほうが魅力的ですけどね。

仕草も肢体もパーフェクト。


身も心も、と言いたいところだが。

心にはわからんところもあるからね。


きっとまだまだ色々な隠し事がありそうだ。

実に楽しみです。



そのあたり、帝国女騎士の心根は判り易い。


微に入り細に入り見どころはあるだろう。

だがアウトラインは明確で、俺には一番わかりやすい。


そも見える範囲だけで愉しい。


女が男を見る目。

直訳すれば、それに尽きる。


ソレを愉しめないのは、彼女のせいじゃない。

しかも実に好い肢体をしているのですよ、まったく。

目視可能な手と手首から体脂肪率計測余裕。


美容のためにジムに通う、しょーも、いや、残念な方々とは違う肢体付き。


筋肉はモテない。

肢体を絞ればいいわけない。

構造が見えてるなんてキモイだけ。


まあ一般的見解だよね。

ボディービルが決して一般化しないしたことないしすることも無い理屈。

さあ皆さんご覧ください。


健康的な肢体。

鍛えられた肢体。

引き締まった肢体。


人造プロテイン中毒とは真逆な肢体が此処に在る。


これが異世界の騎士。

けっしてマッチョではないことは間違いない。

マッチョだったら男の眼を惹くことは無い。


鈍器みたいな剣で人体をバッサバッサと斬り分けて貫いて粉砕しM-14よりも重い槍をブン投げて人とか馬とかを以下略。

馬なんてサスペンションも無い遊園地のアトラクションに等しい動物に何時間も疾走させて乗り続け馬上で飲み食いしたりする騎馬民族。

そんな生活を物心ついた時から絶え間なくというかそれこそ生活ですってことを何世代も重ね続けた結果がこれですよ。


胸はでかいわ!

腰はしまってるわ!

肌はきれいで生気に満ちている!




実によい意味でお手頃です。

これだけでご飯三杯はいけますが、あえていきません。




【聖都/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族の左後/お嬢】


わたくしは、あの女、いえ、帝国女騎士から視線をそら、いえ、向けません。


何を見るべきなのか?


それも判らぬ未熟者ですが。

だからこそ、周りをみます。

出来るだけ広く大きな範囲。


ご領主様。

わたくしたち。

半円に囲むのが、青龍の騎士様方。

サトウ卿率いる半分が外側を。

シバ卿率いる半分が内側を。


シバ卿は、らんどくるーざーの角先を帝国女騎士に向けて。


銃の筒先は、全て重ならないように。

何時でもすべてを放てるように。


そして。

青龍の女騎士様方。


わたしくしたちを、男の手や眼から遮るために、手配された方々。

ご領主様のお気持ち、わたくし、たちが生涯ご領主様のモノであること。

それを担保するため、特に選ばれた数少ない、女騎士さまたち。


一緒にいらしていないから、先回りされていたのね。

遠巻きに全体を囲むように。


高台や物陰から、うかがっておられます。

今朝方の様に銃はかまえず、腕に抱いて。


ここまで。

わたくしたちの側。


帝国女騎士は、留めた馬からも離れて、一人。


従士もつれていないわ。

普段は連れているでしょうに。


騎士、それも女騎士なら、肢体の負担を減らすのは当然。

まず屈強な男が付けられるはず。


ふーん。


あえて手勢を棄ててみせて、恭順の意を示しているのかしら。

慣れた男を連れていては、邪魔になるから、かしら。


わたくしたちのことが、どう聴かされていたのか、いないのか。


男を近付けて、ご領主様の怒りを買わないように?

なら、相当なところまで知られていることになるわね。


帝国に女騎士が一人だけ。

そんなわけありませんわ。



容姿に恵まれたモノと厳選しても、一人の訳はなく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・独りで眼を惹く為。


たった独りで現れればこそ、ご領主様の注目を集めることが出来る。

数で劣るのだから、それを逆手に取るってこと。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カンガエチャダメ。





【国際連合統治軍第13集積地/聖都市内/中央/大神宮正面前/青龍の貴族】


俺を落しにかかっている女。

帝国女騎士。


ファッションも実に良い。

これを見るとよくわかる。


俺が知る限りで言えば映画の、しかも比較に耐えるのはあれだけだ。

ラスボスを防ぐためにラスボスのところに指輪を棄てに行く話。

あれが一番、西洋風ファンタジーとして出来が良い。


弓矢が近接兵器って初めて知りました。

槍より長い、拳銃程度の距離を想定しているってね。


そりゃそうだよなー。


当時の工作技術と生産技術に訓練技術。

最大射程を生かせる弓兵を大量に備える。


それを続ける。

何年も何十年も何世代も。


人類史でそれが可能な時代と地域がどれだけあり得るか?

それこそファンタジー!


ローマやモンゴルだオスマン・トルコってのは、例外です。

あれは絶対、異世界から転移してきたに違いない。


俺が見たことがある、リアル嗜好な中世ファンタジー作品。

モンゴル準拠やローマ基準やオスマン標準は出てこない。


竜が居て。

魔法があって。

チート国家はでてこない。



そんな学ぶところがおおい超大作。

原作小説もスッゲー大作。


ラヴクラフト並みの設定マニアが造った、世界で一二をラヴクラフトと争うほど完成度が高い世界観。


架空世界専門家が出るくらい。

未読の帝王と呼ばれるくらい。

山と売れたのが不思議くらい。


俺以外の誰か読んであげてください。


そんな作品を基にした映画の、現代最高の映像美術を、今ここに在る異世界装束(を纏った美人)と比べてみると?


映画の中に在ったのはコスプレだったんだな。


そんな帝国女騎士、幻想的リアリズム。

格好よさといい、物腰といい、雰囲気といい。


身に纏う鎧は、エルフっ子のそれに近い。

設計思想というか、ユーザーとクリエーターの嗜好が。


今、エルフっ娘はワンピースだけどね。

それはそれで心地よくシュールです。


幻想種そのまんまなエルフっ娘が現代日本の服装。

大変よくお似合いですが、この娘は革鎧の印象が強い。


いつもそうだったから、目をつぶらなくても想像余裕。


だから比較する。

帝国女騎士の完全装備。

エルフっ娘の日常装備。


完全武装ながら機動力重視。

なんだろうな、たぶん。


動きやすいように、軽く薄い。

シャープなフォルムのボディアーマー。

見えないボディライン想像推測特定よゆー。


上げ底や矯正や詰め物なんか、有り得ない。

動きが綺麗だからね。


偽ボディーだけではない。

身に付けている品々の機能美がハンパない。


完全オーダーメイド。

まあ古着以外はワンオフで当たり前な時代だが。


なお異世界に限らないが、中世欧州っぽい世界で服、仕立てたそれを着ているのは少数派です。


それとはつまり、服のこと。

つまり服を着てる人間なんて、ほぼいない。



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