表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第十章「異世界の車窓から」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

408/1003

人間以前

登場人物&設定

※必要のない方は読み飛ばしてください

※すでに描写されている範囲で簡単に記述します

※少しでも読みやすくなれば、という試みですのでご意見募集いたします



本作では一人称で描写される登場人物の固有名詞を使いません。

他の登場人物も複数ある役職名やアダナ等で呼ばれます。


文節の大半は一人称となりそれが次々と入れ替わります。

よって、以下の特徴で誰視点であるのか、ご確認ください。


・一人称部分の視点変更時には一行目を【】で区切ります。

・【語る人間の居場所/誰視点】とします。

・「誰視点か」の部分は「青龍の貴族」「魔女っ娘」など代表的な呼称(役職名やアダナ)を入れます。

・次の行、もしくは数行以内に「俺」「私」などの特徴となる一人称を入れます。


以下設定を参考に誰視点か確認いただければ幸いです。

(書き分けろ!と言われたら返す言葉もございません)




【登場人物/一人称】


『俺』

地球側呼称《司令官/閣下/大尉/大尉殿/たいちょー》

現地呼称《青龍の貴族/ご主人様/ご領主様/我が君》

?歳/男性

:地球人。国際連合軍大尉(陸上自衛隊三尉)。太守府軍政司令官。基本訓練以外は事務一筋。軍政官なのでいつも陸上自衛隊制服(常服)着用。元々訓練以外で戦闘服を着たことがない。


『あたし』

地球側呼称《エルフっ子/エルフっ娘》

現地側呼称《ねえ様》

256歳/女性

:異世界人。エルフ。『あの娘』の保護者。シスターズの姉貴分。ロングストレートなシルバーブロンドに緑の瞳、白い肌。長身(数値不明)。革を主体とした騎士服にブーツに剣が常備。


『わたし』

地球側呼称《魔女っ子/魔女っ娘/幼女》

現地側呼称《あの娘》

10歳/女性

:異世界人。赤い目をした魔法使い。太守府現地代表。ロングストレートのブロンドに赤い瞳、白い肌。身長は130cm以下。主に魔法使いローブを着る。


『わたくし』

地球側呼称《お嬢/童女》

現地側呼称《妹分/ちい姉さま/お嬢様/愛娘》

12歳/女性

:異世界人。大商人の愛娘。ロングウェーブのクリームブロンドに蒼い瞳、白い肌。身長は130cm以下。装飾の多いドレスが普段着。



【用語】


『シスターズ』:エルフっ子(外見17歳)、お嬢(12歳)、魔女っ娘(10歳)の血縁がない姉妹同然の三人をひとまとめにした呼称。頭目の愛娘を加えるときは「+1」とか「+α」などとつける。


魔女っ子、ちっちゃい。

お嬢、ちっちゃくないと主張。

エルフっ子、ベスト3の大きさ。


『Colorful』:奴隷商人に造られたハーフエルフの最高級愛玩奴隷たち。

性格

一番不器用で耳が短い、橙(C)。

その橙をフォローすることが多い、碧(D)。

一番背が高くシスターズと一番話す、翠(E)。

事あると真っ先に前に出てくる、 朱(C。

一番胸が大きくおっとりしている、 白(F)。




言うまでもありませんが確認します。


際連合軍に置いては、日本国国内法が適用されています(※1)。

故にこそ10歳未満の児童生徒に


「意志は存在しない」


ものとみなされます(※2)。

な・の・で当事者同士の合意は無視してください。


もちろん関係が断罪されるに辺り、そもそも本人の意思は考慮されませんが(※3)。


未熟で不完全な判断で父性と男性を混同している彼女たち。

その明白な誤りは、大人が正しく導かなければなりません。


もちろん教化するにあたり、強制するのは必然です。


それを踏まえて。

皆さん(Coalition) 有志( of the) 連合(women)には、不祥事防止措置を願います。


※1:嘘であり、日本国国内法は準用されているだけである。

※2:事実であり、意志表明自体が「無い」と見なされ、法律上「無能力者」と呼ぶ。

最近呼び名を変えたが意味は変わらない。

※3:13歳以下の人間は、意思表示が認められる(意思行為)。

ただし意志に基づく自己決定権(行為能力)は無い(制限的無能力者)。

「無きもの」という前提で「認められる」のは誰かにとって意味(いいわけ)があるらしい。

もちろん、すべてに置いて科学的経験的な合理性は「無い」が法律は道徳や倫理の延長上にあるので当然ではある。


《第13集積地未成年者保護活動に自発的に参集した有志婦人自衛官を鼓舞するM大尉の演説》




【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族右膝/魔女っ娘】


わたしはよーく見つめます。


ご主人様の瞳。

それは、わたしに向いていますが、わたしを見てはいただけません。


わたしがいない。

黒い瞳。

わたしは笑顔を造ります。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――苦しい。


辛いからこそ、感覚が研ぎ澄まされます。


ご主人様の血潮。

衣の先で感じるそれは、とても穏やかで渇きをかんじられるのはあと少し。


ご主人様の吐息。

それが、落ちついていらっしゃるから、いまなにかをなさるおつもりではないようです。


ご主人様の肢体。

その感覚が向いているのは、きっと、らんどくるーざーさんの外。


ううん。

この世の一部を掴み獲っておられるのかしら。

おかしな言い方ですね。


わたしは、そ~っと、ほおずりします。

ご主人様は、わたしの首筋を弄ってくださいました。


わたしの命を掴まれたように感じてしまいます。


ちいさなちいさな、ちっぽけな、わたしを掴み獲って頂けるのは嬉しいです。

わたしを、わたしだけを見ていただけないのは、とてもとても悲しいです。


いつの間にか、わたしはわがままになってしまいました。

ご主人様が望まれた通りに、お気に召される女に。


わたしが、貴男の望まれる形に成れることは、とてもとてもうれしいです。


また見ていただいたときに、ご主人様に喜んでいただけます。

いつもいつも悦ばされるだけですから、この機会は逃せません。


もっともっと、わたしはわがままにならないと。

どうしたら、貴男の欲する身勝手な、貴男に逆らえる、そんな、わたしになれるのでしょうか。




【国際連合統治軍第13集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】


相変わらず空きが無いシート故、俺の足元にちょこんと二人。

シスターズの小さいほう。


半ば俺の膝に乗っているとはいえ、あまりよろしくはない。


分散乗車は断られたしね。

いや、距離を開けたくはないので、俺も強くは勧めなかったが。


小さい子と老人と昆虫はすぐ死ぬ。

取扱注意。


特にこの子たちはね。

シスターズ&Colorfulたち。


占領軍協力者(ばいこくど)被差別種族(ハーフエルフ)


名前だけでもすっごく殺されそう。

歴史に名が残りそうな、すっごく悪口を書かれそうな。

何も知らない奴らに罵られること請け合い。


まあ中世準拠世界に国家なんて概念は無いんだが。

無いモノへの忠誠心なんてものも無い。


ただ郷土愛と一緒くたになった王権や社会への愛着はある。


その辺りを無視したからこそ効率的な支配体制を築いた帝国。

その辺りを無視したからこそ根深い反感と憎悪を溜めた帝国。


それが大陸沿岸部で巻き起こる反帝国暴動へと繋がっている。


帝国の支配が及んで、最短でも10年以上。

半世紀近く支配された地域ですらそれだ。



それが将来、反国際連合暴動にならないと誰が言える?


いやむしろ、そうなると考える方が自然だろう。

そうなれば何がどうなるか推して知るべし。


国際連合軍が情報資産として回収している帝国関係者。

撤退についていかなかった、ついていけなかった人たち。


その惨状は知りたくなかったよ。

※第75話<幕間:善悪の彼岸>より



もちろん今、国際連合軍/国際連合統治軍管制地域であれば安全だ。

危険が少ないという意味で。


広い範囲でそれなりに獲得している現地協力者たち。

直接的に国連軍部隊へ参加している異世界戦士とはまた違う。

異世界社会に依拠したまま俺たち地球人の窓口になっている人たち。


その安全は、国際連合軍の作戦行動に直結する。


現地協力者にもいろいろあるが。

定期的に接触を保つ程度の最大多数。

24時間同行するごく少数の例外。


いずれも同じ。


俺たちと高頻度で接触する必要がある。

ゆえに地球の知識を持ってしまう。

それ自体が機密情報そのもの。


俺たち国連軍の、圧倒的優位。

それは技術でも歴史知識でもない。


異世界側から知られていないこと。


それだけのこと。

たかが、といっても過言ではない。


だからこそ、圧倒的でありながらそれはオセロの様に一手で返る。

だからこそ、現地協力者を俺たち以外に渡すわけにはいかない。



であるならば、切り捨ててしまってもいいかといえば。

そうはならない。


俺たち国連軍の、圧倒的優位。

それは異世界を相手よりも多く知っていること。


俺たちの歴史に共通点がある。

ってこともあるが。


その共通点を洗い出すために、現地協力者が必要なのだ。


魔法翻訳の特徴である、相互作用。

互いの心象や知識が翻訳結果に直結する。


不確実性を埋めるために。

正確な翻訳を手に入れるために。

俺たち地球人に慣れた異世界人が必要なのだ。


戦略兵器そのもの。


Colorfulや黒旗団の異世界兵士ほど効率的ではないにしても。

故にこそ広い範囲で少数ずつ、同じような趣旨の存在を造っている。


必ずうまくいく話ではない。

試行錯誤の上で、偶然性が高い。


いまのところ。


ゆえに現地協力者は、打ち棄てていいものではない。

国連軍兵士の安全よりも重視しているくらい。


必要であれば地域全体を滅ぼしても、彼らだけは回収するくらいだ。


同じ様な隔離環境に在る帝国軍捕虜たち。

彼らに言わせれば、おやさしいことで、となるようだが。


実態は件の如し。



優しくないとは言わないが。

俺たちの優位が失われたら、とてもとても不幸になる。

プランAに切り替わる。


誰にとっても良いことでは無い。

たぶん。

得に異世界の人全員にとって悪いこと。

確かに。


そんなシスターズ。

プラスしてとりあえず殺される異世界規定があるColorful(ハーフエルフ)


もちろん今、国際連合軍/国際連合統治軍管理地域内であれば絶対安全だ。

危険が無いという意味で。


安全な国際連合統治軍基地、第13集積地。

俺たちの部隊以外でも、特に選抜された女性兵士が遠巻きにエスコートしてくれているくらいだ。


さすがにランドクルーザーまで同乗はしてこないが。

子どもたちのストレスに配慮してくれているのだろう。



そういう意味での聖都入り。


その辺りの事情を把握して、無理を通して道理を蹴りだす。

俺の得意技。


ちょっと自慢ですよ?


国際連合が持て余している太守領住民の送還作戦でもあり。

博愛主義傾向が強い魔女っ子の精神安定のためでもあり。

俺と部下一同がまとめてリラックスするためであり。


この子たちが羽を伸ばして安全に過ごせるように。

此処で過ごす間、ほんの数日くらいでも。


なのではあるが。

あくまでも、一時(いっとき)の例外。


いまはな。


それに慣れて気が緩めば、太守領に戻った時に危険だ。

開放感を知ったせいで閉塞した日常のストレスが増えるのも困る。


だからまあ、全力ではなく八分目くらいに羽を伸ばしてもらいたい。

そういう意味で、すし詰め乗車もまあいいか。


適度な緊張が必要。

いまのところは。




【聖都南端/白骨街道/らんどくるーざーの中/青龍の貴族左膝/お嬢】


わたくしは、爪を立てました。

ご領主様の、御膝。


あの娘は最初から掴みついてかじりついていますけれど。

わたくしは、ときおり。


そのほうが意識していただけますもの。

わたくしを。



ご領主様がお考えになっていること。


それは屈辱ながら、わたくしのことではありません。

いえむしろ、女のこと、いえ人のことなど滅多に考えたりなさらない。


気に留めていただいている。

常にお側に居るように命じられる。


それでいい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わけないですわ。


それもいいですけれど。

それだけでは嫌です。


湯殿や閨の中でなら、考えていただけますのに。

考えていただける分、感じるまま以外は許されませんが。


故にこそ、わたくしたちが揃ってあしらわれてしまうのですけれど。


ご領主様に感じていただきます。

それはまだ刻を要しますけれど。

いつかいつかは、かならずや。


それはきっと、わたくしが未熟だから、ではありませんわ。

まったくない、とは申しませんが。


ご領主様。

お考えになることが多い方。


自分の女たちを見て、確かめ、その上で別なことをお考え。

こうなると、わたくしにできることはありません。


まだ。


お邪魔をしないで済んだこと。

それを誇るしかありません。


でも、ここからですわ。


ご領主様が常々、興を感じておられること。

それに、わたくしなら、お役に立てるはずです。


わたくし、たち、自分の女のことではなく。

呼吸をするかのようにこなされる戦のことでもなく。


手に入れたばかりの、この世界のこと。


手慰みに、わたくしの髪を撫でられます。

ご領主様。


わたくしの感触を愉しみながら。

その眼と耳は遥を臨んでおられる。


もっとお役に立てます。


時々思い出していただきたい。

ご配慮無用とお伝えします。

甘えと自制を込めて。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ