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完全侵略マニュアル/あなたの為の侵略戦争  作者: C
第二章「東征/魔法戦争」

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40/1003

戦争はクリスマスまでに終わります(史上初)



国際連合総会は下記事項を決議した。


安全保障理事会勧告より


〈プランB〉


を選択し承認。

軍事参謀委員会提出の


〈スケジュールB〉


を付随作業として承認。裁量権を軍事参謀委員会に付与。


なお〈プランA〉は予備として承認。

実施可否は安全保障理事会に委任される。



《A/RES/ES-11/0:国際連合第11回緊急特別総会零号決議》




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


俺、いや、俺たちが目を奪われるのは、いつもの事だ。

きっと俺だけじゃない、はず。


三姉妹、親子・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔女っ子シスターズに母と末っ子。


ほのぼのするね。


この組み合わせ、アニメ名作劇場って感じがする。

魔女っ子ファミリーだと、アメリカのホームドラマ?半世紀前くらいの。


「いやあの」

歴史家。

で?なにかな?

「いえ、司令官が、なごんだような表情でしたから」


同じ姿の5人。

シスターズ+2.

足首まで覆ったローブ。

しかし、エルフっ子だけ顔色悪いか?



「お願いがございます」

皆が呆気にとられる中、頭目が進み出た。



大丈夫だ。眼に力がある。間違いない。

俺は歴史家を見る。

「うむ」

なごむだろ。

いえ、あの格好は・・・全身お揃いのマントって、とかいう歴史家の声がする。


「ありがとうございます」


小声を遮る凛としたお礼。

頭目が跪いた。俺に。


なにが?




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前】


あたしたち五人を見た青龍の貴族は、承認。


頭目が申し出た。

すぐに「うむ」と頷いた。

普段は反応すらしない。却下しなければ承認、な扱いのくせに。


しかも。


内容すら聞かずに肯定。

そんな軽はずみな、とは、思うけど。

まあ、青龍が何をしても、あたしが怒る筋合いじゃないし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最後に、あたしの目を見た、よね。


あたしの希望、と、気がつかれた?


いや、頷いたのは、急いでいた、いや、急かしたとかそういう事だろう。


青龍は時間の無駄が嫌い。

いや、無駄をする発想がない。


前太守の遺産があると聞くや、奴隷市場の資産を確認。

そのまま奴隷市場に本陣をすえる。

ただそれだけで、奴隷商人を屈伏させることになり、同時に港の有力者と距離をとる事を兼ねる。


デタラメ?まぐれ?まさか!


そんな偶然があるなら、誰もが仕事を放り出して賭博場で稼いでる。

要は、イカサマだ。

種も仕掛けも見えないけれど。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いけないいけない。種も仕掛けも『無い』ような気がしてきた。

ちがうちがう。

考えすぎ。


いまは!青龍の貴族が何を急ぎ、何を望・・・・・・・・・狙っているか、突き止めないと。


御披露目。


着飾らせた、って事はあたしたちを見せたい、わけよね?

誰に?

夜明けから?


先頭にいた頭目が、脇にきた。


「ご領主様にはわかっておられますが」


あたしを見た。

青龍の貴族も見ている。


「まずは大切な方『だけ』に晴れ姿を見せたい、というこの娘の願いを聞き届けていただきましたこと、お礼申し上げます」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――は。

なななな――――――――――――――――――――――――――――――言ってないしそんなこと!!!!!!




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


俺に拒否権はない。

ってか、承認済み、という前提で話だけじゃなくていろいろ進む。


いつものこと。


いろいろ命令し忘れたり、聞きそびれたりしてるからなあ。

反省。

みんな、頑張れ!


と言う間に曹長以下兵士が退出。

何故だろう。


「あんたが了解したから」


おぅ。

ワスレテナイデスヨ。

なにしろ知らなかったくらいだ。

まあ、先発させたから、兵は三人しかいなかったけど。


これでこの部屋は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?

俺はいていいのか?ガールズトーク的な事になると辛いんですけど。


トラウマがね?


女の買い物に付き合わされたあげく、会話から置いてかれてボッチ。

あれつらいよ?


御披露目をまつシスターズ+ファミリー。

元カノとハナコ三尉。

ハーフエルフ達。

歴史家。

神父。


おい。

理由はわからんが、おまえは違うだろ。

曹長が出て、お前がいて、いい訳がない。


「NONONONONONO監察官はコミッサールのニューface!いつもアナタをWatchユー!ホワッ?born timeベツでもイクときは一緒ネ!」


なるほど。

俺と一緒を口実に。


つまり『俺は』いていいらしい。


元カノが拳をならし始める。

いや、神父は喜ぶから。

体格的に三尉はむり。

セクハラの危険性大。

いつも神父を蹴り出すエルフっ子は論外。

なんか頭目を睨んでるし。


よし、曹長をまた呼んで・・・・・・・・・・・・え?俺は事務職だから、荒事はね?


カチッカチッ。


耳に、正確には顎の骨に、響く呼び出し音。

インカムを抑えたのは神父と俺。


指定隊内通信。士官のみ共有。すぐにPtoPになる。


神父が部屋を走り出た。


「三佐から通信」


俺は歴史家に聴こえるようにつぶやいた。

歴史家は走って追う。

ファッションショーより、軍用通信を優先するジャーナリストの鏡。


何を吹き込まれて役目を負わされたのか。

神父が、まったくふざけなかったが・・・・・・・・・・・・俺の対処が必要なら、三佐が俺に言うか。


「はじめろ」


何を、とは言わない。

わからないからな。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/中央庭園/軍政司令部】


ドレスというのは夜のイメージがある。


実際には照明技術未発達な世界で、着飾る社交は昼間行われた。


だからこそ、陽光を考慮してドレスが生まれる。


「んですYO!」

「どこまで信じてよいのですか?」


「Me?Question?」

「信じませんから大丈夫です」


歴史家と神父。

本音と法螺。

吹きまくる神父に、とにかく喋らせる歴史家。


情報量が多くなれば、事実を浮き上がらせる事も出来る。


「CIAレジェンドのムダメシぴーぽーならOKOK」


山のようなアナリスト(と言う名のクロスワード愛好者)を無駄に動員出来れば、可能かもしれない。


「はいはい」


歴史家はむしろ神父が止めたから、この方法に見込みあり、と考えたようだ。


「CQCQ!JapaneseOnly!OK」

『何故』

「盗み聴きは歴史の基本です」

『わかった』

「基準を満たしました」

『プランC開始』

「了解。Good luck!」


歴史家は目を丸くしたままだ。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前右】


わたしはワクワクします。知らない人たちが相手なら、しょんぼりしてしまいますが。

でもドキドキします。

ちいねえ様も、ねえ様もいろいろ教えてくださいました。

服に負ける、とは思いません。

なんだかわかりませんが、ねえ様たちが選んだんですから!


ご主人様、お気に召していただけますか?




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前左】


わたくしは少し周りを見回します。

ご領主様も、わたくしにはそれを期待していらっしゃいますから。

あの娘は大丈夫。

動きばかり気にしないように、仕草を抑えたかいがありますね。


わたくしたちは、

美しく(主に、ねえ様)、

可愛らしく(主に、わたくし)、

愛らしい(主に、あの娘)。


自信を持って挑めます。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


三人姉妹。

親子。

・・・・・・・・・大家族?

俺の言葉とともに、全身を覆う長衣を落とした。


エルフっ子。


赤いキャミソールドレス。

股下に迫る赤革ロングブーツ。

ストレートロングな銀髪を前に流している。

胸元でどうしても左右に分かれるから、縁取りのようだ。

緑の瞳をまっすぐに向けてくる。


魔女っ子にお嬢。


エルフっ子の両脇を固めする。

お嬢が演出だろうから狙ったな。

思わず、顔がほころんだ。


白と黒。

フリルをふんだんにあしらった、いわゆる、地球の日本で言うとこの。

ゴスロリ。


白は魔女っ子。

ストレートな腰まで届く金糸の流れ。白いドレスに刺繍されているようだ。

赤い瞳に頬を染め、上目使いで見上げてる。


黒はお嬢。

ウェーブのかかったクリーム色。髪が絵画の一筆のように、黒いドレスに浮き上がる。

蒼い瞳はまっすぐに、俺の瞳を射抜いている。


二人とも、ミニブーツで足まわりに不安はない。



そして、親子。


頭目とハーフエルフの母子像。


母が子供を抱き上げる。

赤毛に紫、体にフィットした乗馬服。上下で濃淡を分けているな。

なんとなく神聖さのようなものを感じてしまう。

単純だと笑えば笑え。


ただし、肩から上にやや下が剥き出しで、胸元も大変なことに・・・・・・・・・同じデザイン、ペアルック状態な子供が母の胸にすり寄ってるから想定外?!


まて、よせ、止まれ!!!!止めたげて!




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前右】


わたしはご主人様だけ見ていたのですが、そのご主人様の視線が・・・・・・・・・・・・・・・はい!!わかりました!

わたしたちは慌てて、あの子を抑えにかかります。

違うのよ?遊んであげてるんじゃなくてね?ちょっと、痛いから、引っ張らないでね。

わわ!




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前左】


わたくしは、あの子に遊ばれてるあの娘を引き離しつつ、割って入りました。

やはり、キチンと躾ないとダメですね。

なぜ本気で怖がりますか!わたくしにかなうわけないでしょう!!!

や!!!!!!!!!!




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央】


あたしは三人娘が頭目と団子状になったのを見て、笑い出してしまった。


笑い事じゃないけれど、着飾って、澄まして、なんか100年早かったかな。

おっと助けなきゃ。


あらあら、妹分にあの子が怯えて・・・あたしにしがみつかれてもね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと、ちょっと、胸元にしがみつかない。布地少ないから。


「や!!!!!!!!!!」


妹分の声。

ぽろり。

と、頭目!出てる出てる!


「上着取って!」


あたしは半裸、になってしまった、頭目を背中にかばい、振り返って妹分達に指示。


「ねえ様!出てます」

「お二人ともコレを」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――え。



【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


俺は凍りついた。

お面状態?デスマスク?


ここ数日、人目を気にしてばかりだったというのに、なんたる醜態!


指揮官はまず役者でなくてはならない。

常識だ。


とはいえ。

これは仕方ない。


え?


これも、じゃないかって?他に無かったかって?


例外とは常にあり続けるのだよ。

もとい。


どれほど嬉しい瞬間でも、凍りつく時がある。

我が人生に一片の悔いなし!!!

そう絶叫すべきとわかっても、だ。


もちろん、絶叫するための深呼吸で肺を痛めた訳じゃない。

例えば、そう例えば、エライことになっている。


今。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央】


――――――――――みられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられた――――――――――。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


さあ、気分一転。

切り替えが必要だと俺は思うんだよ。

エルフっ子も頭目も服はなおっているよ。

当然だね。

破れたわけじゃないから、押し込んだっていうべきかな?

大変だったよね。

エルフっ子なんか肩掛けしっかりと巻いてるね。

目を合わされても困るけど、そらされても気まずい。


正しい回答のわかる人!

いませんでした!!


仕事しよ。


思うに作戦を参加者すべてが理解する必要はないのだ。

今回の作戦は単純であり、エルフっ子ならアドリブ一つで済む話。

ってか、お留守番だしね。


「よろしいでしょうか」


頭目。


「わたし達のなすべきことは、街を散策しながら、港を抜け、倉街に至る」


その通り。


「かしこまりました」


持つべきは、優秀な現地協力者だな。ツいてるツいてる。


「別のお話、よろしいでしょうか」


うん。よろしくない。


「ありがとうございます」


自動承認制度!


「先ほどの件」


蒸し返すの!


「申し上げるべき事、確認すべて事が」


俺は姿勢を正した。なにやら真面目な話か。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央】


――――――――――みられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられたみられた――――――――――え。

頭目の声。


「先ほどは失礼いたしました」


そう、そう。

あたしは何をしてるのか!肌をさらす、なんか、たまたま、機会がなかっただけで、大したことじゃない。戦場で血を落とすために、河原で脱いだことだってあるし。

もしかしたら見られてたかもしれないじゃない――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

全然考えてなかった。

いえいえいえ。


よし!冷静になった!


頭目の声。


「お見苦しいモノをお見せいたしました」


む。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


俺はどう答えればいいのだろうか?


答えるべきではない。本能が告げている。

本能の音はM-14の装填音と同じだ。

いや、背後から聞こえてくるし。


間を空けないでください。


さっさと答えろ、と沈黙が告げている。


勘弁してくたまさい。


何でもはしませんが、出来るだけ希望にそいますから。


あれ?着剣音がしたぞ~。


そうですか、ダメですか。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前右】


わたしたちは、ねえ様が心配です。

こんな姿は初めてです。

お怒り?

戸惑い?

不信?


「お見苦しいモノをお見せいたしました」


頭目さんの声。

ご主人様の声が答えます。


「よい眺めだった」


とっさに顔を上げたねえ様。

真っ赤になり固まっておられますね。


「だが、私を楽しませるのがお前たちの役目ではない」




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央】


あたしは、続く言葉を刻まれた。

胸の奥に。


「我々を不快にさせろ」


あたしたちに、青龍の貴族が望む事。


憎まれていると知らせろ。

狙われていると知らせろ。

誤っていると知らせろ。

手遅れだと知らせろ。


頭目も、意外過ぎたのだろう。戯れ言では済まなくなった。


「では、皆様を悦ばせるのは?」


獰猛な笑顔を浮かべた青龍の女将軍。青龍の貴族は仕草で彼女を黙らせた。


「敵だ」


戦う事で、追うことで、殺し殺されることで。

青龍を楽しませる。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


元カノを黙らせる為に先回り。


仕事(戦争)が楽しいわけねーじゃねーか・・・・・・・・・とは言えないサラリーマン。


失業後に向けてアリバイ作り。

意欲も能力もあったのに、不幸にして解雇されました・・・・・・・・・・・・コレよコレ。


いや、楽しい所もあるよ?

事務屋には事務屋の魅力がね?言葉で出来た世界のミニチュアを触っているような。

わかりませんかそうですか。


じゃあ打ち合わせ再開。




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央】


あたしはきっと笑っている。


傲慢。独善。横暴。青龍のサガ。


だが、きっと違う。そう聴こえるだけ。

最初からそうだった。


悪意に無頓着。

殺意を歓迎。

好意は無視。


青龍の貴族は続けた。


「お前はお前の判断で戦え」


あたしの意志も、使命も、イラつきも。


「あの娘達を守れ」


丸ごと飲み干した。



アイツは問うたりしない。誰にも、あたしにも。


敵か味方か。

やるかやらぬか。

生きるか死ぬか。


どうでもいいからだ。


よーし、わかった。

絶対!ぜったい!!ぜったいに!!!

認めさせてやるわ。


あたしは無視していい女じゃない!!!




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間/青龍の前中央/エルフの背後】


わたし、ちいねえ様、あの子は頭目さんを見ました。


「おねえさんはね、わかったのよ」


だから、あんなに、嬉しそうなんですか?


「生き生きするものよ。(押し)倒すべき相手を見つけたんだから」


え?

え?え?




【太守府/港湾都市/奴隷市場の館/奥の間】


俺にもあんな頃があったのか。


ハイテンションな姉。

慌てる妹たち。

なだめるお母さん。

わかってない末っ子。



そう。あれは俺が星を見上げて

「大きくなったらニートになりたい」

と誓ったあの幼き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さておき。



中世は家族の概念さえ曖昧で一般的ではなかったはずだよな?

この世界は西欧風な割に、カトリック教会に類するものがないから明確な意味での結婚制度もない(現時点で未発見)。

だが、目の前にあるのは家族だ。

血縁も何もない組み合わせだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、そうか。


家族という概念が普及するのが地球準拠で500年くらい後。


だとしても、それ自体はあったのか。

もっと曖昧で、未分化で、血縁のような規制がない、自然発生した『ソレっぽい』なにか。

まあ、存在し無けりゃ、そもそも普及しないわな。


いずれこの世界も俺たちが知っているような『家族』が・・・・・・・・・いや。


地球と同じようになる理由はない、か。

なってほしくもない。

せっかく出くわしたんだ。

もったいない。


とはいえ、努力しなくても明日は来るし、それを操る力も止める力もない。

俺のようなその他大勢は、流されるだけで十分だ。

狙わないし狙えない。

創れないし創らない。

生み出すなんてもってのほか。


なら。

ささやかに、お願いしよう。

願うだけ。


出島にはモスクも教会も寺も神社も神殿もある。

持ち出し絶対厳禁未遂のみでも即銃殺だから、オンライン参拝が整えられている。

作戦指示書のわきに、3D化しないでサイトを表示。


カードでお賽銭決済して。

祈りの言葉は?

よし。


俺は、ここに来て理解出来た。

俺たちの存在自体が君たちへの暴力だ。

だから政治家達はさっさと覚悟完了した。

どんな形であれ、これまでの世界はお終いだ。


異世界の君たちは今でも素敵だ。

地球の俺たちは、まあ、イケてる。


『私たちがもっと好くなりますように』


送信・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何見てんだ神父。

いつの間にか戻ってきやがって。


「神はアナタの願いをききとどけました」


神父かよ。神父だが。

俺、仏教徒なんだが。

お前の信徒はあの役人(おぼえてますかー!)だろ。


「忠実な旧来ユーザーより新規ユーザーに特典を、忠実な同盟国なんか放置してつかず離れずの中立国を優先にするようなものです」


世知辛いな!おい!改宗しねーから!!


「この戦争はクリスマスまでに終わります」


フラグじゃねーか!戦争終わらないフラグ!!史上初目指すんか!!!

まだ8~9ヶ月あるけどよ!

にしてもユーラシア大陸くらいあんだぞ?

物量的に制圧なんかできるわけないだろ?

そんな短期間で!

三佐は交渉なんてする気ないしな。


いや、それよりなにより。


神父、たまに、日本語流暢だし、やっぱり、変な外人はネタか??


「GunParade!Go!AMEN!」


慌てて直すな!しかもGun Paradeって何語だ!これから始めるのはMilitary Paradeだろが!!



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