よそはよそ、うちはうち

「泣いてると女口説けねーだろ」

コレ、おじさんのナンパ。

ん？

そだよ。

ってか、ハタチ過ぎたら、おじさんだって！

っていうと、嫌がるオッサン多いけどね。

キモ。

おじさんはスルー。

聞いてみたら、何回目だったかな？

とにかく、そーだっけ？

ってか本気でスルー♪

いやその時は呼び捨て。

おじさんおじさん、ってね。

後から、苗字。

今は、名前にさん付け。

んーなんとなく？

おじさん、呼び捨て、さん付け。

アハハ、だねだね、逆だよね～。

でさ、あ、そだ、ナンパの話か。

そんとき、泣きそーだったんだ。

いろいろあった。

いーじゃん、つーか、おじさんにも言ってないや。

んん？

ひど！

聞かれてない！

ゆるせない！

あ？

ああ、うん、わかった。

まあなきそうだった、ってだけ。

んでも、泣いてないよ、ホントに！

わかるわけないよ、なんでおこなの？

ってきかれるし、そーいう時は。

ぶってる時しか、泣いてる風に見えないんだよね。

だから、かまわれるとウザイから、金ないし、自販機が近い公園？

みたいな、いつものとこ。

誰も来ない時間はわかるからね。

誰にも会いたくないからさ。

いたの、そしたら、おじさん、登場。

ないない、ナンパってとこじゃないけどさ。

そ、ポケットみたいな、スポットのはんたい。

だから、びっくり。

声かけられるなんて思わない。

だからかな？

じゃないや、巧いんだよね。

女扱いしないの。

いつもだけどさ。

態度は雑じゃないし、守られてるけど、なんか違う。

うーん、わかんない。

でもあれかな？しゅくじょ扱い、なんか、女より一歩上になったかんじ。

それに相手次第で使い分けるとこ、ある。

おねーちゃんがいってた。

ヤバいって。

たしかにね。

強引にきて、放置する。

軽くきて、繰り返す。

おねーちゃんは、繰り返し。

こっちは放置。

最初は強引だったくせに！！！！！！！！！！

いっきなり買い物付き合わせてさ、しかもスーパー。

あと普通の街中、あんなとこ、ホテルもなんもない。

だから部屋に連れ込む気かな？

って。まあ、普通なら逃げるけどさ。

なんかタイミングがへん。

そしたら空き地、駐車場みたいな、プレハブ小屋が真ん中。

ガラス戸で外から丸見え。

何考えてるのか、わかんない。

看板に町内会って書いてあるし、部室？みたいな？連れ込んで、何かって料理だよ料理？そばにジジババ、時々うごくし、ストーブおでん煮てるし。

そこでポトフつくり。

はぁ？

ってなるじゃん。

西洋おでん、って言ってる場合じゃねーし。

ジジババ、いるし。

やることないから、芋切ったり剥いたり。

で、午前中かけてポトフ作って、がっつり昼たべた。

あと？

電車乗って、でっかい公園へ。

車は近所で借りてるみたいだけど、運転面倒だってさ。

ズレてるよね。

自前じゃなくても車乗せない？

でも電車。

変。

駅前でジャージ買って。

マジ。

三越にジャージ売ってるって、始めて知った！

最初のプレゼントがジャージってさ、わらいもんだよ～も～女の子の初めてなんだからさ、ひでーよね。

で、あと公園ってもデカいから、休みだし、ママさん子供がたくさん。

いっちいーち、紹介しやんの。

しらねーっ、おじさんの知り合いかしらないけど。

みりゃわかんでしょ。

知らない相手とふつーにゴハンしてる。

で、ガキどもとキャッチボール。

ないよないよ、付き合ってやったけど。

そしたらちょーしのって。

じゃ、ってにげようとして、女置いて。

アホかー！

しかも、ナンパしにいくから、じゃ！

って、じゃねー！！！！！！！！！！

煽るよホント。

こっちも怒るよ。

ガキども使ってホールド。

夕方まで鬼ごっこ。

まったくさ、ナンパについて行ったの初めてだけど。

これは違う、わかるってば。

初めてのお姫様だっこが、小学生たちにおっかけられて、とか。

ひっどい、思い出。

しかも夜、うちまで送られたし。

途中まででいい、お母さん居ると思うし、って言うのに無視。

まあ、無視は最初から今までだけど。

ぜんぜんひとのはなしきかないの、ムカつくとこなんだけどさ、全然。

玄関どころか、リビングまで送られて、夕食食べて帰った。

マジ。

お母さん、おねーちゃんがいるのに。

適当なレトルトが恥ずかしいったら。

おねーちゃんと一緒に、料理教室探して入った。

うん。

でも、よくごまかせたよ。

ナンパした日のうちに、女の子の家に上がりこんで、家族と和気あいあいってさ。

それが二人の、なれそめかな。

《異世界転移後の日本列島内で暇しているところで異世界大陸に出征した仮名で言えばハナコ先輩のごり押しでも始めると夢中になってしまう恋バナ好きの女子大生複数が収集を続けている証言のうちＮｏ２１》

【国際連合統治軍第１３集積地/白骨街道/ランドクルーザー車内/中央席/青龍の貴族】

俺がやるべきは簡単。

この子たち(Ｃｏｌｏｒｆｕｌ)が患っているのは実感と認識の不一致。

愛玩奴隷としての認識。

子どもとしての実感。

かなり似てるよ？

マジでマジで。

さてさて、子どもを人間扱いしている親なんぞ、どれほどいるのやら。

区別がついてない奴はけっこう多いからね。

ただし形式的にでも、愛玩物と思ってはいけないと思っている、そのことの意味は軽くない。

在るべきとされている姿がどんなものか、理解できない事すら直感できないとしても。

異常性への自覚さえあれば、正気に踏みとどまれるから。

踏みとどまれているのが、果たして多数派とは言わないけれど。

俺みたいに自覚して無視する奴はまずいまい。

繰り返すが俺は差別主義者である。

時々自分で確認しておかないと。

まま、それは海の向こうの日本列島の話。

此処は異世界、いや、地球の先進国と混ざった、多世界。

俯瞰できる場所に出くわした、わが身の幸運に感謝。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌの状況は、俺の方が本人たちより良くわかる。

似て非なる環境ってのは、混乱を招いて当然。

空間失調症、自分の位置が判らなくなるやつ、みたいなもんだ。

五感は正常で情報はあるのに、その解釈ができなくなる。

ぷにぷにを掴んでいるのは判るが、それがほっぺだとわからない。

そんな感じ。

ならＣｏｌｏｒｆｕｌに立脚点を造ればいい。

俺になついてるってのは、俺を認知してるってこと。

俺をＣｏｌｏｒｆｕｌのランドマーク、基準点にする。

撫で転がして、甘えさせるだけでいいんだけどね。

大人が子どもにするように。

そのうちに爪を立てて、自分の場所だと主張しだせばしめたもの。

適度に抑えつけて踏んづけて引きずりまわして、時々支える。

自分についている脚を、己で歩ける能力を自覚させる。

そのうち拳を振り上げることができるようになる。

やってることは、出征前と変わらない。

俺の日常ではないか。

それで子供の出来上がり。

あとは勝手に動き出す。

それで大人の出来上がり。

そこまでついていてやる必要はないし。

子どもとして自立すれば、あとは勝手に大人の階段を上るであろう。

そうだなー、俺がやるのは、膝に爪を立てさせるところまででいいか？

Ｃｏｌｏｒｆｕｌなら、猫より手間はかからん。

一人一人で十分、やっていけるからね。

可愛いから大丈夫

――――――――――それは大変な力だ。

いやホント。

可愛い。

綺麗。

格好いい。

だけ

――――――――――で、十分以上にやっていけます。

異論反論がある輩は、Ｃｏｌｏｒｆｕｌを見たことがないだけだ。

俺のような目利きは、Ｃｏｌｏｒｆｕｌに出会う前から気がついている。

シスターズに出会って確信を深めたくらい。

脱いだらスゴくなくても大丈夫。

嫌凄いのは知ってるけれどね。

異世界は知らんが、地球人類相手なら大丈夫。

更に上も狙えます。

足場がないと、何処にも行けない。

足場があれば何処にでも行ける。

三ヶ月で優勝を狙えます。

まーかせて！！！！！！！！！！

俺が帰る時には、立派な子どもにしてみせる。

なんでも思い通りになり、傲慢に振る舞えるようになる。

そうなれば俺も安心して帰国出来る。

いくら三佐でも、子ども込みで嫌がらせをしかけては来ないだろう。

いくら俺をイジメる(働かせる)のが趣味でも。

三佐の趣味嗜好は信用できる。

あの女は自分が気に入らないことは、絶対にしない。

嫌いな奴を殺さないのは、後回しにしているだけ。

もっと楽しいことが終ってから。

爪をといでるだけかも。

つまり？

つまり、俺がどんな目に遭ったとしても、三佐にとってそれが楽しいことなのだ。

つまり、シスターズ＆Ｃｏｌｏｒｆｕｌと一緒だから、最近アタリが軽いのかな？

子どもに流れ弾が当たらないように、気を使って狙撃している感じ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いえ、違いますよ。

こども(Ｃｏｌｏｒｆｕｌ)を三佐からの楯にしようなんて、おもいつきませんともチラリとも。

こども(シスターズ)なら、ちびっこが二人もいるから無敵の盾だなんて考える奴がいたら諭してあげます。

結果として子どもたちも被害を受けないからいいよね、なんて考えたこともありません。

見返りを求めた付き合いなんて、女相手以外にしたことありませんし。

元カノはカテゴリー違うし。

三佐やマメシバは、性別の前に三佐やマメシバだし。

だいたい、だいっきらいなんで。

情けは他人のためならず

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ねーよ。

周り回って、自分にも良いことが起こるかもしれない？

乞食か！！！！！！！！！！

いや、仏教的なそれと一緒にされてはい

けない

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・物乞いか！！！！

与える側が欲しがってどーする。

頭を撫でる時。

メシをおごる時。

屋根と寝床を貸す時。

なんかよこせ

――――――――――そこまで自分を侮辱できん。

しなきゃいけないなら、死ぬ、くらいに辛い。

さておき、異世界事情を忘れている訳じゃない。

ハーフエルフ差別を、あらゆり差別を、多少なりと軽くなど出来やしないが。

Ｃｏｌｏｒｆｕｌには翻訳能力があるし、日本人の余所者対処能力は異常。

敬して遠ざけさせたら、大和民族の右に出るモノはない。

お客様として生涯もてなされるくらい、余裕綽々。

俺たち地球人を利用して楽に生きよう一度っきりの人生。

さあ！！！！！

わがままになるがいい！！！！！

出る杭が子ども。

打つ鎚が大人。

お兄さんはそういうの得意ですよ？

ま、それはおいおい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まずは子どもにしなきゃな。

かいぐりかいぐりしていれば、いつか立派な御子様に！！！！！！！！！！

Ｃｏｌｏｒｆｕｌは引っ込み思案、よく言えば奥ゆかしい、今は。

五人そろえば濃淡はあるが、概ね控えめなのは全員共通。

とりわけ控え目なのは橙。

ちょうど俺の正面でぼーっとしてる子。

耳の尖り具合も控えめだ。

それがコンプレックスらしい。

だから俺が、ちょくちょくつっついている。

スタイルも控えめなのは、Ｃｏｌｏｒｆｕｌの中での話。

自分でどうにもならないと凹凸は、大変我侭です。

体だけは大人だからね。

地球人類比で言えば、黄金律なんて目じゃない。

ところどころ発達し過ぎているところもあるが、バランスがいい。

新しい黄金律を人数分こしらえる勢いです。

けっして控え目な日本人女性平均数値に比べてはいない。

平均と比べること自体が間違いなんだな。

エルフとハーフエルフは。

けっして控え目な数値が嫌いではないのはどうでもいいですかそうですか。

ただこれだけは言っておく。

控え目な数字も我侭な数字も大好きです。

で、これから我侭になるＣｏｌｏｒｆｕｌのすでに我侭な数字。

そこには、ある、基準が、ある

――――――――――いかん。

ヤなことを思い出した。